すぐに俺たちは行動した。
俺は単独で帝都へと向かった。
壁を見ると見慣れた仲間の顔の張り紙が貼ってある。しかしこの中には俺とクロメの顔はない。不運にもアカメは顔を見られていたらしく、張り紙が貼ってある。俺の張り紙はないので顔を隠さずに帝都を堂々と歩ける。チェルシーのような帝具を持っていないと顔がばれたとき、行動に制限がかかるからな。
何も怪しい行動もそぶりも見せずに歩きなれた帝都を進んでいく。
帝都メインストリート。
ここは帝都一の商店街とも言える場所である。ここに出店できれば成功は間違いないと言われている。様々な衣服店が並び、おしゃれに最も気を使うチェルシーが昔から行きたいと言っていたのを思い出す。他にもここに並ぶ飲食店は全品なものばかりである。本で読みその絶賛ぶりが気になったので皆に内緒で来たことがある。あまりにもおいしすぎてしばらくアジトの飯がまずく感じてしまった、作ってくれたアカメには悪く思う。
そしてこのメインストリートで一番のスイーツを売っているお店がある。ここも昔来たことがある(マインに買ってきてくれと土下座された)。そして聞いた話通りエスデスが外の席に座ってアイスクリームを食べていた。
俺は仮面をつけてエスデスに近づいていく。人が俺から離れていくが何も考えない。向うも俺に気付いたのか手を振ってくれた。
「久しぶりだな」
「久しぶり。まずは作戦成功おめでとうかな?」
「なんだもう知っていたのか」
俺はエスデスの隣に座り同じアイスを頼む。
あのマインが土下座までして頼みこむほどのアイス、どんな物なのか。
運ばれてきたのはいたって普通のコーンに白いソフトクリームがのっているだけ。どこも変わったところは無かった。しかし口の中に入れてみるとわかった、おいしい。どこが普通のアイスクリームと違うのか、本当においしかった。
「おいしいだろ?私も今日初めて食べたが本当においしいな」
「そうだな。それと俺の情報役に立ったのか?」
「かなりな。お前の言うとおりにしたら予想以上に早く帰ってこれた。感謝するぞ」
え!?
俺のせいだったのか。まさかあのルートを最短で駆け抜けるとは。
「壁もこころなしか脆かったようにも感じるた。相も変わらずお前の情報は頼りになるな」
「それはナニヨリデス……」
壁は脆いはずはない。壊れてなど一度もない。俺の情報は絶対に間違っていない、誤りなどなかった。何が彼女を速くしたのか、スピードに秀でてる俺としても気になった。しかしそれを訊く前に彼女が話しかけて来た。
「お前に頼みがある。実は今度私が隊長を務める特殊警察を作ることになってな。その部隊の諜報員として働いてくれないか」
「ダメだ」
これは即答。何があってもダメである。俺はナイトレイドの一員である、帝国側として働けない。しかしここはある意味よいチャンスなのでは。ここではいと言っておけば彼女が率いる部隊の情報をすぐに知れる。
ならばこうしよう
「ダメですが。俺と同期の情報屋を紹介します。あいつは優秀ですし、俺の知らない所まで事を知っている時もあるんで」
「信用できるのか?」
「大丈夫だよ。あいつは誰よりも裏切りを嫌うからよ」
俺はエスデスにそう言っておく。
「わかったお前の推薦を信じよう」
「ありがとよ。こっちも協力できるときはしてやるよ」
「頼むぞ。またそいつを紹介してくれ」
「わかったよ」
俺はそう言って席を立つ。
彼女は変わりなしって所か、それよりエスデスが特殊警察を作ろうとしているとは、部外者である俺にはそんなに情報をくれなさそうだしこれ以上は無駄だな。
さて皆はどうしているのか。
かる~くリュウsideを挟む。
そして次回。
とうとう三獣士と戦います。
しかし原作と違うところが多々あり、未来が変わります。
本番はこれからです!
これからも皆さんに読んでくれるように頑張ります。