現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

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第21話から第23話

第22話

 

 現在麗しき巨乳のお嬢様方が書斎を荒らし回っています……

 

「無いわね?キュルケ、モンモランシ、ディテクトマジックはかけているの?」

 

「片っ端からかけているけど反応は無いわ……ねぇ直接聞いたほうが早くない?」

 

「駄目よ!そんな本を欲しがっているなんて知られて良いの?」

 

「お嬢様方、そろそろお帰りの時間になりました、ツアイツ様がロビーでお持ちです」

 

「チッ……タイムアップね……仕方ないから次回また頑張りましょう」

 

「ルーツィア……本当に此処に有るの?」

 

「禁則事項です……その質問にはツアイツ様の許可が必要です」

 

「はいはい、では帰りましょう」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「おまたせ」

 

「ん?皆何か疲れてない?」

 

「「「問題ないわ」」」

 

「そっそうかい、それでエーファ学院に戻るがソフィアへの説明は終ったかい?」

 

「はい、全て完了しております。支給品も全て馬車に積み込み終了です」

 

「ソフィアはなにか分からない事は有るかい?大丈夫かな?」

 

「はい、有難う御座います。問題無いです」

 

「では学院に戻ろうか……それじゃ御者をお願いね」

 

「はい、畏まりました」

 

「ツアイツ様、そろそろ暗くなる時間帯ですので護衛を付けさせて頂きます」

 

 見れば馬車の周辺に騎馬武装兵が6騎待機していた。

 

「気が利くな……有難う。確かに御者がソフィアだけだと危険だったね……では出発しよう」

 

「凄いわね、あの屋敷って武装兵までいるのね」

 

「うん、常時20人は詰めているよ。他国の貴族で成功しているからね。恨みや嫌がらせ対策さ。エーファが気を利かせたんだよ。

御者が女性一人の貴族用の馬車なんて襲ってくれって言ってる様なものでしょ。実際襲われても返り討ちできるメンバーだけどね」

 

「確かにスクエアにトライアングルのメイジが1人づつで爆発特化型のメイジまで居るもんね」

 

「それと忘れちゃいけないけど治療の得意な水メイジも居るでしょ?」

 

 モンモンに向かってウィンクをする。

 

「えっ……うん、その……ありがと」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

某ゴールド

 

 このさり気無い優しさがグッとくるのよ、やはり良いわ如何しても欲しいわ。

 

某ピンク

 

 全くタラシじゃないの、このメンバーでドットメイジを持ち上げるなんて……あの縦ロールもウルウルしてるわ。

 

某レッド

 

 女性の扱いが上手いわね、取り返しが付かなくなる前に強引に既成事実に持っていこうかな。

 

金・桃・赤

 

 さっさと喰われて(喰って)おきましょう。そろそろ危ないわ……早い者勝ちを狙うわ。

 

 

「その……なんて言うか……そのハンターの目は止めて貰えるかな?凄く怖いんだけど……」

 

 

 

某ゴールド

 

「ふふふっ……安心して痛くしないから……」

 

某ピンク

 

「そうよ最初だけよ怖いのは……」

 

某レッド

 

「いやよいやよも好きのうち……よね?」

 

金・桃・赤

 

「大丈夫、天井のシミを数える内に終るから……」

 

 

「何言ってんの女の子がー!」

 

「くすくすくす……勿論冗談よね?ルイズ?」

 

「くすくすくす……当然冗談よ。ねぇキュルケ?」

 

「くすくすくす……勿論安心して。私達ツアイツ以外にはそんな事はしないから……」

 

「……戻ったら皆で一度O・HA・NA・SHIしましょう。誰が一番目かを……」

 

「そうね……貴女達にどれだけの耐熱性能が有るか試してあげるわ」

 

「あら?爆発の衝撃も結構キツイわよ」

 

「それなら口に入れるもの全てを警戒しないと私には勝てなくてよ」

 

 

 会話さえ聞かなければ美少女達の微笑ましい会話風景なんだが……怖い。

 

「その……僕も警戒の為に御者席に行くよ……賊が攻めてきたら大変だからね……じっじゃあ外に居るね」

 

「「「くすくすくす、大丈夫よ。そんなに警戒しなくても……今は未だ襲わないから……」」」

 

「いっいや賊を警戒してるんだよ……大丈夫!賊には指一本触れさせないから……ね?」

 

「「「指一本じゃなくて両手で一杯触れても構わないのに……ねぇ?」」」

 

 

 ツアイツは外に飛び出して御者席に座り周囲の賊と馬車の中を両方警戒しなければならず学院に戻った時は疲労がピークになった!

 ソフィアと護衛の者達は主人が何をそこまで警戒しているのか不思議がっていたが……

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 何だろう今日の彼女達は、狼の前の兎の気分だった。今夜は部屋に居ては危険な気がする、そうだ他の部屋に泊まろう。

 

 しかし誰の部屋が……ギーシュ・マリコヌル・ヴィリエ……レイナール・ギムリ……

 

 駄目だ!誰も危険な気がする。まさか男子寮に押しかけては来ないと思うが?

 いや彼女達を甘く見るのは危険というか愚かな行為だ。ふっと机を見るとゼロ戦の技術解析報告書が目に入った……

 

 これだ!

 

 そんなに接点がないから彼女達も盲点だろう。コルベール先生自体はこの技術書と研究の感想などを話せば喰いつくハズ。

 

 よし!

 

 夕飯の後に研究室にお邪魔しよう、ソフィアは早めに部屋に戻そう。巻き込まれたら可哀想だしね。

 そして深夜に男子寮が謎の火災と爆発音と異臭騒ぎが有ったがコルベールの研究室のソファーで眠っていたツアイツは知らなかった。

 

 

 

 アルヴィーズの食堂にて

 

 

 

「あれ?どうしたの?皆傷だらけじゃない?」

 

 新モテナイーズのメンバーは負傷している。

 

「「「金桃赤の悪魔が…「おはようツアイツ」……ナッナンデモナインダ……キニシナイデクレ?」」」

 

 そのままバラバラと席を離れて行った、あのマリコヌルが朝食を残すだって!

 

「「「ねぇツアイツ?昨晩は何処に居たの?」」」

 

 左右と正面の席を陣取られ花の様な笑顔で女性陣が話しかけてきた。

 

「外面如菩薩内面如夜叉」

 

 昔の人は良く言ったものだ、だが嘘を付くときは平常心を保つ事が大事なんだ。

 

「昨夜は気になっていた技術報告書についてコルベール先生に相談したんだけど話が盛り上がっちゃって気付いたら研究室のソファーで寝てたんだ。お陰で体中が痛いよ」

 

「「「そうなんだ。でも無茶はしないでね、今日は早めに自室で寝た方が良いわよ」」」

 

「……そうだね、有難う、早めに休むよ。」

 

 駄目だ諦めてない、今夜はギトー先生を煽てて部屋に潜り込もう……

 その次はオールドオスマンに18禁本で……

 そうして暫くツアイツは教師陣や学院関係者の部屋を泊まり歩き友好関係を深めていった。

 

 

 

 SIDE女性陣

 

 

 

某ゴールド

 

「駄目ね、完全に疑われているわ」

 

某ビンク

 

「まったく往生際が悪いわよね……でもリスク回避能力が高いって事よね」

 

某レッド

 

「無駄に性能が高いのも考えものね、全然此方の思うように逝かないわ」

 

某ゴールド

 

「暫くは今まで通りに接しましょう……油断したら襲い掛かる……良いわね」

 

某ピンク

 

「そうね、仕方ないけどそうしましょう。しかしいつの間にか3人で分け分けになっているわね」

 

某レッド

 

「仕方ないわ、ツアイツは1人の女性で満足出来ないでしょうし知らない女と浮気されるよりはマシよ。

大切なのは順番よ!それに3人で警戒した方が確実に他の女を弾けるわ!」

 

某ゴールド

 

「男の甲斐性は有り余ってるしそろそろ他の女狐が動き出しそうよね」

 

某ピンク

 

「あんたは良く私達2人が居るのに積極的にアプローチしてきたわよね?」

 

某レッド

 

「本当に見栄とプライドのトリステイン貴族なのに、ゲルマニアのツアイツに目を付けるなんて……」

 

某ゴールド

 

「まぁ……ね。正直最初は結構打算的な部分が有ったけどね」

 

桃&赤

 

「「で、どの辺に惚れたの?」」

 

某ゴールド

 

「無意識の優しさとか年齢に合わない大人っぽさとか……キャ!」

 

 

美少女達の恋バナは続いていく……

 

 頑張れツアイツ君!でも皆巨乳美人だから問題ないだろ!

 

 

 

第22話

 

 おはようございます、ツアイツです。

 

 本当に久し振りに自分のベッドで目が覚めました。二週間に渡る放浪の日々……やっと諦めてくれたみたいだ。

 男性教師陣の後はマルトーさんや宝物庫の当直室にまで推し掛けて難を逃れたが…… 流石に露骨に避けていたのを理解したのか諦めてくれた。

 

 ゲルマニアvsトリステイン!

 

 ドキドキ2国間4P!は色んな意味で不味いだろう。どうみても1vs3の変則マッチだ。

 それに最終的には頂くにしても最初はもっと普通に経験させたい、いきなり複数プレイは教育上宜しくない。

 物事には段階を踏む楽しさも有る筈だ。それに受身では今後の夫婦生活にも影響が出てしまう。

 

 尻に敷かれる結婚生活ではティファニアの件も有るから BAD END だよね。

 

 しかし女生徒が男子寮に堂々と侵入出来る警備体制って実際どうなのよ?

 貴族の子女を預かる学院として大問題だろう……危うく出来ちゃった学生結婚になる所だった。

 

 警備体制についてオールドオスマンに進言したら逆パターンの警備は万全だそうだ……

 それだけこの国の貴族の男は信用されてないって事だよね?

 

 

 この二週間は本当に忙しかった、まさかロングビルさんからあんな相談をされるとは……

 でも対策の目処はたったからティファニアの保護は問題無い。

 

 

 もう何日かすれば全員ウエストウッドより脱出が完了するだろう。

 そしてワルド子爵の方も何度か会見して取り込みに成功した。

 とは言え仕える相手はハーナウ家で有り父上の下になるがこちらも問題無いだろう。

 

 詳細はダブるから省くが概ね「マチルダ&ティファニアルート」を参考にして欲しい。

 みんな大好きワルドさんも挿話の通りの内容になっている……

 

 ※流石に自作とは言えコピペは不味いのでリンクしてるのだと納得して下さい。

 

 

 

 そして今日は上級生の使い魔のお披露目としてワルド子爵が学院にくる予定になっている。

 これはワルド本人から事前に連絡が有った。要は男の浪漫本を用意しておけ……そう言う事だね。

 

 そして原作でも?

 

 当日に知らされた様に今回も事前に学院には連絡が行ってない様だ、警備上の問題で当日にルートを知らせると言う事かな?

 やはりと言うかギトー先生の授業中にコルベール先生がカツラを被り乱入してきた。

 

 お約束の如くズレるズラ!

 

 タバサさんの毒舌でクラスが笑いで沸いた後、正装して迎える準備をしている。

 今回の主役たる二年生が先頭に立ち我々一年生は後ろに並んでいる。

 

 タバサさんはやはりと言うか大きい杖を持ち本を読んでいる。

 

 僕とキュルケのゲルマニア組も後ろの方でのんびりと世間話中……

 ルイズは仲良くなったトリステイン貴族の女子達と神妙な表情で姫様ご一行を待っているね。

 

「ねぇツアイツ、アンリエッタ王女ってどう思う?」

 

「ん?そうだね……国民受けする操り人形だね、立場と心構えがアンバランスだと思うよ」

 

「辛辣ね、貴方好みの胸を持つ王女様らしいわよ?」

 

「うーん?どうだろう……何故か食指が動かないと言うか、自分でも不思議だけど余り関わりたくない気がするんだ。」

 

「ご自慢のリスク回避能力なの?」

 

「何それ?」

 

「ううん。良いわ気にしないで……」

 

 何だろう?第六感?シックスセンスの事か?ブルースウィルスって事?

 

 などと駄弁って居るとペリッソンとスティックスが凄い目で睨んできた。

 そう言えばこいつ等の対応も考えないといけないんだっけ……問題は山積みだ……

 

 ふぅ。

 

 先頭の白馬に跨ったワルド子爵にキャーキャーと黄色い声が飛ぶ。

 確かにこうして見ればイケメンのエリート貴族だし魔法衛士隊は貴族男子の憧れの職業で彼はその隊長だ。

 続いてアンエリッタ王女を乗せたユニコーンに引かれた馬車が来てそこらか降りた王女には主に男性側から歓声があがる。

 なる程人気は高いみたいだ。

 

 確かに可憐な美少女だが……

 

 ピキューン!

 

 僕のバストスカウターが反応した、あの胸は微妙にパットで底上げしている。

 

 これか!

 

 貧でも巨でもない中途半端な胸の持ち主アンリエッタ王女……なっなんて微妙なんだ。

 それともあと一年で急激に大きくなるのか?

 ツアイツ巨乳帝国の巨乳判定はEカップ以上でトップとアンダーの差は20cm以上と厳しく取り決めている。

 この中途半端さは頂けない、ルイズ経由で写本を流してみるか?

 

 しかしパット装備とは本人も巨乳を求めて……

 

「ツアイツ、ツアイツったら……」

 

「ん?すまない考え事をしていたんだ。ごめん。で、何かな?」

 

「なによアンリエッタ王女の事を酷評したと思ったら本人をみたらジッと胸を凝視して心ここに有らずって感じだったわよ」

 

「ん……いや微妙な違和感を感じただけで問題は無いよ……」

 

 まさか僕のバストスカウターが偽乳を捕らえたなんて騒ぎ出したら不敬罪になってしまうよ。

 などと話していたらアンリエッタ王女はオールドオスマンに案内され学院の中に入っていった。

 そして警備を学院側に引渡したワルド子爵が近付いてきた。

 

「本日はご苦労様ですワルド子爵」

 

 思わぬ有名人との会話に周辺の注意が集まる。

 

「ツアイツ先生こそお疲れ様です、どうですか例(新作&新刊の執筆)の件は?」

 

「問題無く(執筆は)進んでますよ」

 

 ザワザワと周りが騒がしくなってきたぞ。

 

「先生?グリフォン隊の隊長に先生呼ばわりだと……」

 

 ザワザワ……

 

「なんで他国の貴族がトリステインの魔法衛士隊隊長と仲が良いんだ?」

 

「そうですか、それは良かった。では後程、部屋の方にお邪魔させて貰いますので……失礼します」

 

 ザワザワ……

 

「敬語?しかも部屋に遊びに行くって?」

 

 ザワザワ……

 

「一体どんな関係なんだ、どう見ても子爵の方が腰が低かったぞ」

 

「ツアイツ……もしかしてトリステインの乗っ取りとか計画していない?」

 

「ばっ馬鹿言ってないでよ、ワルド子爵は僕の作品のファンなだけで深い意味は……」

 

「そう……で、どっちのかな?」

 

「どっちって?」

 

「「「ペンは杖よりも強し……貴方が学院一年に君臨する為の布石の本を流したのね?」」」

 

 気が付けば三人娘に取り囲まれていた……

 

「そっそんな訳ないよ。じゃ僕は部屋を片付けておくかな……じゃじゃね?」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「おい、どうする?なんかヤバイ展開だぞ?」

 

「そうだな……早めに潰さないと不味いかも知れないな」

 

「他の奴らにも声を掛けよう」

 

「しかし魔法衛士隊隊長がバックについている相手に行動を起こせるのか?」

 

「でもこのままでは……ジリ貧だ」

 

「一年生は完全に奴の支配化だし教師陣とも個人的に仲が良いらしい。弟が一年生にいる一部の奴らも取り込まれ始めているぞ」

 

「もはや一刻の猶予も無いな……パーティーまでは待てない、例のプランでいこう」

 

 

 

 微妙な二人の微妙な悪巧みが発動する……

 

 

 

第23話

 

 

 みんな大好きタバサさん活躍する?

 

 タバサは自室のベッドに小さな体を投げ出して天井を見詰めながら悩んでいた。

 少し前にイザベラからゲルマニア貴族のハーナウ家次期当主について調べる様に指令が来た。

 私と違い大勢の仲間に囲まれている男……

 

 烈風のカリンの愛弟子、長きに渡るツェルプストーとヴァリエールの仲を取り持った中心人物、数々の物語を執筆する作者。

 私も彼の作品は全て読んだし何冊かはイザベラにも送った、もっと寄越せと言われた。

 

 実際改めて調べてみると学生にしてはかなりの功績だ!

 

 寝返りをして俯せになり足をブラブラさせながら更に考える。

 

 しかし……

 

 求められたのは裏の功績を調べ可能ならサンプルも持ち出す事だった。

 これはジョセフからも強く言われたらしくイザベラの機嫌も悪かった。

 そして漸く手掛かりを掴んだ、曰く洗脳本を執筆出来るらしい。

 

 書物で人の心を操れるらしい……どう言う事なのか?

 

 お母様の病も治せる事が出来るのか知りたい。

 しかしその洗脳本とは一年生男子にしか廻ってなく口下手な私では情報収集も満足に出来なかった。

 漸く話し掛けても異常な位に皆が警戒し口が固いのだ、この手の情報収集の場合、直接本人に問い質すのは下策。

 十分に情報を集めて最後に接触する、しかし情報はゼロに近い。

 

 

 

 僅かに「マルチ……はぁはぁ」とか「モエ?燃え?」とか専門用語が飛び交うだけで意味が分からない。

 

 そしてそう言う情報を漏らす男達の表情は……一様に気持ち悪い、これが洗脳効果なのだろうか?

 更に悩み続けていた時に先方から接触が有った……手紙には余人を交えず話がしたいと書いてある。

 

 これは此方が調べているのを察知されて先手を打たれたのか?しかし恋文とも思える内容だ。

 思わずベッドの上で立ち上がる、これはチャンスだ!

 

 上手く交渉すれば情報を引き出せるかもしれないしお母様の治療の手伝いをしてくれるかもしれない。

 だが交渉するにしろ何か相手の欲しがる物が必要だろう、そして下を向いて見る……

 

 ストンとしてつま先まで見える起伏の無い平らな胸……心に絶望が広がる。

 

 彼は巨乳好きを公言するオッパイ魔神、そして自分は対極の存在。

 協力を取り付けるのは無理だ、しかし接触してきたなら何らかのアクションが有る筈。

 取り合えず指定の時間に待ち合わせ場所に行ってみよう。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 ワルド子爵が来るという事で男子寮は大騒ぎになっていた、現役の衛士隊隊長が来るのだ。

 女性は流石に立入り禁止だがモテナイーズ達は部屋に押し掛けてきて五月蝿い。

 どう言っても部屋から出て行かないので諦めた……そしてワルド子爵が尋ねてきた。

 

「ツアイツ殿失礼するぞ」

 

 ワルド殿は部屋に居たギーシュ達に驚いたが流石は隊長迄登り詰めた人物!

 

 彼らの質問にも模範解答で対応し逆に貴族とは男とは何たるかを説きそして彼らは感動して部屋から去っていった、流石としか言えない対応だ。

 

「さてツアイツ殿、邪魔者は追いやった、早速例のブツをみせてくれ」

 

 目を血走しらせ迫ってくるこの変態と先程の貴族の見本という様な人物が同一人物なのか?

 

「えーと……貴方は一文字を変えれば本当に有能ですよね、残念です」

 

「貧と巨かい?それはお互い様だろう、君こそ一文字違えば仕えても良いと思う相手だぞ」

 

「それは……有難う御座います。ではこれらが学院で廻している作品です」

 

「でっでは失礼して……ごくり……これは!」

 

「ツ……ツアイツ先生この「はなまる幼稚園」の幼稚園とはどういう学び舎なのですか?」

 

「ああ……それはワルまで書いた学院に入る前の段階で学ぶ場所ですよ」

 

「そっそうですか……こっこの「TO HEART」に出てくるメイドロボとは?」

 

「ああ……それは可愛い女性版のゴーレムですよ。ボケが基本装備の……」

 

「アオイちゃん72cmとリオちゃんの70cmとHMX-12マルチちゃんは68cmだと……ごくりこの挿絵は……ブハッ!」

 

「あっすいません。それ18禁本だった……ワルド殿、平気ですか?」

 

「ハッハッハ全然ダイジョウブダヨ……ソノ18禁本トハホカニモアルノカナ?」

 

「そうですね……後はそれの続編とか有りますよ……はいコレ」

 

「コノミちゃん74cmにサンゴちゃん76cmにミソラちゃん79cmだと……この子達も挿絵が……プッハー!」

 

「ワルド殿……はいテッシュです。」

 

「すっすまない。これは随分と柔らかい紙だね。どうするんだい?」

 

「取り敢えず丸めて鼻に詰めて止血して下さい。後はですね……」

 

「ちょちょっと待ってくれ刺激が強すぎだ。それに一度に全ては頭がパンクする」

 

「そうですか?まだまだ有りますけど……」

 

「えっ……あっあとどれ位有るんだい?」

 

「この棚のココからココ迄ですね」

 

「ツアイツ先生……これ程の貴重な作品をこんな気軽に置いておくなんて問題ですぞ」

 

「そうですか?でも他の生徒達も見に来ますから貸し出ししている分も合わせればもう少し有りますよ。

こちらの2冊は差し上げますが残りは他にも見せていますので……」

 

「そうですな。全てを独り占めだと闇討ちされますね……しかし……残念だ」

 

 指をくわえて物欲しそうに本棚を見つめるワルド殿。

 

「もし良ければ全部持って偏在してみてはでどうです?偏在が消えれば無くなりますがまた借りに来れば良いでしょう?」

 

「たっ確かにそれならこの本全てが我が手に……」

 

 ワルド殿は偏在を2体だし計2冊ずつのコピーを作ると閲覧用と保存用として先にフライで帰らせた。

 

「ツアイツ先生!凄い有意義な時間でした。暫くはいえ当分の間はこの作品群で生きて逝けます。では何か有れば何なりと申し付けて下さい」

 

 ワルド殿は一礼して満足そうに帰って行った、しかし……まだまだウブよのう。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 ふぅ凄い収穫だ、「ワルま」は僕が主人公そして「TO HEART1・2」は18禁本……そして偏在に持たせた多種多様な作品群!

 

 嗚呼…本の海に溺れたいが公務をしなければ……面倒臭ぇな。

 

「アンリエッタ姫そろそろ時間です、会場の方にいらして下さい」

 

「あらワルド隊長、どうでしたか久し振りに許婚とお話出来ましたか?」

 

「はぁ?許婚ですか?違います友人の所に行っておりました」

 

「まぁ!ルイズが悲しみますわよ。許嫁を友人などと呼んでは……」

 

「誤解が有るようですが私とミスルイズの婚約は口約束でしたしとうに解消しております」

 

「そうなのですか!ルイズとは幼少の頃以来会っていませんでしたので……すみませんでしたワルド隊長」

 

「いえ……お気になさらずに。さぁ会場の方に、皆がアンリエッタ姫をお待ちです」

 

「わかりました、でも気になります。ワルド隊長程の人物が尋ねる相手とは?」

 

「ツアイツ先生ですよ」

 

「は?先生ですか?生徒の部屋に伺ったと聞いてますが?」

 

「さぁ時間が有りません。急いで下さい」

 

 

 全くこの中途半端な胸の姫は立場もオツムも中途半端だな、しっかりして欲しいものだ。

 貴女が必死で底上げして隠している胸の秘密は我がバストスカウターで既に感知してますよ。

 

 微妙胸のアンリエッタ姫……

 


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