なんでこんなことになったんだ!?   作:サイキライカ

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こんな隠しイベントが待ってるなんてね。


まったくもう

「霧島より入電!!

 駆逐棲鬼がレ級フラグシップ改の撃破に成功したとの事です!!」

 

 ルンガ泊地司令部に届けられた報に大淀が複雑そうにそう告げる。

 

「……そうか」

 

 その報告にルンガ泊地の提督『磐酒』はしばし黙し、つい先ほど届いた第三艦隊による不知火及び時雨の救出隊の成功を反芻してから次の行動を告げた。

 

「霧島に伝えろ。

 駆逐棲鬼及び駆逐棲鬼旗下艦隊にルンガ泊地への招待をするようにと」

「司令!?」

 

 敵である深海棲艦を泊地に招こうと言う提督の決断に大淀はつい声を荒げてしまう。

 しかし大淀の勅言も提督はその考えを変えない。

「奴が噂通り本当に善性なのか確かめておきたい。

 それと、向こうが拒否するようなら追撃は不要と伝えておけ。

 間接的にだが第三艦隊による不知火と時雨の救出作戦に一役買って貰った相手なのだからな」

「…分かりました」

 

 どうあっても覆さないと大淀は不承ながらそれを表にださず霧島に通達を送る。

 

「…了解しました」

 

 大淀からの新たな指令を受け霧島は即座に行動を始める。

 

「主砲装填解除。

 マストに白旗を掲げて」

 

 意味を解してくれるかは不安だが、少なくとも駆逐棲鬼は問答無用ということもあるまいと妖精さん達の作業が完了次第霧島はマストに白旗を掲げ仲間達と合流したイ級の下に向かう。

 

「相変わらずダメコン職人はいい仕事をするな」

 

 超重力砲の負荷で轟沈するところを毎度の如くダメコンで回避したイ級は晴れやかな気持ちでそうごちる。

 

「全く、少しは反省してください」

 

 義手に搭載されたハイパー波動砲の急冷機構から蒸気を出しながらそう窘める古鷹に、イ級は(傍目からはそうは見えないが)困り顔ですまないと謝る。

 

「それと、ありがとう」

 

 間違った考えを是正してくれたことへの礼を述べると古鷹はにっこりと微笑む。

 

「仲間なんですから当然ですよ」

 

 そう笑う古鷹の笑顔にイ級は大天使古鷹は二次創作じゃなかったんだと改めて感動する。

 

「それに、貴女の異変にいち早く気付いてくれた春雨が居たから間に合ってくれたんです。

 彼女にもちゃんとお礼をしてくださいね」

 

 まるで姉のようにそう促す古鷹にイ級はレ級によって荒んだ気持ちが癒されるなぁと思いながら春雨に礼を述べる。

 

「春雨も、本当にありがとう」

「お礼なんてそんな…。

 それに私は結局足を引っ張ってしまいました…」

 

 レ級に囚われる失態を犯した事を悔やむ春雨に気にしないと否定する。

 

「春雨だって頑張ったんだからとんとんだよ」

「…はい」

 

 汚名はしっかり挽回したとそう言うイ級に春雨は頷く。

 場を和ませようと汚名は返上と突っ込まれるのを期待してわざと間違えたのだが、完璧に流されたのでイ級は何も無かったことにする。

 三人としまかぜ達連装砲ちゃん、そしてアルファ達が木曾達の所に着くと、木曾達だけでなく千代田達の姿も見られ北方棲姫が大型艤装を展開していた。

 

「戻って来てくれたんだな」

「ああ。ただいま」

 

 似つかわしい場所ではないが、それ以上に相応しい言葉もないとイ級が言い、木曾がおかえりと返す。

 

「千代田が居るって事は氷川丸が?」

「ああ、姫の艤装で瑞鳳の治療を始めているよ」

 

 氷川丸が来てくれたのならもう不安はないだろう。

 と、そこでイ級は浮遊要塞の姿が無いことに気付く。

 

「そういえば浮遊要塞はどうした?」

 

 盾に使ったのかと尋ねるも木曾は分からないと首を振る。

 

「あの押し潰す力を使われてから姿を見てないんだ」

「そうなのか」

 

 1番装甲が薄いヌ級が小破にもならない被害で済んでいるのだから沈んだということは無いだろう。

 

「ちょっと待ってくれ」

 

 近くにいるか確かめるため視界の共有を試すイ級。

 だが、やはり共有は行われない。

 

「取り敢えず行方不明だな」

「その内帰ってくるんじゃないの?」

「犬猫じゃないんだから流石にそれはどうなの?」

 

 北上の言に呆れ混じりにそう言った千代田はマストに白旗を張りながら接近する霧島に気付く。

 

「あれって?」

「ん?

 あれはレ級にやられたルンガ泊地の霧島だな」

「白旗って事は戦う気は無いみたいだね」

 

 ヘ級の事があるので微妙だが、戦う気がないならそれに越したことはないだろう。

 

「ちょっと話を聞いてくるか」

 

 そう舵を切ろうとしたイ級を北上が止める。

 

「ああもう。

 大破してるんだから大人しくしてなって。

 話を聞くなら私と木曾で行くからさ」

「しかし…」

「それとも頼りない?」

 

 そう言われてはイ級も折れるしかない。

 

「解ったよ。二人共頼む」

「任せとけ」

「あいあいさ〜」

 

 イ級に手を振りながら霧島へと向かう二人。

 声が届かないぐらい離れたところで北上が突然喋り出す。

 

「ねぇ木曾。

 今回の事でさ、ちよっと思った事があるんだよね」

「何をだ北上姉?」

 

 二人だけで話がしたいから名乗りを挙げたのだと気付いていた木曾がそう問うと、北上は軽い口調はそのままに言う。

 

「多分、ううん。この先いつかさ、『嫌な選択』をしなきゃなんない日が来るって今回の事で強く思ったんだよね」

「……」

 

 イ級は強い。

 だけど、なにもかもを背負い上手く行くはずがないのだ。

 どうしようもなくて『嫌な選択』をしなければ全てを失う重い決断は、先延ばしには出来ない。

 

「だけどさ、イ級には無理だよね」

「…そう…だな」

 

 そんな選択を迫られたら、イ級は絶対に自分を犠牲にしてしまう。

 だけどそれでは駄目なのだ。

 本人がどれだけ自覚しているか怪しいが、イ級がいなくなれば自分達の関係は破綻する。

 それほどにイ級を取り巻く関係は危うく、そしてイ級の存在は大きいのだ。

 

「そうなったらさ、イ級を残すためにも私達のどっちかがやることになるだろうからさ」

「……」

 

 『嫌な選択』は鳳翔にも出来るだろうが、鳳翔は最終的に鎮守府のために動かなければならない身。

 島の利だけを考え、イ級のために『嫌な選択』をイ級の代わりに引き受けられるのは自分達しかいないとそう北上は考えていた。

 

「だからさ、その時が来たら躊躇っちゃ駄目だからね?」

「……ああ」

 

 例えそれが誰を切り捨てることになっても躊躇するなとそう頼む北上。

 

「そうならないことを願うよ」

「それは私も同じだよ」

 

 そう笑い、この話はおしまいと二人は頭を切り替える。

 そして霧島との会話が可能な距離まで接近すると二人は止まり、霧島も停止する。

 

「イ級が事情は聞いている。

 ルンガ泊地所属の霧島だな?」

 

 勿体振る時間が惜しいとそう確認する木曾に霧島はええと頷く。

 

「白旗を挙げている理由を答えてもらいましょうかね」

 

 騙し討ちをするほど落ちぶれてはいないだろうが、頭から信用するほど北上達は鎮守府という組織を信用もしていない。

 北上に促され霧島は提督からの指令を告げる。

 

「今件での駆逐棲鬼の協力に提督は感謝し、泊地へ招待したいとお考えしています。

 御一考願えますか?」

「泊地に招待したいって、それって本気で?」

 

 北上が耳を疑うのも当然だ。

 イ級は性能やら元人間だということを加えたところであくまで深海棲艦。

 それを泊地に招待しようだなんて罠としか考えられない。

 当然霧島もそう考えるだろうと分かっているためもう一つも付け加える。

 

「断っても構わないわ。

 貴女達は知らないだろうから説明させてもらうと、あのレ級は私達の泊地に攻め入り不知火と時雨に後遺症が残るかもしれないほどの暴行を加えた上で誘拐していたわ」

 

 それを聞き二人はイ級が最初からぶちギレていたことに納得する。

 

「あの野郎…」

「バブル波動砲もっと叩き込んでおけばよかったよ」

 

 自分達ももっとやっておけばよかったとそう怒る木曾と北上。

 

「話を続けてもいいかしら?」

「ああ、どうぞどうぞ」

 

 我に帰り続きを促され霧島は続きを話す。

 

「それで、今作戦では私達とは別に二人を救出する部隊が動いていたのだけど、貴女達がレ級を引き付けその撃破までをやってもらったから無事に作戦は成功したわ。

 だからその礼もしたいからと提督は招待しようとしているの。

 それと、もし断っても追うような真似は一切行わないとそう司令はおっしゃっています」

「分かった」

 

 少なくとも筋は通っている。

 島までの航路を考えればルンガのほうが近く、瑞鳳の容体が安定するまで滞在させてもらえればより安心できるのも事実。

 

「内容は承った。

 協議のために少し待ってもらえるか?」

「分かりました」

 

 了承を受けすぐにストライダーを飛ばす木曾。

 

「雷巡に水偵?」

 

 本来持ち得ない装備を使う木曾に興味を引かれる霧島だが任務を優先とし問うのは控える。

 ストライダーを中継して霧島の用件を聞いたイ級は一先ずの処置を終えた氷川丸に尋ねてみる。

 

「どうだ?」

「そうね。

 医者として言わせてもらえば泊地に寄ってほしいと言いたいけど、古鷹と春雨の事は泊地の側に見せたくないわね」

「そうだな」

 

 バイド汚染によりR戦闘機の能力を得た古鷹と深海棲艦化した春雨を連れていきたくはない。

 

「大所帯で押しかけてもいらない騒ぎになるでしょうし、瑞鳳の処置と警護に泊地に向かう面子と島に帰還する面子に別れるべきでしょう」

「ソウダネ」

 

 鳳翔の提案を採用とし、イ級はそれでいいか確認を求める。

 

「こちらは構わないそうよ」

 

 寧ろ、全員で押しかけられるほうが困ると言外に言う霧島にその旨を伝える。

 

「分かった。

 こちらは俺達に加えイ級、瑞鳳、氷川丸、あつみ、姫の七隻がそちらに向かう」

 

 本当は北方棲姫も帰還組の筈だったのだが、瑞鳳の側を離れたくないとだだをこねたため仕方なく追加された。

 

「解りました。

 と、あつみと姫?」

「そっちの呼び方で言うと輸送ワ級と北方棲姫の事」

「はぁ…」

 

 深海棲艦に海自の輸送艦の名前が付けているとか姫タイプが中立(仮)の艦隊に加わっているとか今までの常識がひっくり返されていく現状に、霧島は取り敢えず考えたら負けなんだとそう思うことにした。

 

 

〜〜〜〜

 

 

 超重力砲の光に掻き消されたレ級だったが、数百キロを吹き飛ばされながらもまだ生きていた。

 

「ケヒッ…ケヒヒヒヒ…」

 

 艤装を砕かれ何故死んでいないのか寧ろ感動するぐらい蹂躙されきったレ級は狂った笑い声を上げる。

 

「いやいやいや。

 そういや俺は不死身だったのすっかり忘れてたぜ」

 

 イカレた笑い声を上げながらひたすら笑い続けるレ級。

 転生の特典としてレ級が選んだものはグランゾンのスペック、ATフィールド、緋蜂、そしていかなる損傷でさえも死なない肉体であった。

 神からは止めたほうがいいと警告された不死の肉体により生きながらえたレ級はげたげたと狂った笑い声を上げ続ける。

 

「いやしかしやっちゃってくれたもんだよなぁ?

 あの雑魚共にはきっちりきっちりお返しをしてやんないとなぁ」

 

 恐怖と痛みで正気を失ったレ級はどう復讐してやるかとそれしか考えていなかった。

 だから全く気付いていない。

 

「出来ると本気で思ってるの?」

 

 自信の命脈が、目の前の姫によってこれから握り潰されるという現実が分かっていなかった。

 

「なんだぁ?

 はっ、誰かと思ったら飛行場姫かよ」

 

 筋肉を動かすだけで激痛が走るが、狂ったレ級は姫に出来ず立ち上がるとつまらなそうに鼻を鳴らす。

 

「消えろよ。

 俺はあのクズをぶち殺すのに忙しいんだ」

 

 まるで犬を追い払うように手を振るレ級に飛行場姫はつまらなそうに言う。

 

「消えるのはあんたよ。

 幕が下りた役者がいつまでも出場っていたら興ざめするじゃない」

「あん?」

 

 その台詞にレ級はカンに障ったとばかりに睨み付ける。

 

「たかがユニークボスが言うじゃねえか?

 そんなにぶち殺して欲しいならやってやろうかぁあん?」

 

 不死の能力なのか、古鷹に切り落とされた尻尾がミチミチと音を立てて生え始め損傷が見る見るうちに回復していく。

 

「……そう」

 

 煽るレ級に、しかし飛行場姫はますます冷めたと言わんばかりに背を向ける。

 

「なんだぁ?

 へへっ、ビビってんのかよぅ?」

「あんた程度に臆する理由がないわね」

 

 もう興味もないと言いたげに飛行場姫は言った。

 

「だから、好きにしていいわよ(・・・・・・・・・)

「は?」

 

 刹那、レ級は雲も無いのに突然日が遮られ背後に誰かいると気付き慌てて振り向いた先に居たのは、

 

「そうさせてもらうわ」

 

 大きな一本角を額から生やし憎悪に燃える赤い瞳を輝かせながら巨大な鉤爪を振りかぶる港湾棲姫の姿だった。

 

「ひっ…」

 

 一切の慈悲もなく振り下ろされた鉤爪がレ級の身体を引き裂く。

 

「ギィィィイイイッ!!!???」

 

 切りそこねた沢庵のようにされたレ級が絶叫するも、爛々と輝く赤い瞳に憎悪を湛えた港湾棲姫は何度も鉤爪をレ級に見舞い挽き肉より酷い肉片に解体していく。

 

「あらあら。

 いくら娘を可愛がってくれているお気に入りが殺されかけたからって、少しやり過ぎじゃない?」

 

 からかうような飛行場姫の言葉も聞かず港湾棲姫は殺意をただ爪に乗せ振るい続ける。

 

「死なないなら都合がいいわ。

 いくらでも殺せるから」

 

 一々蘇るのを待たずとも殺したいだけ殺せると港湾棲姫は感情の赴くままにレ級を殺し続ける。

 

「そんなに怒るなら介入してあげれば良かったのに」

 

 レ級を倒すための艦隊に北方棲姫が参加したと聞き、港湾棲姫はその様子を影からずっと観ていた。

 挽き肉になったレ級の再生を眺めその醜悪さに艤装から飛び立つ爆撃機と共に砲撃を見舞いながら港湾棲姫は言う。

 

「私に資格は無いわ」

 

 あの娘を手放し戦艦棲姫に預けたのは、偽りに身を委ねたかつての愚かな過去を思い出すのが嫌だったから。

 だけど未練からせめて穏やかにと願い、そして思っていたのとは形は違ったが娘は己を愛してくれる相手に巡り逢えた。

 それが自分でないことに寂しさを感じなかったと言えば嘘になるが、それ以上に自分が与えられなかった温もりを得られるのだと祝福していた。

 だからこそ、それを踏みにじり嘲笑ったこの下種は許せない。

 

「キヒ、キヒヒ…。

 むだだぁぜぇ…。

 おれはふじみなんだぁ。

 きろうがやこうがつぶそうがしなねぇんだぁ…」

 

 港湾棲姫に幾度も殺され復活することを繰り返した影響か、完全に精神を病んだレ級は狂人めいた様子で笑う。

 

「本当に無様ね」

 

 もとより深海棲艦は死しても蘇る『総意』の駒ではあるが、だからといってただ使われる玩具ではない。

 命を賭け、終わり無き闘争に己を費やし燃やし尽くすからこそ深海棲艦は『総意』に使役される価値があり、人類の天敵として世界に跋扈し得る。

 しかしこいつは力に酔いただ悪戯に害を撒き散らすだけの羽虫。

 いや、虫でさえ種を残すという己が役割を全うするために生存競争の渦中に身を投じるのだから彼等にすら及ばないただの汚物か。

 

「汚物ならもっと相応しい形があるわね」

 

 そう飛行場姫は嘯くと浮遊要塞を何体も呼び出す。

 

「いいわね?」

 

 一応確認を取ると港湾棲姫は小さく頷く。

 

「やって」

「ええ」

 

 もう見るのも飽いたという態度を取る港湾棲姫を確認し、飛行場姫は告げる。

 

「仲良く分け合って食べなさい」

 

 そう言うと浮遊要塞が一斉にレ級に群がり、嫌な音を起てながら貪り始める。

 

「ギャヒヒヒヒ!!??

 くっちまうの!?

 おれをくっちゃうのかよ!?」

 

 痛みと快楽が混合してしまったらしいレ級は楽しそうに笑いながら喰われていく。

 貪り喰われ徐々に小さくなるレ級は狂ったまま笑う。

 

「あれれ〜?

 なんでさいせいしないんだぁ?

 おっかしぃなぁ〜?」

 

 さっきまで機能していた不死身の力が止まることを不思議がるレ級。

 どうせ聞いてないんだろうなと思いながらいきがけの駄賃代わりに教えてやることにする。

 

「当然よ。

 深海棲艦の捕食は命を奪う『殺害』ではなく魂を喰らう『吸収』。

 肉体が死なずとも核たる魂を奪われてしまえばその果ては何も無い『無』そのもの」

 

 深海棲艦の身で在る限り決して逃れられない本当の『終わり』()を与えられ、レ級は狂った笑い声を上げる。

 

「エヒ!? ィヒヒヒヒヒ!?

 きえちゃう?

 おれ、どこにもいなくなっちゃうの?

 ゥィヒヒヒヒヒ!!??」

 

 終われることを喜んでいるのか、はたまた意味を解せずただ笑っているだけなのか、その真意を理解されることもなくレ級は浮遊要塞に最後の一欠片までを全て喰らい尽くされ世界から消えた。

 

「全く、ちゃんと詰めまでやんなさいよね」

 

 要らぬ手間を掛けさせられたとそうぼやく飛行場姫に対し港湾棲姫はさっさと帰ろうとする。

 

「って、何帰ろうとしてんのよ?」

「用事は終わったわ」

「あんたねぇ」

 

 出張って来たのならちゃんと最後までいなさいと窘めるも、港湾棲姫は聞かない。

 

「関わらないってそう決めているの」

「それで私が済ますと思ってるわけ?」

 

 せっかく引きずり出したんだからただで終わらせないわよと嘯く飛行場姫に港湾棲姫は問う。

 

「何をさせようというの?」

 

 その問いに飛行場姫は楽しそうに笑いながら言った。

 

「三者面談と行きましょうか。

 ルンガにはちょうど、あんたの旦那と娘が揃ってるわけだしね」

 




 と言うことで次回からルンガ泊地にお邪魔します。
 爆乳大要塞様の過去が焦点になりつつほのぼのとは行かなくともコメディー路線で行く予定です。

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