アカメが斬る!~アカメとクロメの兄~   作:シャラシャラン

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第十六話

 

 

 

 

 

 

 

 

 無事に全員帰還したときは嬉しかった。

 シェーレのような事があったばかりなので怖かった。アカメとクロメも戻ってきた。しかもクロメ達は帝具を二つ回収したらしく、クロメは新しい骸人形が手に入ったとうれしかった。聞くとスクリームの保持者を人形にしたらしい。これは心強い。

 タツミは自分の実力不足を認識したそうで毎日訓練を怠らずにしている。最近は重りの重さも増やしアカメと模擬戦をしている。

 マインももうすぐ回復するらしく、本人も悔しいので訓練をする気まんまんである。狙撃手がどう訓練するのか。

 

 俺は特に何もしなかった。とりあえずナジェンダに一通り報告した。エスデスが新しい組織を作り、それが俺らに対抗する為であると。あのエスデスが人を集めるのだ、全員只者ではないだろう。

 

「俺はしばらくアジトを離れる」

「そうか。何かするつもりか?」

「どうやらチェルシーがこっちに異動になったらしい」

「チェルシーが?」

 

 昨日手紙が来た。

 革命軍の帝具を見てもらったのだが、一つ剣の形をした帝具を見つけたそうだ。なんとか許可を取ったので取りに来いとの事だ。どうせなので革命軍本部に久しぶりにお邪魔しようと思うのだ。

 

「エスデスの秘密警察って奴、さぐってくる。かなり長期の任務にあると思うから、あとチェルシーも借りるぞ」

「……わかった。気をつけてな」

「何かあったら手紙で知らせる」

 

 しばらくは帰ってこれないな。

 俺はチェルシーと一緒か。

 

「お兄ちゃん……どこに行くの?」

「ちょっと任務にな、しばらく帰ってこれないぞ」

「え?」

 

 俺はかばんに荷物をまとめて刀を腰に差す。

 振り向きを部屋から出ようとすると、部屋の入り口で立っていたクロメがいた。表情は暗く、目が死んでいた。ハイライトが無いと言えばいいのか。

 

「わ、私も行く!」

「いや今回は俺とチェルシーだけでやるんだよ」

「ちぇ、チェルシー?」

「ああ。あいつの帝具は潜入とかに向くからな」

 

 そう言うとクロメは下唇を噛んだ。何かそんなに悔しいのか。

 俺はクロメの頭を撫でて、俺がいない間も頑張るように言った。クロメがいくら兄思いだからと言っても任務の邪魔はしないだろう。

 

 他の奴にも挨拶をしていく。

 タツミにはこれからも精進するように言った。ブラートが彼の面倒を見てくれるだろう。マインももうすぐ復活するだろうし、アジトは大丈夫だろう。

 

 さぁ走ろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は走って南に向かった。

 ここは革命軍本部がある大きな街。この街の住民全員が実は革命軍に何かしら関与しているのである。なんとか情報工作をしてこの街の秘密を隠している。住民も自分が革命軍の一員であることを秘密にしている。

 街を進むと色々な人から声をかけられた。それは子供であったり、兵士であったり、店の人だったりする。ナイトレイド発足前に俺がお世話になった人だ。ナイトレイドができる前は俺もナジェンダもこの街に滞在していた。俺はそんな中革命軍の兵士の訓練教官をしていた。暗殺部隊での筋トレを兵士に教え、指揮官には指揮の方法や作戦の立案などを手伝った。そんこんなで色々な人と仲良くなった。

 なつかしい人と会いながら革命軍本部に到着する。

 チェルシーの部屋の扉をノックする。

 

 「は~い」

 

 懐かしい声がして扉が開く。

 そこにはウェーブがかかった寝間着姿の彼女がいた。

 

「え、リュウ?」

「久しぶり」

「ちょ、え、ちょっと待って!」

 

 彼女はそう言うと扉を勢いよく閉めた。何をしているのか、部屋の中からすごい音が聞こえるのだが。者が散らかったり、激しく開け閉めする音が聞こえた。音が止まるとちゃんと着替えてメイクまでしたチェルシーが出て来た。

 別にそのままでもかまわなかったのだが。

 

「まさか寝間着で出てくるとは思わなかったぞ」

「仕方ないじゃない。あんたがこんなに早く来るだなんて思わなかったもん」

「速いのは俺の取り柄だ」

 

 やけに恥ずかしそうなチェルシーを流し眼で見て、俺は要件を言った。

 

「異動は聞いたか?」

「ええ、そっちに行くんでしょ?」

「それもあるがしばらく俺と一緒に長期任務だ」

 

 とりあえず俺はチェルシーにエスデスが作る組織について説明した。かなり危険な組織なので俺とチェルシーの二人で帝都に住み込みで監視と情報集めをするということだった。

 

「お前なら俺ができない事もできるだろうし、どうせだから帝都を周るのもいいだろう」

「マジで!?観光有りなの!?」

 

 チェルシーの目が光った。

 こうすれば付いてきてくれるだろう。

 

 しばらくは帝都に住んで任務に挑むだろう。

 

「ってこはしばらく同居か」

「うん!そうだね――――って、え?」

 

 二部屋借りるだなんてもったいない。

 一部屋で十分だろう。

 

 それよりどうしようか。

 頭の中では作戦が組み立てられているが上手くいくかどうか怪しいな。俺も一応潜入するか。

 

 

 

 

 

 

 




そろそろイェーガーズですね!


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