無垢の少女と純粋な青年   作:ポコ

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復帰しました。経緯は活動報告にて。後書きにアンケートあるので宜しくです。
しかし復帰の為に色々増えてた特殊タグを確認してみたが、面倒すぎぃ! ルビ振り以外は多分太字、斜体、大文字、小文字、震えくらいしか使わないっすわ……。


閑話 ルークの日記4

×月○日

 

今日は二週間ぶりのアリエッタとの外出日だった。まぁ完全に二人っきりってわけもなく、どっかから護衛が見てるんだろうけどな……いつになったら二人で世界を旅出来るようになんだか。

 

まぁそれは置いといて、いつも通りアリエッタと二人で街並を楽しんでいたら、変な奴が気安くアリエッタに話しかけてきやがったんだよ。なのに当のアリエッタは、どっかで見たことある気がするってぐらいの反応でよ。怪しいにも程があんだろ! ……後でそいつを思い出したアリエッタに聞いたら、親しげに話しかけてくるくらいは普通じゃねえの? ってくらいの関係だったけどな……なのに忘れられてるとか……うん、そこだけは少し同情した。

 

けどアイツ、アリエッタの反応を見たらいきなり掴み掛ろうとしてきやがって! そこはぜってぇ許さねえ!! 反射的にアイツの腕を掴んでアリエッタを守れたのは良かったけど、そしたら今度は俺を親の仇でも見るみてえな顔で睨んできて……アリエッタがアイツと会ったのは二回だけらしいし、そのどっちも軽く話しただけの筈なんだけどなぁ……何でアイツ、あんなにアリエッタに執着してんだか。まさか、ヤナギが好きな恋愛小説みたいな一目ぼれってやつか?

もしそうだとしても、アイツは異常だと思う。アリエッタが俺の名前を呼んだら、呪いでもかけてんのかって感じの声で何回も俺の名前を呟いて、最後にはその場所は自分のもんだから、そのうち返してもらう、だぜ? 意味分かんねえし頭おかしいだろアイツ!! その場所ってどこだよ!! ったく……アリエッタも怯えるし、折角の外出だったのに散々だったぜ!! アイツの事を思い出したら怖いのはマシになったみてぇだったけど……あのまま警戒してくれてた方が良かったのにな。アイツぜってぇヤバイ奴だぞ。

 

多分護衛騎士の何人かがアイツの後をつけて調べてはくれてんだろうけど……面倒くせぇ事にならなきゃいいんだけどなぁ。ま、もしもアイツが変な事を企んでても、俺がアリエッタを護ってやればいいだけだな!

 

 

×月×日

 

今日は護衛騎士から、昨日のヤバい男に聞いての調査報告を聞いた。名前はラルフで、何でもそれなりにデカい商会を数年で起業した、商人達の中では一目置かれてる中々凄い奴なんだと。ここ数週間程、商売の為にバチカルに滞在してるらしい。

若い資産家な上に顔も性格も良いなんて優良物件だからか、貴族連中も娘婿にどうかって狙ってる奴等もいるらしいけど、全部一蹴されてて取りつく島もないんだとか。理想が高いのか、女に興味が無いのかって噂まで広がってるくらいには脈なし……な奴らしいんだが、そんなのが何でアリエッタにご執心なんだ? 事情を知らねえ奴からすれば、アリエッタはただのメイドだぞ? わっかんねえー!

 

あ、でも一つだけ気になる報告があったな。以前父上から魔獣使いはアリエッタ以外にも数は少ないけどいるって話は聞いてたんだが、ラルフがその数少ない魔獣使いの一人なんだと。アイツの商会が数年で商人たちに一目置かれるくらい成長した理由の一つは、魔獣達を運搬や移動に使ってるからだそうだ。アイツはしないのか出来ねえのかは知らねえが、鳥系の魔物しか使役してないみたいだから、魔獣使いってよりは魔鳥使いって言うべきか? そりゃ一人だけ自由に空を飛んで商売してたら、よっぽどの馬鹿でもねえ限りは成功するよな……多分。

 

だからもしかしたら、アイツは同じ魔獣使いのアリエッタに親近感みてえなのを持った……のか? アリエッタの事を初めて会った仲間みてえに言ってたらしいし、初めて同じ魔獣使いに会ったなら執着するのも仕方ない……かぁ? でもアリエッタの方はそうでもねえしなぁ…………あ――――!! 何で俺があんなウゼェ奴の事でこんなに悩まなきゃいけねえんだよクソッ! 最近はマシになってた頭痛が再発しちまうだろうが!! もういい! 知らねえ! どうせもう直接会う事なんざねえんだし、忘れる! 忘れた!! 知るかあんな奴!!

 

 

×月△日

 

アリエッタに何で難しい顔してるんだって心配された……そりゃあんなヤベェ奴、忘れようと思って忘れられるわけねぇよな。無理に忘れようとして、変な顔になってたらしい。ヤナギの奴にも変なもんを見る目で見られたし、母上には頭痛が再発したのかって心配されたし……はあぁ。

 

 

×月□日

 

今日は休息日って事で、勉強も訓練も無しで休む日になった。俺はよっぽど悩んでるように見えたらしく、大丈夫だって言い張ってたらアリエッタに涙目でしがみ付かれた……逆らえるわけねぇだろあんなの!!

その後も膝枕はされるわ、飯の時にはその、あ、あーんをされるわ、事あるごとに甘やかしてきやがって……!! 嬉しいけど、恥ずいんだよ!! アリエッタにはヤナギと母上のニヤニヤした笑顔が見えねえのか!? 父上には生暖かい目で見られるしよ! 何なんだよあの自分も通った道だみてえな……みたいな……あれ、そういう事か? ……気付かなかった事にしよう。

はぁ……こんなの、嫌でも元気になるしかねえだろ。狙われてるかもしれねえ本人が大丈夫っつーか、何とも思ってないみてえだしなぁ……はぁ。

 

 

×月■日

 

うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ライの奴、ぜってぇ許さねぇ!!

最近は父上が忙しくて訓練出来ねえから、今日は代わりにライに訓練相手をしてもらったんだが……見事な体当たりで一瞬で吹っ飛ばされた。いや、それは悔しいけど別に良いんだよ。魔獣と闘ったのが初めてなのもあるし、そもそも俺がまだまだ弱いってだけだからな。けどあの野郎! 倒れた俺を足で踏みつけながら嬉しそうにアリエッタに向かって吼えやがって……しかもアイツ、ぜってえ俺の事を馬鹿にしてやがった! 俺を見る眼が笑ってたの気付いてたからな畜生! いつか絶対にぶっとばしてやるからな!!

 

 

×月◆日

 

今日もまたライに負けた……アイツの方が俺より圧倒的に速いのは分かってたから、最初から避けることに集中して、避けたところにカウンターを喰らわせてやろうと思ったのに……まさか避けた所を横っ飛びして追撃してくるとか、んなもん予想出来るかっ!!

今日はこないだの訓練の報告を受けた父上も、忙しい中で仕事の合間に見にきてくれてたってのに、情けねえとこを見せちまった。父上もライの速さには心底驚いてたみたいだけどな……あの訓練に関しては一切の容赦をしねえ父上が、すっげえ優しい声で俺を励ましてきたんだぜ? ライに負けるのは恥じゃねえって。どんだけ凄いんだよライのヤツ……けど、絶対勝つのを諦めねえからな!!

 

 

□月○日

 

今日は朝にライと訓練をして、昼からは月に一度のアリエッタとの外出日だった。前回はラルフの野郎のせいで折角の外出日が台無しだったから、今回はその分も楽しむって決めてたのになぁ……二回続けてこれとか、どうなってんだよ。

まぁラルフの野郎はアリエッタを捜してたんだろうし、今回も俺達の外出日を狙って接触されたのは間違いないんだろうけどな。そりゃ毎月同じ日に外出してたら、少し調べたらいつ俺たちが外に出るかなんか丸わかりだろうなぁ……来月からは日にちをずらしながら外出しよう。もう疲れたから、今日あった事は明日書くわ。一言だけ言うと、アリエッタのヤツ面倒な奴等に目を付けられすぎだろ!?

 

 

□月×日

 

んじゃ、昨日の事について書くか。

昼からいつも通りにアリエッタと出かけて、手を繋いだりなんかして楽しくやってたんだよ。そしたら前の方からフードを被ったくっそ怪しい奴が歩いてきてたから警戒してたのに、少し意識を奴が誰かって事に逸らした一瞬でアリエッタの目と鼻の先に近づかれてたんだ。やべえって動こうとしたけど相手の方が早くて、アリエッタの耳元で何か喋ったと思ったらすぐに離れてどっかに行っちまった。

何だったんだって思ってたら、アリエッタがもう真っ青になってて……アイツの声が導師イオンの声だったっつって……。

 

訳分かんなくなって頭ん中ぐちゃぐちゃになって、気が付いたら屋敷にいて父上達に何があったかを報告してた。我ながら、よくあの状況で何があったかを説明できたと思う。勿論、一番すげえのは一番ショックだった筈のアリエッタだけどな。

で、アリエッタが何を言われたのかと思えば、まさかレプリカの正体を知ってるんじゃないかなんてなぁ……それで、気になるなら夜中に会いに来いだとか、どう考えても罠じゃねーか!! ……いや、俺じゃなくてアリエッタを狙った罠ってなんだよって今なら思うけどな。アリエッタがレプリカの機密を知ってるってバレてたら狙われるかもしれねえけど、それはアイツしか知らねえみてえだし。

 

あぁ、うん。結局は俺とアリエッタの二人だけで会いに行く事にしたんだ。父上達はは人数の指定はされてないんだから、騎士団の精鋭を連れて行くべきだって意見だったんだけどな。俺も最初はそう思ったんだけど、アリエッタがどうしても自分達だけで行きたいって譲らなくて……前々から思ってたけど、アリエッタのヤツ相当に頑固だよな。一応少人数で行けば警戒心も薄れるっつうメリットはあるからって事で、父上達も認めてくれたんだ。まぁ、当たり前だけどすぐに駆けつける事が出来る距離での騎士団の待機だけは父上達も譲らなかったけどな。

 

それで夜中になって約束の場所に行けば、まさかとは思ったけど相手もたった一人で俺達を待ってたんだ。しっかし、結局アイツは何の用だったんだろうな? イオンと同じ顔らしいアイツ……シンクは、最初はアリエッタの事を馬鹿にしまくってたんだよ。自分がオリジナルのイオンかもしれないだなんて、有り得ない事を期待してたんじゃないかって嗤いながらな。勿論我慢できなくて俺はシンクに掴み掛ったんだけど、そしたら今度は俺の方にねちねちと恨み言みたいに文句を言い始めて。俺の事をレプリカって言われた時は驚いたけど、ハッキリと言い返す前に次から次へと言われまくって、正直もう内容の半分も覚えてねー。

 

ただ、シンクが俺に対してはともかく、アリエッタに対しては悪感情を抱いてねえってのだけは……何でか解ったんだよな。同じレプリカ同士だからか?

で、言いたい事を言うだけ言って帰ろうとしたアイツをアリエッタが呼び止めて、シンクの事は嫌いじゃないっつったら途端に焦りだしやがって。俺も便乗して、シンクはアリエッタを助けたかったから助けたんじゃねえのかって言ったら、耳まで真っ赤にして逃げちまった……いや、改めて思い返すと本当に訳分かんねえな。シンクのヤツ、何がしたかったんだ?

 

そういやシンクが逃げる時、また来るって言ってたんだよなぁ……まさかな?

 

 

□月△日

 

本当にまた来てんじゃねぇよっ!!!!




久々に書いたら時間がかかるかかる。
前書きの通り、アンケートを載せとくので宜しくです。当時のアンケートでティアだけは更生の選択肢を入れなかったんですが、改めて考えてたらティアも別にアンチじゃなくてもいけるわと気付いたので。なので、ティアのアンチに関してだけ再アンケートです。

ティアの設定について

  • ティアアンチ(ほぼ原作通りのティア)
  • 綺麗なティア(真っ当なお姉さん枠になる)

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