ブラック・ブレット -弱者と強者の境界線-   作:緑餅 +上新粉

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 戦闘シーンばっかで文面が疲弊しているかもしれません(汗)

 それにしても、れんたろーが真面に戦うと拳一発出すだけで漢字や横文字が羅列されますから、何というか面白いですねー。


17.空論

「ケースはあの教会の中だな」

 

「フフ、残念だが、君たちはあれを見ることはないよ。私と小比奈には勝てないのだからね」

 

「...やってみなきゃ、わかんねぇだろ」

 

 

 横目で相棒二人を確認すると、延珠があまり接近し過ぎない位置からの飛び蹴りで牽制し、建物の合間から狙う飛那の弾道へと誘い込んでいる。

 いい作戦だとは思うが、小比奈はそれを承知しているらしく、飛那からみると延珠が壁になってしまう位置を常に維持していた。これでは、銃による延珠の援護が機能しない。

 そこまで考えてから視線を影胤へ戻すと、何故か奴は肩を震わせていた。なにがおかしいんだ?

 

 

「ククク...里見くん、君はもう分かっているはずだろう?」

 

「何がだ」

 

 そう答えたが、奴の言いたい事は大体分かっていた。

 既に俺と戦って完膚なきまで打ちのめしたのだから、今さら此処にその打ちのめされた当人が立つことは、誰がどう見ても死にたがりな行為にしか見えない。と言いたいのだろう。

 

 

「君の拳では、私のイマジナリーギミックを破れない。ということさ」

 

 

 予想と対して変わらぬ発言に、俺は少し笑ってしまう。

 一方、そんな表情が浮かぶとは全く思っていなかった影胤は、対照的に怪訝そうな顔をした。

 

 

「まぁ、さっきも言ったが────やってみなきゃ、わからねぇだろ?」

 

「ふむ。あの御姫様を連れてきたとは言え、我が娘は引けを取らないよ?」

 

「はは、忠告痛み入るぜ。...なら、さっさとテメェを倒して、アイツらの加勢に入らないとな!」

 

 

 拳を構え、腰を低く落としてから駆け出す。それを見た影胤は、あの時と同じ姿勢を取った。

 右手を前に突きだし、親指と中指の腹をつけた....つまり、()()()()()()()()()をする姿勢に。

 

 

「『マキシマム・ペイン』!」

 

「天童式戦闘術一の型三番――――『轆轤鹿伏鬼』!」

 

 

 俺が拳を突き出した瞬間に指が鳴らされ、そこから球状に強力な防御壁...斥力フィールドが出現する。

 奴が目前で展開した『マキシマム・ペイン』なるものは、会議室で銃弾を打ち返した壁よりも強固で、人間を圧殺出来る程のパワーを秘めている。俺の放った右拳は難なくそれに阻まれ、ケースを奪われてしまったあの時と全く同じ道筋を辿ってしまう。

 

 

「ぐっ........おおお...!」

 

「む?」

 

 

 しかし、今回は違う。もう、絶対に負けられない理由が幾つも出来てしまったのだ。

 

 ここからは────掛け値無しの、全力で行かせてもらう。

 

 腕を全力で押し込むと同時、甲高い炸裂音とともに右腕部、擬似尺骨神経に沿うような形で伸びたエキストラクターが黄金色の薬莢を掴み出し、回転しながら蹴り出される。

 

 

「ラアアアアッ!」

 

 

 吠えながら、カートリッジ推進力により驚異的な速度を得た拳で壁をねじ伏せ、貫通させる。

 その衝撃で影胤は後方へ吹き飛ばされると、俺も同じように余波で弾かれ、靴あとを尾のように引きながら後退した。手ごたえは.....ある。

 

 

「マ、マキシマムペインが、破られた?────っガハ!」

 

「ハハ、自慢の斥力フィールドじゃ、この拳は止められなかったみたいだな!」

 

 

 影胤は口から血液を吐き出し、膝を折ると呻き声を上げる。

 それでも素早く顔を上げた奴は、そこで人工皮膚が剥がれた俺の手足を見たのだろう。...バラニウム製の機械化された、右腕と右足を。

 

 

「バラニウムの、義肢?里見くん...まさか、君も」

 

「あぁ、俺も名乗らせて貰うぞ影胤ッ!元陸上自衛隊東部方面隊第七八七機械化特殊部隊『新人類創造計画』里見蓮太郎!」

 

 

 それを聞いた影胤は口元の血を拭いながら立ち上がり、すぐにその喉から不気味な哄笑を迸しらせる。

 

 

「ハハハ、くはハハハハハハ!そうかそうか、そうだったのか!一目見たときから何故か親近感を感じていたが、まさか本当に同類だったとは!ッあぐ...ハハハ、私は痛い、私は生きている!素晴らしきかな人生!ハレルヤ!」

 

 

 片手で顔を覆いながら心底愉しそうに笑う影胤へ苛立ちを抑えきれなかった俺は、再度拳を構えて腰を落とす。が、突然延珠と飛那の悲痛な叫び声が耳に飛び込んできた。

 

 

「蓮太郎(さん)よけて!」

 

「ッ!?」

 

「パパを───傷つけるなッ!」

 

 

 振り向くと、二人との戦いを放棄して小太刀を構え、怒りに燃えた瞳で俺へ肉薄する小比奈が映った。

 

 早すぎる。このままでは確実に八つ裂きにされてしまう。───そう、このままでは、だ。

 

 俺は落ちついて左義眼に内臓されたグラフェント・トランジスタ仕様のナノ・コアプロセッサを起動。

 回転する黒目内部に幾何学的な模様が浮かび上がり、目前に映る小比奈の行動予想を演算し、己がするべき最適な回避パターンを検出する。

 

 

「うそッ?!」

 

 

 立て続けに振るわれた疾風のごとき剣は、全て右腕の防御により弾かれる。さらに、早いだけで単純な軌跡を通過する剣閃に気づいた俺は、反撃の手まで加えて行く。

 

 

「────里見くん?私を忘れないで欲しいねぇ!」

 

 

 何度目かの攻防を終えた時、影胤の声が真横から聞こえた。

 横目で見ると、彼は二丁の拳銃(ベレッタ)を構え、今にも引き金を引かんと銃口を此方へ向けている。

 再起が予想より早い、だが、対応する。すぐに左目で弾道予測を高速演算。まだ右腕を持ち上げて防御するくらいの時間的余裕はある。

 しかし、そこで気付いた。目の前の小比奈が、既に小太刀を振るう動作に入ってしまっていることに。

 双方の攻撃を防ぐためには、バラニウム製の右手、右足でなければ不可能。ここから右足を上げることなど出来はしないので、片方の攻撃にしか対応できない。つまり、

 

 

「────!」

 

 

 最早詰みかと諦めかけた瞬間、目前の小比奈が横から飛び出してきた延珠のキックで視界から消失し、間もなく突如背後から響いた重い銃声と同時、影胤も俺の前方へ吹き飛ばされて地面に転がる。

 

 

「た、助かったぜ、延珠、飛那!」

 

「ふぅー、大丈夫か?蓮太郎!」

 

「危ない所でしたね」

 

 

 延珠は深呼吸しながら俺の前に立ち、飛那もスナイパーライフルを持ちながら横へ駆け寄ってくる。二人の援護がなかったら確実に死んでたな。

 小比奈は延珠の蹴りをモロに喰らって道路反対側の家屋へ突っ込み、影胤は飛那の銃撃を受けた。....しかし、恐らくは。

 

 

「ふむ、大丈夫かい?小比奈」

 

「うー、ちょっと怪我した」

 

 

 普通に起き上がった影胤は、血の滲む肩を押さえながら、崩れたコンクリートが巻き上げる煙の中にいるだろう小比奈へ問いかける。彼の声へ返答しながら出てきた小比奈も所々にすり傷があり、かなり痛々しい有り様だった。

 

 

「あれだけの傷を受けたのに、まだ闘志が衰えないなんて」

 

 

 しかし、飛那の言った通り、たちはだかる二人は戦闘を始めた時と何ら変わりのない、むしろ増しているのではと思えるくらいの戦闘意欲があった。

 

 

「ちょっと先走り過ぎたねぇ。じゃ、再戦と行こうか?ヒヒッ」

 

「次は殺すよ。延珠!」

 

 

 

 

          ***

 

 

 

「つ、強い」

 

 

 モニターを眺める官房長官は、天童社長の渡した里見さんに関する書類とを見比べながら呆然と呟いた。

 私たちの目の前で繰り広げられた一連の戦闘は、他の民警らとは次元の違うものだった。

 いいや、そもそも人間がガストレア因子を持つ呪われた子どもたちと同等に渡り合う事など、まず不可能だというのに。

 

 

「アイツの義肢と義眼は超バラニウムだ。そこいらの金属なんて紙のように叩き壊せる強度を持つ」

 

 

 隣に立つ神父は彼の黒光りする手足を見たあと、その視線をモニターから背後に立つ天童社長へ向けた。

 

 

「そういや木更ちゃん、アイツはなんで片手足と左目があんなんなっちまったんだ?」

 

「新人類創造計画、天才技師グリューネワルト翁、超バラニウムの名前を知っているということは、貴方も相応の人間だと思ってもいいのでしょうね?」

 

「ハハハハ、あんま深くは聞かねぇから安心しなって。それに、俺にゃ『所属』なんてものはねぇよ」

 

 

 ケタケタ笑う神父と、腕を組む天童社長の双方を嫌悪感丸出しの視線で睨み付ける菊之丞にハラハラしながら、天童社長の言う里見さんの過去へ耳を傾ける。

 

 

「十年前、里見くんが天童の家に引き取られてすぐの頃、私の家に野良ガストレアが侵入し、私の父と母を殺しました。私はその時のストレスで、持病の糖尿病が悪化、腎臓の機能がほぼ停止しています」

 

「へェ....木更ちゃんがそんな事になってたとはな」

 

「里見くんはその時私を庇って、右手、右足をガストレアに喰われ、左目も抉られて失いました。瀕死の彼が運び込まれたのがセクション二十二。執刀医は───室戸菫医師」

 

「そういう、ことですか」

 

 

 私は思わず声を出してしまうが、それも構わず言葉を続けた。

 

 

「蛭子影胤の所属していたセクション十六は、ステージⅣガストレアの攻撃をも止めることができる、斥力フィールドによる絶対防御の戦術思想。里見さんが所属していたセクション二十二の戦術思想はその真逆。腕に十、足に十五発仕込んだカートリッジの推進力を利用して驚異的な攻撃力を生み出す....人をしてガストレアを葬る為に生まれた、新人類創造計画兵士の個人兵装」

 

「流石国家元首様。よく知ってるなぁ」

 

「....私は、どんな過去も背負って立たねばなりませんから」

 

 

 私は座っていた席を立つと、この場にいる皆へ聞こえるように告げた。

 

 

「彼が一人前線に出て、それでも退かせなかった理由はこの通りです。機械化兵士といえど、二人とも人間としての意思を持っています。....彼なら、里見蓮太郎なら、必ずや東京エリアを守護するという確固たる意志の下、この地を脅かす蛭子影胤に打ち勝ってくれるでしょう!」

 

 

 

          ***

 

 

 

「うおぉおおぉぉ!」

 

 

 俺は影胤が両手に持つベレッタから吐き出された銃弾を、右腕と右足を盾にして弾きながら突っ込む。

 しかし、頭を守っていたことで視界の大部分が遮られていた俺は、影胤の接近に気付けなかった。失策を悟ったのは、腕が上方へ勢いよく弾かれてからだ。

 それが斥力フィールドによるものだと気付いた瞬間、背筋が凍った。

 

 

「ッ!させ、るかよ!」

 

 

 俺は弾かれた右腕のスラスターを炸裂させ、デタラメな推進力で身体を浮かせる。こ体感的には、腕に縄をくくりつけて勢いよく上へ引っ張られる気分が最も近しいと言えるか。

 ギリギリで銃弾を躱すと、そこへ飛那の援護射撃が入る。が、それはすぐさま展開された斥力フィールドで簡単に弾かれてしまう。

 

 

「ててて....」

 

 

 派手に吹き飛んだはいいものの、背中から着地したため、痛みで顔を顰めながら立ち上がる───ところをチャンスと見初めた小比奈が、頭上から素早く斬りかかってくる。

 驚きながらもすぐ右手で対応するが、動くたびに打った背中へ痛みが走り、回避の質が落ちてしまう。

 瞬く間に切り傷が己の身体へ刻まれていき、刀の刃先が擦過する恐怖で舌が急激に乾く。しかし、それでも義眼のする負傷込みの演算結果の恩恵で、どれも致命傷には至っていない。

 

 

「───ッ」

 

 

 義眼のお蔭で出来始めた攻撃の際の僅かな合間を縫い、横目で影胤の様子を見ると、ヤツは今まさに斥力フィールドを展開しながら飛那へ肉薄しようとしているところだった。

 俺は血相を変え、小比奈の隙を伺う延珠に向かって叫んだ。

  

 

「くっ、延珠!飛那だけじゃマズい!影胤の応戦に回ってくれ!」

 

「ッ!うむ、分かった!」

 

 

 延珠は少しばかり躊躇ったが、了解を伝えると全力で踏み込み、影胤と飛那の間へ一瞬で割り込む。続けての回し蹴り。

 凄まじい轟音を立てて影胤が後方へ弾かれるが、外傷はない。...やはり斥力フィールドは脅威だ。俺の義肢みたく、継続的に大威力の一撃を叩き込めるようなものでないと、アレを破るのは難しいだろう。

 俺は歯噛みしながらも小比奈の甘い一撃を狙い、反撃の拳を放つ。だが、彼女はそれを片方の小太刀で流すように避けた。そして───

 

 

「ザンネンッ!」

 

「ぐあっ!」

 

 

 俺の腹へ、引いていたもう片方の小太刀を突き立てられ貫通する。何とかみじろきして抜け出そうとするも、刃が根本まで埋まっていることと、イニシエーターの規格外なパワーで強引に縫い付けられてしまう。

 すると突然、小比奈は腹へ刺した刀を抜かず、俺の身体へ隠れるようにして走り始めた。

 痛みで顔をしかめながら疑問を感じていると、予想もしないタイミングで俺は唐突に横へ突き飛ばされる。───そして、その時に見えた。俺のすぐ背後にいた、飛那が。

 小比奈は俺を盾にして、狙撃手の苦手とする接近戦へ持ち込む気だったのか!

 

 

「ぐっ?!」

 

 

 彼女はすぐに腰からナイフを抜くが、たった一合で弾かれ、小太刀の柄を使った突きを腹部へ撃ち込まれる。

 コンクリート塀の家屋へ背中から激突した飛那は、糸の切れた人形のようにぐたりとしてしまった。

 ここまで見た俺は不味いと思い、腹部の穴も気にせず、凶刃を振り上げた小比奈へあるものを放る。

 彼女はそれに気付き、両断しようと向き直った。

 

 

「小比奈ッ!それは───」

 

 

 俺の意図を悟った影胤は、焦ったように小比奈へ静止を叫ぶ。だが、もう遅い。

 放ったのは『特殊音響閃光弾』。それは狙ったタイミング通りで強烈な閃光を放ちながら爆発し、周囲の闇が消し飛ばされる。

 

 

「うあああぁっ!」

 

 

 文字通り目の前でその衝撃波を喰らった小比奈は、耳を押さえて苦悶に喘ぐ。一方の影胤はギリギリで効果を逃れたか、延珠の奇襲をギリギリ展開した斥力フィールドで受けていた。....延珠、影胤をそこに縫い付けておいてくれよ。

 

 俺は小比奈がスタン状態から脱する前に、拳を構えて肉薄する。

 しかし、俺の気配を察したか、彼女は咄嗟に片方の小太刀を前方に振るった。

 ───流石の反応だ。でも、

 

 

「遅い!天童式戦闘術一の型八番―――『焔華扇・三点撃(バースト)』!」

 

 

 インパクトの前に腕から三つの薬莢を同時に吐き出し、己の足が浮き上がる程の剛撃を打ち出す。

 対角線上へ突き出された一本の小太刀は、右腕にヒットした瞬間粉々に粉砕され、それでも威力を全く弱めないまま小比奈の矮躯を吹き飛ばす。

 彼女は地面を何度も転がるが、勢いを緩めることなく停泊していた小型船舶へ激突して、やっと静止した。

 

 

「ハァ、ハァ.......やった」

 

 

 何とか影胤のイニシエーターを倒した。直後に喜びが先行するが、それを抑えて飛那の下へ駆け寄る。...大丈夫だ。大したことはない。その途端に思わず安堵の溜め息を吐いてしまうが、同時に腹部へ激痛が走った。

 ───そうだ、小比奈にやられた傷があったのをすっかり忘れていた。

 俺は多少の逡巡をしながらも、腰へストックされたプラスチック製の注射器に手を伸ばし、指でキャップを弾いて腹へ突き立てる。

 

 

「くっ、おおお....!」

 

 

 己の身体がカッと熱くなり、血液が炎に変わったのではないかという錯覚へ陥る。

 思わず膝を折り、喉元まで湧き上がった嫌悪感を必死に飲み下していると、腹の傷が瞬く間に再生していくのが見えた。

 あの注射器には『AGV試験薬』という、先生がガストレア研究中に生み出した、人間の再生力を飛躍的に上昇させる薬が入っている。だが、二十%もの高確率で使用者をガストレア化させてしまう最悪の副作用が存在していた...が、どうやらその博打には勝ったようだ。

 

 

「っ!はぁ....はぁ.....」

 

 

 立ち上がろうと足へ力を込めるが、よろよろと足元が覚束ない状態で何とか直立する。

 こんな状態では戦えたものではないので、喝を入れるために頬を張ろうかと思っていたとき、突然俺の隣を何かが掠めていった。

 

 

「な───延珠ッ!」

 

 

 視線を背後に向けると、そこには片手足へバラニウム弾を撃ち込まれている延珠が倒れていた。

 血相を変えて駆け寄ろうとするが、すぐに思い止まり直感で頭を防御。直後に二発の弾丸が右腕を叩き、肝を冷やした。

 

 

「何故だ....何故邪魔をする里見蓮太郎!私たち機械化兵士はガストレア戦争のために生み出された!ならば、戦うことこそ己の存在意義を証明する手段だろう!?戦争が終末を迎えれば、我々は生きる意味を無くしてしまう!」

 

「ざけんな!テメェはそんな馬鹿げた理由の為に、あらゆる人間を殺すってのかッ!」

 

「ああそうだ!私の望む世界に弱者は要らないッ!繰り返される闘争を生き延び、その中で自らの存在を証明できる強者のみを私は欲する!君たちはそれに選ばれし者だ!...さぁ、私と共に世界へ戦の火種を撒こうではないか!里見蓮太郎ッ!」

 

 

 影胤が叫んだその言葉で、俺はこの男とは一生分かり合えないと確信した。そして同時に全身を焼き尽くさんばかりに燃え上がるのは───怒り。

 

 

「俺はお前を止めるッ!殺し合いを肯定するその考え......断じて許容できねぇ!」

 

「ならば我が計画の礎となり、その身をこの地へ埋めるがいいッ!」

 

 




 ハレルヤなんて言葉、久しぶりに聞きましたね。流石影胤サンです。

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