アカメが斬る!~アカメとクロメの兄~   作:シャラシャラン

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俺はりきっちゃうよ~


第二話

 

 

 

 

 明りが道を照らす夜。

 しかし俺たちは光に当たってはいけない、顔を見られてはいけないのだ。

 暗い町の路地裏の壁にもたれかかる。

 

「ねぇまだかなぁ~?」

「まだ時間はかかりそうだが」

「えぇ~マジで?」

「いいからだまってろ。リュウ兄さんを見ろ」

 

 ナハシュがそう言うと全員がこっちを見る。

 ここにいるのはナハシュ、コルネリア、グリーン、ポニィ、ガイ、そして俺の計六人である。サーカス集団が反乱分子である可能性があるので、現地で調査に行っているのがアカメ、クロメ、ツクシである。

 

「……なんだ?」

「いやさすがリュウ兄さんだと思ってな。おいお前らもリュウ兄さんを見習え」

「何よ!ナハシュが偉いわけでもないのになんで威張るのよ!」

「おいおいお前ら」

 

 これはいつもどおりに騒がしくなるパターンかな。

 それよりアカメとクロメは大丈夫かな。あいつら二人無事かな、ちゃんと食べているかな、睡眠不足とかないよな、体は毎日洗っているよな、他の奴らと上手い事溶け込んでいるだろうか。

 ちくしょう気になる。

 

 そんな時空に照明弾が上がる。

 

「お前ら行くぞ。仕事だ」

 

 俺はぐちゃぐちゃ騒いでる奴らに一言言い立ち上がる。

 アカメとクロメの元の急ぐ。

 

「リュウ兄速いよ!」

「っ!すまん」

 

 ポニィに注意されて走る速度を落とす。この村正を手にしていらい俺のスピードに関する能力が飛躍的に上がった。正直前とは比べられない。50mなんて一瞬である。

 しかし妹のことを考えると自然とスピードが上がる。

 

「リュウ兄さん。俺たちは遅いので先に行ってください」

「いいのか?」

「ここでもし遅くなり一人でも逃がす方が問題です」

「……確かに。ではお言葉に甘えて」

 

 俺は刀をちょっと抜きその状態で固定する。刀を抜くと平常の状態よりももっとスピードが上がるのである。これが能力の発動である。すぐに後ろの五人との距離を開ける。

 

「速ぇ……」

「さすが兄さん!」

「まじ兄貴ぱねぇ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 町の中を走る。

 目標のサーカス集団は町内の広場にテントを張っている。

 ジャンプして建物を上っていく。屋根に到達すると、その上を走る。

(あそこか……)

 刀を完全に抜き屋根から飛び降りる。

 普通の人ならば「アシクビヲクジキマシター」程度では済まない高さ。しかし今の俺ならばこの程度ぞうさもない。

 広場に着陸すると真ん中のテントが騒がしい。今アヤメたちがやっているのか。俺は周りのテントの中から片づけるか。左のテントに入り騒ぎに気付いた奴らを片っ端から首をはねていく。人殺しに手慣れてしまった、この程度何も思わなくなった。

 頬についた血を手で拭いテントの外に出ると他の奴らが到着したころだった。

 

「遅いぞ」

「リュウ兄が速すぎるんだよ!」

 

 ポニィが歯をむき出しにしてそう言う。確かに俺は速いと思うが遅いと思うのであれば速くなれ。俺はそこまで速くしているつもりはないのだがな。

 

「うわあ!」

 

 そんな時テントからサーカスの団長が出てきた。テントの入り口からアカメとウロメが見える。無事のようだった。そしてこのサーカスは黒のようだった。

 走って助けを求めて来た団長の首をはねる。

 首は弧を描き俺たちを飛び越え後ろに転がって行った。

 

「一人とも生かすな」

 

 俺がそう言うと、それがさも号令だったかのように全員走りだす。

 後はこいつらにまかせればいいか。

 

 「アカメ、クロメ!」

 

 俺は二人の元に駆け寄る。

 体を見る限り怪我はしていないようだった。ちょっと帰り血がついたくだいだった。それをハンカチで拭う。

 

「大丈夫か?」

「うん問題ないよ兄さん」

「ノープロブレムだよお兄ちゃん!」

「無事でよかったよ。あとツクシもな」

「あ、あれ?私ついでですか」

 

 ツクシがちょっと残念そうな顔をするが当たり前である。

 俺が気にするのは二人の妹である。

 

「ほれ立ち上がれ。残った奴らを斬るぞ」

「「うん!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その仕事は簡単に終わった。

 臣具を用いた一方的な攻撃、というか蹂躙だった。

 しかしこんな簡単な仕事で俺達九人を出すとは、あのおっさん何を考えているのだが。

 

「よくやったぞお前ら!特にアカメクロメとツクシは、困難な潜入だったがよくやった!それとリュウお前はちょっと殺しすぎだ。他の奴が経験をつめないだろ」

「親父、こうゆう時は早い者勝ちって決まってんだよ」

「速さでお前に勝てる奴がここにいると思ってるのか?」

「リュウ兄さんを責めないでください。遅かった俺たちが悪いんですから」

「そうだよパパ!」

「まったくお前らはこいつを崇めすぎだぞ?リュウ次からは気をつけろよ?」

「わかったよ親父」

 

 俺は適当におっさんに返事をする。

 心の中ではおっさんとか思ってるけど、外では親父と呼ぶようにしている。こうすれば特に何も言われずに済むし、なんだかしっくりくる時もある。

 

「それじゃあ帰るか!」

 

 

 

 

 

 

 





アカメは→兄さん
クロメは→お兄ちゃん

と、呼びます。
俺もクロメちゃんにお兄ちゃんとか呼ばれたい(願望)


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