鎮守府の片隅で   作:ariel

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今回は久しぶりに甘味の回になります。いつもの軽巡三人組は既に全員が登場していますので、今回は少し順番が変則的なのですが駆逐艦の子を登場させる事にしました。


第七七話 磯風と豆腐アイス

鎮守府某所 磯風

 

 

「浜風、本当に行くのか?」

 

「ええねぇ、ウチもこの機会に行きたいねぇ。じゃけぇ、浜風頼むわ…。」

 

「…仕方ありません。金剛には内緒でお願いしてきます。…で、何をお願いします?」

 

そう…これが問題だな。金剛に内緒で、折角三人で行く訳だから、特別な物が食べたいものだな。やっぱり冬だから温かい料理・・・いや、以前阿武隈から、寒い日こそ暖かい部屋の中で冷たい物を食べるのが贅沢…という事を聞いた事があるな…。冷たい物も捨てがたいものだな。…そういえばあのお店はMVPの時のご褒美で食べさせてもらった甘い物も美味しかったな…。矢矧や神通さんも甘い物に嵌っているようだし…この選択肢も悪く無いかもしれないな。

 

「浜風…少し考えたのだが、冷たくて甘い物などはどうだろうか?浦風は何か良い考えがあるか?」

 

「ウチは何でもエエよ。」

 

「冷たくて甘い物ですか…。まぁ、お店の中は暖かいでしょうから…それもアリですね。」

 

どうやら浦風や浜風も賛同してくれるようだな。今日は金剛が提督と一緒に出張中だから、私達も金剛に遠慮せずに鳳翔さんのお店に行ける事だし、美味しい物を食べたいからな。

 

「浜風、それでは頼むぞ。」

 

「はい、問題ありません。早速鳳翔さんの所に行って、予約を入れてきます。」

 

この注文で鳳翔さんが何を作ってくれるのか…それは磯風も分からないが、まぁ鳳翔さんなら全部任せても問題ないだろうな。今日は楽しみだな。

 

 

 

小料理屋『鳳翔』  鳳翔

 

 

「冷たくて甘い物ですか?…いえ、勿論なんとか出来ますが…冬に冷たい物というのは珍しいリクエストですね。」

 

「えぇ…磯風達と相談して決めたのですが、冬とは言え、お店の中は暖かいから問題ないだろうと…。」

 

昼頃、そろそろ今日の仕込みを始めようとした時間に、駆逐艦の浜風さんがやってきました。どうやら今日の夜の予約をお願いしにきたようですが、その注文というのが『冷たくて甘い物』とのことです。夏でしたらまだしも、この寒い冬にわざわざ冷たい物…というのはどうかと思いましたが、たしかに店内で食べるのであれば問題ないのかもしれませんね。希望に沿う形で少し考えてみましょうか。

 

また話を聞いてみますと、今日は金剛さんがあの人と一緒に出張中のため…と言っていますので、おそらくはこれまで、金剛さんに遠慮して私のお店に自分達だけで来る事を避けていたようですね。たしかに、浜風さんそして浦風さんと磯風さんで編成している駆逐隊は、能代さんや矢矧さんが率いる第二水雷戦隊に組み込まれていますが、使い勝手の良さから秘書艦である金剛さんの直属部隊のような形でも運用されています。そして私はそのような事を考えていなかったのですが、浜風さん達は、金剛さんと私の関係を考えると、自分達はこのお店では歓迎されないと思っていたようです。また金剛さんもそのような事は考えていないと思うのですが、浜風さん達は、私のお店を個人的に利用すると後で金剛さんから厭味を言われる…とも考えていたようですね。

 

いずれにせよ今日は折角の機会という事で、私のお店に来てくれるようですから、少し時期外れなお願いだとは思いますが、何か希望に沿う形で美味しい物を作ってあげたいですね。

 

「分かりました。それでは今日三人分の冷たくて甘い物を準備しますので、楽しみにしていてくださいね。ところで、矢矧さん達には何も言わなくて良いのですか?矢矧さん達も時々私のお店に来ますから…。」

 

「たぶん大丈夫かと…。それでは鳳翔さん、お願いします。」

 

そうですか…問題ないようでしたら良いのですが…。矢矧さん達も甘い物は大好きですから、自分達に内緒で駆逐艦の子達だけで甘い物を楽しんでいた…なんてことになりますと、色々と言われるのではないかと少し心配になりました。とはいえ浜風さんの回答は『大丈夫』との事ですから、おそらく第二水雷戦隊の内部ではそこまで厳しい上下関係はないようですね。空母娘達の関係とは少し違うようです。

 

さて、浜風さんは戻っていきましたが、今日は何を作ってあげましょうか。冷たい物という事ですから、いつものように葛切りなどでも良いのですが…そうですね…アイスクリームというのも面白いかもしれませんね。以前、北方艦隊所属の木曾さんからだったと思いますが、寒い日に暖かい部屋で冷たいアイスクリームを食べるのは贅沢な楽しみだ…なんて事を聞いた記憶があります。その時は『何をバカな事を言っているのですか…』と反応したと思いますが、考えてみれば面白いかもしれませんね。

 

ただ私のお店にはアイスクリーマーは置いていませんから、普通にアイスクリームを作る事は出来ません。冷凍庫程度で作る事が可能なもの…アイスキャンディーでは流石に味気がないですし…。!そうです。たしかお豆腐を使ったアイスクリームがありました。あれでしたら、そのまま冷凍庫に保管しておくだけでアイスクリームが作れますし、和風の少し変わった味のアイスクリームが出来ますから、これで行きましょう。それでは早速準備しましょうか。

 

まずは卵白に砂糖を入れて泡立てておきます。またこれとは別に、卵黄の方にも砂糖を入れてよく混ぜましょうか。そして水切りした絹ごし豆腐と卵白を泡立てた物をミキサーで一度混ぜます。この状態でほぼ完全に豆腐は崩れているのですが、最終的な食感を考えて、より滑らかに食べられるように一度裏漉ししておきましょうか。

 

後はここに少し濃厚な味が楽しめるように生クリームを入れましょう。生クリームの液体に砂糖を入れて、これを泡だて器を使ってホイップさせます。そしてこの生クリームと準備していた卵黄を混ぜ、ここに更に豆腐を裏漉ししたものを投入して…もう一度良く混ぜたら…これでアイスクリームの素は完成です。後はこれをボールに入れたまま冷凍庫に入れて、何度か冷凍庫の中で掻き混ぜて空気を含ませるように凍らせれば、今日の夜には美味しくアイスクリームが完成しているでしょう。通常のアイスクリームとは違い、少し和風のアイスクリームですが、楽しんでくれるのではないでしょうか。…そうですね、折角ですからアイスクリームの上からかけるための黒蜜等も準備しておきましょうか。これがあるだけで、全く違った風味を楽しむことも出来ますから、浜風さん達も様々な味を楽しめると思います。

 

 

「いらっしゃい、三人とも。ちゃんと注文の物は準備してありますよ。さぁさぁ、そちらのカウンターにどうぞ。遠慮しなくても大丈夫ですよ。」

 

「あ…あぁ。鳳翔さん…今日はよろしく頼む。」

 

「ウチも楽しみにしとったんじゃ。」

 

「何が出てくるのか…浜風も楽しみですね。」

 

少し前にお店の入り口付近に人の気配がしましたので、浜風さん達が来たのだろうな…とは思っていましたが、お店に入ってくるまで少し時間がかかりましたね。やはり私のお店…少し駆逐艦の子達には入り辛いのでしょうか…。一応誰でも入れるようなお店を目指しているのですが、なかなか難しい物ですね。とはいえ、磯風さんを先頭に三人が入店してきました。今日は折角の機会ですから、カウンター席に座ってもらいましょうか。

 

「ん?初霜…今日も来ているのか。初霜は私達以上に金剛の側近だったと思うのだが、こんなに毎日ここに入り浸っていても問題ないのか?」

 

「えっ?磯風ちゃん何を言っているの?金剛さんはそんな事気にしていないわ。それに勿論、鳳翔さんだって気にしていないわ。」

 

カウンター席に座った磯風さんですが、同じくカウンター席に今日も大和さんと一緒に来ている初霜ちゃんを見つけて話しかけましたね。磯風さんと初霜ちゃんは同じ第二水雷戦隊に所属していますので、磯風さんにとっても話しかけやすい相手のようです。それにしても…やはり磯風さんも浜風さんと同じく、金剛さんへの遠慮と私に対する警戒があったようですね。初霜ちゃんは直に否定してくれましたが、私も金剛さんも皆さんを巻き込んでライバル関係という訳ではありませんので、あまりそのように思われてしまいますと…少し私も罪悪感を感じてしまいそうです。

 

初霜ちゃんが明確に否定してくれたため助かりましたし、磯風さんも『そういうものか…』と納得してくれたようなので良かったのですが、私も少し金剛さんとの関係を考え直さなくてはいけないようですね。…もっとも、あの金剛さんが態度を改めるとはとても思えませんが…。いずれにせよ、今日はこれまで遠慮して私のお店に来る事が出来なかった分も含めて楽しんでもらえたら良いですね。

 

「磯風さん、初霜ちゃんもそう言っていますし、これからは遠慮せずに来てくださいね。それと…今日ですが、豆腐のアイスクリームを作ってみました。直に出しますので、少し待っていてくださいね。」

 

「豆腐?豆腐のアイスクリームとは面白そうだな。美味しかったら作り方を聞いて、磯風も作ってみるか…。ん?なんだ?浦風。何を不審そうな目で見ている。」

 

「磯風…やめときぃ…。でも豆腐のアイスクリームはええねぇ。楽しみじゃねぇ。」

 

「豆腐のアイスクリームとは…。ありですね!浜風も楽しみです。」

 

三人とも少し意表をつかれたようで、最初は少し驚いた表情を見せていましたが、それでも楽しみだ…と言ってくれました。おそらく一口食べたら更に驚くと思いますが…喜んでくれるといいですね。それでは先ほどのアイスクリームを冷凍庫から取り出して最後の準備をしましょうか。

 

まずは冷凍庫からアイスクリームを取り出します。白く綺麗なアイスクリームが出来上がっていますね。それではこれをガラスの器に取り分けて…後は別のガラスの器に冷した黒蜜、そして更に別の器にきな粉を入れて一緒に出します。

 

「皆さん、これが豆腐のアイスクリームです。それと今回は一緒に黒蜜やきな粉も準備しましたので、お好みで一緒に入れて食べてください。」

 

 

 

磯風

 

 

豆腐のアイスクリームか…アイスクリームは予想の中に入っていたが、流石にこれは予想していなかったな。やはり鳳翔さんのお店だな…こんな事なら、もっと早く来るべきだったな。いや…第二水雷戦隊の訓練でのMVPで二度程、矢矧や神通さんに連れてきてもらっているが、もっと浜風や浦風と一緒に個人的に来るべきだったな。これまで三人とも金剛直属部隊の駆逐艦という事で、個人的に来店したら鳳翔さんに歓迎してもらえない…と思っていたが、磯風達よりも更に金剛との関係が深い初霜も歓迎されているようだから問題ないのだな。

 

しかし…初霜はこの店の常連のようだが、なぜそんなに頻繁に来店出来るのだ?初霜も磯風達と俸給はそれ程変わらない筈ではないか。いや…金剛の仕事の手伝いの臨時収入か…。磯風達もそれなりに金剛から別口で貰っているから、こうやって鳳翔さんのお店に来る事が出来る訳だが、初霜はもっと貰っていてもおかしくないからな。

 

さてそんな事はどうでもいい。折角出してもらったアイスクリームだ。溶ける前に食べてしまわないと。さっき鳳翔さんは豆腐のアイスクリームと言っていたが、色は真っ白…特に何も変哲のないアイスクリームのようだが…。ふむ…意外と柔らかいようだな。!ん…この味は。これはたしかに普通のアイスクリームとは違うな。その…豆腐の味…いや、大豆の甘さをほんのり感じる事が出来る上品な味。美味いな。豆腐のアイスクリームという事で、少し警戒していたが、これはどうしてなかなか…。普段間宮さんの所で食べるアイスクリームのような滑らかさに濃厚な味もある。

 

普段のアイスクリームも勿論美味しいのだが、この甘すぎないアイスクリームは本当にいいな。なんというか…大人のアイスクリームと言うべき味なのだろう。口の中に入れた瞬間に舌に感じる冷たさ。そしてそこから伝わる大豆の香りを持った慎ましい甘さ。しばらく経つと、口の中で崩れるように消えてしまう儚い甘さ…本当に美味いな。このアイスクリームを食べるためだけでも、鳳翔さんのお店に来た甲斐があるというものだな。

 

そういえば鳳翔さんはお好みで黒蜜なども使えと言っていたが、折角だからこちらも試してみるか。まずは黒蜜を上からトロッとかけて…次にきな粉をふりかける。…これは綺麗なアイスクリームに変身したな。真っ白で純白なアイスクリームの上から輝く黒色の蜜、さらにきな粉の綺麗な色が散りばめられる。おそらく味も良いと思うが、この見た目も素晴らしい。

 

それでは早速…これは…これはいいな。さっきの控えめな甘さとは違い、濃厚な甘さを持つ独特の香りの黒蜜、そしてきな粉の香りと甘さ…今度はしっかりした甘さを感じられる。それに甘いと言っても、ケーキなどの甘さとは違って、全て和風で統一された甘さ。アイスクリームは西洋の物だが、味は全て和風…。間宮さんのところのアイスクリームも勿論美味しいし磯風も好きだが、この鳳翔さんのところの大人の味がするアイスクリームは…また食べたいな…。

 

「おぃ、浦風、浜風。また次も来たいものだな。」

 

「そうじゃね…。今日は本当にえかった…。また来たいねぇ。」

 

「磯風、浦風、次はいつにしましょうか。」

 

他の二人も同意見のようだな。金剛への遠慮も要らないようだし、鳳翔さんも歓迎してくれる事が分かった以上、磯風達を阻む物はもう何もないのだからな。次もなるべく早く来たいものだな。

 

 

 

鳳翔

 

 

どうやら三人とも、私が思っていた以上に楽しんでくれたようですね。駆逐艦の子達は間宮さんの所のアイスクリームに慣れていますが、今回の豆腐のアイスクリームの味は少し違うため不安はありました。とはいえ、今回の豆腐で出来たシンプルな味のアイスクリームも問題無かったようですし、黒蜜やきな粉を使った純和風のアイスクリームも喜んでもらえたようです。そして今回の来店で、私のお店に普通に来る事が出来るという事が分かったようですから、これからは気軽に時々来てもらえそうですね。あらっ?

 

「磯風さん、それに浜風さんに浦風さん。私達に黙って甘い物ですか…。とても…とても美味しそうですね。しかし指導をしている私達にも内緒で…というのはどうかと思います。矢矧さんと能代さんは聞いていましたか?」

 

「そういえば、私は磯風と浜風からは何も聞いていないわ。能代姉はどう?」

 

「私も浦風さんからは何も聞いていませんね。…うん、このアイスクリーム美味しいわ。」

 

全く音はしなかったのですが、いつの間にか神通さん達が磯風さん達の後ろに来ていました。そして能代さんが、浦風さんのガラスの器に残っている僅かなアイスクリームを味見しましたね。…あの…神通さんもそうですが、三人とも物凄い笑顔でプレッシャーを磯風さん達に浴びせていますね。磯風さん達の顔色が…。とはいえこれは水雷戦隊内の事ですから、今の段階で私が口出しする訳にはいきませんし…。磯風さん達は声も出ない程緊張しています。そして神通さんも、磯風さんのガラスの器から少し味見しました。

 

「能代さん、矢矧さん?指揮下の駆逐艦への指導が甘すぎるため、統制が取れていないようですね。私達にも内緒で甘い物を食べに来る…これはいけませんね。しかも…えぇ、このアイスクリーム凄く美味しいです…。私達もまだ食べていないような甘味を楽しむ…これはいけません。私の指揮下のソロモン組の駆逐艦の子達ではありえない行動ですし…一度私の指揮下に編入して、鍛えなおしましょうか。」

 

神通さんの何気ない一言に、磯風さん達は完全に恐慌状態に陥っています。しかし…磯風さん達はあの金剛さんの直属部隊でもある精鋭駆逐隊です。その磯風さん達をもってしても、神通さんは怖いようですね。神通さんの部隊に一時的とは言え編入される可能性がある…という事で、磯風さん達は矢矧さんや能代さんに対して、必死で再考を求めていますね。

 

「や…矢矧。見捨てないでくれ。これからはもう少しきちんと報告や連絡はする。甘い物を食べる時もきちんと相談はする。だから…天一号組からソロモン組への編入は…。第十七駆逐隊はきっと矢矧の役に立つ筈だ。な…なぁ、浜風?」

 

「はいっ!浜風も磯風と一緒に必ず矢矧の役に立ちますから、編入の件は再考してもらえると…。」

 

「う…うちもきっと役に立つよ?じゃけぇ、能代さん。その…編入の件は、考え直して欲しいんじゃ…。」

 

磯風さん達の必死の嘆願に、矢矧さん達も流石に気の毒だと思ったのか、神通さんに再考を求めるようですね。神通さんもちょっとした思い付きだったようなので、特に自分の提案に拘るつもりはないようですから、元の鞘に収まりそうですが…。しかし神通さんのたった一言の何気ない提案でも、これだけ駆逐艦の子達は右往左往してしまうのですね。能代さんや矢矧さんも第二水雷戦隊の旗艦組ではありますが、実質は神通さんの部隊という事なのでしょう。

 

あらあら…神通さん達は磯風さん達を挟んで、カウンター席を占領してしまいました。そして…そうでしょうね、やはりと言いますか、磯風さん達に出してあげた豆腐アイスクリームを要求してきました。それでは、もう少しアイスクリームの残りもありますから、神通さん達にも出してあげましょうか。少し緊張感が走りましたが、結果的には今日も鎮守府は平和です。

 

 

 

 

 

後日   

 

第二水雷戦隊訓練所  矢矧

 

 

「矢矧、今日はまた浜風と浦風と一緒に、鳳翔さんの所で甘い物を食べてくる。ちゃんと報告したぞ。…あっ、神通さん。本日1830より、磯風以下三名、鳳翔さんのお店で甘味を楽しんでくるつもりです。報告終わります!」

 

「…そうですか。私達も今日は行く予定ですから、お店で会う事になりそうですね。それでは後ほど。」

 

「っ!」

 

…磯風。神通さんと私への対応がかなり違うような気がするのだけれど。あまり私への対応が悪いようなら、今度神通さんにお願いして、夕立の組としばらく交換してもらうという手もあるわよ…。まぁいいわ。今日鳳翔さんのお店で甘い物でも食べながら、少しお説教が必要なようね。それにしても…私の隊も鳳翔さんのお店に行く子が増えてきたわね。お店が賑やかになって良いのだけれど、あまり気楽に能代姉や神通さんとバカ話も出来なくなった…という事ね。




『真冬に暖かい部屋で炬燵に入りながら食べるアイスクリームは至高の味である』とは北海道の友人がよく言っていた言葉でしてw、まぁ気持ちは良く分かります。環境負荷が非常に高い楽しみ方なのですが、言いたい事は非常によく分かりますw。北海道ならではの楽しみ方なのでしょうね^^;。という事でこの話でも、北方艦隊所属の木曾さんや、北方に派遣された阿武隈さん達からのアイデアという形をとりました。

さて豆腐のアイスクリーム、実はこのアイスクリームの作り方は某国営(?)テレビ局の子供向け料理アニメで学びまして…。当時娘が見ていたのをチラ見しつつレシピを覚えた記憶がありますww。非常に簡単な作り方なのですが、出来上がるアイスクリームは絶品です。たしかその番組では更に簡単な作り方を紹介していましたし、シンプルな豆腐アイスだったと思いますが、そこに少し生クリームなどを加えますと一気に味わいが変わりますし、豆腐が素になって和風テイストな分、黒蜜やきな粉との相性も完璧です。ですから機会があれば、是非トライしてもらえたらと思います。

さて今回の登場艦娘ですが…当初は暁達の第六駆逐隊の中からの登場を考えていました。ところが磯風から『司令、私達が甘い物を食べてもいいのだぞ?いや…むしろ食べさせろ。』という天啓がありまして、その天啓に従う形で磯風さん達の第十七駆逐隊を登場させる事に。

とはいえ、この第十七駆逐隊…面子をどうするか?という部分で少し悩みました。オーソドックスに磯風、浜風、浦風、谷風(+雪風)にするのか、天一号編成の雪風、磯風、浜風で行くのか…なのですが、谷風はなんとなく台詞回し的に合わせるのが大変、そして雪風は第十六駆逐隊の印象が非常に強いため、かなり変則的ではありますが磯風+浦風+浜風の三人で登場という形をとりました。そしてこの鎮守府では同じ駆逐隊ではありますが、磯風+浜風は矢矧が、そして浦風は能代が面倒を見ているという形を取っています。とはいえ三人とも古参駆逐艦のため、神通さんはとても怖いと思っているようですがw

いずれにせよ、いつもの軽巡三人組に加えて駆逐艦三人娘も目出度く甘味組に入る事になりそうです。特にこの三人娘は金剛の直属艦隊扱いでもあるため、金剛からの臨時収入(金剛からのお小遣い?)もあるため、鳳翔さんのお店にもそれなりに来る事が出来そうですから、これからお店で軽巡三人組と鉢合わせになる事が増えるような…。おそらく浦風もそのうち主人公として登場すると思いますが、彼女の登場回も甘味回になりそうです。

今回も読んでいただきありがとうございました。




豆腐アイスクリーム(ボール一個分)
絹ごし豆腐 :1丁(350gくらい?)
生クリーム :150-200ml
卵     :1個
砂糖    :全部で100g
きな粉   :お好みで
黒蜜    :お好みで

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