無垢の少女と純粋な青年   作:ポコ

20 / 26
珍しく予告日通りに投稿。このGWは忙しかったですわぁ……。
正直今日は一日中FGOのCCCイベやダンジョントラベラーズ2-2をのんびりやっていたかったけど、今日を逃せばまた次回投稿が数ヶ月は間が空く事は確定的に明らかなので、気合で書きます。

勿論、投稿自体は常にしたいと思ってるのですが、文章を考えるのに使う気力がね……朗読したら代筆してくれるアプリとかあったら良いのに(夢物語)

一度予定が崩れるとヤバいくらいに気力が削がれる駄作者なんで、半月以上どの作品も投稿が無い時はメッセでも感想でも良いから「投稿あくしろよオラァン!」とでも発破をかけてやって下さい(他力本願)


閑話 ルークの日記3

 ◇ ルークの日記 ◇

 

 

 

 

 △月○日

 

 何でか知らねえけど、この間アリエッタと一緒にフーの上から世界を見てから、何をやるにも楽しくて仕方がない。やっぱ。父上が近い内に外に出れるようになるって言ってくれたからか? それとも、アリエッタのヤツと一緒に世界を回るって約束が出来たからか……って、やっぱどう考えてもそっちだよなぁ…………。

 

 日記で誤魔化しても意味ねえし、書いとくか。別に俺の日記を覗くヤツなんかいる訳ねえしな。

 

 ちょっと前から解ってたけど、恥ずかしくて認められなかった。でも、アリエッタが俺とずっと一緒にいてくれて。約束をした時のあの笑顔を見せられて、胸がヤバいくらいにドキドキして。

 ここまでなって認められない程、俺はガキじゃねえからな。うん。

 

 

 俺は、アイツの事が好きだ。

 

 他のメイド達や騎士団の奴等みたいに使用人としてじゃなくて。

 

 父上母上みたいに家族としてじゃなくて。

 

 ヤナギみたいに姉代わりとしてじゃなくて。

 

 アリエッタっていう、一人の女の子が好きなんだ。

 

 

 今までヤナギのヤツが時々、俺がアリエッタの周りにいるライとかが羨ましいんじゃないかって 言って来る事があったけど。あれって、俺がアリエッタの事をを好きだってのがバレバレだったって事だよなぁ…………あー! 滅茶苦茶恥ずい!

 

 はぁ……明日からどんな顔でアリエッタのヤツに会えば良いんだろうなぁ。アイツはいっつも俺の事を好きだ好きだって言ってくれっけど、あれはヤナギに対して言ってるのと同じ意味だろうしなー……つーか、下手すりゃアリエッタはその、こ、恋ってのが何か知らないんじゃねえか? オリジナルのイオンの事だって、好きは好きでも自慢の兄貴みたいにしか思ってないみてえだし。

 

 …………これ、俺の方から何かしねえと、絶対にアリエッタに俺の気持ちは伝わらねえって事だよなぁ。ナタリアとの婚約もどうにかして破棄しないといけねえし……恥ずかしいけど、一回ヤナギに相談してみるか。絶対に乗り気で相談に乗ってくるだろうしな。

 

 そういや明日は、アリエッタとヤナギの二人で買い物に行くとか言ってたな…………くそっ。アリエッタと二人で出かけるとか、普通に羨ましいぞ!

 

 

 

 

 △月△日

 

 昨日は色々ありすぎて、日記が書けなかった。

 疲れて適当に書いて済ませた事は何回かあるけど、書かなかった事って初めてじゃねえか? まぁ、昨日はそれくらい忙しかったっつーか、それどころじゃ無かったっつーか……今まで生きてて、一番忘れられねえ日になったのは間違いないな。

 今日の日記も書くことが多すぎんだよなぁ。何から書きゃいいんだか……取り敢えず、大事な事だけ書いとくか。

 

 俺は本物のルークじゃなくて、レプリカだった。

 

 ……一番最初っから、すげぇ事書いてるよな俺。

 アリエッタとヤナギが出かけて。そろそろ帰ってくるかって頃に父上と母上から大事な話があるって呼び出されて教えられた事。

 昨日聞いた時は本気で驚いた。自分がルークじゃねえって事もだけど、それよりも自分がアリエッタの仇同前なレプリカだって事の方が怖かった。

 ……他の事よりもアリエッタに嫌われるかどうかの方が大事って。自分で書いてて言うのもアレだけど、どんだけアリエッタに惚れてんだって話だよな。

 

 あー、この話は後だ後!

 とにかく! 昨日の俺はとにかく色々な事がごちゃごちゃになって、気が付いたら自分の部屋で震えてたんだよ。今思うとなっさけないよな……まぁ、今こうやって振り返れてる事を考えると、あれもあれで必要な事だったんじゃねえかって思わなくもねえけど。

 

 うん。それで、いよいよ自殺でもしてやろうかって思い始めた時だったな。アイツが……アリエッタが、部屋に駆け込んできたのは。

 

 あの時は、アイツの顔を見るのが怖くて怖くて仕方が無かった。アリエッタに否定されたら、嫌われたらって思っただけで死にそうになるくらい胸が苦しかった。

 だから、出て行けって。俺の見えないとこに行ってくれって、とにかくアイツを遠ざけようと思って色々怒鳴って。それでも出て行ってくれねえから。だったら俺の方がいなくなったら良いんだろって叫んで。

 

 ――――そしたら、アリエッタが泣きながら俺の方に飛び込んできてくれて。

 

 あぁ。それで、アイツが思ってる事をそのままぶつけてくれたんだ。

 

 レプリカは大嫌いだけど、俺の事は大好きだから離れたくないって。

 

 あの言葉がどれだけ俺を助けてくれたか、アイツは分かってないんだろうな。

 ヤナギや父上母上があの言葉を言ってくれても、あの時の俺はそんなの言ってるだけだとか言って、絶対に信じなかったと思う。

 けど、言ってくれたのが、あのアリエッタだったから。

 誰よりもレプリカを嫌いな筈のアリエッタの言葉だから、俺の心に真っ直ぐに入ってきてくれたんだ。

 

 

 あの瞬間、アリエッタは俺の生きる意味になったんだ。

 

 

 あー……それで…………この後の事は書きたくねえなぁ…………けど、人生で一番嬉しかった事だしなー……。

 

 えっと、だな。その、感極まったっつーか、だな。俺がアリエッタに告白したけど全然伝わってなかったから、その、うん。き、き、キスを……………………だぁぁぁぁぁっ!! これ以上書けるかぁっ!! 色々あって、俺とアリエッタは恋人になれた! これでいいだろ!

 

 あー……それにしても、アリエッタと二人で寝ちまったのは失敗だったなぁ。いや、一番の失敗は鍵を閉めれなかった事か……母上の説教は、二度と聞きたくないぜ。

 けど、三人ともアリエッタとの仲を認めてくれて良かった。公に認められるにはナタリアの事とかすっげえ沢山問題があるみてえだけど、アリエッタとなら絶対に諦めねえでいれると思う。これからは今まで以上に頑張らねえとな!

 

 

 

 △月□日

 

 アリエッタに避けられてる。

 

 しにたい。

 

 

 

 △月◇日

 

 あー……日記に書いたのが二言だけとか。昨日の俺、相当ヤバかったんだな。

 これじゃあアリエッタやヤナギが心配するのも当たり前だよな……少しアリエッタに避けられただけでこの有様とか、自分の事ながらやべぇよな……母上に忠告されるのも納得するしかないか。

 

 今日の俺の体たらくを見て母上は俺に忠告してきたんだ。

 アリエッタと恋人になって俺達がただ堕落していくようなら、俺達の仲は認められないって。

 そうだよな……俺はアリエッタを護るって誓ったんだ。それがアリエッタのせいで弱くなったなんて事になっちまったら、俺が俺を赦せない。

 ……けど、出来たばかりの恋人に避けられたら少しくらい落ち込むのは、見逃して欲しかったなぁ。

 

 あ、それとヤナギから聞いたんだけど。アリエッタが昨日俺を避けてたのは、俺とキスをした事を思い出したら何でか恥ずかしくなって、俺とどう接したら良いのか分からなかったかららしい。

 アリエッタが恥ずかしがってるのか怒ってるのかくらい、恋人ならすぐ分かれってもんだよなぁ……はぁ。昨日とは別の意味で、情けないなぁ俺。

 

 

 △月☆日

 

 今日はようやくアリエッタも落ち着いたみたいで、ちゃんと俺と話してくれた。

 それでも急に目が合ったりしたら、顔を赤くしながら俯かれたりしたんだけどな……あれは可愛すぎるだろ。俺の方も恥ずかしくなったぜ。

 それをまたヤナギに見られて、うっれしそうにニコニコとムカつく顔で近づいてきやがって……あの野郎。今度レッカが来たらやり返してやるから、覚えてろよ!

 

 ……その後の勉強会で、俺達がお互いに意識し合って集中しきれていなかったのが母上にバレて、鬼みてえな顔で睨まれた時は死ぬかと思った。

 

 

 △月◎日

 

 あぁぁぁぁぁぁぁ!

 今日の日記は無しだ! 無し!

 

 

 

 

 …………やっぱ書いとく。

 その、今日はいつも通りに中庭で修練をしてたんだよ。アリエッタとヤナギが見ててくれたんだけど、やっぱ恋人が見てくれてるってだけで今までよりやる気が出た。

 それがヤナギにも目に見えて分かったんだろうな。

 

 それで休憩しようと二人のとこに行ったら、ヤナギがまたアリエッタに耳元で何か余計な事を教えてて……。

 そ、そしたらアリエッタが不思議そうに首を傾げながら頷いて、俺を手招きして、その、あ、アイツの膝に頭を置くようにって、要するに、膝枕をしてくれて……っ!

 

 あー! やっぱ無理だ! これ以上は書かねえ!

 とにかく! ヤナギのヤツは絶対にいつか仕返ししてやるからな!

 

 

 △月●日

 

 ようやく少しは、アリエッタと恋人って関係に慣れてきたと思う。

 昨日の膝枕で少し開き直っただけかもしれねーけど、今日は二人で歩いてる時に、自然にいつの間にか手を繋いでたんだ。多分、アリエッタの方から手を繋いできたんだと思うけどな。

 あの小さな手を握るだけで。あぁ、俺はこいつの事が好きなんだなって、自然に頭に浮かんだんだ。

 それで、思わず握った手に力を入れたら、アリエッタは少し驚いたみてえに俺の方を見上げてきて。それで、嬉しそうにニコッて笑いかけてくれて。

 

 うん。なんつーか、幸せだなって日だった。

 

 

 △月▽日

 

 ルイとカゲロウに、アリエッタと恋人になった事がバレた……っつーか、一目で見抜かれた。そんなに分かりやすいか? 俺。

 カゲロウはともかく、ルイは普通にからかってくると思ったんだけどな。今までに見た事が無いくらいに真剣な顔で、何があってもアリエッタを護り抜けるかって俺に問いかけてきたんだ。一瞬驚いたけど、すぐに当たり前の事を聞くなって答えたらすぐにいつも通りのふにゃふにゃした顔に戻って、若いって良いわねーとかオッサンみてえな事を言いながら俺の背中を叩いてきやがった。

 なんだったんだ? あいつ。

 

 

 △月▲日

 

 今日、父上と母上が王城に叔父上に会いに――――話を着けに行ってきたらしい。

 あの日に言ったように、俺とナタリアの婚約は破棄同然の保留になったって、父上が俺に教えてくれた。まぁ、ナタリアには詳しくは言わないで、今は俺が王になる為の教育に集中させたいからとか適当な理由で俺に会いに行かないよう説得したらしいけど……絶対に納得してねえだろうな。

 まぁ、それはナタリア以外の全員が分かってる事だ。大事なのは、王命っていう騎士団の連中がナタリアを追い返す為の大義名分が出来た事だから……って、これも父上に教えられた。なんつーか、建前って大事なんだな。俺も将来、これくらいの事は出来るようになんねーとな……。

 

 けど、叔父上はどこまで知ってるんだろうな。そこまでは父上も母上も教えてくれなかったけど、叔父上は俺がレプリカって知ってんのかな? ……いや、母上が教えてるよな。そうじゃないと、あのナタリア第一の叔父上が俺とナタリアの婚約を解消してくれるとは思えねえし。

 

 けどそうなると、国王としてはどうするんだろう。俺のオリジナルを返せって、ダアトに訴える? けど、ヴァン師匠(せんせい)の独断かもしれねえし……いや、アリエッタの話だとモースとかいう導師と同程度の地位の……大詠師だっけか? そいつも関わってるっぽいんだよな。まずは誰がどこまで関わってるのかが判らねえと、ダアトには何も出来ねえよな……まずは情報を集めないと何もできない、のか?

 父上達がやる事があるっつってたのは、情報を集める事なのか? わっかんねえな……。

 

 

 △月▼日

 

 案の定っつーか、なんつーか。

 ナタリアの馬鹿が、昨日の今日で屋敷にやって来た。

 勿論、王命で通せないって門番の騎士達が止めてくれたんだけど。ナタリアは中庭に居た俺達にまで聴こえるような大声で王女の自分を通さないとは不敬なーとか、ルークに王としての教育を受けさせるのなら、妻になる自分が支えるのが当然だーとか叫びまくってアリエッタを怖がらせやがって……俺を気にする前に、自分の足元を気にしろっつーの!

 上位貴族街であんな事を叫びまくるとか、自分は立場も考えないで王命に背く馬鹿だって自分から言いふらしてる事に気付かねえのか? アイツも城で俺と同じような教育を受けてる筈なんだけどなぁ……教師が悪いのか、ナタリアが勉強したことをすぐに忘れるような馬鹿なのか。

 

 とにかく、アイツとだけは結婚したくねえって改めて思った。アリエッタがいるからってのを抜きにしても、あれが国母になるとか何の冗談だよ! 俺との結婚以前の話になってきたけど、マジでナタリアのヤツはこれからどうするつもりなんだろうな。このままじゃ、アイツより下の王位継承者に蹴落とされるぞ?

 

 

 △月■日

 

 昨日思った事を母上に聞いたら、このままだとナタリアは下手すりゃ廃嫡されるかもしれねえって苦笑しながら教えてくれた。

 なんでも勉強はしてるらしいんだが、それが殆どまさかの独学。教育係がいたんだけど、何を教えても自分の考えた方法が正しいっつって、話にならねえって。

 例えば何代か前の王様が考えて施行した政策が今でも上手く回ってるのに、自分ならこうするああする。絶対にそっちの方がもっと上手くいくって言ってるらしい。

 そりゃどんな名教師もお手上げだよな……叔父上が甘やかしすぎたせいじゃねえのか?

 

 ま、アイツがどうなっても俺には関係ねえや。つーか、勝手に自滅してくれんならむしろ大歓迎だな!

 

 

 △月◆日

 

 今日は昼の修練が終わってから、日が暮れ始めるまでずっとアリエッタと二人でライを布団代わりにして寝ちまってた。起きたらアリエッタに抱き着かれて頬ずりまでされてたのに叫ばなかった俺を、誰か褒めて欲しい。

 つーか、アリエッタが可愛すぎてヤバい。あんなに幸せそうに寝てるアリエッタを俺が起こせるわけもなくて、ヤナギが夕食に呼びに来るまではずっと抱きしめられたままだった。足音でアリエッタが起きなかったら、ヤナギもアリエッタを起こせなかっただろうけどな。

 本当は抱き返したかったけど、腕ごと抱きしめられてたから動けなかったんだよな……あー、勿体ねえ。




 ルークはアリエッタとのいちゃいちゃに少しずつ慣れてきた様子。
 ヤナギは二人が仲良しなのが嬉しくてたまらないようです。
 アリエッタは、ヤナギやシュザンヌの入れ知恵で少しずつ恋人関係について学んでます。まぁ、結局は感情のままに愛情表現するんですけどね。

 ナタリアはいよいよマズイです。ルークが明らかに自分に興味を持ってないので、原作よりもルークに執着し、そのせいで公務が疎かになりまくる悪循環が発生してます。
 これ、下手したら原作前に廃嫡になるんだけど……まぁ、物語補正で原作までは持つでしょう。多分。

 次回投稿はISの方を予定してます。活動報告にまだ待ってくれてる人いるのかなーってちらっと書いたら、何名かが待ってると言って下さったので……頑張らねば。

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