合宿の醍醐味といったらこれだね。
はしゃがなきゃ嘘だろ?
バリボー。
それは男のロマン。
バリボー。
それは人生の縮図。
それを知らなかった呉島ミツザネはその意味を知る事で、ようやく大人への階段を上り始める事に……………
「アキト、ちゃんとあらすじをして!」
「……………………………………」
島に到着するなり、突然ユグドラシルからの指令で破壊されたというインベス施設へ向かう呉島タカトラ。
見るも無残な施設に、まるで希望を打ち砕かれたような感情に襲われるも、タカトラは施設跡を捜索。そこで壊れたスピーカーを見つける。
その時、集団のインベスに襲われ、斬月となったタカトラは勝利を収めるもその強さに歯噛みする。
一方、瀬賀を招いた啼臥アキト達は人の想いについてひと悶着を起こしてしまい、その制裁を受けるのだった。
「ふぅー、食べた食べた。美味しかったよ、アキト君!」
「食べていきなり横になると豚になりますよ?」
ソファーに横になった高坂穂乃果に園田海未が小言を加えると、「お母さんみたいに言わないでよー」と反論した。
なんとも幼馴染らしいやり取りに笑みを浮かべて、絢瀬絵里がそれにしてもとカレーライスを作った張本人、アキトを見やる。
「本当に美味しかったわ。毎日のようにこんな手料理食べれる凛がちょっと羨ましいかも」
「一家に一人欲しいやね」
同意見だ、と言わんばかりに頷く東條希に何故か幼馴染の星空凛はふふんとない胸を張り、アキトは照れたように笑う。
「猫型ロボットっすか………まぁ、環境がそうさせた、ってのもあるし。カレーライスなんてコツを掴めば誰だって作れますよ。ね、カイトさん?」
「玉ねぎを飴色まで炒める。それが第一前提だ」
「そればっかじゃない」
アキト同様、料理に一家言を持つ九紋カイトの言葉に、矢澤にこが呆れたように突っ込む。
「アネモネさんもどうでしたか?」
「はい、凄く美味しかったです。こんなに美味しくて楽しいごはんは初めてかも………」
μ'sとチーム鎧武ではないメンバーはアキトともう1人。インベスに襲われた所を助けた少女、アネモネは今の時間が名残惜しそうに言った。
夕食の買い出し途中、1人で浜辺にいるアネモネをアキト達が発見し、声を掛けようとしたらインベス達が突然現れたのだ。アネモネの保護者でタカトラの恩師、瀬賀長信の加勢により無事殲滅出来たのだが、その時の戦闘で怪我をしたアネモネを治療する為、貸別荘に招いて夕飯も一緒にした、という訳である。
夕食も終わり団らんとなってきたムードで、これからどうするか、という話題になった途端、凛が跳ね上がって切り出した。
「花火しようよ、花火!」
「って、花火なんて用意してる訳…………」
「そう言うだろうと思って買っといたよ」
突然の提案に呆れる葛葉コウタの隣で、こんな事もあろうかとと言わんばかりに袋から花火を取り出すアキト。凛の性格から考えて楽しめる事は全部楽しもうとするだろうと思って、言われずとも買っておいたのだ。今から全速前進で買ってきて、と言われれば面倒だ。そこに南ことりの『お願い』も加わってしまうと断るに断れなくなる、
用意周到の良さにおぉ、と驚くも小泉花陽が咎めるように言った。
「その前にご飯の後片付けをしなくちゃダメだよ」
「あ、それなら私やっておくよ?」
「ちょいちょいちょい、ことりさん。それ俺の仕事だから取らんで下さい」
ことりが手を挙げた所でずびっ、とアキトは指さして止める。
「ダメよ、そういう不公平は。皆も自分のお皿は自分で片しましょう」
「待った待った。今回、俺は雑務の手伝いとして合宿に参加させて貰ってるんだ。なら、俺がやるのが筋ってモンでしょう」
絵里がメンバーに呼びかけようとした所をアキトが止めに入る。
この合宿でアキトは何も支払っていない。旅費も食費も全部、アイドル研究部の部費やユグドラシルの支援金。果てにはコウタ達アーマードライダーのアルバイト代から賄って貰っているのだ。
好意で参加させて貰っている以上、やるべき事をやらなければアキトの気が収まらなかった。
しかし、それは間違っています、と海未が言う。
「アキト。確かにそうかもしれませんが、私達はいわば部活の合宿で来ています。片付けなどの身の回りの最低限は自分でするのが常識。何でもかんでもアキトにやってもらう訳にはいきません」
弓道部に所属している海未はこういった合同合宿は初めてではないのか、慣れたように諭してくる。そして、それは確かに正論であるが為、アキトはうぅむと唸りながらも渋々頷いた。
「わかりました………じゃあ片付けはお願いするんで、俺は明日の昼飯の下準備とかしちゃいます」
「じゃあ、お片付けが終わったら花火にゃ!」
「いいえ、昼間は遊んでしまったのです。練習です!」
元気よくお皿を持ち上げた凛が、海未の一言ですとんと座り込んでしまう。絶望の表情で。
「今からするの……………?」
「そうは言っても役1名はすでに…………」
コウタがちらりと穂乃果を見やると、ぐでーっと伸びていた。
「雪穂ー、お茶ー」
「家ですか!」
「思いっきりくつろいでますね…………」
確かに貸別荘に到着した時、自分の家のように使ってください、とは進言したもののここまで堂々とされると苦笑が禁じえないミツザネ。
しかし、練習と言い張る海未の言い分はもっともであるが、もはやそんな空気ではなく、誰もがどこかしら嫌そうな雰囲気は出していた。
「…………私は片付けて寝るわ」
「ちょ、真姫ちゃん! せっかくだし花火しようよー!」
そして、ほとんど発言をせず不機嫌さを隠そうともしていなかった西木野真姫は皿を持ち上げて厨房に向かおうとするのを凛が止める。
「いいえ、練習です!」
「えぇっ、せっかくアキトが買ってきてくれたんだし花火しようよ!」
「そういう訳にはいきません。何度も言っていますが、私達はμ'sとして合宿に来ているのですよ?」
「かよちんはどう思う?」
凛と海未の応酬に「えぇっ、私!?」と振られた花陽は戸惑いながらも提案する。
「わ、私はお風呂に入りたいかなって…………」
「新たな選択肢を増やしてどうする」
カイトが思わず呆れて溜息をつく中、穂乃果は豪胆にも同じ事を繰り返していた。
「雪穂ー、お茶ー!」
「ちょっと穂乃果! アンタ、リーダーなんだから意見まとめなさいよ!」
だらしないと思ったのかにこが言うが、言葉だけで流れを変えられる空気であるはずがなく、片付けようとしていた真姫は困惑したようにアキトを見やってくる。
部外者であるアキトに振られても困るのだが、合宿開始前のミーティングで立てたスケジュールを思い出す。
記憶が正しければ夕食後は、日中の練習疲れもあって各自自由に過ごそうという事になっていたはずだ。もちろん、それは従来通りのスケジュールであり、海未の言う通り練習をまったくしていない変則スケジュールを通っているのだから、それを実行するのはあまりにも粗末な合宿初日と言えよう。
「誰かこのカオスを止めてくれ…………」
「ほなら、今日はもうお風呂に入って寝よっか?」
希の一言で言い合いしていた凛と海未も言葉を止める。
「皆、長旅で疲れてるだろうし。まだまだ合宿はこれから。練習は明日の早朝から昼間くらいにかけて行って、それから新型ロックビークルCM撮影の打ち合わせ。花火は夜、って事でえぇんやない?」
「そっか………それでもいいにゃ」
「確かに、そっちの方が効率は良さそうですね」
凛と海未も納得したのか、文句を言う者は誰もいなくなった。
それを確認して、希は解決と言わんばかりに両手を叩く。
「決まりやね!」
語尾に音符が付きそうなくらいにこやかに告げる希を見て、アキトは思わず呟く。
「お母さんだなぁ………」
「アキト君」
しまった、とアキトが口を止めるも時遅し。
「お姉さん、な?」
「………………はい」
先ほど失態したばかりなので何も言えず、アキトはただただ頷いた。
###########
何故、これほどまでに腹立たしいのだろうか。
自らを襲っている感情に真姫自身は困惑していた。
普段から素っ気ない態度でツンケンしているからか、お高く決まっているだの不機嫌そうだのと言われる事が多い真姫だが、μ'sと出会ってからはそれを無くそうと日々努力してきたつもりだ。
それは多分、少しは改善されてきたはずだが、自分でもわかってしまうほど真姫の態度はずさんだ。
原因は、アネモネという少女を招いてから。いや、もっと正確にはアネモネを見つめるミツザネを見ると機嫌が悪くなる。
原因はわからない。わかっていればそれを取り除く為に動いているのだろう。
「行くよ、凛ちゃん!」
「任せるにゃー!」
1人悩み奮闘する真姫の前に敷かれた布団に飛び込む穂乃果と凛の姿が見える。真っ白い布団で横になった2人はそのままゴロゴロと横に転がり始め、それを見てがまんできなくなったのか同じようにコウタとにこも転がり始める。
「邪魔です、4人とも」
「って言うか、本気? 全員でここに雑魚寝する、なんて」
掛け布団の束を倉庫から持ってきたうみが注意して、真姫が呆れたように言う。
女子は大浴場で入浴し、男子は小部屋にあるシャワールームで汗を流してさぁ寝よう、という流れになった時、突然穂乃果が「合宿なんだからみんなここで寝ようよ!」と言い出したのだ。女子だけならともかく男子も含めてなど、破廉恥ですと海未が止めるかと思いきや、まさかの了承。絵里もその方が飲酒を阻止出来る、と言って肯定的なので、誰も止める人もおらず雑魚寝という事になったのである。
「まぁ、これも合宿の定めよ。タカトラ先生の許可も得たし、アネモネちゃん達も泊まっていく事になったしね」
アネモネ、その言葉が出ると真姫は僅かに眉を潜めてしまう。口にした絵里に罪はないが、やはりいい気分になりはしない。
ここに来るにはロックビークルを使わなければならない為、飲酒した為動けなくなって予想通りというか2人は泊まる事となったのだ。
「凛はかよちんとアキトの隣! アキトが真ん中だよ!」
「私はここー! コウタ君もおいでよ!」
「えぇっ!?」
「ちょ、そこは私でしょ穂乃果!」
男子と同じ屋根の下。それも文字通りだというのに、他のメンバーは気にするどころか歓迎的な雰囲気だ。いや、幼馴染のりんぱなとアキトならまだわかるが、穂乃果がコウタの手を引いているのには驚きである。
いくら活発的で元気っ娘である穂乃果でも、男子と一緒に寝ようなどという考えが出来るだろうか。
いや、真姫が穂乃果という少女にまだ近寄れていないという事なのかもしれないが。
「真姫ちゃんはどうする?」
「……………別に。どこでもいいわ」
一瞬。本当に一瞬だがミツザネを一瞥し、またアネモネをぼんやりと目で追っているその姿を見てしまう。
まただ。また、この意味のわからない不快感がこみ上げてきてしまい、希の言葉にぶっきらぼうに答えてしまう。
希はその返答に気にした様子はなく、掛け布団を並べるのを手伝う為にことりから一部受け取って、ずっとソファーで横になっているカイトに声を掛けた。
「カイトはウチの隣で寝る?」
「ふざけろ。にこの隣で寝る」
「ぅぅええっ!? そ、それって…………」
話しを突然振られたにこが顔を赤くするが、ふふぅんと希が挑発的な態度で告げた。
「にこと一緒の方が幼稚園生と寝ている気分になれて安心だものね?」
「アンタもうソファーで寝ちゃいなさいバカぁっ!」
「っていうか、俺達まだ起きてたいんだけど」
穂乃果に腕を掴まれて、強制的に座らされたコウタが不満げに言う。時刻は21時、高校生ならまだ起きている時間であり、早朝から練習があるのはμ'sのみで、それにコウタ達アーマードライダーが付き合う必要はないのだ。
「ダメです。どうせ私達が寝静まったのを見計らってお酒を飲む気でしょう!」
「アキト君もつまみを作ってるみたいだし」
海未とことりの追撃に、この場にいる男子と台所の少年がギクッっと肩を震わせる。もはや隠せていないほどの企みに、馬鹿3人衆であるにこほのりんが溜息をついてしまう。
「や、やだなぁ。つまみなんか作ってないっすよ。明日のみんなの昼飯の準備だって………」
ひょいっと顔を出したアキトがカットされたレタスなどの野菜が入ったザルを掲げてくる。
「って言うか、俺は絶対そんな所で寝ないっての!」
「えぇっ、いいじゃんいつも寝てるんだし。寝ようよー!」
「お前の寝相が酷すぎるんだよ! 抱き枕とか噛み付くの辞めろって!」
がーん、とアキト言葉にショックを受けて口をあんぐりと開けてしまう凛。
というか、あるかなとは思っていたがこの年になって男女隣で寝る、という事に真姫は驚きを隠せない。
「アキト君もおいでよー」
「いやだから…………」
「アキト君…………お願ぁい!」
「待っててくださいよ、ことりさん。今これ冷蔵庫に入れてきますから」
断ろうとするもアキトはことりのお願いに即座に陥落。顔を引っ込めてから、すぐにアキトはリビングに戻ってくる。
「つーか、俺とかアネモネまでここに寝る必要なくね?」
「いいじゃん、せっなくだし! アネモネちゃんも嬉しいって言ってくれたし。ねっ?」
穂乃果がアネモネへ振り向くと、笑顔で頷いた。
「はい、同い年の人とこうして遊ぶ事など滅多にないから、とても楽しいです」
真姫から見ても花のように可愛らしい笑顔。それを見てミツザネがぽぅっとみほれたように固まる。
再びそれを見てしまい、思わず顔を顰めてしまう。舌打ちをしなかった自分を褒めてやりたいほどだ。
「真姫ちゃん?」
「……………何でもないわ」
しかめっ面を花陽に見られてしまい、真姫は目を逸らすようにソファーから立ち上がると布団へと潜り込む。
それを見て続々と布団へ入り込み、コウタも諦めたように布団に潜り込む。きちんと言われた通り、コウタは穂乃果と海未の間。アキトは凛と花陽の間に。
ちなみにカイトは頑としてソファーから離れる気はないらしく、むしろ同じ空間で寝泊りしてくれるというのだけでも丸くなったと、希は渋々納得したように布団に入った。
「えへへ………」
「はぁ………って、もう海未の奴寝てるのかよ」
にこにこと笑う穂乃果に反論する気も失せたコウタは、すでに寝息を立てている海未に驚く。
「流石海未ちゃん………」
「ほら、明日は早いんだから寝るわよ」
「じゃ、電気消すわよー」
にこの言葉で一同は「おやすみー」と就寝する。
電気が消えた部屋でしーんと静まり返る空間。しかし、誰の寝息も聞こえてこず、誰かが動く気配がした。
「ねぇ、ことりちゃん………」
「何、穂乃果ちゃん………?」
「眠れないね」
「いや、一番寝れないの俺達男子なんだけど」
穂乃果とことりの会話に重々しくコウタが告げる。
「何度も言うようだけど、明日は早いのよ? 響かない内に寝なさい」
「だったら俺達男子の別の場所にしようぜ。いくらなんでも聞いた事ねぇよ、合宿で男女同じ部屋で寝るとか!」
くわりと小声でコウタは絵里に抗議してみせるが、隣の希がソファーで腕を組んでいるカイトへ目を向ける。
「カイトは寝たみたいやけど………」
「強者ぇ………」
この雰囲気の中で寝れるというのは、かなりの
無神経なのか信頼されているのか、構わず寝息を立てる強者は置いといて穂乃果がむくりと起き上がって言う。
「なんだかこのまま寝るのもったいないなーって思っちゃうね」
「穂乃果」
「わかってるよー。遊びじゃなくて合宿に来てる、でしょ?」
絵里の再三にわたる言葉に返しながら、穂乃果はぼすっと枕に顔を埋める。そして、コウタの方を向いて目があったのかだらしなく笑った。
「にぇへへー」
「な、何だよ……………?」
「何でもないー」
それを皮切りに再びリビングに沈黙が降り注ぐ。
「……………真姫ちゃん」
が、それを破ったのは意外にも希であった。
「……………何よ?」
「ううん、本当にそっくりやなって」
「さっきから何なの?」
穂乃果達の応酬で寝れるはずもなく返事をすれば意味のわからに返事をしてくる。いい加減イラついてきてしまい、文句の1つでも言おうかとした時だ。
「希さん、謎キャラ担当は俺なんでお株取らんでくださいよ」
遮るように言い出したアキトに、その横で凛が小ばかにしたように笑う。
「スピリチュアル担当は最初っから希ちゃんにゃ。アキトに謎キャラなんて似合わないよ」
「魚な嫌いな癖に猫語喋ってるお前もな」
2人が互いのアイデンティティについて罵し合うと、突然バリバリと何かを食べる音が響き始める。その音に誰もが騒然となり、絵里が言った。
「え、何。何の音?」
「僕じゃないです」
「わ、私でも……………」
寝入ってなかったのかミツザネとアネモネが答え、電気を消したにこが再びスイッチでリビングの電気をつける。
「あぁっ! 穂乃果ちゃんとコウタ君がお煎餅食べてる!」
ことりの隣で穂乃果とコウタがいやぁ、と苦笑しながら煎餅を袋を掲げていた。それを見て花陽が困ったように尋ねる。
「2人ともお腹空いちゃったの?」
「いやー、何か食べたら眠れるかなーって」
「こんな時間に食べたら太るって言ったんだけどな」
そう言って穂乃果の持つ煎餅の袋から煎餅を口に放り込むコウタ。コウタは凛以上に太りにくい体質だからこんな時間に食べても問題ないのだろう。羨ましい限りである。
「もぉー、アンタ達うるさ過ぎ。眠れやしないじゃない」
「っっっっっ!!?」
流石のにこも怒り心頭なのか起き上がって、こちらへ振り向く。にこが寝ている布団は角にあたる所にある為、自然と全員の目(寝ている海未とカイトを除き)が向けられ、アネモネが悲鳴を上げそうになるのをミツザネが口を抑えて我慢させる。
初対面のアネモネのみながらず、あのアキトと希でさえも愕然とした顔でソレを見た。
そこにいたのはにこだ。しかし、その顔面には美容パックと共に薄く切られたキュウリの輪切りがペタペタと張られていたのだ。
「な、何よそれは…………」
「美容法だけど?」
「は、ハラショー…………」
「にこさん、俺にキュウリの輪切りを切らせたのってそういう……………」
ロシア育ちだった絵里からしてみれば恐るべき日本の文化という感じなのだろうが、これは同じ日本育ちの真姫達であっても異文化コミュニケーションであった。
日頃からアイドルとしての意識を高く持っているにこだ。常に美容に気を遣うのは女の子として当然ではある。が、その反応は以下の通りだ。
「あ、アキト君………怖いよぉ…………」
「にゃ、にゃぁ…………」
「流石の俺もドン引きですわ………」
「これが今の高校生の流行なのですか…………」
「アネモネさんが誤解してますよ! 妖怪は妖怪らしく成仏してください!」
「どういう意味よ!」
各々の反応にぐぬぬとにこが唸っていると、ふと真姫の左側にいる希が枕に手を伸ばして何の前置きもなく投げ付けた。
「ぶっ!?」
「真姫ちゃん何するのー?」
「うぇぇっ!? 何を勝手に!?」
「いくらうるさいからって、そんな事しちゃダメよ!」
わざとらしく真姫に罪を擦り付ける希に真姫が抗議の声を上げるが、そんな事はおかまいなしに今度は凛へと投げ付けた。
「何するにゃ!」
それを受け止めた凛は、まるでだいたいわかったと言わんばかりににやりと笑って穂乃果へと投げる。
「よぉーし、ここからは穂乃果のステージだよ!」
「ちょっ、穂乃果それ俺のセリフ…………!」
投げ付けられた穂乃果もまた真姫へと投げ付けて、飛んできた枕に真姫は困ったように目を落とす。
「投げ返さないの?」
「もう子供じゃ…………」
全てを言い終わる前に、絵里とアキトが同時に左右から枕を投げ付けてくる。それほど強くかったが顔からずるりと落ちて、真姫が見ると2人ともにやにやと笑っている。
「枕投げするけどいいよな、答えは聞かないけど」
「アキト、投げた後に良いってるにゃ」
「あぁっ、もう!」
投げ付けられた枕をにことミツザネに投げ返し、真姫は足元に落ちた枕を掴み上げると叫んだ。もうどうとでもあれ、と思考を放棄するように。
「いいじゃない、やってやろうじゃない!」
「またっ!?」
ぶん投げた枕は凛と花陽へ向けたものだったのだが、2人が避けた為に後ろでよろよろと立ち上がったにこの顔面に命中。再び布団に倒れる事となった。
避けた凛は枕をアキトへ放り投げると、なんと足で穂乃果めがけて蹴り放ったのだ。
おぉっ、と驚く声が上がる中、標的にされた穂乃果は余裕の動きで回避。かと思ったのもつかの間、横にいたことりが弾き、見事枕は穂乃果の顔面に命中した。
「穂乃果の敵だ!」
「穂乃果死んでないよ!?」
弾いて浮いた枕をコウタは倒れた状態から跳ね上がり、低いながらもオーバーヘッドキックの要領でアネモネへと飛ばす。
「コウタさんすごい!?」
アキト以上の恐るべき身体能力を発揮するコウタに感嘆するアネモネに、ミツザネはむっと口を顰めて飛んでくる枕を頭で弾き飛ばす。それは油断していた凛の頭に当たり、猫娘は布団に倒れ伏す。
「よそ見しててえぇんかな?」
一連の動作に見惚れていた真姫ははっとなり、咄嗟にしゃがみ込むと頭上で希と絵里が投げ付けた枕がぶつかる。
投げて、避けて、蹴り飛ばす。布団の上をまるで弾丸のように飛び交うここは、まさしく戦場。
だからこそ、それはやってはいけない禁忌を犯してしまう。
「ぐっ…………!」
「あっ……………」
しまった、という顔をして手を止めた穂乃果に、一同はその一点を見つめる。
そこには、ぐっすり寝ている顔面に3つの枕が襲撃され、ゆらりと立ち上がった海未の姿があった。
「………………何事ですか………………?」
低く、そして何の感情のこもっていない声色は普段の海未からは想像出来ない威圧に、真姫の背中を冷や汗が垂れる。
「明日…………早朝から練習だと言ったはずです………なのに、こんな夜中に………………ふふっ、ふふ………うふふふふ…………………」
「ね、狙った訳じゃなっすよ………」
「う、海未。落ち着け。なっ、なっ?」
あのアキトとコウタですら引くくらいの怖さを放ちながら、海未は薄く笑う。
「ま、まずいよぉ………」
「海未ちゃん、寝てる時に起こされると機嫌が…………」
昔からよく知る幼馴染の穂乃果とことりの言葉は、海未が投げ付けた枕によって遮られる。その矛先は運が悪いというか間が悪いというべきなのか、再びにこに向けられていた。
「にこちゃん!」
倒れたにこを抱えて、凛は悔しそうに首を横に振る。
「もうダメにゃぁ………おしまいにゃぁ…………」
「みんな、みんなやられる…………!」
「超音速枕……………」
「は、ハラショー」
アキト、花陽、絵里が恐怖に震える中、コウタと穂乃果が枕を握って立ち上がる。
「ほ、穂乃果ちゃん! コウタ君!」
「戦わなければ生き残れない!」
「その通りだ、行くぜ穂乃果ぁぁぁぁあっっ!?」
「コウタくぅぅぅぅぅううううっ!?」
立ち上がって早々、穂乃果の隣でコウタがさっそく枕で思いっきり殴られ沈む。さらにそれに駆け寄った穂乃果すらも餌食となり、布団に倒れ伏せた。
「っ、ごめん海未っ!?」
「この枕を海未さんの顔面にシュッッ…………!!?」
「超エキサイティッ!!?」
暴走した海未を止めようと絵里、アキト、ミツザネが挑もうとするも3人とも布団へと沈んでしまった。
残された凛、花陽、アネモネ、ことり、真姫、希。その5人に海未の牙が襲い掛かろうとする。
真姫は枕で応戦しようとしたが、すでに海未の方へと投げてしまい手元には何もなかった。希の方を見れば同じであり、もはや海未を止めるすべはなにもなかった。
すでに亡骸(ww)となったアキトの身体を抱きしめ、瞳に涙をため込んだ凛と花陽が思わず叫んだ。
「だ、誰か助けてー!」
その言葉に答える勇士はいない。
はずだったが。
「フン、騒がしくておちおち寝てもいられん」
言葉と共にあらぬ方向から枕が飛び、それは海未の顔面を捉えると少女を布団へと沈ませた。
「か、カイト…………!」
寝ていたはずのカイトがソファーから立ち上がり、呆れ顔で一同を睥睨した。
「寝てたんやないの?」
「お前たちがうるさくて起きた。まったく………どこでも騒がしい奴らだ。大人しくしていられないのか」
希に答えながら倒れた海未の顔から枕を剥がすと、カイトは持っていたタオルケットを掛けて倒れている絵里達を踏まないよう避けなが玄関へ続くドアに手を掛ける。
「どこに行くのー?」
「上で寝る」
普段ならば一緒にどうのこうの、と言っている凛だが、うるさくして起こしてしまったという罪悪感で何も言えず、カイトはそのままドアを開けて玄関口へと姿を消してしまう。
「……………はぁ、疲れたー」
「まったく、希のせいで要らない汗をかいちゃったじゃない…………」
息を吐く希に、そもそもの原因である希に文句を言う。しかし、当の本人はあっけからんとしており、反省の態度はない。
「だけど、たまには強引に踏み込むのも悪くないでしょ?」
「…………」
指摘されて真姫は見やる。布団で倒れ伏せる仲間達と起きてくれている仲間達。そのいずれもが、優しい笑顔でいてくれる。
どれほど素直になれない自分も、どれだけ時間を掛けようとも歩み寄るのを待ってくれている、そんな仲間達。
「……………そうね」
だから、ほんの一瞬だけ素直になってみる。
それだけできっと、世界は変わるから。
「……………あれ?」
真夜中の1時頃、ふと凛は目が覚めて気付く。
枕投げが終わり、そろそろ寝ようと布団に入っていつの間にか寝てしまっていたみたいだが、凛はきょろきょろと左右を見て首を傾げた。
窓からの月明かりに照らされ、μ'sとチーム鎧武と愉快な友達が入り混じっての雑魚寝している中、凛と花陽に挟まれるような形で寝ていたはずのアキトの姿がどこにもないのだ。
またミツザネ達と抜け出して酒に走っているのかと思ったが、コウタは穂乃果に腕枕をして海未に腕を掴まれている。上に行ったはずのカイトは何故かソファーに戻ってきており、逃げられないようにしているかのように3年生組が書こうように寄りかかって寝ている。ミツザネは静かに寝ているアネモネの方を向いており、真姫がその背中に向かって何かを求めているかのよつに手を伸ばしていた。
どこにもアキトの影がない事に、どういう訳か凛は不安を覚えてしまう。夕食の買い出しの帰り、インベスに襲われたと言う。アキトを狙ったモノであるはずもないが、それも拍車を掛けてしまっているのかもしれなかった。
ともかく、アキトの姿を見るまで安心して眠れそうにもなかった凛は、別荘内を探し回る事にした。
厨房、シャワールーム、トイレ、遊戯室。1階の至る場所を探してみてもアキトの姿はない。2階も探してみたが、どこにもいる気配はない。タカトラと長信の邪魔にならないよう部屋の中まで探してはいないが、おそらくいないだろう。
ではどこへ行ったのだろう。凛は階段を降りてうーんと顎に手を当てて考え込む。
ふと、玄関口を見やる。リビング同様月明かりが照らされて淡く照らしている空間が目に飛び込んできて、もしやと下駄箱を覗き込んだ。
「あっ………」
隣にあったはずのアキトのサンダルがない事に気付き、凛は思わずスニーカーを履いて外へ飛び出す。
人気がなく、外灯と月明かりだけが頼りの薄暗い世界が眼前に広がり、日中はあれだけ青く美しく埋め尽くしていた海は、まるで墨をぶちまけたような真っ黒な闇へと変化ていた。それを目にしただけで、不思議と凛の背筋は震える。まるで得体の知れない何かが潜んでいるような気がして、怖気づいてしまったのだ。
一瞬だが戻って寝よう、という選択が生まれたが、この先にアキトがいるかもしれないと思うと、凛の足は前に進んだ。怖気づいてしまった心も、アキトがいれば消え去ると思ったからだ。
ざぁざぁ、と漣の音が何もない暗闇の世界で、凛の鼓膜に存在を刻みつけるように響いてくる。
他にも何か怨嗟のようなものが聞こえてくるのではにいか。一瞬でも頭にうかべてしまい、凛は夏場なのに寒気を感じて腕を摩る。
そして、それは現実となる。ただし怨嗟はなく。
『バナナ アームズ! ナイトオブスピアー!!』
凛が浜辺へ降りる為の階段を踏んだ時、音声と共に右側で黄色く発光する存在。それはアーマードライダーの背中を見せてから、間髪入れずに粒子となって消えて行った。
「んー、量産型ドライバーなら変身しても黒影のまんまか。なら躊躇わないで変身しときゃ良かったかな」
「………………アキト」
凛がその背中に声を掛けると、何無く振り向いてきた。普段のような民族衣装姿ではなく、短パンに白いシャツ。そして腰には戦極ドライバーが巻き付いている幼馴染みがそこにはいた。
凛の姿を認めるとアキトは驚いた表情で近付いてくる。
「凛、どうして………?」
「アキトがいなくなるから………」
心配した、怖かった、という言葉は飲み込んだ。言えば子供だなと笑いながら頭を撫でてくれるかもしれないが、高校生にもなってそれは恥ずかしい。
しかし、近付いてみて凛は思わず鼻腔を擽った匂いに顔を顰めた。見れば焚き火のついでに魚とを焼いており、焦げた臭いとある匂いが混じって変な事になっている。
そのとある匂いとは。
「アキト………お酒飲んでる」
「大丈夫。泥酔はしていない」
凛が指摘するも、アキトは悪びれもなく氷の入ったバケツから冷えた酒便を掲げてごくりと飲んだ。
「未成年飲酒だにゃ」
「残念。この島に限っては未成年でも酒は飲んでいい事になってるんだよ」
屁理屈だ、と言いそうになるが、言った所で意味はないだろう。アキトが実家などで飲酒している事は何となくで察しが付いているし、ミツザネ達もどこかしらで飲んでいるはずだ。
はぁ、と溜息をは吐いた凛は諦めたようにバケツの中けらまだ開封されていないビンコーラを手にする。それをバケツの中にあった栓抜きで開けると、アキトが酒瓶を掲げてきたのでぶつかり合わせる。
カチン、という心地いい音と共に凛はコーラを飲む。炭酸の刺激が喉を走り、爽快感が包む中で凛はアキトが外した戦極ドライバーを見やった。
「ミッチに返さないの?」
「返そうと思ったんだけどな。μ'sといるとインベスに襲われるかもしれないから持っとけ、だってさ」
砂浜に座り込んだ凛はその言葉を聞いて、ぎゅっと膝を抱え込んだ。
それはつまり、アキトも戦う力を手にした、という事だ。その気になれば人を傷つける事も守る事も出来る剣を。気持ち1つで危うくなってしまうことも出来る、禁断の果実を。
「…………………アキトもアーマードライダーになって戦うの?」
不安げに呟いた言葉に、アキトはまさと肩を竦める。
「ただのラーメン屋の息子がアーマードライダーになって戦うとかないだろ」
「でも、変身してた」
そう指摘すると、どこかアキトはばつの悪そうにそっぽを向いた。
「男の子はみんな変身ってのに憧れてるんだよ」
そう告げて酒瓶を傾けるアキトに、不安が拭えないのか顔を俯かせてしまう。
アーマードライダーは無敵ではない。ミツザネ達は苦しい過去があって今の力を手に入れたが、ただの少年であるアキトは武術の心得を持っていない。
どう足掻いても戦闘は不可能であり、もし戦いに巻き込まれたら無事であるはずがなかった。
「………おう?」
気付けばアキトの手を掴んでおり、しかし凛は何も言葉を口に出来ずにいた。
何だか変だ。いつも飄々としているアキトが、まるでガラス細工のような繊細で脆い存在に見えて仕方がないのだ。
「アキト………」
「大丈夫だって。そう簡単にくたばりやしないよ、俺は」
優しくそう言われても、凛にはどこにも安心出来る要素はなかった。
μ’sといれば危険に巻き込まれる。それはアイドル狩りしかり、何時ぞやの議員のような音ノ木坂学院の廃校を望む者だったりと、だ。
凛達はそれを承知でアイドルを続ける決意をした。ミツザネ達アーマードライダーの覚悟を知って、自分達もこの道を進み続ける覚悟を決めた。
だが、そこに部外者であるアキトを巻き込むのは。
「おらっ」
「にゃっ………」
凛の思考を遮ったのはアキトのデコピンだった。
それなりの衝撃に頭を抑えて涙目になると、どこか怒ったような顔をアキトはしていた。
「どうせ巻き込んだ、なんてくだらない事考えてるんだろ」
「だって………」
これが合宿の手伝い、というだけならばまだ良かったが、戦極ドライバーを持てばアキトも戦いに参加するかもしれない。
少なくとも、目の前で戦いぎ起こっていて自分なね力があるのならば黙ってはいられない。アキトとはそう言う少年だ。
「凛、覚えてるよ………アキト、昔から何かあれば見過ごせない性格で、よくクラスの 揉め事に首を突っ込んで武力介入してた」
「あの頃は若かったんだ」
まだ仲違いをする前。アキトはクラスで何かしらあればどうにか出来る訳でもないのに首を突っ込んでは、最終的にどうにもならなくなって喧嘩をしていた。実は何気に問題児だったのである。
少し昔を話したからかアキトは気恥ずかしそうに笑う。だが、これからはそれで済まされないかもしれないのだ。
「あの時は子供の喧嘩だったけど、アーマードライダーになったら………」
「じゃあ、約束だ」
そう言ってアキトは凛の手を掴むと、小指同士を絡める。それは子供達がよくやる、指切りだった。
「絶対に無茶はしないし、すぐにミッチ達に助けを求める。凛の前からいなくならない。すぐ手を伸ばせば届く範囲にいる………もし破ったら………あー、ラーメンたらふく食わせてやる!」
そんな子供のような言葉と共に、アキトは小指を離した。指切った、という言葉を使わないのは気恥ずかしいからだろうかはわからないが、それは鈴を笑わせるには充分だった。
「…………子供みたい」
「お前が不安そうな顔するからだろ」
そう言ってアキトは酒瓶をもう一度傾けるも酒は出てこず、不満そうに言った。
「酒の追加と行くかね……凛、お前明日早いんだから寝とけよ」
「アキトは?」
立ち上がったアキトに応じて立ち上がりなが凛が尋ねる。
「本当はミッチ達と頂く予定だったつまみがあるから、もう少し起きてるよ。滅多に海なんて来れないし」
明日は海未が通告した通り、早朝から練習する事になっているのだ。携帯を貸別荘に置いてきてしまっている上に凛は時計を持ち歩かず、アキトも普段持っている懐中時計は持ってきていないようなので正確な時間はわからなかった。
確かにアキトは早朝練習に付き合う必要はなく、朝食兼昼食はサンドイッチの予定なので作るのには時間が掛からないだろう。だから、アキトは多少夜更かしをした所で問題はない。
しかし、だけども。
明日からμ’sの濃密な練習とCM撮影が始まれば、凛はアキトといられる時間は限られてしまう。
わかっている。この合宿は、飛行機を使ってまでこの場所に来た目的はスクールアイドルとして高みを目指す為だ。
だけど、やっぱり。
自分にそう言い聞かせて、ふらふらと貸別荘へ戻っていく幼馴染みの背中を見つめた凛は、決意したように拳を握り締めた。
葛葉コウタが所有するロックシード
・オレンジ
・パイン
・イチゴ
・マツボックリ
・サクラハリケーン
次回のラブ鎧武!は…………
「………だー、なんでこう問題が山積みっていうか」
迫りくる脅威や問題に頭を悩ませながら酒を楽しむアキト。
夜の海辺で子供の時のように遊ぶアキトと凛。だけど、そこにはやはり幼い頃と違うところも見えて。
夜の中で出会ったカップル。しかし、その男から砂がおぼれ堕ちるのが見えて………?
次回、ラブ鎧武!
29話:Anything Goes ~その心が熱くなるもの~
思ったより早く投稿が出来た後編です。
どうも、グラニです!
今回はアニメにもあった通りの枕投げ会withチーム鎧武。
あの海未ちゃんを前にしたら誰しもが言わなければならない。
「戦わなければ生き残れない!」
さりげなくアネモネに良いトコを見せようとするミッチでしたが、コウタ達同様枕に沈められてしまいました。
そして海辺での幼馴染の語り。
アキトが戦うかもしれない。でも、それを止められない凛ちゃんの葛藤が書けてたらいいなと思います。
次回はなんと、意外な意外な展開です。
アキトがついに、凛の前で変身する!?
感想、評価随時受け付けておりますのでよろしくお願いします!
Twitterやってます
話しのネタバレなどやってるかもしれませんので、良ければどうぞ!
https://twitter.com/seedhack1231?s=09