拳をぶつけずにはいられない。
簡単は話し。
誰かに縛られているテメェが気に食わねぇ。
直撃を受けたアーマードライダー鎧武が光を放って、変身が解けて葛葉コウタが倒れる。それを慌てて抱きかかえて高坂穂乃果は顔を青くして、手に付いた血のりを見て瞳を震わせコウタの身体を揺すった。
「コウタ君!」
「ダメ! 穂乃果ちゃん、無暗に動かしたら…………!」
叫ぶ穂乃果に南ことりが肩を掴んで止める。
園田海未は離れた位置からコウタを撃ち抜いた戦士、アーマードライダー龍玄を睨み付ける。コウタの弟分でもあり、仲間である呉島ミツザネが撃ったという事に思考がパンクしそうになるが、海未は不思議と冷静さを手放さずにいた。
それは愕然さよりも周りから聞こえてくる悲鳴、轟音が冷静さを保たせてくれているのだろう。非常時だからこそ、焦ってはならないという初心を手放さずにいられるのだ。
「ミツザネ…………どういうつもりですか!?」
海未が問い掛けてみるも、龍玄からの返答はない。それどころか視界には海未は存在していないかのように気にもせずに、ただただブドウ龍砲の銃口を街並みの建物へと受けて引き鉄を引いていた。
龍玄の攻撃により、さらに街の混乱が増加する。人々が逃げ纏い、インベス達が牙を振るう。
「ミツザネ! 止めなさい!」
制止しようと声を掛けるも龍玄は見向きもせず、銃撃を続ける。
仲間が破壊行動をしている。その事が海未を走らせた。
「こうなったら、ドライバーからロックシードを外して……………!」
戦極ドライバーからロックシードを外せば変身は解ける。今のミツザネが普段と違い異常な状態なのは一目でわかる。
しかし、海未が近づこうとした瞬間、暴走していたインベスが光を放って姿をコウモリインベスへと進化し飛翔してきた。こちらへ近づきながら光弾をばら撒き、咄嗟に海未は転がって爆発から避ける。
「くっ…………!」
「海未ちゃん!」
下の方でことりの叫び声が上がる。攻撃を避けられたと判断したコウモリインベスは旋回し、再び海未に弾幕をばらまく。やっと起き上がった海未にそれを避ける暇はなく、反射的に目を瞑った。
「えっ…………」
直後、誰かに抱えられた感覚と共に熱風が海未の顔を襲った。
誰かに助けられた事に気付いて慌てて目を開くと、海未を抱えていたのは青年だった。さきほど会った青年とは違った、ハネた髪をした男性だ。
青年は飛翔するコウモリインベスを見上げてから、海未を気遣うように見やってくる。
「大丈夫?」
「は、はい………」
頷いてから海未ははっとなって龍玄のいた場所に目を向ける。しかし、そこに龍玄の姿はなく、コウモリインベスもどこかへ飛び去ってしまったようだ。
「海未ちゃん!」
呼ばれて振り向くと、そこにはことりが目を揺らしながら駆けつけてくる。無事を確認するやいなや抱き付き、肩に顔を埋めて嗚咽を漏らす。
「ことり……………」
「心配、したよぉ………………」
親友を悲しませてしまった事に顔を伏せるが、今は嘆いている場合ではない。
海未は助けてくれた青年に頭を下げた。
「助けて頂いてありがとうございます」
「いいって。ライダーは助け合いでしょ」
笑って告げた青年は立ち上がり、戦火に巻き込まれる街並みを見て憂いそうな顔をする。まるで心の底からこの光景を毛嫌いしているようだ。
「……………君達は彼を連れてここから離れて」
ちらりと青年が見た先には、下でコウタを抱えたままどうしたらいいかわからず、こちらを見上げている穂乃果がいた。
「貴方は…………?」
「他の人達を避難させてから逃げるよ」
「あ、危ないですよ!?」
この非常事態。おそらくいつもならアーマードライダー部隊が駆けつけてくれるはずなのだが、一向に姿が見えないという事は何かしらの理由があるのだろう。
「大丈夫。こういうのには慣れてるから!」
「あ、ちょ……………!」
そう告げて青年は走り去って行く。海未は思わず手を伸ばしかけるが、すでにその姿は見えなくなってしまう。
「海未ちゃん……………!」
「………………今はコウタの治療が先決です。どうにかしてみんなと合流しましょう」
ことりに離れてもらい立ち上がった海未は、走って穂乃果と合流する。おそらく島という閉鎖空間である以上、どこかしらに避難所があるはずだ。
ひとまずはそこへ身を寄せようと考え、3人は倒れた戦士を担いで移動を始めた。
すでに登り切っていた陽は落ち始め、空には曇りと共に闇が広がりつつあった。
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人々の混乱は収まる所を知らず、それに比例するかのように暴走インベスは増えていった。瓦礫の下敷きになった人を助けようとロックシードでインベスを呼び出したものの、そのインベスも暴走し被害を悪戯に広げる結果となってしまった。
戦極ドライバーを持っているが故に戦おうとした啼臥アキトの手を引いて逃げた西木野真姫、矢澤にこ、東條希だったが。
「っ、こっちもダメね…………」
通路を曲がった途端に出くわした瓦礫の山を見て、立ち止まった真姫が舌打ちをして嘯く。それに習って3人も足を止めて、にこと希が落胆で息を漏らした。
インベスの暴動から避難しようと走り出した4人が真っ先に向かったのは、当然地上へのルートだ。4人がいたのはショッピングモールの2階に位置する喫茶店だったのだから、建物の中に取り残されたと言っても過言ではない。
そんな状況から脱するには当然、1階にある出入り口からまずは外に出るしかない。当然、アキト達だけでなくこのショッピングモールにいた観光客達は同じ結論に至り、ほぼ全員が殺到した。
それがいけなかったのかもしれない。暴走したインベス達の目的はわからないし、もしかしたら『とりあえず何か動いているから潰そう』程度の思惑だったのかもしれない。
ともかく、他の観光客達に習って避難しようとした3人をアキトが制止した。少なくともその時は「これだけの人が一斉に出入り口に殺到すれば、人込みで下手をしたら逸れる可能性がある」程度の認識でしかなかったのだが、違う意味合いでそれは功を成した。
出入り口には人が殺到した。そして、インベス達は人間を攻撃する。
その結果。
出入り口の観光客達めがけてインベスが攻撃を放ち、1階はほぼ瓦礫で埋まったと言っても過言ではなかった。文字通り、
それを上から柵を乗り出すような形で確認した時、アキトは背筋にゾゾッと気持ち悪い何かが走るのを感じた。もし、止めていなかったら巻き込まれていたかもしれないのだ。
しかし、その時にも見て理解した事だが、建物の外はすでに人とインベスでごった返しており、文字通りの地獄絵図となっていた。
神田でも見た事のない事件に表情が青くなるも、即座にこの建物から離れないと危険だと4人は再び走り出した。
しかし、行く先々が瓦礫の山で塞がれており、ほぼ孤立状態となっていた。
「もう走れないわよ…………」
膝に手を置いて息絶え絶えなにこに、アキトも汗を拭う。なまじこのメンバーの中で体力がないのは自分なので、それも余計に焦りを生んでいた。
「けど、ひとまずこの建物から逃げないとまずいと思う………」
建物の中は非常時において必ずしも安全ではない。外が荒れ狂う嵐などは中にこもるべきだが、建物が崩れてしまえば中にいると生き埋めにされてしまう可能性がある。
希の言う通りだ。しかし、だからこそ1階へ逃げようとして、それが無理だったからこうして逃げ回っている訳で。
「……………あれ、これ詰んでね?」
「言わないで」
アキトの呟きに真姫が判目になって返してくる。しかし、かれこれ1時間はこの建物を彷徨っていて、これ以上は探していない場所はないだろう。
「……………提案。ちょい休憩しません?」
「………ウチは賛成」
アキトの言葉に希が頷いて座り込む。アキトもその場に座り込み、大きく息を吐いて呼吸を整える。
「………………何が起きたってのよ。みんなとの連絡………は無理ね」
にこも瓦礫の上に腰を下ろし、ポーチから携帯電話を取り出す。当然、この事態になってから真っ先にμ'sの仲間ないしチーム鎧武達に連絡を取ろうとしたが電波は圏外。どうやら通信基地局自体が破壊されたのか、公衆電話すら使い物にならないのが現状だ。
改めて確認しても無駄だったらしく、にこは再びポーチに戻して今度は可愛らしい包み紙を出した。
「飴でも舐める?」
「あ、貰おうかな」
「………………私も」
にこが取り出した飴に希と真姫が手を伸ばす。アキトは少し離れた位置で腰を下ろしたが為に深く息を吸って吐いてを繰り返し、体力の回復に努めようとその場で堂々と寝転んだ。
「………………さて」
誰にも聞かれないほど微かな声で言葉を紡ぐ。それは思考の切り替えだ。
情報を整理しよう。
事の始まりは、恐らくアキト達がこの島に足を踏み入れる以前から始まっていたのだろう。その時からこの島では、何かしらの異常が発生していた。だから、この島に到着して早々にμ'sの顧問兼ユグドラシル主任である呉島タカトラに招集が掛かり、別行動となった。
初日に起きた大きな歪は、やはり少女:アネモネとの邂逅だ。思えば呉島ミツザネの挙動も妙だったと言えば妙で、その直後にタイミング良く出現したインベスの群れも間違いなく歪に入る。
ミツザネは腹黒いなどの印象はあるが、初対面の人間に対しては純情な好少年の態度で接する。しかし、アネモネと出会った時のそれは、どこかずれというか違和感を感じた。まるで、出会った事を引き鉄に何かしらの歯車がほんの少し欠けたような。
具体的な理由づけが出来ない事に、奥歯に骨が刺さったような嫌な感覚を覚えるが思考を次へ移す。
次に起きた歪は、その夜の出来事。あの悪の大組織の侵入だが、この事件とは無関係だろう。何故ならば、あの夜以降に奴らの
だから、奴らは最初からこの事件のリストとは別枠で考えるべきだ。
ならば、次の歪は。
翌日。即ち、昨日のCM撮影の為に向かった時に巻き込まれたインベスの暴走事件。もうその時点で、この事件を引き起こした黒幕達の計画とは大詰めにきていたはずだ。
神田でも間々あるインベスの暴走。それがこの島で起きている、という事自体がイレギュラーな事なのだ。この島はインベスによる人間の事業代理、という名目の実験場なのだから暴走とはこの島の存在そのものを否定する結果だ。
そして、黒幕の存在はその日の内に露見する事となる。
黒の菩提樹。
インベス否定派のテロ集団。
奴らとの邂逅が、今回の事件の犯人は明確化されたようなものだ。所謂、黒の菩提樹の仕業か! おのれ黒の菩提樹ゥゥゥゥゥゥ!! これも全て黒の菩提樹って組織のせいなんだ。うむ、どこかしらでぜってぇゆるさねぇと叫びが聞こえてきそうである。
そこから、この島は一気に転がり始めたと言っても過言ではないだろう。ヘルヘイムの森で出くわし、黒の菩提樹のリーダーである狗道クガイとの遭遇。
奴らの目的は、インベスを完全に支配する事。支配し、起こりうる悲劇を無くしたい、と。
その観点から見ても、取りあえずこの騒動は合理性がある。暴走を促している、という事は支配した、とも取れるからだ。
そして、アキトは狗道に敗れ、何とか仲間達の元へと戻る事が出来た。その際にタカトラに黒の菩提樹の存在を告げると、彼はどこかへ行ってしまった。そこで何をしていたまでかはわからないが、もしかしたら今回の事態について調べていたのかもしれない。
後は今日に至る、までだ。アキトの持っている情報をまとめてみると、やはりそれほど重要な所に立ち会っているようで立ち会っていない事がわかるだけだった。
「アキト」
「はい?」
思考を現実に戻して身体を起こすと、丁度にこが飴を投げ渡してきた所だった。
「あざとーす」
「何その掛け声………」
飴を受け取ったアキトは包装を外して、中身の飴を口の中に放り込んで転がす。
「おっ、ミルク味ー」
「………………」
喜んで味わっているアキトは、ふとじーっと地面を見つめている真姫に気付く。そこに何がある訳ではなく、何か物思いに耽っているようだ。
「真姫ちゃん?」
「………………なーんか、引っかかのよ」
「何が?」
希が聞くと真姫は首を横に振る。
「わかんない。わからないけど、なんかもやもやするのよ」
「………………原因は、この
さきほどからずっと響いている音声を示しながらアキトば答えると、真姫ははっとなったように立ち上がって指さしてきた。
「それよ!」
「えっ?」
「どうしてアキトは、これを
一瞬、アキトは返答に困る。確かによくよく聞けばこれは雑音としか認識出来ないが、咄嗟にアキトは歌と認識している。
正直、それをアキトはまったく理解していない。ただ漠然と、歌だと思ってしまうのだ。
「気になるってのはそこ?」
「違うわ。いや、それも気になるけど…………貴方、この歌が流れ出した時少しおかしかったじゃない」
にこに首を横に振ってから、アキトに言う。指摘されたアキトは特に隠す事でもないので素直に説明した。
「あの瞬間、俺の中にあった
「アッキー、邪気眼なんて持ってた?」
この状況だというのに冗談を言える余裕がある希を無視して、アキトは自分の手のひらを見つめる。まるで自身の中に何かがあり、それが荒ぶるように叫びを上げた事。
ある意味で、自身には特殊なモノを秘めている事は確かだ。だが、この程度の影響を受けるような柔な存在ではないはずだが。
「アキト。貴方は昨日、ヘルヘイムの森へ行った。そこで変身は解いた訳?」
「……………まぁ。黒の菩提樹と戦闘になって負けた訳だから、気付いた時は生身だったよ」
「なら、ヘルヘイムの空気を………毒素を吸った訳ね」
「………………まさか!」
にこも思い至ったのかばっとアキトに近付くと、確認するように身体を触って来た。
「アンタ! 鱗が出てきたりしてるんじゃないでしょうね!?」
「ちゃんとメディカルチェックは受けましたよ!? あ、ちょ、どこ触ってるんですかそれ俺のぜい肉!」
わしわしと触ってくるにこに顔を赤くさせてアキトは呻く。これがもしいつもの猫娘だったのならば顔面を鷲掴んで離せるのだが、相手は幼児体型ではあるものの先輩である。
「……………よし、インベス化はしてないようね」
異常がない事を確認出来たから、にこがうんと頷き希がほっとした表情を浮かべる。
「ったく………で、それが何だってんだ?」
せっかく整えた髪型を直しながら真姫に聞く。
「…………この音を聞いて暴れ出した何か。それがヘルヘイムの毒素だと思うのよ」
「…………………だからインベス達が暴れている、って事?」
この流れている音がインベス達の暴走を引き起こしている。それはアキトも考えていた事だ。タイミングからしてもそれは間違いないだろう。
しかし。
「……………だからと言って、それがどうした、なんだよなぁ」
思い至った所で、すでに事態は転がり出してしまっている。坂道を転がるボールのように、止める事は出来ない。
アキトの指摘に真姫は「それはそうだけど………」と俯いてしまう。
「ともかく、少し休憩出来たし動こう。早くここから離れないと…………」
希の言葉に真姫とにこが立ち上がり、アキトも立ち上がる。
「えっ………」
その時、突然希が絶句して目を見開く。残りの3人がその視線を追うと、白い影が走った。
「今のって…………!」
「あっ、希!」
それを追うように希が走り出し、アキト達も追いかける。
来た通路を逆走し、今度は建物の内部へと向かう。
この建物は奥行きが広く、地図で見た限りでは中央に広場があるらしい。
「希、どうしたのよ!?」
走りながらにこが呼びかけるが、希からの返答はない。
やがて、恐らく地図で見た広場に出る。普段ならば家族ずれや大道芸人などで賑わっている光景が目に浮かぶ場所も、あちらこちらに瓦礫や塵まみれになってしまっていた。
その奥にあるステージ。
そこに、少女が立っていた。
あの時のように真っ白いワンピースを着込み、まるでステップを刻むように踊っている。優雅に、楽しそうに。
しかし、ワンピースの裾あたりにまるで水たまりに飛び込んで跳ねて付いたように赤い色合いが混ざっている。この非常時で、赤い色を見て連想してしまうのは自然と血だった。
「……………アネモネ」
真姫が声を掛けると、ようやく気付いたように振り向き笑顔を向けてきた。
「皆さん、こんにちは。一昨日はお世話になりました」
「アネモネちゃん…………こんな所で何してるん?」
アネモネ。この島にやって来た初日に出会い、ミツザネが恋をした少女。彼女に想いを告げようと行動を起こし、それを追いかける為にアキト達も走ったのだ。
「アキトさん。カレーライス、美味しかったです! 本当にお上手なんですね、お料理」
希の問いかけには答えず、アネモネはアキトへ嬉しそうに告げる。それはまるで、この周囲の現状が目に入っていないかのように、世間話をするかのような調子だ。
非日常の中にいながら、日常の姿を振る舞う。それが逆に非日常を鮮明に表しており、アキトは首元に冷たいものが落ちるのを感じた。
「……………アネモネ。この状況を可笑しいと思わない訳?」
にこが目を細め、警戒心を強めた口調で聞くと、返って来たのはきょとんとした顔と声色だった。
「可笑しい? 何がです?」
「っ、インベスが暴れて人を襲ってるのよ!? 東京でも見た事のないくらい、大事件じゃない!」
苛立ったように現状を突きつけると、あぁ、と頷いてアネモネが嬉しそうに言う。
「だって、それがインベスの本質じゃないですか」
「………………何?」
その言葉から、アネモネの表情が変わる。にこにことしていた笑顔から一遍、憎しみの籠った怒りの形相となる。
「インベスはウチら人間を助けてくれる友達やん。あんな風に暴れる子なんて、例外やろ?」
「インベスはいとも簡単に人を殺せるんですよ? そんな相手に対して友達だとか、愛情だとか感じる方が可笑しいと思いませんか」
その言葉で、アキトの脳裏にまさか、と疑念が過る。
「現にあぁやって、簡単に暴れ出して、人を襲って」
「お前がインベス達を暴走させた原因かよ」
舌打ちをしそうになりながら、アキトが身構える唸る。
「えぇ、こうやってね」
アネモネが口を開く。
瞬間、スピーカー越しで聞こえてきていた音の羅列がこの場に漂い始める。
「ぐっ、あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!?」
絶叫。
アキトの体内にあるヘルヘイムの毒素が唸りを上げ、荒れ狂い始める。スピーカーで聞いた時よりも直接脳内に響き、思考がぐちゃぐちゃに描き回されているみたいだった。
「アキト!?」
「アッキー!?」
尋常ではない事態に真姫と希が抱き留めてくれると、あれほどまでに荒れ狂っていた唸りが止んだ。まるで冷や水を駆けられたかのように収まる姿を見て、アネモネが怪訝そうな顔をする。
「貴女もこの歌の影響を効いているんですね。なのに、それが収まった?」
「大丈夫!?」
心配してくれる希に頷き返し、離れても唸りはやって来なかった。
アネモネがインベス達を暴走させている。その事に歯噛みし、睨み付ける。
「…………俺達がアーマードライダーだと知って、近付いてきたのか」
「えぇ。貴方達μ'sがこの島で合宿を行う事は、事前にブログに記載されてしましたしね」
「何の為に…………」
「ある目的の為に」
真姫の呟きに答えになっていない返答を投げたアネモネは、つまらなそうに踵を返して空を見上げる。
「もう目的は果たしました。だから、
「彼……………?」
にこが呟いた横で、真姫が顔を青くさせる。
アネモネを追いかけていた少年が1人いたはずだ。その少年の行動を追いかけて、4人は外に出てきたのだから。
じゃり、と瓦礫の破片を踏みつける音が響き、奥の道から姿を現す。
その存在に、真姫もにこも希も言葉を発する事が出来ない。アキトだけが歯噛みし、露骨に嫌悪の表情をする。
「あぁ、そうだよな………だから、変だったんだよな。お前がたった1度だけ会ったアネモネに一目惚れとか、そんな軽い男じゃねぇもんな…………」
低く呟き、アキトはその男を見据えて叫んだ。
「ミツザネ…………!」
現れた少年は、アキト達が最も知る人物だった。
しかし、その瞳には一切の光はなく、暗く、昏く、冥い闇だけが広がっていた。
情報確認。
現在、島中に暴走インベスが展開。
住民、観光客の7割が避難シェルターへ避難完了。残りも順次、シェルターへ誘導。
アーマードライダー部隊は即時、鎮圧に向かって行動を起こすも現在、5割の部隊が原因不明の昏倒。
すでに防衛タワーも陥落し、島の防衛機能は死んだも同然。
至急、応援求。
送信-----
エラー。
外部との交信途絶。
電波基地局に異常発生。直接エラーを修正してください。
ミツザネはデニム生地のハーフパンツに、黒のポロシャツというシンプルな格好でアキト達の前に立ちふさがった。
その瞳はアキト達を捉えているが、果たして友人として認識しているのだろうか。
「ミッチ…………」
真姫が震える声を漏らすと、ミツザネは戦極ドライバーを腰に巻き付ける。こちらに対して戦闘態勢を取った事に3人はびくりと身体を強張らせ、アキトは目を細めて庇うように前に出る。
「……………アネモネさんの邪魔をするな」
「一応、自我はあるのかよ。厄介だな」
吐き捨てて、アキトは呼吸を整える。ミツザネから感じられる殺気は間違いなく本気で、こちらを攻撃しようとしている覚悟は肌で感じられた。
「邪魔を、するなよ」
「はっ…………何をされたかわかんねぇけど、こんな事になるなんてな」
まさか、ミツザネと戦う事になる。いつかは激突するだろうとは思っていた。自身が自身の立場であるが故に。だが、まさかこれほど早い段階でぶつかる事になろうとは。
しかし、臆してはならない。この混乱した状況で、他のライダー達が颯爽と現れるはずもなく、3人を守れるのはアキトだけなのだ。
静かに戦極ドライバーに手を伸ばし、アキトはそれを腰に当てる。バックルが伸びて巻き付くのを見て、ミツザネが愛用しているブドウロックシードを取り出す。
「僕の邪魔をさせる為に、君に戦極ドライバーを渡した訳じゃない」
「俺もだよ」
短く答えて、アキトは取り出す。
ウォータメロンロックシードの代わりに受け取ったバナナロックシードではなく、憧れの魂がこもったロックシードを。
「お前のこんなバカげた事を止める為に、ベルトを受け取った訳じゃない」
「な、何だそのロックシードは!?」
見た事のないロックシードにミツザネが驚愕の声を漏らす。
それに対しての答えは、決まっていた。
「憧れだよ。ずっとずっと、こうなりたいって願ってた、俺の憧れ」
そう返して、オーズロックシードに目を落とす。
この人のようになりたいと願い、目指し、そしてなれたと錯覚していた愚かな自分の罪。
「お願いです。こんな俺だけど、友達を………仲間を守る為に………映司さん、一緒に戦ってください……………!」
『オーズ!』
オーズロックシードを解錠すると、頭上にクラックが裂けてオーズアーマーパーツが現れる。
「か、顔っ!?」
「っ、どんな力だろうと関係ない………邪魔をするのなら、君でも潰す!」
『ブドウ!』
ミツザネの頭上にもクラックが開き、いつも見るブドウアーマーパーツが現れる。
いつもと同じ光景。違うのは、ミツザネが対峙しているという事。
『ロックオン』
互いに戦極ドライバーにロックシードをセットし、アキトは左手を斜め下、右手を引くように構える。
ミツザネはその仕草に怪訝そうな顔をしながらも、無造作にカッティングブレードをスラッシュした。
「変身!」
「変身」
アキトも右手を振りぬくようにカッティングブレードをスラッシュし、ロックシードのキャストパットえを展開する。
『オーズアームズ! タトバタトバー!!』
『ハイィーッ! ブドウアームズ! 龍砲、ハッ、ハッ、ハァッ!!』
それぞれのロックシードが咆哮し、それぞれにアーマーパーツが落下し姿を変える。
アーマードライダーオーズ。
アーマードライダー龍玄。
2人のライダーは変身を終ると、一瞬だけ時間が止まったかのように身構えて互いの行動を伺う。
オーズにとって龍玄の強さへ東京で何度も目にした事があり、間違いなくまともに戦って勝てる相手ではない。それは性能ではなか個人の実力で、培ってきた経験の差があり過ぎるからだ。
そして、龍玄はオーズというこの世界に存在するはずのない未知のアームズに警戒を抱いている。謎というのはそこにあるだけで尻込みしてしまうものだ。
数秒の沈黙。それを破ったのはオーズだった。
「っっ!」
拳を握り締めてオーズが駆け出し、反応するように龍玄がブドウ龍砲の銃口を向けて引鉄を引く。
吐き出された弾丸を手で弾き、次撃を放たれる前に肉薄し拳を振るう。その一撃は短絡で避けられてしまうが、オーズは龍玄に組み付くと飛蝗の紋様が輝いて飛び上がった。
あの場には真姫達がいたのだ。建物には他にも逃げ遅れた人達がいたかもしれない。ライダーの戦いに巻き込む訳にはいかなかった。
「この…………!」
「うおっ!?」
振り払われたオーズは倒壊した建物の屋根に転がり、龍玄は優雅に少し高い瓦礫の山に着地した。
立ち上がったオーズはメダジャリバーを取り出し、即座に斬りかかった。飛蝗の力で強化された跳躍力は瞬く間に龍玄との距離を縮め、メダジャリバーの間合いに捉える。
しかし、振るった斬撃はブドウ龍砲の銃身で受け止められ、互いの視線が仮面越しながら交錯した。
「昨日今日でライダーになった君が、僕に勝てる訳ないだろう? 例え信号機になろうとも」
「そいつはどうかな。このロックシードは特別性でな! と言うか、信号機は失礼だろ! オーズって名前があるんだよ!」
渾身の力を込めていた腕を一瞬だけ引いて、龍玄の防御を崩す。そこへ再びメダジャリバーを振り上げると、今度は斬撃がアーマーへと入る。
火花を散らして苦悶の声を漏らす龍玄に、オーズは追い討ちを掛けるように連撃を浴びせる。
オーズの猛攻に耐えられなかった龍玄は火花を散らしながら吹き飛び、瓦礫の山に倒れる。しかし、すぐにブドウ龍砲の緑宝撃鉄を引いて単発モードから連射モードに切り替え、速射してきた。
1発は大したダメージではない弾丸も、塵も積もれば山となるという格言通り無視出来ないダメージとなる。
今度はオーズの装甲から火花が散り、仮面の下で苦悶の表情を浮かべた。
「なろ………うわっ!?」
倒れ込んだオーズは立ち上がって反撃しようとするが、接近を許さないかのように容赦なく弾幕を張り巡らせる龍玄。
堪らず脚に力を込めて、半ば飛び込むように瓦礫の山へ突っ込み弾丸を防いだ。
「…………ったく、容赦ねぇな」
一息ついてからオーズはさて、と呼吸を整える。
こちらの武装で射撃が可能なのは無双セイバーのみだが、正直それでは心許ない。相手は射撃がメインの戦い方をするのだから、装填という行動が割り込んでしまう無双セイバーの方が劣ってしまうのは仕方の無い事だ。
「せめてオリジナルみたいにメダルチェンジ出来ればなぁ」
本来のオーズは当然、戦極ドライバーやロックシードで変身するものではない。欲望が具現化したオーメダルというアイテムを用いて変身し、それにより様々な形態で戦う事が出来るのだ。
これは所詮、その戦士も模倣した力に過ぎない。近しい力を使えるだけでもありがたいと思うべきか。
その時、不意に足元に熱い感覚を覚えて目を向けると、足に赤いオーラが漂っていた。
その感覚は、浜辺で戦った時や先ほど跳躍した時の、力を発揮した時に似ている。
「もしかして………」
希望を感じて低く呟き、オーズは瓦礫の隙間からこちらの動きを伺っている龍玄を見やった。
瓦礫に突っ込んで動かなくなったオーズの動きを観察するように、龍玄はブドウ龍砲を向けたままでいた。
このまま攻撃して瓦礫で押し潰してもいいのだが、未知の存在は何をしてくるのかわからない。焦って攻撃するより、何かの為にいつでも動けるようにしていた方が賢明である。
そして、その判断は正しい。
だが、予想外だった事が1つ。
その攻撃自体が苛烈で、こちらが対応出来るだろうという予測を超えていた事だ。
「オラァッ!!」
気合いと共に瓦礫が吹き飛び、中からオーズが飛び出してくる。こちらに向かって足を突き出し、キックの構えで突撃してきた。
反射的にブドウ龍砲の引鉄を引き、連続した弾丸を撃ち出す。しかし、それは赤く輝いた足に弾かれ、龍玄は腕を交差させて防御姿勢を取り受け止めた。
「ドラララララララァッ!!」
「ぐっ、この………!」
オーズのキックは単発ではなく、連続した蹴りだった。凄まじい連撃に龍玄の両腕は変身しているのにも関わらず痺れ始め、やがて崩された。
「がっ………!」
「そぉい!」
ムーンサルトを決めるように宙返りをしたオーズは、空中へ躍り出ると右腕を振り上げる。すると、エネルギーが吹き出し、それが幻影の翼を生み出した。
孔雀のように美しい色合いの翼が羽ばたき、振るわれた。その動きから炎が生み出され、弾丸となって龍玄に襲いかかる。
「馬鹿なっ!?」
ロックシードの力は証明し切れていない未知のブラックボックスがあるが、この力で直接炎を生み出すなどという魔法地味た事は出来ないはずだ。
降りかかる火の粉をブドウ龍砲で撃ち落としながら叫ぶ。
「何なんだ、そのアームズは!?」
「欲張りな優しい王様だよ!」
理由のわからない答えに龍玄は歯噛みしながら、接近を許してしまいブドウ龍砲をトンファーのように持ち替える。
「いい加減、目を覚ませこの馬鹿!」
「黙れ!」
龍玄のトンファーとオーズの打撃がぶつかり、鈍い音が幾重にもなく響く。そして、取っ組み合いになった瞬間、今度はオーズの両腕が緑色に輝いて胸のサークルの紋様に変化が起きる。
赤い鳥のものから、今度は緑の虫のような紋様。それはさながら蟷螂を思わせるものだった。
直後、緑色の光が刃のように鋭く走り、龍玄の装甲を切り裂く。
先程から訳がわからなかった。強烈なキックを放ったり火の粉を振りまいたり、今度は両腕が剣のように鋭い攻撃を放った。
ロックシードが齎すものはそれぞれに決まった専用のアームズウェポン。ランクによって力の差はあれど、所詮それらは武器である事に違いはなく、このような超常現象を起こせるはずがない。
通常のロックシードの仕様を逸脱した力に、龍玄は翻弄されっぱなしだった。
今度は両手足が黄色に輝き出し、高速で動きながら指を振り抜く。まるで爪を装備しているかのように剣閃が走り、龍玄を攻撃してくる。
「この、図に乗るな!」
『キウイアームズ! 撃輪、セイ、ヤッ、ハァッ!!』
ブドウアームズだけでは押されたまま。そう感じた龍玄は即座にもう1つのロックシード、キウイロックシードと切り替えてアームズチェンジを行った。
両手に召喚された専用アームズウェポン、キウイ撃輪を掴み上げ、感触を確かめる間もなく投擲した。
投げられたキウイ撃輪は龍玄を中心に輪を描くように走り、高速で動いていたオーズを切り裂く。
「うぼぁっ!?」
「はぁぁっ!」
返ってきたキウイ撃輪を掴み、龍玄がよろめくオーズに肉薄する。圏と剣がぶつかりあい、互いの間に火花が散った。
「らしくないんじゃないの、ミツザネ。何をされたかわかんないけど、簡単に誰かの言いなりにされるなんてさ!」
「黙れよ! さっきから戯言ばっかり………彼女の邪魔をする奴はみんな僕が叩き潰してやる!」
力と力のぶつかり合い。先程は先手を取られたが、今度はこちらから力の拮抗をずらしてオーズを転がせる。
行き違いになるような形で膝を着いたオーズを追撃しようとキウイ撃輪を振り上げる。
勝った、そう確信して振り向いた龍玄を襲ったのは、膝を着く直前に片手を地面に付けて、反動で繰り出したオーズの右足だった。
先程の連続キックとは違い、重い一撃に龍玄は吹き飛びながらも呼吸困難に陥る。
「何でだ…………」
倒れながら、低く呻く。
相手は今まで戦闘どころかライダーに変身した事のない素人のはずだ。
なのに、その動きは洗練されたもので、まるで何度も戦いに身を置いた事があるような感覚を覚えた。
馬鹿な、と直前に思い付いた言葉を叱咤してかき消す。よしんば、仮にもただのラーメン屋の息子が戦い慣れをしていたとしよう。
しかし、それを踏まえても龍玄がここまで押される理由はなかった。こちらは文字通りの地獄を体験し、その戦いを生き抜いた身なのだから。
なのに、互角どころか圧倒されている。その事がさらに龍玄の中に混乱を生み出していた。
「お前なんかに…………!」
「そりゃそうだ」
ぐるぐると思考が回る中で、オーズの呆れた声が響く。
「いつものミッチなら、きっと煙草を吸い終わるまでに片付けられただろう。所詮、こっちはド素人だぞ」
「…………………君は未成年で、煙草など吸わなかったはずだが」
「それだよ」
一度区切り、
「いつものミッチなら、じゃあ煙草を吸ってくれる? その間に潰すから、くらいの軽口は言うもんんだ」
「……………何が言いたい」
「誰かに縛られて戦うなんてお前らしくもない。自分の意思じゃなくて操られてるなら、負ける道理はねぇよ」
まるで偽物扱いをされた龍玄は頭に血が登ったかのように熱くなり、カッティングブレードを2回スラッシュする。
『ハイィーッ! キウイ・オーレ!!』
「戯言を!! 」
龍玄はエネルギーを纏わせたキウイ撃輪を投げ付ける。円盤のように飛翔する2つの刃は分身のように増え、四方からオーズを囲い襲いかかる。
それを見たオーズは剣を地面に突き立てると、同じように2回カッティングブレードをスラッシュした。
『オーズ・オーレ!!』
ギター音の直後に告られた咆哮。
オーズの両腕が黄色い輝きを纏い、それが巨大な爪と化して振るって分身体の撃輪を打ち砕き本体を弾き飛ばす。
「っ…………! 負けない、彼女にも……………!」
「ったく、毒を盛られたかハニートラップにでも掛けられたか………」
両腕を振るって余剰のエネルギーを払い、オーズが自身に言い聞かせるように俯き加減で嘯く。その意味を龍玄は理解出来ないが、やがて何かを決めたように顔を上げる。
「ミッチ。もう一度、お前の言う彼女について考えてみろ。頭に、心に浮かんだその人は、本当にお前が望んだ彼女か?」
「何…………!」
離れた場所に転がったキウイ撃輪に手を伸ばすよりも、アームズチェンジをしてブドウ龍砲に切り替えた方が早い。そう判断してブドウロックシードを取り出そうとした時に問い掛けられ、龍玄は手を止める。
言っている意味がわからなかった。
脳裏に浮かぶのは、この島で出会ったばかりだが心を揺さぶられた少女だ。純粋無垢で、何も書かれていない白いキャンパスのような。
----------ミッチ!
「っ……………!?」
浮かんだ赤い少女に、龍玄の脳が強く揺さぶらたような衝撃が走る。
その少女の事を、龍玄は、ミツザネはよく知っている。当たり前だ。同い年で、クラスメートで、同じような境遇で、素直になれないツンデレ嬢。
「真姫、さん…………」
ぎりっ、と歯を食いしばる音が響いて、龍玄はその空想を振り払うように戦極ドライバーのカッティングブレードへと掴んだ。
『ハイィーッ! キウイ・スパーキング!!』
「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
ロックシードの叫びと同時に龍玄も咆哮を上げながら高く跳び上がる。
それに対してオーズもカッティングブレードを3回スラッシュし、一度に解放出来るエネルギーの最大を引き出す。
『オーズ・スパーキング!!』
「はぁぁぁぁぁっ……………!!」
高く跳び上がった龍玄に対し、オーズは腰を低くして力を貯めるようにタイミングを見計らう。
そして。
「セイヤァァァァッ!!」
叫びと共に飛び上がる。遅れての跳躍したオーズは、龍玄が上から飛び掛かるのに対して下から飛び上がるように突き進む。
どちらも最大のエネルギーを纏った攻撃。龍玄のキックする先にキウイの輪切りのようなエネルギーを貫くように突き抜け、その度にエネルギーが右足へと集まりながら進んだ。
対して、オーズも赤、緑、黄の3枚のリングを潜り、そのエネルギーを両足へと集めながら突き進む。先程の赤い翼が羽ばたき、羽根を巻き散らせながら競りあがってきた。
「ハァァァァァァァッッ!!」
「セイヤァァァァァッッ!!」
全力を込めたライダーキック。
激突すれば途方のないエネルギーの爆発が起きるだろう。
そして。
キックがぶつかり合い、凄まじい爆発と共に閃光が場を支配した。
呉島ミツザネが所有するロックシード
・ブドウ
・キウイ
・ヒマワリ
・サクラハリケーン
次回のラブ鎧武!は……………
凄まじい衝撃の果て、立っているのは…………
「貴女達が希望と寄りそっているものが崩れ落ちる様を、見るといいです」
アネモネの言葉と共に崩れ去る希望。
地獄の中で再会した9人の女神に降りかかる牙。それを助けてくれたのは…………
次回、ラブ鎧武!
38話:真実の行方 ~砕かれた希望~
激突したライダーキック同士。果たして勝つのはどっちだ!?
どうも、グラニです。いかがでしたか、ミツザネVSアキト。
鎧武上でおそらくなかった対等な立場での親友同士の激突。それに加えて、オーズのような各メダルの特性を描写する必要あったので、シーンがポンポンと飛んだように感じられたかもしれません。
文字数も5000文字と少なく落ち着きましたしね。
もっとオーズのコンボなどを書いてもよかったのですが、それだと龍玄を圧倒しちゃいそうで………いや、結局ゴリ押しのパワーで巻き返したのですが…………。
今更ですが、ウチではレジェンドライダーアームズは元のライダーの能力も使える設定になっております。ただし、能力はオリジナルより劣化した状態です。所詮は模造品ですからね。
そんなこんなで、親友同士の激突回でした。
勝敗はどうなるのか。待て、次回!
………………実はキウイスパーキングもオーズスパーキングも放っては撃破できず撃ち返された不遇キック同士なのです。ライダーキック不遇王の座はどちらの手に!?
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