無垢の少女と純粋な青年   作:ポコ

9 / 26
仕事が忙しくて、ちょっと遅れました。何ヶ月も投稿してなかったのを思えば速いんですけどね。なんかこのペースが普通になってきてる。不思議! 電子の妖精や夕映物語はもう1ヶ月投稿してませんが。この作品が一番反応が良いんだから、しゃーない。ネタに困るまではこの作品ばかりを投稿する事になりそうな気がします。

この数日アビスの二次創作を色々読んでたんですが、中編や長編のルクアリって全然無いですね。短編ならいくつかあったけど。え、多かった組み合わせ? ピオルクでしたが何か。

今回はルークの日記なのです。ルークの日記は本編の後につけようと思ってたけど、それだと読みにくいので閑話として纏めてみました。本編に無かった日常話も入れやすいし。

後、活動報告にこの作品についてかなり重要なアンケートを載せるので、ぜひご協力を。多分この作品では最初で最後のアンケートなので。かなり長いアンケートになるけど、宜しくです。ちなみに各キャラへのアンチヘイトの度合いについてのアンケ。


閑話 ルークの日記1

 ◇ ルークの日記 ◇

 

 

 

 ○月△日

 

 

 今日はアイツの話を俺、父上、母上、ヤナギの4人で聞いた。昼から聞き始めたのに、話が終わったらもう夜になってたけど、そんな事よりもアイツの話した事が気になって仕方ない。

 んだよ……ヴァン師匠がアイツを騙してたって。アイツの過去もなんつーか、色々と思ったけど、それよりも俺はヴァン師匠の事で頭が一杯だ。本当に師匠がそんな酷い事をしたのか? けど、アイツが嘘を吐いてるとは思えねーし……あーもう! 訳分かんねえ! 今日はもう寝る!!

 

 

 ……そういや、アイツが俺の1つ下ってマジなのか?

 

 

 

 ○月□日

 

 

 今日は色々と変な日だった。

 

 朝部屋にいたら外でなんか走りまわる音とか叫び声みてーな声が聞こえてきたから何だと思って扉を開けたら、俺の部屋に誰かが転がり込んできてビビった。まぁ、アイツだったんだけどな。ビビッて損した。

 

 アイツの顔を見たら昨日の話を思い出して嫌な気分になったから追い出そうって思ったけど、泣きそうな顔でクローゼットの陰に隠れられて、追い出そうにも追い出せなかった。あの顔は卑怯だろ。

 

 そしたらガイのやつが朝っぱらからデカイ音で何回もノックしてきやがって、なんかアイツを捜してるみてーだった。メンドくせーからガイに連れて行ってもらおうかと思ったけど、またアイツが涙目で見上げてきやがったから、さっさとガイを追い返した。そしたらアイツ、なんかこう、嬉しそうに笑ってありがとうって言ってきて、その……うん、なんか嬉しかった。今まで誰かに頼られた事なんてなかったから。

 

 けど、嬉しそうに笑ってたと思ったら急に暗い顔になって。俺が何かしちまったのかと思って焦ったけど、話を聞いたら出て行かなきゃダメだとか言って。何でそんな事言ってんだって考えてたら、窓から出て行こうとしてたから、慌てて後ろから捕まえたら子供みたいに叫びながら暴れられて。自分は誰からも嫌われるとか、今まで皆そうだったとか好き放題に言いやがるからムカついて、取り敢えずベッドにぶん投げてやった。

 

 その後は思った事をアイツにそのまま言ってやった。キモい奴等と一緒にすんなとか、ライガってやつに乗ってみたいとか、本当に思った事をそのまんま言ったんだよ。

 そしたらアイツ、何でか知らねーけど変な目で俺を見てきて、その……なんか懐かれたって言やあ良いのか? 自分の事を嫌わないでいてくれるかって聞いてきたから、ここにいる間は相手をしてやるって言っただけなんだけど。

 

 そんなにアイツは嫌われてばかりだったって事なのかな。俺には父上や母上、ヤナギにその婚約者達。屋敷の使用人達とか色んな人が周りにいて、寂しいとか思う暇なんかなかったけど、アイツの周りにはイオンって奴しかいなかったんだよな……それでそいつも居なくなって、師匠にも騙されて……い、いや! 師匠が本当にそんな事をしたって、俺はまだ信じてねーし! でも、アイツは騙されたって思って、それで本当に誰もいなくなって……なんか、俺がもしそうだったらって考えてたら怖くなってきた。

 

 何でそんな酷い目に遭って来たのに、アイツは俺をその……信用してくれたんだ? 分かんねえ……分かんねえけど、その、頼られて悪い気はしねーし。母上達との話でアイツは屋敷に残る事になったみてーだし。ここに居る間は相手してやらないとな。……別に、仕方なくだからな!

 

 

 

 ○月▽日

 

 

 今日はアイツに屋敷を案内してやった。アイツは俺よりずっと背が低いから、脚も俺より全然短いんだろーな。変な人形を抱えて早歩きで必死に俺の後ろを付いてきて、その……あー! なんか変な気分になった! 何なんだよあれ! なんかムズムズすんだよ! 別に嫌ってわけじゃねーけど、なんか変なんだよ!

 

 庭を案内してたらガイの奴がいて、俺にくっついてるアイツを見て、慌てて寄ってきた。それが昨日話した子だとか、怪しいから離れろとか色々言ってきた。アイツもガイを見て怖がってたし、正直うぜぇって思ったから、俺の客だって言って無理やりガイを納得させた。別に間違いじゃねーし。

 

 

 

 ○月●日

 

 

 今日はヤナギとアイツと3人で、庭でお茶会をした……っつーか、させられた。

 俺が庭で剣術の鍛錬をしてたらヤナギがアイツを連れて来て、休憩がてらお茶にしようって言ってきて。俺が返事をする前に、あっという間に準備を済ませちまった。まぁ、ヤナギがこういうその、私的な時は俺の言う事を聞かねえのはいつもの事だけどな。それでも俺が嫌がる事は絶対にしねーところが、ヤナギの凄いとこだと思う。どっか抜けてるんだけど、抜けても良い時しか抜けてないんだよなぁ……ワザとかと思った時もあるけど、ヤナギがそんな器用な事を出来るとも思えねーし。もう4年以上の付き合いになるけど、ヤナギの事は今でもよく分かんねー。

 

 お茶会をしてたらアイツが庭の花について色々と俺に聞いてきて、分かる事だけ俺も答えてたんだけど。何でかヤナギにアイツを名前で呼ばないのを小声で怒られた。何で名前で呼んでやらねーんだって言われてもなぁ……なんか、恥ずかしい? というか。

 そう言ったら、怒ってた筈のヤナギがいきなりニヤニヤ笑いだして、きゃーきゃー言いながら俺の背中をぺちぺち叩いてきた。何だったんだ? あれ。

 

 

 

 ○月◎日

 

 

 アイツ……アリエッタが、俺付きの使用人になった。

 

 朝から母上にアリエッタとヤナギと一緒に呼び出されて。そしたらアリエッタがヤナギに連れられて出て行って。帰ってきたらメイドになってた。……何書いてんだ? 俺。

 

 母上が言うには、アリエッタが客人のままだと屋敷に置いとけねーから使用人にしたって話だった。客のままじゃ置いとけねーのはこないだの話で分かってたし、使用人になるのはちょっと考えたら予想できた。けど、まさか俺付きの使用人になるとかなあ。

 俺には一応ガイがいるから無いと思ってたけど、ガイは俺への不敬が酷いから配置換えって話になってた。まぁ当たり前か。今までそうなんなかった方が変だし。父上が何でかガイに気を遣ってたからだと思うけど、何でだ? ガイの親と知り合いだったとかか? まあいいや。流石に女嫌いのガイがアリエッタと一緒に俺付きになるのは無理だって、父上も分かってただろーし。

 

 アリエッタが俺付きになったのは、俺から離れたくないだろうからって理由らしい。……いや、ここ数日のアリエッタがアヒルみてえに俺の後ろを付いてくるのを見てたら、俺もそうじゃないかって思ってたけどさ! 直接言われたらなんか恥ずかしいだろ!? ……まぁ、ガイとどっちが良いって聞かれたら、アリエッタを選ぶけどさ。

 

 そういや、アリエッタが着替えて戻って来た時、何でか犬の耳を着けてた。母上とヤナギの仕業っつーか趣味らしいけど、意味分かんねー。いや、似合ってたけどな。

 ……父上が兎耳はどうだとか言ったのは、忘れたい。

 

 そういや、ヤナギが言ったのか母上が気付いたのか知らねーけど。アリエッタの主人になるんだから、ちゃんと名前で呼べって母上に言われた。なんか恥ずかしかったけど、いつまでもアイツって言うのもなんか嫌だし、これからは名前で呼ぶ事にした。最初に呼んだ時は少し詰まったけど、名前を呼ばれたアリエッタの嬉しそうな顔を見たら、すぐに気にならなくなった。もっと早く名前を呼んでやれば良かったな。

 

 

 ○月☆日

 

 

 今日からアリエッタが本格的に俺付きの使用人になった事が、広間に屋敷中の使用人を集めて発表された。殆どのヤツは笑って認めてくれたけど、ガイとペールだけはなんか微妙な顔になってた。特にガイの奴は、変な目で俺の方を睨んできてた。もしかして、俺付きから外されて給金が下がるから怒ってんのか? 俺を睨む前に、自分のやった事を反省しろっつーの!

 

 一応、アリエッタが元導師守護役って事と、魔獣に育てられたっていう事は伏せられた。母上が、もしかしたらアリエッタを気味悪がったり、不審に思ったりする奴がいるかもって。うちの使用人や騎士団にそんな奴はいねーって思いたいけど、まぁ用心にこした事はねえもんな。

 

 あ、けどアリエッタが魔獣使いだって事は言ってたな。父上に聞いたけど、魔獣使い自体は珍しいけどいるらしい。アリエッタみたいに友達としてじゃないみたいだけどな。なんか、魔獣の好む匂い袋とかを使うとか……そんなんで言う事聞かせられんのかな? もし匂い袋が事故か何かで無くなったらどーすんだろうな。襲われたりしねえのか? やっぱアリエッタみたいに、友達になるのが一番だよなー。母上が叔父上に屋敷で魔獣を飼える許可を取っておくって言った時のアリエッタは、すげえ嬉しそうだったな。飼うってのは嫌だったみてーだけど、友達だって言っても信用して貰えないって説明したら、ちゃんと納得してた。ま、そりゃそうだよな。アリエッタのことを詳しく知らなけりゃ、俺も信じねえと思うし。

 許可が取れたらすぐに友達を呼ぶってアリエッタが嬉しそうに言って来たから、俺も嬉しくなった。だってあのライガに会えるんだぜ! 流石に屋敷の中じゃ走り回ったりは出来ねえだろうけど、庭を散歩するくらい出来るもんな。早く乗ってみてー!

 

 

 

 ○月★日

 

 

 アリエッタが俺付きになったけど、使用人としての仕事は全然知らなかった。母上は導師守護役だったら少しはそういう事も出来るだろうって言ってたんだけどな。アリエッタに聞いたら、導師イオンはアリエッタを友達扱いしてたから護衛以外の仕事は殆どさせてなかったらしい。導師って、ダアトで一番偉い奴だったんだよな? キムラスカで言うなら国王……まではいかなくても、父上と同じくらいには偉い奴だって母上に聞いたんだけど。そんなんが導師で大丈夫だったのか?

 

 アリエッタが予想より使用人の仕事が出来なかったから、まずはヤナギが徹底的に仕込むって事になった。ヤナギってああ見えて仕事の手抜きは嫌いなんだよな。変に頑固っつーか。アリエッタはヤナギに厳しく指導されて、がっちがちになってた。あんな調子だったら、ヤナギ並になるのはいつになるんだろうな。ヤナギの奴は筋が良いって褒めてたけど、うさんくせー。あれ絶対に世辞だろ。

 

 そういやアリエッタって一応ガイの代わりなんだから、俺の護衛でもあるんだよな。魔獣無しで戦えんのか? 不思議に思って母上に聞いてみたら、また今度うちの白光騎士団の誰かと模擬戦してもらうって言われた。……余計な事言ったか?

 

 

 

 ○月■日

 

 

 

 今日は久しぶりにナタリアの奴が屋敷に来た。当然、事前の報せも無しにいきなりな。いくら王女でも、公爵家にいきなり来て良い訳ねーだろ! 父上も母上も難しい顔をしてたけど、叔父上が大目に見てやってくれって言ってきてるらしいからどうしようもないらしい。いくら同じ王族っつっても、貴族が国王に逆らえるわけねえもんな……叔父上はナタリアに甘すぎんだよ! 俺から何を言っても聞かねえし、マジで何とかしてくんねえかなー。

 

 今日来た理由は、いつも通り俺が“約束”を思い出したかどうかの確認だった。覚えてねえって言ってんのに「早く思い出して下さいませ」だの「愛の力で記憶を思い出すなんて、運命的でしょう?」だとか、毎回毎回同じ事ばっかり言いやがって。ガイの奴もうぜぇけど、ナタリアはそれ以上だ。あんなんが王女で、キムラスカは大丈夫なのか? ……って、俺があいつの婚約者なんだよなぁ。ナタリアの方から破棄してくんねえかな? いつまでも“約束”を思い出さないから愛想が尽きましたわとかで。

 

 俺とヤナギが話すといっつも不機嫌になるから、ナタリアが来てる時は出来るだけヤナギには離れるように言ってんだけど、まだアリエッタにはその事が伝わってなくて、ナタリアが来ても普通に俺の後ろに付いてて、やべえって思ったけど手遅れだった。

 ナタリアがアリエッタの事をイヤな目で見てたから新しい俺付きの使用人だって説明したら、こんな少女を付き人にするとか何考えてんだとか、幼馴染のガイを付き人から外すなんて酷いだとか。アリエッタが14歳で俺より1つ下だって説明したら、浮気をする気かーとか、さっさと付き人をガイに戻せーとか、言いたい放題好き放題だ。アリエッタが怖がって俺の後ろに隠れるから、余計に怒りだして手が付けられなかった。

 いい加減にキレた母上がナタリアを追い返してくれたから今日は収まったけど、これからは今までよりうぜぇ事言ってくんだろうな。ナタリアの奴。本当、どうにかしてくんねえかな叔父上。




 今回はルークの日記でした。ナタリアは本編で出そうと思ったけど面倒な上にどうでもいい話になりそうだったんで、ルークの日記であっさりアリエッタと初会合してもらいました。ティアとルークが一緒にいるだけで浮気とか言ってたナタリアなら、こんくらいの反応はするでしょう。

 前書きでも書きましたが活動報告の方でこの作品の重大なアンケートを取ってるんで、宜しくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。