時空を駆ける大魔導士   作:月影2号機

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PC内のプロットやら執筆データが消し飛んだり仕事が忙しかったりで執筆のモチベが激下がりしてました。
1年ぶりになってしまいましたが、どうにか帰ってくることができました。
こんな感じでこれからも本当に不定期更新になると思いますが、待ってていただけてる方がいる以上、完結までは時間がかかってもやり遂げようと思いますので気長にお待ちください。

15.12/26※魔王軍侵攻時期とマトリフへの弟子入り期間が食い違う為、修正
17.1/24※文面的に少しおかしい箇所を修正
    ※感想で「ダイ大世界でのモンスタードロップに違和感がある」とご指摘があり、自身でもしっくりこなくなった為、最終部分を大幅に改稿しました。


第6話

師匠の修行という名の地獄のシゴキに耐え抜き、俺は約4年かけてようやく師匠のお墨付きを貰った。

前世の時は、魔王軍の進行が始まった後の師事だったこともあって、駆け足どころかトベルーラを使った全力滑空のような速度で様々な事を覚え、己を鍛えていった。

今回は魔王軍の再結成、進行まで時間があり、師匠の体もまだガタが来る前だった為、時間をたっぷり使うことができた。

 

 

「これ以上、俺から教えられる事はもうない。あとは戦いながらてめぇで強くなれ」

 

 

師匠はぶっきらぼうに言い放ったけど、俺の出来が予想以上によかったせいか、持てる全てを教え込んだ達成感のようなものを顔に浮かべていた気がした。

事実、俺は師匠からベタン、メドローアとオリジナル呪文を授かり、完璧に使いこなせるようになったし、あの時は覚えることのできなかった補助系呪文やマホカンタ、マホステみたいな対呪文対策用呪文までも早期に身に着けることができた。

 

卒業証書替わりに貰った輝きの杖、魔導士のマントを貰い受け、数十年ぶりに身に着ける。

その着心地は、当時ダイ達と一緒にがむしゃらに魔王軍と戦い続けたあの日々を思い出させる懐かしさを伴っていた。

 

 

「ありがとう師匠。師匠に弟子入りできて本当によかったよ」

 

 

素直に礼を言うと、師匠は気恥ずかしそうにゴボンと咳払いして、洞窟の奥へ引っ込んで行ってしまった。

 

 

「それじゃ、行ってくる」

 

 

そう言って師匠の住処を出ようとする俺の耳に

 

 

「・・・死ぬんじゃねぇぞ、ポップ」

 

 

師匠の精一杯のエールが届いた。

ダイを救うまで死ぬつもりなんぞ毛頭ない。

俺は後ろを振り向かず、親指を突き出した右手を後ろに見せ、今度こそその場を後にした。

 

 

「待ってろよダイ、もうすぐお前のところに行くからな」

 

 

流石に、今の俺がまだ行ったことのないデルムリン島にルーラで飛んでいくのは色々まずいから、俺は逸る気持ちを抑えてトベルーラと船を併用して少し時間をかけてデルムリン島へ向かうようにした。

時期的に、魔王軍の再結成が迫っているし、恐らくデルムリン島へ着くころには島のモンスターたちが暴れ出すだろう。

アバン先生もデルムリン島へ向かうだろうし、運がよければ途中で合流できるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

師匠の元からデルムリン島を目指して3日が経った。

トベルーラでパプニカへ戻り、船を乗り継ぎロモスに辿りついた。

バーンの地上侵攻が始まったのか、俺がロモスに着くころにはちらほらと野生の魔物が狂暴化をし始めていた。

流石に、ロモス近辺に出る魔物は俺の敵ではなく、収束閃熱呪文(ギラ)や収束火炎呪文(メラ)程度でも十分だった。

時折襲ってくる魔物を蹴散らしながら城下町に着いた俺は、早速デルムリン島へ渡る為の船を確保しに行った。

魔物の狂暴化によって船乗りたちが中々海へ出れないせいで、漁に使うような小型船が余っているらしく、相場より安く買う事ができた。

 

 

「さて、船の準備もできたし、明日にはデルムリン島へ向かおう」

 

 

デルムリン島で何かあった時の為に、多少大目に薬草や毒消し草を買い足し、鋼の剣、くさりかたびら、青銅の盾といったダイ用の簡単な装備も購入し、準備は万端だ。

魔法使いの俺があまり強い装備を持っていてもアバン先生に怪しまれるし、この程度の装備なら、旅の道中で手に入れたとか、いくらでも誤魔化しは効く。

道中は何が起こるか分からず、休める時に休んでおこうとその日は早々に宿を取り、ゆっくり休んで体力と魔力の回復に努めた。

 

翌朝、俺は日の出と共にロモスの港を出発し、デルムリン島に向かった。

空は雲一つない快晴、風も穏やかで絶好の船旅日和となった。

これで、魔王軍の侵攻さえなければ快適な船旅を楽しみたいところだ。

 

デルムリン島までは天候に見放されなければ大体3~4日もあれば辿りつけるはずだ。

時折、しびれくらげやマーマンの姿を見かけるけど、今はまだ海の魔物もそこまで凶暴化していないのか、早々に襲ってくるようなやつはいないみたいだ。

できれば、ハドラー戦までに無駄な消耗は抑えたいから、そのままおとなしくしていてほしい。

 

 

「デルムリン島に行くのも随分久しぶりだな・・・」

 

 

最後にデルムリン島に行ったのはこっちの世界に来てからの年月も含めるともう50年近くも前になる。

ダイを探す旅の途中でちょくちょくブラスじいさんの顔を見に立ち寄ってたんだが、じいさんが死んじまった辺りから立ち寄らなくなっちまったんだよな。

デルムリン島に着いたらじいさんやゴメ公、ダイの友達の魔物連中とも随分久しぶりに会うことになる。

昔を懐かしむ気持ちもあるけど、今の俺はあの島の住人の事を一切知らないことになるから、ボロが出ないように気を付けよう。




約1年ぶりとなりましたが、また帰ってこれました。
未だに7話以降の執筆が滞ってるので亀更新になりますが、現状直せるところは直しておこうと思い、6話の改定だけでもと思い久しぶりに更新させていただきました。

呪文の件に関しては、一応wikiでの呼称が呪文となっている為、このまま呪文で通していこうと思います。

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