時空を駆ける大魔導士   作:月影2号機

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今回からポップの一人称と三人称を使い分けていく予定です。


第2話

眩しい光を受け、意識が覚醒する。

 

 

「ん……朝か」

 

 

まだ少し眠い目をこすり、ベッドから体を起こす。

寝間着からトレーニング用の服に着換え、顔を洗いに部屋の外へ出る。

 

 

「おはようポップ。今日も早いのね」

 

 

「おはよう母さん」

 

 

台所で朝食の支度をしていた母さんと挨拶を交わし、外の井戸で顔を洗う。

外はまだ日の出からそれほど時間は経ってなく、まだ所々薄暗い。

軽くストレッチで体をほぐし、日課のランニングを始める。

 

 

ダイを救う為、時の技法を身に着け、

俺は精神だけを過去に戻すことに成功した。

 

 

なるべく早くから鍛えたいと思って、

アバン先生に弟子入りする1、2年前くらいに戻るつもりだった。

けれど、細かな調整ができなかった為、

先生に弟子入りする前の時代を大まかに設定したら5歳児のポップの体に乗り移った。

 

 

予定よりも大分昔に飛んでしまったが、

95歳まで生きた経験はこの精神に宿っている。

それに、先生に弟子入りする前からある程度基礎体力も付けれるし、

呪文の契約も済ませられる。

 

 

もっとも、あまり多くの呪文を一気に契約してしまえば

先生に弟子入りする理由がなくなってしまうので、

攻撃呪文と回復呪文の初歩に留めておく。

 

 

小さい内から才能の片鱗を見せておけば、

先生が前よりも早くこの村を訪れてくれる可能性もある。

それを考えれば、この時代に飛んでこれたのは

ある意味ラッキーだったかもしれない。

 

 

「あの時はバーンに勝てたけど、今回も勝てる保証はどこにもないからな」

 

 

前回の大魔王戦は様々な要因が絡み合い、

奇跡の積み重ねでようやく勝てた。

俺が過去へ戻った事で、歴史が変わる事を最小限に抑える為、

あまり派手な動きはできない。

 

 

それでも、過去の俺より少しでも強くなれば、多少は旅も楽になるし、

奇跡に頼らなくてもバーンを倒せるようになるかもしれない。

 

 

それに、体が精神に引っ張られているのか、

今の俺は既にダイと初めて会った頃と同じくらいの魔法力を備えていた。

体への負担を考慮して、中級以上の呪文はまだ契約してない。

それでも、初級呪文は連続して撃てるし、ギラに関しては

もう少しレベルが上がれば収束させて撃つこともできそうだ。

 

 

「なにより、相手の戦力、得意技が全部わかるってのがでかいよな」

 

 

自分の力量が前回に比べ遥かに上がっているのも収穫だが、

魔王軍の手の内が全て分かっているというのはデカい。

よほど歴史が変わらない限り、相手を出し抜けるという

情報のアドバンテージ、これを生かさない手はない。

 

 

今度は、ダイを救える。

俺はそう確信しつつ、鍛錬に励んだ。

魔王軍が攻めてくるまであと10年。

やれる事はできるだけやっておこう。

 

 

 




やっぱり文章を書くのは難しいですね……
一応、ある程度設定は起こしてあるのですが、プロットは深く考えず、行き当たりばったりな感じでやってます。

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