アカメが斬る!~アカメとクロメの兄~   作:シャラシャラン

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ちょっぴり平和回ってか一部デート


第四話

 

 

 

 

 

 

「今日は任務なしか」

 

 今日はあのおっさんから休みをもらった。

 最近お前を働かせすぎたと思うから今日は休めだってさ。意外と優しい面もあるんだな。いやこれで相手の気を許してはいけない。俺以外にも家に残っている奴らもいるが、大半は外で危険種相手と戦い経験をつんでいる。危険種と人間では大違いだが、何もせずに俺みたいにぐーたらしているよりかは為になるだろう。

 俺は居間のソファに寝ころび本を広げる。

 いつも通り知識をつける。皇拳寺の拳法書のようなものである。正直あてにならない本であるがないよりましである。最近は暇があれば本を読むようにしている。危険種や植物や帝具の図鑑。偉人の自伝から地図帳、何から何まで読むようにしている。他の奴らは俺を見て「訓練行こうよ!」とか言ってくるが「知識も大事だぞ」とか言って適当にあしらっておく。俺が一緒に行くとすぐに終わってしまうし、俺が訓練相手にされるからな。そしてなぜかナハシュが俺を真似して本を読むようになった。

 

「おに~ちゃん」

 

 本をどかし読むのをやめると目の前には我が愛しの妹クロメが目と鼻の先にいた。近いぞ妹よ。何納屋にこにこしているがどうしたのだろうか。

 

「クロメどうかしたか?」

「お兄ちゃん今お仕事ないんでしょ」

「まぁな今日は休みだってよ」

「私も!」

「そうか」

「私も今日任務がないんだよ」

「そうなのか」

「うん!だからお仕事がないの!」

「それはさっき聞いた」

 なんだかやたらと自分が休みであることを強調してくるな。

 俺は本に視線を戻そうとしたがクロメに本を取られる。もうちょっと読みたいという不満を言おうとしたが、クロメが何やら不服がありそうな顔をしていた。

 

「お兄ちゃん!私、休みなの!」

「知ってる!」

「じゃあどこかに連れてってよ!」

 

 そういうことか。どこかに行きたかったのか。

 しかしこんな山奥に俺たちは住んでいるわけで、近くに村はあるが非常に小さくもうなじみの村である。頭のなかにインプットした地図を見ても近くの大きな街にいくのでもかなりの時間がかかる。

 でも俺の帝具なら。

 そう思い時計を見る。まだ昼前だ、とばしてもかなり時間はあまる。

 

「よし行くか!」

「本当に!!」

「あぁ。お兄ちゃんが大きな街につれててやるよ」

「え?大きな街?でも遠いよ」

「こうすればいいんだよ」

 

 俺はクロメを抱きかかえる。いわゆるお姫様だっこである。

 クロメは嬉しいのか、にこにこしている。なんだか花とか周りに浮いていそうな感じだ。

 そのまま家を出る。

 

「あ、兄貴!」

「ポニィかちょっと外出する」

 

 俺は村正をちょっと抜いた状態にする。すると体の中で何かが変わった感覚がする。

 

「それじゃあ行ってくるわ」

「え、お兄ちゃんもしかして――――」

 

 クロメの顔が絶望で染まる。

 街まで全力で走り飛ぶ、俺が知っている限り最速の方法だろう。

 脚に力を込め地を蹴る。

 

「ぃぃいいいいいいやあああああああああああぁぁぁぁぁ……」

 

クロメの悲鳴は遠くに行くたびにフェードアウトしていった。

そんな二人の様子を、訳がわからないよといった目で見るポニィが家の前に取り残されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃんのバカ!!」

 

 街に到着した瞬間に鞘で殴られた。

 

「これが一番早いんだ。仕方がないだろ」

「それでも一言言ってよ!!」

 

 引き続き鞘でたたかれること数分。

 クロメも満足したのか許してくれたのか、次はちゃんと言ってねと忠告で終わった。

 ここはそれなりに大きな街だし、何か良い物でも売っているだろう。クロメに何か買ってやろう、あとここにいないがアカメにもお土産を買ってきてやろう。

 

「おぉ~!!」

 

 しかしクロメが見ているのは食べ物ばかり。右を見るとかわりい女性服が飾ってあるお店があるが、クロメは迷わず左のケーキカフェのショーケースにへばりついた。

 仕方ない。まだお昼御飯も食べていないからちょうどいいだろう。

 

「え!?いいの!?」

「好きなだけ食え」

 

 お金だけはいっぱいあるからな。

 あのクそ両親の元にいたときはお金を稼いでもすぐ母親に摂られたな。これどの量のお金を今まで持ったことがない。今まで使わずにとっておいてよかった。

 目の前には大量のケーキのお皿。なんて量だ、前々から思っていたがアカメとクロメの食べる量は尋常ではない。本当にお金を使っていなくてよかった。

 

「お兄ちゃん」

 

 クロメに言われて気付く。

 目の前を見ると銀色のスプーンに一口サイズのケーキがのっていた。

 

「はいあ~ん」

「あ、あーん」

 

 口を開けてケーキを入れてもらう。

 俺がこの前呼んだ小説ではカップルがやっていたんだけどな。兄弟だが、まぁいいだろう。俺も注文したケーキを食べていく。クロメはついかで注文していた。

 

 お会計はなんとか無事に済んだ。かなり食べたので金額もそれ相応の物になったが、俺の手持ちの金額で十分だった。八年も山にこもっていたため金銭感覚がちょっとだけおかしかったのか、手持ちの金額ではあとクロメ五人ぐらいいけるだろう。

 

 街の中で俺たちはかなり買い物をした。しかし食べ物が六割だった。残った四割は服や武器だった。武器では俺は投げナイフなどを調達、他には武器のメンテナンス用品を買った。服はクロメが気に行ったものがあったらしくそれを買ってやった。他にもアカメのお土産用に肉弁当と髪飾りを買ってやった。

 クロメは新しい服が本当に気に入ったらしい。しかしアカメといいクロメといい、なぜスカートやパンツなどの丈が短い物を好むのか。動きやすいとは思うが、男を惹きつけるのは良くないな。

 

「おいクロメもうそろそろ時間だぞ」

 

 もうすぐ日が落ち始める。

 日が落ちて暗くなる前に家に帰らなければおっさに何を言われるか。

 

「なぁクロメ真面目な話なんだが」

「なに?」

「俺はいつかこの暗殺部隊から離れようと思っている。やっぱり斬るならば反乱軍よりかはこの帝国のクズ共を斬った方がいいと思ってな。そんな時お前はついてきてくれるか?

「お姉ちゃんは?」

「来るってよ。俺としてはできればついてきてほしい。でも、もしお前がここに残りたいって言うんだったら、俺はその意思を尊重する」

「訊くまでもないよ。私はお兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒にいたいもん。絶対に付いていくよ」

「そうか」

 俺は安心した、その答えが聞きたかった。

「離反するときにまた言う。それまで親父や他の奴には何があっても言うなよ」

「うん。わかった」

 

 絶対に離れる時が来るはずだ。

 俺はその時を見逃さない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





よくよく考えたらクロメちゃんがヒロイン入りしたらまずくないかな?
だって近親相姦になっちゃうし……

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