俺を小脇に淀みない足取りで食堂に着いた南方棲戦姫は手近な椅子に俺を置くと勝手知ったる様子で冷蔵庫からラムネを二本取りだし片方を俺の前に置いた。
それも由緒正しきビー玉の蓋のやつ。
「ラムネなんてあったか?」
いや、艤装があれば簡単に作れるからあってもおかしくはないけどさ。
俺の疑問に南方棲戦姫が答える。
「それは姫へのお土産よ」
一応手作りよと笑う。
南方棲戦姫の手作りって、艦娘みたいな事も出来るんだな。
まあ俺でもラムネを作るだけなら作れるけどさ。
味は保証しねえが。
「じゃま、遠慮なく」
出されたもんを遠慮したら絶対に誰かに持ってかれるだけだからな。
時に北上、あつみが初めて作った鯖の一夜干しの恨みは忘れてねえからな?
と、それはそれとして念力でビー玉を押し込みストローを挿して早速一口頂く。
直飲みしないのかって思うだろうがそうしようとすると体型の問題で海老反りの体勢になんなきゃならねえんだよ。
さておき一口飲んだ俺はその丁寧さに驚いた。
炭酸が抜けてもくどくならないよう抑えられた上品な甘みがキメの細かい炭酸によって弾け爽やかな爽快さをより一層引き立てる。
「凄いな。
ソーダ水専門の店に並んでても遜色ねえぞ」
「これでも大和型の端くれよ。
料理とあらばラムネ一つだって手は抜けないわ」
そう誇る南方棲戦姫。
女子力高えなおい。
それに比べて俺等と言ったら……。
って、のんびりしてたらアルファに先越されちまう。
「それで、頼みってのは?」
「それなんだけど駆逐、貴女怪獣って倒せるかしら?」
「ハイ?」
何を言ってるんですか姫様?
「一応確認するけど、海に獣と書いて海獣?」
「怪しい獣と書いて怪獣」
…………。
「倒せるかっていうか、居るの?」
怪獣。
「いるわよ」
「マジかよ」
やべえ。
ちょっとワクワクしてきたかも。
「それで、どうなの?」
「ぶっちゃけ相手によりけりだと思う」
二足歩行で姿勢の良くて放射能餌にして口から火を吐く奴ならどうやったって無理。
倒したかったら海底火山の温泉で寝こけてる最強の亀か必ず片方が死ぬ最強の双子の蝶連れてこい。
ただし名前がおんなじでもマグロ食ってる奴なら勝てる自信がある。
というかそいつ以外で倒せる怪獣なんかいるか?
そう必死に記憶を漁る俺を尻目に南方棲戦姫は依頼を話す。
「実はね、少し前にある島にのみ棲息してる怪獣を捕まえて調理してみたんだけど、これが中々癖になる味だったのよ」
「ちょっと待て」
その時点で嫌な予感が止まらねえんですが?
「まさかと思うがまた食べたくなったから俺に捕まえてこいと?」
流石にそれはと思ったのだが、南方棲戦姫はさらりと頷きやがった。
「察しが良くて助かるわ」
「……おいおい」
完全に門外じゃねえか。
最初からというのは今さらだから無視な。
「なんで俺に頼むんだよ?」
食べたいなら部下なりなんなり動かせる人員使えば安上がりじゃねえか。
そう遠回しにお断りを申し上げるも南方棲戦姫は聞き入れずその理由を告げる。
「そうしたいのは山々なんだけど、そうもいかないのよ」
困った様子でそう前置くと南方棲戦姫が真剣な顔になる。
「実はね、少し前から見慣れない姫の目撃情報がいくつも入っているのよ」
「見慣れないって、新しい姫じゃないのか?」
言いかたからして穏やかな話じゃなさそうだが敢えて気づかないふりをしながらそう問い返す。
問い返した俺に南方棲戦姫が顔を歪める。
「その顔が自分と瓜二つだとしたら?」
「……何?」
ゲームだったらダブルダイソンを筆頭に同じ姫が複数なんて事もなくもなかったけど、この世界に鬼・姫級は1種1隻のみ。
「『総意』はなんて?」
「分からないわ」
「分からない?」
「ええ。
バイドの樹の調査を阻むよう指示を降して以降『総意』は沈黙を貫いているわ」
どういうことだ?
『総意』とやらは一体何を考えている?
「それだから部下達に混乱を招かぬよう、どうしても動かねばならない事態が起きない限り手持ちの部下を含め行動を自粛するよう姫から要請があったの」
納得してもらえたかしらと表情を緩める南方棲戦姫。
「まあ、事情はな」
食べたいものがあるけど動けないから取りにも行けず余計に食べたくなったから俺にお鉢を回したってのは理解したよ。
だが、受けるかどうかは別。
「勿論報酬は払うわよ」
そうねと思案する南方棲戦姫にふと俺は思い付く。
「じゃあさ、報酬は要らないから一つ頼まれて欲しいことがある」
「私に頼み?
大きく出るわね?」
俺の言葉に何を口にするのかしらと興味を抱く南方棲戦姫に俺はその頼みを口にする。
「もし、春雨がこの島を出ていくことになったら身元を引き受けて欲しいんだ」
「春雨って、あの深海棲艦になった艦娘よね?」
「ああ。
聞き捨てならねえかとは思うが数日前に艦娘の元帥と話してな」
そこで一旦区切るが南方棲戦姫は続けるよう目配せをしたので俺はそのまま続ける。
「その際に深海棲艦化した艦娘は引き受けられないって言い切られたんだよ」
元帥自身感情はそれを認めていなかったが、合理を捨てることは組織の長として選べないと言うのは俺も何となくだけどわかる。
だからこそ俺も、もしもの事態に着いて準備はしないといけないって思った。
「この先どうなるか分からないから、もしそうなったら春雨を頼む」
「……ふふっ」
俺の要求を聞いた南方棲戦姫は少しの間を置き何故か笑った。
「変なこと言ったか?」
「そうじゃないわ」
クスクスと笑いながら南方棲戦姫は言った。
「前に見た時は力はあるけどどこか頼りない感じだったのに、今の貴女はちゃんとリーダーらしく振る舞えるようになってたのがね」
……なんだろうか。
こう座りが悪いというかむず痒いっていうか……。
それでいて気恥ずかしい割には嫌じゃないし。
「……誉められてる?」
「そう聞こえなかったかしら?」
「聞き間違いだと」
そう言うと評価が低いわねと笑われた。
「胸を張りなさい。
貴女には誰かの上に立つに足る力も他者を引き付ける魅力も芯の強さもちゃんと揃ってるわ。
後は自信の無さと主体性の無さと素早く腹を括る覚悟が揃えば完璧ね」
それだとリーダーとして大事なものが全く足りてなく聞こえるんですが?
「メンタル弱いのは自覚してるよ」
「なら克服なさい。
それが率いる者の義務よ」
そう注言する南方棲戦姫の言葉には亡霊(?)とはいえ戦場に散った軍艦に相応しい確かな重みがあった。
それを否定することも拒絶することも出来ない俺から発せられたのはやっぱり玉虫色の答えだった。
「鋭意努力します」
「そこは粉骨砕身と言うところよ」
「それは死語とは言わんが古すぎだ」
「実際年寄りだからね」
そう言い返す南方棲戦姫には大人の余裕が見てとれる。
その辺り戦艦棲姫は結構余裕無いな。
「さておき私はそれで構わないけどちょっと安過ぎるわね」
そう思案し始めた南方棲戦姫はよしと手を叩く。
「じゃあ追加で一食振る舞ってあげるわ」
それでどうかしらと提案する南方棲戦姫。
そりゃまた豪勢な。
自分で大和型と言うだけあって出されるものは生半可で済ますはずはない。
「構わないけどそれ「ちょっと待った!!??」ん?」
俺一人なのかと問おうとしたのだが、それより前に木曾達が食堂になだれ込んできた。
どいつもこいつも中大破してるあたりやっぱりあの後ガチでやりあったのかよ。
「やあねぇ。艦娘ならもっと淑女らしく身嗜みに気を使いなさい」
「それよりもだ」
嗜める南方棲戦姫を尻目に何故か俺に詰め寄る木曾。
「なんで先に帰ったんだよ!?」
なんでって……
「下手に仲裁するよかスッキリするまで殴り会わせた方がいいかと」
ほんとは単にめんどくさくなっただけなんだけど、言ったら角が立つだろうからそうはぐらかしておく。
そう言うと言い返せないらしく木曾が拗ねた様子でボソボソと溢す。
「だからって何も先に帰んなくてもいいじゃないか」
おっぱいの付いたイケメンが唐突に可愛くなったんですが?
前からたまにこうなるけど、どんだけ属性足せば気が済むんですかねぇ?
「とにかく、イ級は俺達のカレーより南方棲戦姫のカレーの方がいいのかよ?」
そういきり立つ木曾。
どうやら追加報酬にカレーを作ると勘違いされているらしい。
それを聞いた南方棲戦姫はなにかを思い付いたのか挑発的に笑みを向ける。
「へぇ、食材一つ意見の通じない貴女達のカレーが私の大和カレーに勝てるの言うのかしら?」
そうじゃないと否定する間もなく木曾がヒートアップしていってしまった。
「と、当然だ!」
「面白い」
図星を指されて痛かったらしく若干吃りながらもそれでも毅然と態度を崩さない様に、南方棲戦姫はすらりと立ち上がると姫特有の覇気とも思えるオーラを立ち上らせながら木曾の前に立つ。
「ならば証明してみせろ。
戦艦大和のレシピを継ぎ、私が手ずから研鑽を重ねた大和カレー改に貴様達のカレーが比肩することを」
「望むところだ!」
戦闘モードで立ちはだかる南方棲戦姫の偉容に真っ向から立ち向かう木曾。
「これがカレー対決じゃなきゃな…」
壮絶な艦隊決戦が始まりそうな雰囲気に対してその対決内容は平和そのもの。
もう好きにしてくれと思い俺は古鷹の所へ向かうためラムネを飲み干す。
「とにかく、その怪獣ってのはなんて島に棲んでんだ?」
そう確認を取ると南方棲戦姫はオーラを霧散させ軽い調子で島の名前を言った。
「ハイアイアイ島って島よ」
アレの軟骨が珍味なのと語る南方棲戦姫だが、聞いた瞬間になんのことを指しているか理解し俺は叫んでいた。
「ハナアルキかよ!?」
思いっきりゲテモノじゃねえか!!??
~~~~
御主人の懐疑を晴らし不名誉な誤解を回避するため私はしようの無い真似だと自覚しながらも亜空間へと飛び込み工廠へと駆け込んだ。
『明石!』
極力抑えながらも僅かに感情が漏れた私の呼び掛けに精製を終えた資源の入った木箱を手に運んでいた明石は驚いた様子で私に気づく。
「アルファ?
どうしたのそんなに慌てて?」
『失礼シタ。
少々急イデイテイルダケダ』
内容は言わずそう告げると呼び立てた理由を問い質す。
『ソレデ、用事トイウノハ?』
そう尋ねると明石は神妙な顔つきで待ってと制した。
「それを話す前に誰にも聞かれないようにするから」
そう言うと明石は入り口の鍵を閉め電探まで持ち出して聞き耳を立てる者がいないか注意深く確かめる。
おかしい。
御主人の耳に入らないよう注意しているというより、誰かに聞かれることを警戒しているような素振りに私は疑問を抱く。
一体明石に何があったのだ?
そう疑問に思いながらも待つこと暫し。
確認を終えた明石は神妙な様子のまま開発の失敗の際に表れる謎のぬいぐるみが入った木箱へと向かう。
そして顔の付いた雲というべきか? そんな一抱えもある珍妙なぬいぐるみを持ってきた明石はテーブルに乗せるとナイフを取りだしそれを切り裂いた。
そしてその中から薄いヴェールを被ったようにも見える見たこともないR戦闘機を取り出した。
『コレハ……』
初めて見るその機体に困惑する私に明石がその名を告げる。
「『R-100 カーテンコール』。
技術継承を目的に開発された最期のR戦闘機」
『…R-100』
開発されたその目的を聞き私は納得した。
中には実用に足りない実験機や産廃も含まれるが、99機にも及ぶR戦闘機全ての維持管理など士官学校を出ていない私のような軍人でも土台不可能だということはわかる。
そしてバイドは何度でも甦る。
一つの時代で完全に滅ぼせても私と『番犬』のように平行世界が交わりそこから再びバイドの侵略が始まる可能性も有り得る。
そしてそれが数百年後にでも起きればR戦闘機の技術はおそらく喪われている可能性が高く、そこから再びR戦闘機の開発ないし同等の性能を持つ機体の開発を初めていては多くの犠牲を払うだろう。
そうならないためにこの機体は生み出された。
それを理解するのを待っていたのかタイミング良く明石は語り始める。
「こいつは鈴谷達が早く馴染めるようにってR戦闘機を開発していた際に出来たんだけど、この機体は危険すぎると思ったの」
そう悔悟するように語る明石に私は隠シタノハ賢明ナ判断ダと告げた。
御主人がR戦闘機の開発を渋るのはその開発コストも当然ながら、なによりR戦闘機がオーバーテクノロジーの塊であることが最大の理由だ。
バイド技術や波動技術など行き過ぎた火力も然ることながら、機体によってはカタパルトどころか機体そのものを固定する場所さえ確保できればどんな艦でも運用を可能としかつ空海宙いかなる場所でも運用可能な出鱈目さも決して無視できない。
なにより、そんな
今のところ過ぎたる力に目が眩むこともなく御主人と私を正しく恐れ一定の距離を保とうとする賢明な判断が出来る者としか関わり合いになっていないが、この先甘言を駆使し殺してでも明石を手にいれようと画策する輩に出会わない保証はない。
その可能性を極力下げるためにも御主人は明石にR戦闘機の開発を禁止させているのだが、果たして理解しているのやら。
明石の理解についてはさておくとして、当面の問題についてだ。
R-100が技術継承を目的としているならばその性能は全ての兵装を使用可能な究極互換機『R-99 ラストダンサー』と同等の代物であって然るべき。
かつてラストダンサーにより窮地に追い込まれ辛酸を舐めさせられた記憶を持つ私としてはそれと同等の性能を持つ機体の参入は多少複雑ではあるが頼もしく思う。
が、先の説明に一つの不安を募らせていた。
『明石。
先程カーテンコールハ技術継承ヲ目的ニト言ッタガ、ソレハ機体ダケノ話ナノカ?』
R戦闘機に纏わる技術の中には突出し過ぎた機体性能にパイロットが耐えられないという『壁』をぶち破る悪夢の手段が幾つも投入されてきた。
ノー・チェイサーや初期型のウォー・ヘッド、ラグナロックに代表される超機動性を持った機体に対し操縦幹では対応出来ないと脳と機体を接続することで解決した。
更にそれを発展させワイズマンやハッピーデイズを初めとするW系の特殊な波動砲を操作させるために精神操作技術が発展した。
脳だけでなく肉体に対しても四肢を削り脳髄だけをパッケージしあまつさえ年齢操作に固定化といった人の所業を超越し尽くした外科手術全般も切り離すことは出来ないRの技術だ。
それらまでもが引っ括めて継承の部分に含まれているのかそう尋ねると明石は身を抱くように腕を組んだ。
「人体加工技術に精神加工技術、それに優秀なパイロットのDNAマップとクローン生産技術、おまけにそのパイロットの記憶の転写方法までもがこれでもかというぐらい含まれているよ」
『……ヤハリカ』
懸念のまま、人類の狂気を凝縮しR戦闘機という鋳型に流し込んだものがカーテンコールの正体だった。
「アルファ、正直に言うと私はこの機体を今すぐに処分するべきだと思っている」
そう語る明石は私にというより己に言い聞かせているように見える。
「
カーテンコールが有れば今後R戦闘機の開発に費やす資材はぐっと減らせる確信もある。
だからこそ
追い詰められた人類が踏み入れてはならない領域へと踏み込み、そして至る末期の未来を明石は垣間見たのだろう。
だからこそ、明石は
「だけど疼くのよ。
技術者としての私が、
私なら間違えたりしない。
この技術を正しく使い更なる叡知を人類にもたらせるって囁くのよ」
内側から沸き出る狂気に怯えながら明石はどうしてと泣き出した。
「私はただR戦闘機を知りたかっただけなのに、それなのにどうして…」
膝を折り啜り泣く明石に私は古い言葉を思い出した。
深淵を覗き込むとき深淵もまたこちらを覗き込んでいる。
明石はまさに深淵を覗き込みそちら側に魅了されかかっている。
それに耐え続けていた事に私は素直に称賛の意を覚えた。
『……仕方ナイ』
時間を掛けたくはなかったが自身が有らぬ誤解を受けぬために仲間を見捨てるような真似は出来ない。
覚悟を決めた私は明石に言う。
『明石』
「……」
両の瞳から涙を流しながら私を見上げた明石に告げる。
『先ズハ頭ヲ冷ヤセ』
同時に地下室の扉が開き潜むものが触手を伸ばして明石を捕まえた。
「…え゙?」
理解する間も与えず触手は明石を地下室へと引きずり込む。
そのまま扉が閉まり待つこと30分程。
再び扉が開くと別の意味で轟沈した明石が吐き出された。
「……ふっ、……ひぅっ……」
他人には見せられない様子で余韻に痙攣する明石に私は言う。
『頭ハ冷エタナ?』
「…らめぇ」
どうやら溶けているようだが一先ず落ち着いたのは確か。
多少混濁は見られるが狂気は鎮火したので問題ないと私は告げる。
『明石ノ恐怖ハ理解シタ。
ダカラ言ワセテモラウト、オ前ハ少シ逸リ過ギダ』
返事をする気力はないが話を聞くだけの余力は回復したらしく私を意思の籠った目で見上げる。
『急激ニ知リスギテ混乱シタノハ分カルガダカラトイッテ周リニモット目ヲムケロ。
明石ノ周リニハ道ヲ見誤レバ止メヨウトスル者ハイクラデモイル。
オ前ノ過チハ一人デ抱エコモウトシタコトダ』
そう言うと明石はぽかんとしてから突然笑いだした。
「……ふふ、確かに私は視野狭窄になってたみたいね」
そう笑う明石に先程までの怯えと狂気は見えない。
表面だけでなく波動からも落ち着きを得たのを確かめた私は仕上げに移ることにした。
『デハ、仕置キトイコウ』
「……え?」
バタンと地下室の扉が開き再び姿を見せた触手が明石を捕らえる。
「ちょっ!!??
ここはイイハナシダナーで終わるとこじゃないの!!??」
『黙レ。
元ヲ質セバ御主人ニ断リモナクR戦闘機ヲ開発シタコトガ発端。
ソノ責任ハキッチリ取レ』
そう死刑宣告を下すと明石は先程とは別の意味で泣き出した。
「立て続けに二回目とか無理!?
堕ちちゃう!?
女の子が堕ちちゃいけない場所に堕ちちゃうから!?」
『デハ今後R戦闘機ノ開発カラ一切手ヲ引クカ?』
「だが断る。
……あ」
ネタではなく本気で言ったよこの艦娘。
『明石、君ナラ堕チテモナントカナル』
本気で反省してもらうため、私は健闘ヲ祈ルと言い捨て触手を解放した。
「いいぃぃぃやぁぁぁぁあああああ!!!!????」
ドップラー効果を残しながら明石が再び地下へと引きずり込まれる。
それを見届けてから私は残されたカーテンコールを地下へと放り込み扉を閉めさせる。
『……サテ』
波動によれば御主人はまだ食堂から出たばかり。
タッチの差で勝ったと確信し私は最短距離を駆け抜けるため再び亜空間へと突入した。
……南方棲戦姫と明石のくだりが長くなりすぎてイ級対アルファまでさえ行けなかったOrz
そして南方棲戦姫書いててデジャヴを感じてたら流れがまんま足柄対第六駆逐隊のカレー対決だったOrz