ガンダム戦記 side:Zeon   作:上代

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第59話:北の大地 〈その2〉

 北米方面軍拠点、キャリフォルニア・ベース。

 同基地はジオン軍の地球に於ける重要拠点の一つとされ、ガルマ・ザビ准将が北米方面軍司令として就く地球攻撃軍の要衝である。

 単一の戦力も然る事ながら、点在する近隣基地により幾重にも張り巡らされた防衛ライン、内部には要塞と呼んで過言ではない強固なライフラインが形成され、兵器工廠以外に艦船ドック、兵器開発研究施設等々が充実しており、敵本丸の地球連邦軍総司令部ジャブローが存在する南米と隣接する立地から、特に戦略性の高い軍事基地として両軍に知られている。

 コロニー落としの余波で壊滅した地上設備も復旧、構築した防衛兵器に加え同基地に配備されたモビルスーツと戦闘車両、航空機から成る戦力は現時点の最高水準と評すべきものである。

 地下に在るモビルスーツ工廠は昼夜問わず稼働しており、キャリフォルニア・ベースは逐次新型機が導入され、他部隊より早い段階で運用している。

 これは単純な戦力拡張だけではなく、ロールアウトしたばかりのモビルスーツを想定する環境下で実動出来うるかの最終試験も兼ねていた。

 キャリフォルニア・ベース周辺は山岳、沿岸部等の地形に事欠かず試験場としては上々であり、水陸両用であれば重要な耐圧試験も実施できる。流石に熱帯地帯は臨めないが密林がある南米地域に踏み込み、強行偵察を兼ねたデータ収集をすることで補填していた。

 こうした実情を踏まえた連邦軍からすれば、キャリフォルニア・ベースという基地は厄介な新型モビルスーツを開発しては多数に打ち出す魔窟であった。

 とはいえ、何も実機データ入手に勤しむのはジオン軍だけではない。

 開戦より苦戦を強いられ続けている連邦軍も、新型モビルスーツ開発に成功している。

 開発された連邦軍モビルスーツは機密保持を名目に敵全滅を最優先目標に掲げ行動すると共に、実戦データ収集を目的とする事から編成が済み次第各戦線へと投入されているのだ。

 友軍基地からの定時連絡が途絶え、不審に思い部隊を派遣すると既に壊滅していたケースが九月に入り増加傾向にあった。中には確認へ赴いた部隊が未帰還の所もあり、恐れていた連邦軍の反撃と慄くジオン軍将兵は多い。

 

 それは此処、キャリフォルニア・ベースも同様であった。

 如何に堅牢な要塞、戦力を揃えようとも敵が強化されれば恐れるのは当然のこと。

 未だ北米地域奪還の動きは見られないが、南米とを結ぶパナマに近いジオン軍制圧区域は恐々とした緊張感に晒されている。

 

 ――――何時敵部隊が侵攻して来るか判らない。

 

 これまで侵攻する側だったジオン軍に侵攻される側の心境を植え付けたのは連邦軍にとって開戦以来の快挙であり、前線兵士へ強いストレスを与えたのは無形の反撃と云って良い。

 僅かな護衛を連れお忍びで前線基地激励へ赴き、将兵達の状態を直にその目にしたガルマ・ザビは息苦しく、頭を押さえ付けられるようなものを感じていた。

 かつては最前線で采配を振るっていたガルマには、彼らの心境を正しく理解できる。

 不穏な気配が胸中に忍び込んだような、其処に在るだけで口の中が乾く、精神の環境汚染ともいうべきものが兵士達の精神を連日削っているのだ。

 ガルマは基地の防備、戦力現況を視察しながら境界線上で過ごす彼らを慮り何らかの対策を講じられないものかと腐心するも、考えられた殆どのものが焼け石に水程度のもので、結局は現状を打開しなければ意味がないのだと知る。

 戦力を強化しようとも、身近にある脅威に対し果たしてどれだけの効果が得られようか。

 上官の来訪を受けて胸を張り、敬礼を返した彼ら防衛隊の心中に溜まるものは熱く温かいものだったのか。それとも冷たく重いものだったのか。

 彼らと視線を合わせ辛かったのも、其処に気後れのようなものがあったからだとガルマは思う。

 九月中旬に差し掛かった頃には、自軍とこの身に浸り包むものを払拭したいと願うほどに。

 

 そうして気を揉んでいた彼の下に、其れ等は来た。

 かつてこの地を飛び発った将と、彼が率いる兵士達と共に。

 戦場で背を預け合った戦友が、再び轡を並べる為に。

 

「よく来てくれた!」

 

 その日は涼風が肌を撫でる過ごし易い日であった。 

 ガルマの通りの良い声が空間を伝播したその先に、幾重もの軍靴が在る。

 キャリフォルニア・ベースの艦船ドックへ入渠するのは、獅子の紋章が描かれた新造艦を先頭にして複数の陸戦艇、輸送機である。

 それらの固定作業が進められる中、続々と途切れず降艦するジオン軍人の群れへ、基地司令官として歓迎の意を示す。

 先頭を歩く佐官が足を止め、綺麗な所作で敬礼を返した。

 ガルマはその相手の顔を見やり、多少外観は違えどこの人物が誰なのか、刹那に理解したことに納得がつき自然と口元が綻ぶ。

 

「突撃機動軍特務遊撃大隊ネメア。メルティエ・イクス大佐以下、到着致しました」

 

 厳かな目に合わせばそれは急に優しいものになって、無言の労わりを伝える男。

 性質はかつてこの基地から発った者と同じもので、纏う雰囲気は密度高く濃いものとなった。

 

 ガルマ・ザビが己が出世よりも望んだ人物、メルティエ・イクスの着任である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はわー……メルティエって、この基地の偉い人と仲良しなんだね」

 

 可憐さよりも野性味が勝る赤毛の少女、キキ・ロジータは慣れない軍服に身を包み、自分が良く知る男性と、一時的ながら指揮下に入る司令官をスロープの上から眺めていた。

 ザンジバル級機動巡洋艦「ネメア」直衛隊所属であるキキは、真新しく清潔感すらあるキャリフォルニア・ベースを歩くのは、飛び入りで転がり込んできた自分の立場的に酷く場違いな所だと気後れしてしまい、物見遊山気分で散策に歩く他クルーとは別行動をとっていた。

 ブラブラと歩いている内に異色な組み合わせの隊員達が集っているのを見つけ、彼らの視線の先を追ったという訳である。

 流れとしては新造艦を一目見たいとガルマ准将が言い、案内役のメルティエ大佐が艦内を先導しているのだが。何というか、彼女の目にはただの上下関係という間柄には見えない。

 彼らが時折挟む会話は、メルティエがノリス・パッカード大佐やダグラス・ローデン大佐、キキの父であるバレストとしているものと何処か雰囲気が違うと思えるのだ。

 目上の者とはできない、砕けた感じとでもいうのだろうか。

 固くならず、それでいて余所余所しくない。

 二人の近くに居たとしても立ち入れない、不思議な空間が其処にあった。

 

「地球降下作戦以来の仲だそうだから。古株連中以外だと、准将が一番付き合いがあるかもな。

 俺達が大佐と会ったのは、このキャリフォルニア・ベースからだったし」

 

 そう言うジェイク・ガンス准尉は常と変らずノーマルスーツを着込み、手にしたドリンクを口に運んでいた。過ぎた日に意識を飛ばしているのか、少し遠い目をしている。

 かつて”外人部隊”と友軍である筈の人間から侮蔑の目で見られていた頃に比べ、今は部隊規模の違いから幾らか窮屈になったが、その分だけ日頃溜まっていた鬱屈が減った。

 同階級であっても下に見られ、モビルスーツを補修しようにも機材は他の部隊が勝手に使い、満足な整備もなしに騙し騙し使っていた事もある。それがメルティエと隊と合流後は戦果を認められ昇進、扱うモビルスーツも高性能の物を預けられている。

 あれから随分変わったな、とジェイクは呟いた。

 

「私は隊の新参者だから余り知らないのだが、前に所属していた基地ではガルマ様とイクス大佐は懇意の仲だと流れていた。何処かの情報誌が販売数売上を狙ったかと疑ったが、真実のようだ」

 

 野戦服の上着を腰に巻き、タンクトップから伸びた腕を胸の下辺りで組むトップ少尉は、以前耳にした情報が単なる捏造ではなかったと修正する。

 ザビ家末子と親しくする特殊部隊の部隊長、僅か九ヶ月で尉官から佐官に成り上がった男。

 『蒼い獅子』と呼ばれ各地を転戦、敵機密情報を入手する個人の武勲もそうだが、何よりも最前線で部隊を率いながら開戦から先月まで隊員を一人も失わず至った戦歴が尋常ではない。

 また隊員を喪った事も彼が率いている隊では無く、違う指揮官の下に入った者だ。同隊の責任者だから、という理由で彼の偉業は潰えたわけだが、それでも異常の一言に尽きた。

 これが単なる偶然、幸運が為せる事象だとしても彼と彼が率いる部隊は連続で肖り過ぎていた。

 上官に対して不敬とは思うが、ネメアは特に際立った戦術、戦略を駆使して戦う部隊ではない。逆に他部隊の方がそれらを駆使して立ち回っている可能性があった。それほど、特殊な戦闘行動は見受けられない。

 そうした中で過去の戦闘データを閲覧する許可をもらい、確認したトップだからこそ思えるのだ。

 この部隊に在るのは、異常性だと。

 その異常性の中でも一際目立つのは、エース級を盾に戦線を押し上げる所にあった。

 ネメアという部隊は部隊長を筆頭に、各前線を支えるエース級が多く属している。

 負傷頻度が高いメルティエ・イクスを皮切りに、第二部隊長シーマ・ガラハウ中佐も陣頭指揮を執る傾向が強く、カリマンタン攻略戦では狙撃を受けている。第一部隊に属するケン・ビーダーシュタット中尉にいたっては、同攻略戦で敵基地に一番槍すら挙げているのだ。

 他にも同様のパイロット、準エース級らが前へ前へと出る事で部隊の突破力を底上げしている。戦術的には大いにアリだが、戦略的には間違っているともいえる。

 何故ならば、”勿体無い”のだ。

 戦場に於けるエースという存在は戦線で活躍し、自軍の士気を上げるまでに至った特殊な兵士を分けるカテゴリーのようなもの。

 敵を多数撃墜した、施設を破壊しただけでは得られない。戦いの目利き、状況判断に聡い彼らの価値は単純な戦力計算だけで終わるものではない。その存在が戦場に到来した、それだけで兵士達のモチベーションを引き上げる所にある。

 今だ検証されてはいない事ではあるものの、名を馳せた人物と共に在る事で精神が昂揚する他、敵の注目度(ヘイト)が偏り一部兵士達の生存に繋がった等もある。

 事例としてあるのは、エースと見做される或いは見做された者が戦場に在れば士気崩壊を免れるという、この見逃せない効果だ。

 こと戦場において、士気低下による壊走は古今問わず不変的なものであり指揮者を悩ませる種である。戦況の勢い、敵による襲撃、物資不足、環境悪化等挙げればきりがない。

 戦場と云う魔境の中にあって、士気崩壊の防波堤と成り得る人材。

 彼らの実績、評判が醸成されて生まれる切り札(エース)と称すに値する人物は、どの戦場でも得難い。

 逆に考えればエースが撃墜、戦死する事件は極力避けなければならない。

 個人とそれがもたらす戦力強化がそのまま反転するのだから、指揮者は戦略兵器を取り扱うように戦場に配備する必要に迫られるのだ。優秀だからと最前線に置けば、撃墜リスクを高めるだけではなくその後のヘイトすら押し寄せる、諸刃の剣なのだ。

 切り札、鬼札を切った後に多大な戦果を得るか、失うか。

 指揮者側に正しい戦略眼、価値観を要する故に。期待できる戦力であることから頼もしい反面、均一的能力を望まれる軍隊において突出しているだけに扱いが難しい。

 

 それらが多数在籍している部隊に、今トップ少尉は居る。

 上層部から彼らと同程度と思われているのか、それとも数合わせに入ったのか。

 恐らくは後者だろうが、それを飲み込むにトップは小さくない抵抗があり、開戦前からのモビルスーツパイロットであったプライドが邪魔をしていた。

 

「ま、馬が合う二人だからこそ上手くやれるんだろうさ。ケン達が乗ってる水陸両用モビルスーツだって、その誼で譲渡されてるんだ。ダグラス司令が骨を折ってくれてた所もあるけどよ、俺達(ネメア)が物資不足に困窮せず済んでいるのはキャリフォルニア・ベースが本格稼働を始めてから、だ。

 その分だけ前線に立ったり、実戦データを送ってる。一方的にもらうだけじゃなくて、お互いに体張って其処に居るってことさ」

 

 軍服を着崩したハンス・ロックフィールド少尉は、手摺にもたれつつ周囲を監視していた。話に合わせて視点を動かし、会話に注目する素振りを見せるのも視界の切り替えの為だ。

 キャリフォルニア・ベースの最重要人物であるガルマには当然幾人かの護衛が固めているが、彼はメルティエの警護を務めている。他にも見合う人材は居るが、上官の案内に護衛官を伴う人間はいない。相手が用意していないならまだしも、受け入れる側で護衛を揃えるのは示威行為と捉えられてもおかしくない。

 そういった事情から必然的に護衛対象と距離が開くため、目端が利く狙撃兵に警護を任せているという訳だ。

 各区画にも警護を引き受けた人間が散っており、不審者や部外者の対処に抜かりはない。

 

「話には聞いてたが、大佐と准将の繋がりがそのまま俺達の行動を左右していたってわけか。准将の取り巻き連中からすれば大佐の存在は厄介極まるだろうし、面倒な事にならなきゃいいが」

 

 ジェイクは心底面倒そうに顔を歪め、ガルマとメルティエの後ろに居る一団を睨む。

 それを聞いたハンスとトップは目尻を上げ、キキは首を傾げた。

 

「ちょっと、ジェイク。どうして仲が良いメルティエが厄介者なのさ?」

 

「はっ、それくらい――――あ、村の中じゃ想像し辛いか」

 

「むっ! 今馬鹿にしたでしょ? そうなんでしょっ?」

 

「ち、違う! 村の中じゃ起こらないかもと思い直しただけだ!」

 

 掴み掛からん勢いで前進するキキに、ジェイクは空いている手を懸命に振って否定する。

 彼なりに弁明しようとしているが、残念ながら嘲りに頬肉を動かした後では説得力に欠けるというもの。他者を下に見る傾向があるジェイク・ガンスの悪癖であるため、ハンスは無視を決め込みたい所だったが騒がれると五月蠅い事この上ないので、仕方がなしに口を開いた。

 

「准将に取り入ろうってゴマスリしてんのに親しいヤツが現れた。それも自分達より仲が良いときたもんだ。面白くないだろうよ、上を目指している奴からすりゃあな。

 キキの親父さんの所にも、そういうのあったろ? 大将が村のパトロールに行ってた時、理由も無く反対してた奴とか居なかったか?」

 

 問い掛けられた言に心当たりがあるのか、眉間に力を入れたキキにそれ以上言葉を重ねずハンスは己の仕事に集中する。彼が手摺の上に腕を置き、だらりとしているのは脇に吊るした小型拳銃を素早く抜く為だ。そのハンスの目は護衛する兵士達にも注がれている。

 彼に限らずジェイクはノーマルスーツの収納ポケットにサバイバルナイフを忍ばせているし、トップも腰に巻いた軍服で隠してはいるが支給品の拳銃を装備している。キキだけ基地の中に居る時は武装を解除するものだと思っていたから、何も用意していない。

 彼らの話を聞いてから、メルティエとガルマの後ろを追っている連中を観察すると。キキは感じが悪いと言うか、以前村にやって来たジオンと連邦の気に喰わない奴らに似ていると気付いた。

 

「此処は今までのどの基地よりも人間が居る。ってことはだ。その中にゃよからぬ事を考える人間もその分増えているってことだろ?」

 

 鼻を鳴らしたジェイクは理解したのだろう。

 かつて厄介者扱いされた過去があるだけに飲み込むのが早い。ドリンクを片手に空いた手を腰に置いたポーズもただしているわけではないのだ。

 ジェイク個人としてもメルティエに恩を感じている。この地で出会ってから何度も戦線を潜り、また此処に居るのも仲間であり信を置くリーダーだからだ。

 そのリーダーに危険が及ぶならば、例え基地司令の目の前だろうと、彼は構わず抜刀する。

 同僚のガースキー・ジノビエフならもっとスマートに事を成すだろうし、隊長のケンならばそのような事態にならないよう対策を講じるだろう。

 ただ思考よりも行動が早いジェイクは二人に比べ、逡巡する事無く武器を構えられるという事。

 

「否定したい点だが、どこの組織でもある程度そういった動きはあるものだ。何があっても動きに乱れが出ぬよう、心構えだけでもしておいた方が良い」

 

 トップも同意し、次第に顔色が悪くなったキキを諭す。

 心の在り方次第で如何様にも動きようはある。そうトップに指導してくれた教官はルウム戦役で名誉の戦死を遂げている。戦線を突破しよう試みるサラミス級宇宙巡洋艦を中心とした部隊を小隊で迎撃し、最期はサラミスに特攻して見事阻んだと。

 故人に倣う訳ではないが、自分のみならず友軍が危機に瀕すれば必要な行動を常に模索し、最善を尽くさねばならない。教官はそれを有言実行してみせてくれたのだと、トップは思う。

 問題は、守られるべき筈の人間が矢面に立ち過ぎる点だろうか。

 

「……大将を狙う奴は、誰であろうと許さねぇよ」

 

 耳にすればゾッとする呼気を昇らせるのは、普段の飄々とした態度から想像させないハンスだ。

 彼がメルティエへと向ける忠誠心の理由は参入が遅いトップやキキ、古参に数えられるジェイクすら知らない。彼らが理解できるのは、この男は本当に誰であろうとメルティエに害をなす輩には容赦しないという事、する理由がないという恐ろしい点である。

 以前アジア地域において、パトロール隊襲撃の報を受け救援へ向かったメルティエが連邦軍新型モビルスーツと交戦し、重傷を負ったのはまだ記憶に新しい。

 先行したメルティエへの援護とし、増援を送る案を進言したアンリエッタ・ジーベル大尉もそうだが、僅か一個小隊しか許可しなかった佐官勢に対するハンスの怒る姿は凄まじいものがあった。

 トップにしてみれば常識的な対応と思えたが、古参として在籍する隊員からは「馬鹿げている」判断だったらしい。結果を告げるアンリエッタに掴み掛かろうとした所を、鋭い叱責と共に手首のスナップだけで払い除けたアンリエッタも相当だが。

 結局は大隊旗機の大破、僚機の小破と中破という有り様なのだから、顛末を聞いた時のトップは身震いしたものだ。

 所謂虫の知らせ、動物的直感能力とでもいうものを備えているのか。何事かが起きたと理解している上で、周りが付いて来ないから怒り狂ったように思える。

 他にも理由はあるかもしれないが、あの時救援に向かった殆どが潜在的な怒りを「他の連中」に覚えているのだ。幸いメルティエが復帰した事で下火となったが、もし後遺症があれば恐ろしい状況になっていた事は想像に難くない。

 

「じゃあ、じゃあさ……」

 

 滴が零れるような声音で漏らしたキキに、感覚を鋭敏にしていた彼らは注目する。

 ジェイクは珍しく真面目な顔で、トップは常の静かなまま、ハンスは固い表情で傍らに立つ赤毛の少女を見た。

 

「メルティエ、可哀想だよ。いつもいつも周り敵ばっかりで。基地の中なら味方に守られている筈なのに、また敵ばっかりで。私達以外、全部が全部敵ばかりじゃんか」

 

 キキにとってのメルティエは、其処ら辺を歩いている偉そうな軍人ではない。

 突如現れた異邦人の彼は、森で再会した彼は見ず知らずの自分に優しくしてくれた。

 戦いを持ち込んだと厄介者の眼で見る、詰る村人達に怒りもせず、優しく接してくれたのだ。

 便利な道具や設備を「献上品だ」と笑う老人衆も居たが、皆が皆そうではなくて。彼は怖がられようとも村人と時間を過ごし、群がる子供達と遊び次第に打ち解けていったのだ。ひとたび戦闘となれば豹変する彼をまた怖がる人もいたが、感じ入った人もいる。

 軍に入って分かった事だが、軍備の私物化は刑罰対象らしく。あの時村長の娘という立場に疲れていたキキへ秘匿コードを教えてくれた彼は、最大限の優しさと思い遣りをみせてくれて。もしかして口説かれたのかとも、後で顔を赤くして悶えていたのも良い思い出だ。

 そんなに良くしてくれる人なのに、どうしてこうも敵ばかり多いのか。

 キキには目に入る人間が、どれも酷く醜い存在に見えて仕方がなかった。

 

「痛いのに。痛い筈なのに。あの人バカだから、()()()()、って言える人なのに」

 

 満身創痍でなお走ろうとする、愚物とさえ云える男に。

 そんな男を守ろうと、素直に怒れる仲間達に。

 その男を貶めようとする、笑顔を被ったケダモノ達に。

 辛く、切なく、悲しいと。

 

「……がんばれ。がんばれ、メルティエ」

 

 男を想い応援する声は、とても澄んだ響きで空間を叩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 初日に必要な諸々の手続きを終えたメルティエは自室へ戻り、休む間もなく上がってきた報告書に目を通していた。

 苦しく慣れない作業を続けた賜物か、捌く手の動きと文書の要点を見出す速度は確実に上がり、印を捺さないものは修正点とその注釈を添えて再提出のケースに載せていく。

 その様子を視界に収めながら、自らの作業ペースを落とさないアンリエッタは無言であった。

 メルティエにとって、ダグラス大佐の秘書官ジェーン・コンティ大尉のような位置付けの彼女はその実、最も近しい間柄の女性だ。

 互いを理解している分、常にあった労わりの言葉や気遣いが垣間見えない事と彼女の態度から、思考は簡単に読める。

 

(いかん。アンリのヤツ、完全に頭にきてる)

 

 静かな、怒気である。

 温かみのある柔らかさでメルティエの近くに在る彼女は、怒ると大概反応を返さない。

 その癖、射抜くような視線で観察するのだから、じわじわと寄せる恐怖に似たものがある。

 彼にとって何が悪くて、どうして彼女の機嫌が悪いのか。

 無音ながら言わんとしている事も、そうなってしまった事も分かっている。

 メルティエにとって果たしてそれが悪かったのか。はたまたアンリエッタにとって都合が悪い点があったのかまでは分からない。

 普段と違う彼女を傍に置くのも一興ではあるが、怒っているままでは彼にとって意味が無い。

 メルティエは、冷気を伴う目で見られ快感を覚える性質ではないのだ。

 そして、彼は単純明快な直情径行の猪武者である。

 

「被災者を救助した件の」

 

 彼は続く、アルテイシアの事か、と問うことはできなかった。

 アンリエッタの白い指先が、体温を互いに交換し合った掌が、メルティエの口を覆ったからだ。

 並べていた書類の内、軽いものが彼女の腕に扇がれて宙を舞う。

 メルティエの視線を遮る「承認済み」の紙面が過ぎると、眉根を寄せて見据えるアンリエッタと今日初めて目を合わせた。

 男は女の貌を眺めながら、どうして辛そうにしているのか尋ねたかった。

 

「民間人、()()()()()さんを救助したのは問題ない。……問題は、ないの」

 

 語気を強めた上で言い淀んだアンリエッタに、何を言いたいのか見当が付いたメルティエは目を細める。悩んでいるのは彼女自身の事では無くて、この綺麗な碧の瞳を独り占めにしている灰色の男にまつわる事なのだ。

 また、心配を掛けさせている。苦労を掛けてしまったのだと。

 口を覆う彼女の手に、無骨な己の手を重ねた。

 

「分かってるよね? どういう事になるか。保護すればどうなるのか、メルは分かるよね?」

 

 セイラ・マスと名乗る人間のもう一つの顔を、本来の名前を知っているのだろう。

 偉大な指導者と称えられるジオン・ズム・ダイクンの子を、サイド3の名家に連ねるジーベルの息女が知らない筈がない。その子が今のジオン公国ではどういった扱いになるのか、現れればどうなるのかを想像しない理由が無いのだ。

 

(ああ、やっぱり。君は)

 

 昔から変わらず見守り援けてくれるこの人は、賢しく聡明なままで。

 なのに自分は、今も目に見えぬ何かを求めて、足掻き続けるだけだった。

 アンリエッタ・ジーベルは、メルティエ・イクスの欲求を知っている。

 俯き蜂蜜色の房で目元を隠した彼女は、獅子の鬣を髣髴させる灰色の彼に、こう言いたいのだ。

 

 ――――ダイクンの子に関われば()()、と。

 

 それは、この男が築き上げた功績と身分なのか。

 それは、生き方を通じて男と仲間達を結ぶ縁と絆なのか。

 それは、旅路の過程で交わした友誼と住処なのか。

 それとも、男の命と名なのか。

 

 各地を転々とする事で派閥争いから抜け出せたのに、自ら凶星と共に歩むのか。

 もしダイクンの子が神輿となる事を認めた時、寄るべき所は定めているのか。

 重荷を捨てて、ただのジオン軍人として生き抜く道を模索しないのか。

 

 アンリエッタ・ジーベルは、メルティエ・イクスを喪う事を恐れている。

 それは彼の命であり、彼の意志であり、彼の生き方そのものだ。

 だからこそ、彼がどう生きて進むのか、察することができた。

 

 彼にとって単なる親しい兄妹の姓が、彼女にとっては災いの種であった。

 男には思い出から蘇った人物で、女は過去の故人であって欲しかった。

 

「アンリ。俺は」

 

 優しく拘束を外したメルティエは、のろのろと顔を上げるアンリエッタを見る。

 濡れて震える彼女の瞳が、顔をそむけて耳を塞ぎたいのに、それを堪えているのだと分かる。

 男の心身を削る毎日を隣で支えてくれた人が、今は暗闇に怯える幼子のように映って。

 滅多に見せないアンリエッタという女の弱さに。想いを交換し合った夜より、肌を重ね征服した時よりも強い慈しみと愛おしさを、メルティエの深い所に刻んだ。

 情と体が求めるままに引き寄せ、腕の中に招いた女の匂いに欲が燻るも、現世で獅子と謳われる男はその動物的衝動をどうにか叩き伏せた。

 アンリエッタは極寒の地にいるように震え、メルティエの胸に触れる指先が軍服を強く握る。

 それは男の劣情に晒されることに恐怖した訳ではなく、彼が離れ居なくなってしまう不安に駆られたから。

 

「過去の人間に興味はない」

 

 灰色の男は、子供をあやすように華奢な背を撫で、穏やかな声で言い聞かせる。

 耳朶に入った意味を解しているのか、前髪の間から見上げる瞳は続きを待っていた。

 

「思い出の故人を偲ぶよりも、今を生きてる人間にこうして触れていたいんだ。

 今みたいにアンリやエダをもっと抱きたいと思ってるし、幸せな家庭ってものにも憧れてる。

 ハンスにリオ、ロイドやケン達ネメアの連中とまだまだやりたい事はあるし、やらなきゃならんこともこれから増えるだろうさ。ロザミアだって養子にするか、一保護者のままでいるか決めなきゃいかんし。キキの村、ってか基地にできちまった街の事でバレストのおやじさんと話し合って良いものを作ってかないといけないしさ。

 親父殿や世話になったラル隊とクラウレ母さんが作るメシを食って、みんなで母さんの歌を聞いて過ごすのもいい。……改めて二人に紹介したいしな」

 

「……うん」

 

「取っ掛かりに色々あって揉めたけどさ、俺はモビルスーツパイロットが性に合ってるんだ。

 戦うってことがじゃない、モビルスーツを動かして手足のように使う仕事を気に入ってる。実はシステム構築とか興味があって、退役したらその手の職種に転向してみるのもありかなって」

 

「……うん」

 

「まぁ、すんなり今の身分を捨てられる筈ないけどさ。他はともかくとして、俺は軍の機密情報に触れている。情報が完全に過去のものになるか、意味が無いものに成り下がるまでは軍が手放してくれんだろうし。こりゃ、自由の身は遠いな」

 

「ごめん」

 

 彼女は自分が彼を士官学校へ入れた事を、軍属になって大きな影響を与えた事を謝る。

 ダイクン派一斉粛清後の、再びサイド3が慌ただしくなった時期。

 アンリエッタがメルティエを知る上でダイクン派の情報を入手し、守り生かす最善手として彼の意見を聞かず、人生の岐路で強行手段をとっている。

 

「ん。別にこうなるって分かってた訳じゃないだろ?

 俺が周りを見ず我武者羅に過ぎたってだけで、アンリのせいじゃないさ」

 

「でも」

 

「いいさ。許すよ」

 

 類のない心地良さと、これからに怯える彼女を安心させる男の抱擁は何処までも優しくして。

 女を受け入れる灰色の眼は、生気に満ち溢れた男の眼差しだった。

 それはかつて少女の身を救った、少年の頃と同じ純粋なもので。

 

「このメルティエ・イクスが許す。それ以上は必要ない」

 

 童のような純真さと、貫録を兼ねた不思議な物言いが涼やかな声に乗せられて届く。

 これが本来、疲弊する日々で薄れ掛けていた男の持ち味で。擦り切れてしまわないよう、その色を雑多に染められないように守ってくれていた女の前で復活した瞬間でもあった。

 

「メル」

 

 男の胸板に額を擦り付け、良人の帰りを迎える。

 それが今の時代に於いて、とても幸せな事だと女は思う。

 

「あっ、でも前に言った”ずっと言い続けてやる”ってのは止めないからな?」 

 

 アンリエッタの頭頂部にキスを一つ落とすメルティエは、甘える姿勢で沈む彼女へ釘を刺した。

 勢いよく浮上した蜂蜜色の房に顔を煽られ、視線が合えば睨んでくる大事な人に対し、口の角度を愉快気に引き上げる。

 

「メル!」

 

「いや、だってなぁ。言い続けていいんだろう? ずっと近くで」

 

「む、うぅ……もうっ!」

 

 先程までの相手を思い遣って抱くのと違い、乱暴な体当たりで再び腕の中へ飛び込む。

 悪戯っ子が好きな子をいじめるのに似たものを。酷く懐かしいやり取りをするメルティエに、彼の首元に伏せるアンリエッタは微笑んだ。

 

「アンリ」

 

「うん?」

 

「俺は、粗忽者と呼ばれるのかもしれん」

 

「時流を読めなかった男、って残るかもね」

 

「だが、俺は俺自身が遣りたいようにやって生きたい。悔いを残して死にたくはない」

 

「その言い方は止めてよ! ……でも、信念を通したいんでしょ?」

 

「自然と取捨選択できるようになっただけで、そんな大層なものは持ってないさ」

 

 苦い笑みを浮かべるメルティエを、アンリエッタは困り顔で見上げた。

 前進のみであった男は目に見える範囲だけでなく、先を見据える余裕をいつしか備えていた。

 代償に自分を労わり、癒してくれる存在の重さと尊さを。失う恐怖と不安を鋭く認識させる。

 今を守る事に固執して、不要なものを捨てよと囁き掛ける声がなかった訳ではない。

 それは男にとって魅力的な要談で、飲むに破格の報償が用意されているのは考える間もなく理解できた。推し量るまでも無いと天秤を片付けてしまうほどに。

 

「メル、決まったの?」

 

「とりあえずは、かな。後はエダにも伝えなきゃダメだろう。近しい連中にも追々と」

 

「発覚すれば予備役だけじゃ済まないよ。降格や身分剥奪もあり得るんだから」

 

「もっと最悪な結末も、ちゃんと分かってるよ。……だからさ」

 

 柔らかい髪に手櫛を通してから、この男ですら口に出すのが苦しい一言を舌に乗せようとして。

 こちらを覗き込む彼女の瞳に霜が降っていることに、鈍い恐れを抱いた。

 

「ダメ」

 

「えっ。でも」

 

「イヤ」

 

「あのな、少しは」

 

「五月蠅いなぁ……去勢するよ?」

 

「おま、それは洒落にならん!」

 

 彼女の手が男の敏感な箇所を一つ撫で、次第に握る素振りをみせるので大いに慌てた。

 男女の営みでも獅子の異名に恥じない働きをするが、弱点は他の人間と変わりはしないのだ。

 その力加減から、若干所か本気を感じ取れたのならば、尚更の事である。

 身の安全の為に自分と距離を取れ、等と口にすればどうなっていたのか。

 正直、考えたくはない。

 

「オーケーオーケー、分かった! ……お互い前言撤回無しな」

 

 形勢不利とみたメルティエが両手を上げて降参を示すと、アンリエッタは満足気に頷く。

 それでも彼女が”男の急所”を解放したのは、彼が両手をパタパタ振ったのを見届けてからだ。

 

「手離さないって言ったんだから、ちゃんと守らないと……ネ?」

 

「ハイ、ソウデスネ」

 

 この小憎たらしくも愛おしい存在を抱きかかえているのは自分なのに、何やら包み覆われているように感じるのは気のせいなのだろうかと。この手合いの経験値が足りないメルティエは悩んだ。

 悶々と思考する事を嫌う彼は、十を数える前に諦観の息を吐く。

 一先ず棚上げする事にしたのだ。

 

「ミノフスキー粒子の中に在るような艦だから、電波障害に脆い盗聴器の類はないとして。

 問題はザンジバルのクルーか?」

 

「搭乗してたクルーは全員キャリフォルニア・ベースで降ろす手筈だよ。ローデン大佐の指示で、地球降下作戦前にムサイを運用していたクルーをそのまま当てるって」

 

 他はともかく、メルティエの周りを古参兵だけで固める方針らしい。

 確かに安心できる布陣だが、反発や不満が噴き出て当然の人事だ。

 しかしながらそれらが表面化していない現状から、ダグラス・ローデン大佐が何らかの手を使い黙らせたか従わせる切り札を持っていたと見て良いだろう。

 降艦するクルーと会話らしい会話をしておらず、すなわち彼らから避けられたのだと理解した。

 部隊所属後、メルティエが負傷して休養を摂っていただけに。何処か余所余所しく感じた理由の一端を教えられた気がする。

 

「……成程。何かブリッジで違和感を感じていたんだが、そういう事か」

 

「そ。この部隊旗艦(ネメア)だけクルーが離れていないのはそういう事だよ。今も担当部署ごとに操作、設備習熟に励んでいる。上官冥利に尽きるね、メル」

 

「また思い切ったことをする。搭乗員として送り出したキシリア閣下の面子を潰す気か?」

 

「所属した時点で人事は部隊責任者に一任されるから、問題はないって。他ならぬローデン大佐が言っていたし、思う所があったのかも」

 

「ん。そういう事なら平気か?」

 

「……新参者に注意を払うってことは、彼女の」

 

「いや。俺が言うのも何だが、物事を早急に決めるのは良くない。時と場合に因るがね。

 ただこの手の話はデリケートに過ぎる。焦って台無しにする悪癖は持っていない積もりだ。

 民間人セイラ・マスの対応については、この件を預けるべき適任者が居る」

 

「それって――――あっ」

 

 抱擁を解き離れるメルティエを、何処か不満気にアンリエッタが見やる。

 お蔭で一歩引こうとしていたのに、彼女が軍服を握ったままだから半歩程度しか動けない。

 顔を隠す前髪を払うと、思った通りの表情が現れた。

 

「機嫌が今一つな所、申し訳ないが」

 

「うん。ランバ・ラル大尉に、メルのお父様に連絡しておくね」

 

 彼は頷いて、個人の手に余る問題を託すべき相手の名を認めた。

 メルティエの養父でありダイクンを支えたラル家の現当主、ランバが適任と。

 

「やれやれ……久しぶりにガルマと再会できたのに、問題を抱えて来る羽目になるとは」

 

「え。メルって問題を抱えてない時があると思ってたの?」

 

「おいおい、それは――――――――あるって言える自信が無い、な」

 

 瞬きの間だけ過去を巡り、空しい笑い声を出し始めた。

 彼は顔を両手で覆うと、淡々と嘆きを漏らした。

 

「どうしてこうなった」

 

「逃避するのもいいけど、責任はとってね」

 

 頭の中だけでも逃避しようとした男は、無情にも現実を突き付ける女に項垂れる。

 メルティエはだいぶ参っているのか、少し押せば倒れかねないほどに脱力していた。

 地球に降下して以来お目に掛からない彼の情けない姿に、アンリエッタは目を細めて。

 

「ふふっ。仕方ないなぁ」

 

 先程とは逆に、アンリエッタが静かに寄ってメルティエの頭を胸に抱き、硬い背を撫でる。

 明日も変わらず任務が待ち受けている中で、二人は静かに触れ合い、体温を確かめ合う。

 

 今日までとは違う変化を、予感しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうにか小説あらすじ台詞の所まで来れました。
これも感想や評価等で励ましてくれた読者皆様のお蔭です。感謝致します。
ギリギリ一週間投稿できたかな?


今回はキャリフォルニア・ベースと秘かに人気が高いガルマ。
そして毎度お馴染み、メルティエを中心とした話です。
アンリエッタとイチャイチャしている回とも言う。

読者が望んでいるナイス・ボート的な展開は未然に防がれ……たのか!?
あ、懲りずに次話も期待して下さい。
作者も懲りずに励ましのお便り待ってます。
実際、燃料にしている部分は否めないからね……!

???「補給は大切じゃん?」


次回もよろしくお願いしますノシ

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