お前はまだ、スタート地点に立ってすらいないんだからな。
……娘?
随分大きなお子さんで…って、現実逃避している場合じゃねえ!?
装甲空母姫の周囲が歪んで、まるでここだけが真冬みてえに気温が落ちてやがる。
しかも海まで荒れ始めてきやがった。
深海棲艦ってのは羅針盤だけじゃなくて海流まで支配出来るのか!?
これじゃあ攻撃どころか、転覆しないようバランスを保つだけで精一杯だ。
転覆を避けるため波に必死で抗っていると、不意にあきつ丸の呟きが耳に入った。
「なんて悍ましい叫びでありますか…」
……は?
何を言っているんだ?
あいつはヲ級が死んだことを泣き叫んでいるだけじゃないか。
「木曾、あの叫びがどう聞こえたんだ?」
まさかと思いそう尋ねると、木曾は怪訝そうに士ながらも答える。
「身の毛がよだつような恐ろしい咆哮だと、そう聞こえたぞ?」
「……」
「イ級?」
…やっぱりか。
装甲空母姫の泣き声が、木曾達艦娘にはただの叫びにしか聞こえていないのか。
そう言えば、さっきも姫以外の深海棲艦は多少発声がたどたどしいものがあっても普通に喋っていた。
なのに、艦娘は深海棲艦が喋らないと考えていた。
ってことは、もしかして、艦娘は俺以外の深海棲艦の言葉が分からないだけなのか?
しかし、そうなると木曾達が俺が拾って来たワ級とは普通に会話できていた事が不可思議なんだが、何か違いがあるのか?
「ユルサナイ!!
ミナゴロシニシテヤル!!??」
装甲空母姫の凄まじい絶叫と同時に、その足元から巨大な浮遊要塞が姿を顕し、そのまま姫を飲み込んでしまう。
「一体奴は何をする気でありますか!?」
浮遊要塞の浮上で更に激しいうねりを起こす海に抗いながら異常な光景に叫ぶあきつ丸。
「二人とも退くぞ!?」
激しく波打つ海面のせいでマルレ艇の発進はおろか、機銃すらろくに狙いが定まらない情況では攻撃なんて自滅を誘うだけだ。
そう促すとあきつ丸も不承不承といった様子だが指示を受け入れ、転進し海域を離れる航路に入る。
1番遅いあきつ丸に合わせ低速で離脱を始めて間もなく、ドクンと心臓の鼓動に聞こえる音が断続的に響きはじめた。
「まさか…」
木曾に前衛を任せ、俺は今も不気味な沈黙を保つ浮遊要塞に向き直る。
浮遊要塞はギチギチと嫌な音を起てながら、まるで卵の殻が割れるように全身に皴が走る姿を俺が確認した刹那、浮遊要塞を突き破り巨大な二本の『腕』が中から飛び出してくるのを見た。
「まさか、『鬼』タイプに変化したのか…?」
ゲームだと『鬼』は姫の劣化版という位置付けだったが、これだけ離れていても放たれる威圧感は姫の時とは較べものにならない。
「イ級、何が起きているんだ!?」
前方を行く木曾に俺は叫ぶ。
「浮遊要塞の中から『装甲空母鬼』が産まれようとしているみたいだ!?
木曾、『鬼』タイプはどれぐらいヤバイ?」
「離島棲鬼みたいな規格外を除けば姫タイプに勝る個体はそういない!」
そう言った木曾だが、『姫』から『鬼』に変わるなど初めてだと忠告を発する。
しかし相変わらず海は荒れていて攻撃する余裕もないからと俺達は逃げ続けるが、遂に浮遊要塞が完全に崩れ、中から牙が生えた巨大な顔のような艦首と艦娘より太い腕を持つ異形の船と、そして…
「姫じゃ、ねえ…だと…?」
俺が知っている装甲空母鬼は、あの異形の船に融合した装甲空母姫の上半身を持つ化け物だ。
だが、本来姫がいるべき場所にあったのは、先程姫と一緒に浮遊要塞に飲み込まれた『空母ヲ級』だった。
「…まさか、自分を使ってヲ級を甦らそうとしたのか?」
そうなのかと考えると、あの悍ましい姿がどうしようもなく悲しいものに見えた。
『■■■■■■■■■!!!!!』
俯き気味な体勢で動かない上半身に反し、産声をあげるように下半身が地球上に存在しない音を鳴らす。
「艦載機が来るぞ!!??」
「っ、迎撃用意!!」
地獄の一日を抜けた俺の直感がそう叫ばせると、木曾がアームを稼動させながら指令を飛ばし、俺とあきつ丸も機銃を構える。
…あ、さっき弾を分けてもらっておくんだった。
そんな失策に気付いた直後、下の口が大きく開き中から艦載機の倍以上の巨大な飛行機が飛び出した。
あれは…B−29だと!?
空母が載せるようなもんじゃねえだろと叫ぶ暇もなく下の口が立て続けに数機のB−29が発艦。
更にヲ級の頭のクラゲもどきも口を開き大量の艦載機を発進。
「甲板二つとか反則だろうが!!??」
そう叫ぶ俺の後ろであきつ丸が甲板を展開しランタンを翳した。
「隼隊、行くであります!!」
そう隼を無理矢理発艦させるあきつ丸だが、荒れた海で飛翔など叶うはずもなく、発艦した半数以上が海へと落ちていく。
「何をやってるんだ!?」
そう怒鳴る木曾にあきつ丸は言う。
「これしか手がないであります!!
ここからならB−29の航空能力なら本土までいけるであります!!??
ここで叩かねば、また本土が空襲に曝されるであります!!」
叫びながら強引な発艦を続けるあきつ丸。
あきつ丸の言うことも分かる。
だが、辛うじて飛び立てたのは半数以下で、その隼もヲ級の艦載機を捌き切ることは叶わず次々と撃墜されている。
「畜生が!!??」
一機でも抜ければ装甲の薄いB−29は隼でも対処出来る筈。
そう信じ俺は残弾が尽きる覚悟でヲ級の艦載機にファランクスを叩き込み木曾とあきつ丸も対空砲火を打ち上げる。
しかし、空を覆い尽くす艦載機の幕は分厚く、いくら落としてもその壁を破ることが出来ない。
そして、あきつ丸が苦渋の判断で飛ばした隼が全て落とされ、遂にB−29が俺達目掛け絨毯爆撃を開始した。
巻き起こる大量の爆発の閃光と爆音に目と耳を塞がれ、それが一旦収まり辺り一面が煙に覆われた中で聴覚が回復した同時に俺は怒鳴った。
「木曾!! あきつ丸!!
生きていたら返事をしろ!!??」
その声に木曾が返す。
「なんとか無事だ!!
お前は大丈夫なのか!?」
「ああ!!」
そう返すが大丈夫なんて言えない。
奇跡というべきか悪運に見放されなかった俺は直撃こそ免れたが、装甲がかなりやられ、少しでも浸水が始まったら手遅れに成る程の損害を受けた。
「自分も生きているであります!」
そうあきつ丸も応えてくれ、なんとか生き延びたかと安堵する間もなく、あきつ丸は言った。
「木曾殿、航行はまだ可能でありますか?」
「ああ、だが…」
「でしたら木曾殿は自分を置いて横須賀に戻り、指令殿に奴の事を伝えてほしいであります」
なにを…
「馬鹿な事を言うな!?」
「行くであります!!」
そう叫んだところでようやく煙りが晴れ、あきつ丸がそう言い出した訳を理解させられた。
「お前…」
爆撃が直撃したらしく、あきつ丸の右半身は焼け焦げ、右腕が白く炭化して肘から先は失われていた。
素人の俺にだって、あきつ丸の怪我が助かるような怪我ではない事は察せられた。
「そんな…」
声を失う木曾に右半分が焼け爛れた顔であきつ丸は笑う。
「まだ片腕が無くなっただけであります。
この程度、数多の英霊達が受けた痛みに較べれば蚊に刺されたようなものであります」
そう言うとあきつ丸は俺に言う。
「深海棲艦に頼むのは業腹でありますが、木曾殿の直衛をお願いするであります」
「……言われなくてもやってやる」
叫びたい気持ちを捩伏せ、俺は承諾する。
「どうして!?」
そう叫ぶ木曾にあきつ丸は言う。
「先の爆撃で自分の機関は死んであるであります。
それに、運よく帰還が叶ってもこの火傷では二度と戦場に戻ることは出来ないでありますし、なにより嫁の貰い手も無いでありますから」
そう笑うあきつ丸に、木曾は悔しさで顔を落とす。
本当は痛みで泣き叫んでもおかしくない筈なのに、木曾のために堪えるその姿に俺は何も言えない。
「さ、自分が少しでも時間を稼ぐでありますから、必ずこの情報を本国に伝えて欲しいであります」
そう言うとあきつ丸は敢えて海軍式の敬礼を行う。
「…分かった。
必ず、必ず本国に全て伝える」
そう応え木曾も陸軍式の敬礼を返す。
「では、先に逝くであります」
そう言うとあきつ丸は背を向け、俺達も日本への航路を全力で走り出した。
走り出して数分も経たず背後で再び爆裂音が響き、脚を止めようとした木曾を叱咤する。
「あきつ丸の想いを無駄にする気か!?」
「っ、分かってるよ!!」
止めかけた脚を無理矢理振り上げ再び全速力で走る木曾。
レーダー圏からあきつ丸の反応が消え、更に仮称装甲空母ヲ級の反応が圏外に脱しても俺達ひたすら走り続けた。
走って走って走って、そうしてどれぐらい走った頃だろう、一晩を越えた所で唐突に俺の速力が下がり始めた。
「どうしたイ級!?」
「……悪い、燃料切れだ」
最後に補給してから50時間ぐらい経っている。
いくら艦娘より燃費が良くとも、燃料タンクが小さい体で50時間をほぼ全開で走り続ければ流石に使い切っちまうらしい。
いやほんと、あの時弾切れ寸前だからと切り上げていたのは正解だったようだ。
「悪い、燃料分けてもらえるか?」
意外と心配性な木曾のことだから、一本ぐらい持ってきているだろうとそう言うと、木曾は何故か顔を赤くした。
「……分かった。
ただ、その、用意するから目を閉じていてくれ」
「?」
もしかして恥ずかしい場所に隠していたのか?
多少気になるが、見られたくないというのを無理強いするのも良くないので俺は両目を閉じる。
「閉じたぞ」
「ああ。
いいって言うまで絶対目を開けるなよ?」
いや、そう言われると逆に気になるんだぞ?
とはいえ好奇心猫を殺すの格言に従い俺は言われたとおり目を閉じたまましばし待つ。
「いいぞ」
そう言われ目を開けると木曾が赤い顔で燃料缶を差し出していた。
「急拵えだから味は期待するな!?」
「? あ、ああ」
何を言ってんだこいつは?
ともあれ貴重な燃料を俺は受け取り嚥下する。
……って、なんか、これって?
「なあ、木曾?」
「言うな!?」
まさかと思い尋ねようとするが真っ赤な顔で拒否する木曾。
「……その、悪かった」
どんな味か? 絶対言えねえよ。
そういえば喉笛を噛み切ってやったチ級の血も燃料だったな。
ともあれこれで燃料は一割程度に回復したので暫くは持つだろう。
「木曾、ここからだと1番近い泊地はどこなんだ?」
あきつ丸には悪いとは思うが、正直木曾を横須賀に連れていきたくはない。
ゲーム通りならレイテの近くにはいくつも泊地があった。
ラバウル、ショートランド、ブルネイ、他にも東南アジアにはいくつも泊地があったのだが…
「1番近くでも佐世保か呉だな」
無いの?
じゃああの時寄った場所はなんだったんだ?
「あの泊地はダメなのか?」
「あれは前線の駐屯地だ。
建造や入渠の設備はあるが、本土への連絡手段は無いんだよ」
成程。
行っても連絡手段が無いから、情報を持っていくなら結局日本まで向かわなきゃならないのか。
となると、やっぱり日本に行かなきゃならないな。
「とはいえ俺も燃料が怪しい。
今は燃料の確保のため、遠回りになるが1番近いオリョールの精油地帯を経由して本土に向かおう」
「ああ」
その案に応じ俺達は進路を西に向け歩き出す。
だが、数時間と経たず俺のレーダーが最悪を告げた。
「…おいでなすったぜ」
反応したのは対空レーダー。
速度からしてB−29だろう。
「進路は?」
「ばっちり被ってる」
俺達を追って来たのか、それともオリョール海域を潰しに向かうのか、どちらにしろ笑えない事は確かだ。
「厳しいが航路を変えよう」
海上でガス欠になるのは避けたいが、しかし感知できたB−29の高度が高過ぎて俺のファランクスはもとより、木曾の高射砲でも撃ち落とすことは不可能に近い。
微かな希望に縋るように進路を変えるが、B−29も進路を変え俺達を追ってくる。
「ちっ、やっぱり振り切れねえか!!」
「どうするんだ!?」
「落としてくる爆弾を迎撃するに決まってんだろ!!」
ファランクスのマガジンに残っている弾は二百も無いが、木曾を護ることだけに集中すれば或は…。
「来た!?」
エンジンが唸る音と共に大量の爆弾が投下される。
覚悟を決める暇もなく俺は木曾にぎりぎりまで近付いた状態で真上から落ちてくる爆弾だけを狙いファランクスを乱射した。
上空で何度も爆弾が炸裂し、衝撃に身体が悲鳴を上げるが、俺は死んでも木曾だけは守り通すとひたすら爆撃の雨が終われとファランクスを奮う。
僅か数十秒が何時間にも感じられ、遂にB−29の爆撃が終わる。
残りは今落ちてくる三発だけ。
「これさえ凌げば…」
だが、そんな土壇場でガチンと音を起てファランクスの弾が尽きた。
……こうなりゃ仕方ねえよな?
悪い、あきつ丸。
最後までは守れねえみたいだ。
俺は全身を使って木曾を直上圏内から押し出そうとするが、
「イ級!?」
ドンッと、木曾が俺を突き飛ばした。
「木曾!?」
なんで…
そう言葉を発する間もなく爆弾着水と同時に炸裂し、世界が白に塗り潰された。
〜〜〜〜
ざあ、ざあ、と耳に響く波の音が酷く遠いものに聞こえた。
あれからどれぐらい経った?
気が付くと、俺はこの世界に来た直後と同じように一人だった。
……いや、一人じゃないな。
アルファが死んで、あきつ丸を見殺しにして、木曾を守れなくて、俺は、独りになったんだ。
広い空も、青い海も、なにもかもがひどく遠い。
「Youは、あの時の駆逐イ級デスネ?」
不意に後ろから聞こえた声に、俺はなんの思いも抱けぬまま鈍重な身体を向ける。
そこにいたのは、金剛と夕張。
なんで俺をと考え、すぐにこいつらがあの泊地で遭った金剛なのかと気付いた。
だが、それがなんだというんだ?
金剛が艤装の副砲をこちらに向けながら質問をしているようだが、金剛の声もやけ遠くてよく聞こえない。
それに、今更死ぬなんてことが微塵も怖いとは思えないし、どうでもいい。
……ああ。そうだ。
「なあ」
こいつらが横須賀の所属ならあきつ丸の頼みを叶えてやれると気付いて口を開くと、何故か金剛と夕張から血の気が引いた。
…? 何を怯えてんだ?
よくわからん。それにどうでもいい。
「お前等、横須賀の艦娘か?」
しかし、金剛と夕張は違うと首を横に振った。
違うのか。
楽になれると思ったのに、そうはいかないのかよ。
……そうだな。
木曾が俺を生かしたんだ。
だったら、俺があきつ丸の頼みを叶えてやんなきゃなんねえよな。
だが、肝心の羅針盤が壊れていて方角が解らない。
「横須賀はどっちだ?」
そう尋ねると、金剛は妙に真剣な顔で俺に尋ねた。
「横須賀に、何の用ネ?」
「…あきつ丸に頼まれたんだ。
あの装甲空母姫だった可哀相なあの化物の事を伝えてくれって」
一応こいつらにも教えておくついでに理由を告げる。
すると、金剛は無言で一点を指差した。
「…ありがとう」
嘘かもしれないが、俺は礼を言って金剛が指差した方角に舵を取る。
そして妖精さんに退艦を促すも、誰も降りようとはしないので仕方なく俺は横須賀へと歩き出した。
……ああ、そうだ。横須賀に着いたらついでにアレを壊そう。
そうしないと、またあんな悲しいものが現れるかもしれないからな。
〜〜〜〜
なんなの
見た目はただの駆逐イ級なのに、その声を聞いた瞬間から自分の心がとても苦しくなって、艤装が上手く動かなくなってしまった。
まるで、魂があの深海棲艦と戦うことを拒んだかのよう。
夕張も同じだったようで、最初は例の機銃を奪う気だったのに、今は微かに震えながら漂うように海を行くイ級を見送っている。
夕張と共にその姿をただ眺める以外出来ずに見ていて、ふと、私は今の身体になる前の、『戦艦金剛』だった頃の事を思い出した。
レイテからの帰路、損傷の酷かった私は気付いていたにも関わらずシーライオンの魚雷を避け切れずに避雷。
長すぎた艦歴とレイテでの損傷も合間って、それは完全な致命傷となってしまった。
そのことは艦長を含め乗船していた乗組員の誰もが解っていた。
なのに、誰もがそれに抗おうとした。
私を沈めたくないと傷を塞ごうとした。
入ろうとする海水を掻き出そうとした。
泊地にたどり着けば完全な姿に直してやると航海を再開しようとした。
誰もがすぐに降りなければ間に合わないと解っていても、それでも私を助けようとした。
だけど、疲れきっていた私はその希望に応えられなかった。
みんなの努力を報いる事も出来ず、そんなみんなが逃げる時間を稼ぐことも出来ずたった2時間で沈み、私は多くの人を道連れにしてしまった。
悔しくて
悲しくて
情けなくて
あのボロボロの駆逐イ級を見ていると、その時の嫌な自分が重なって、なのに、彼はそれでも前に進もうとしているのをどうしても阻む事ができなかった。
夕張もそうなのだろうか?
聞いてみたいと思うけど、だけど、聞くのがとても怖い。
そうして彼が水平線の彼方に消えるのを見届けた私に、比叡からの通信が届いた。
『島風を見付けましたお姉様!?』
最初はどうなるかと心配したが、それも杞憂で終わってくれたらしい。
『お姉様、今どちらにいらっしゃいますか?』
「スリガオの近くネ。
すぐに合流するヨ」
島風はちゃんと叱ってあげないと、そう思い言ったのだが、
『いえ、お姉様は先に鎮守府に戻ってください』
え?
あの甘えん坊な比叡がそんな事を言うなんてよっぽどの事だ。
早鐘を打ち始める鼓動と焦りを抑え私は比叡に詳細を問い質した。
『島風がおかしな事を口走っているんです。
『いつまで経っても夕暮れが終わらない』って、そう言っているんです!』
夕暮れが終わらない?
何を言っているの?
空は、こんなにも青く晴れているというのに。
とにかく辛かった。
小説でも、艦これで業沈させるぐらい胸が苦しかったです。(まだ業沈0ですが)
次回は横須賀からの始まりになります。