「オレの出番が来た訳だが、そっちは赤い星だったな。誰が出てくる?」
「3人まで選べるんだよな。なら――――俺と一誠、そして渉の3人だ」
新と呼ばれた一誠、渉が一歩前に出る
「気を付けて、渉。相手は
「ありがとう祐希那。新さんと一誠さんがいるから、大丈夫だよ」
「新、しっかりね」
「新さん。勝ったらキスしてあげますわ♪」
「嬉しいけどよ、俺さっきの試合で殆どボロボロです……」
新が肩で大きく息をしていると、アーシアから回復の光が送られる
「少ししか回復出来ないかもしれませんが、イッセーさんも頑張ってください!」
「サンキュー、アーシア。一誠、お前も気張れよ」
「分かってる。分かってるけど……まだ股間が痛むかも……」
4人がバトルフィールドに転送される
到着した場所は巨大かつ不気味な時計がそびえ立つ広大なフィールドだった
辺りを見渡す3人に、大牙がルールを説明する
「このタイムフィールドでは、時計がランダムに決めた制限時間までに立っていられた者が勝ちとなる。つまり、タイマーが0になった時にオレが起きていなかったらお前達の勝ち。逆にお前達が起きていなかったらオレの勝ちだ」
大牙が指を鳴らすと、時計がランダムでタイマーを設定し始める
制限時間は20分となった
「お前達は確か『
「随分と余裕じゃねぇか?まだ疲れが完治していないが為のハンデか?」
「いや、本気のお前達と戦わなければオレのプライドが許さん。『2代目キング』として、全力のお前達と戦わずして頂点を名乗れないだろう?」
「ありがたいぜ」
「部長!『プロモーション』の許可を!」
リアスが2人の『プロモーション』を承認し、新と一誠の全身に力が流れる
「最後だからな、『
「俺も『
『
「では僕も」
新は『
大牙も全身から青いオーラを漂わせ、『
「三大勢力会談の時は共闘していたが、今回やっとお前達と戦う事が出来る。お互い、死力を出し尽くそう。――――フンッ!」
ガキイィィィンッ!
大牙のチェーン状に伸びた細剣が一誠の鎧の前面に傷を付け、新が両肩のキャノンから魔力の塊を連続で放出する
大牙は円を描く様にチェーン状の刃を回して魔力弾を防ぐ
一誠がお返しと言わんばかりにブーストで加速させたタックルをするが、大牙は何重もの防御障壁を作って一誠を弾き飛ばす
「
「
渉の
大牙は再び刃先をチェーン状に伸ばし、それを渉の首に巻き付けて放り投げ、
渉は投げられながらも、
「ドラゴンショットォッ!」
「フルバーストッ!」
一誠がドラゴンショット、新が
大牙は背後から来る攻撃を察知して突きの構えを取る
「スネーキングベノムッ!」
細剣を力強く突き出すと、切っ先から紫色の蛇型魔力が大口を開けて2人の攻撃に突貫していく
3つの魔力はそれぞれの攻撃を相殺し爆煙を撒き散らした
「かなり高密度の魔力だ。以前に会った時とはまるで次元が違う」
「「当たり前だ!」」
前方から一誠、後方から新が大牙に突っ込み、渉は上空から奇襲してきた
新は『
「ヘル・クラッシュッ!」
「シャイニングマグナァァァァァァァァムッ!」
まず渉が二丁拳銃から水と光を混ぜた特大の魔力を撃つ
輝く水柱は大牙を包み、新と一誠が前後からの同時拳打をくらわせる
2つの拳が生み出す衝撃は周りの地面を殆ど抉り取る程の威力を見せた
光の水柱が消え去り、大牙の腹と背中には新と一誠の拳がめり込んでいる
「……凄まじいな、この拳打の威力は。不覚にも衝撃と痛みで顔を歪めてしまった」
「クソッ!『
大牙は2人の拳を掴んで投げ飛ばす
新と一誠は体勢を立て直して着地、渉も地上に降り立った
「マジかよ……あれだけの攻撃をくらって、倒れねぇなんて……」
「やっぱり奴は強ぇな。『2代目キング』は名前だけじゃねぇって事だ」
「でも、少なくとも全くダメージを受けていないと言う訳では無いですよ」
渉の言葉通り、大牙は倒れはしないものの――――無傷では済まなかった
肋骨が何本か粉砕されたのか口元を手で押さえ、地面に血を吐き捨てる
「3人を同時に相手するのは流石に無謀だったか。仕方ない――――アレを使わせてもらおう」
大牙は息を吸うと同時に両腕を前方でクロスさせる
ゆっくりと息を吐きながら両手を元に戻す
「以前、村上京司が使用した
「
「あぁ、奴のアレは未完成の段階だった。オレは
大牙が全身から複数の魔力を放出し、それらが様々な姿の蛇を形成していく
そして一誠と新が知っている様な呪文を唱え始めた
「我、目覚めるは覇道を追い求めし
『頂点に立つのが――――』
『お前の
「無限を掴み取り、
『我が魂らは――――』
『貴様の
「我、蛇と龍の魂と共に蒼き皇となりて――――」
大牙の纏っている『
「「「「「
「
ゴオォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!
魔力のオーラが爆発的に増え、上空へ昇り天を割る
青白い輝きの魔力を身に纏う
更に全身には水晶の破片が張り巡らされ、背中に4枚――――龍の翼が生えていた
「な……何なんだよありゃ……!?」
「一誠やヴァーリの『
「す、凄い魔力だ……!鎧を突き抜けて皮膚が焼けそうです……!」
3人は大牙の
「火、水、大地、風の四元素を
ビュッ!
「なっ!は、速い!?」
大牙が反応されない速度で残像を残して消え、3人の背後に回って4枚の翼を広げた
それぞれの翼から火炎、水柱、土石流、竜巻を発生させる
『うわあぁぁぁぁっ!』
新、一誠、渉は四元素の渦に呑み込まれてしまい、抉られる地面と共に飛ばされた
「ぐっ……!なんつー威力だ……!しかも、あれだけ巨大な力を簡単に制御してやがる……」
「しかも、ドライグやアルビオンとは違う魂を4つも取り入れてるって……」
「でも、やるしか無いですよね!」
渉が1番に飛び出し、
「まだまだぁっ!」
新が突っ込み『
大牙は空いたもう片方の手で蛇型の拳を作り、新の
まるで蛇の首が9つある様な姿を彷彿させた
「なかなか速く強力な拳だ」
「片手で相殺していくとか……お前もデタラメなぐらい強ぇな!一誠!」
「分かってる!今度は最大出力だ!いくぜェェッ!」
『
宝玉から幾重もの音声が響き、一誠は全ての力を右拳に集めて突貫していく
「くらえェェェェェェェェェェェェェェェェッ!」
一誠の赤い拳が大牙の背中に突き刺さり、衝撃が腹を突き抜ける
手応えを感じて震える一誠の拳
しかし、大牙を倒すまでには至らなかった……
「良い一撃だ、
ゴオォッ!
全身から溢れるオーラが3人を吹き飛ばす
地面を転がり、直ぐに立ち上がって攻撃体勢を取るものの……圧倒的とも言える大牙の力に戦慄を覚える
「強すぎる……!ヴァーリの『
「その上、『
「お前達の力も見事だった。先の試合でダメージを負っているとはいえ、ここまでの力を発揮出来るとは……。やはりお前達こそが、オレの覇道への最終目的となろう」
ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!
突然、何かを知らせるブザーの様な音が大きく鳴る
視線を向けると、時計のタイマーが0の数字を表示していた
「タイムアップ、か……。互いの人員が立っているので、この勝負は引き分けだ」
「引き分けか。けど、勝負内容じゃ俺達の負けみたいなもんだ」
「あぁ、あいつの
「僕も祐希那達と一緒にもっともっと強くなります」
「その意気だ。オレも『2代目キング』として、覇道の頂点に立つ者として―――――お前達が強くなるのを待つぞ」
光がフィールドを包み、4人は元の世界に帰還していった
―――――――――オカルト研究部の部室
「3勝3敗1引き分け、結果的に勝敗は決まらなかったけど……新とイッセーが苦戦を強いられるとはね……」
「奴はスゲーよ。一誠が暴走を起こした『
「ヴァーリは『
「そう言うな。お前だって二天龍の一角を宿してんだろ?『
「新さん。明日は休日ですから、少し付き合ってくださいませんか?」
「ん?別に構わねぇけど」
「うふふ、楽しみですわ♪」
――――――――『チェス』の拠点
「アスカ、バリー・デスペラードとやらは何処に行ったんだ?」
「それが分からないのです。気付いた時には既に……」
「そうか。しかし、グレモリー眷属はやはり侮れないな。『チェス』のメンバーが2人も逝ってしまった。我々も気を引き締めなければ……
――――――――とある洞窟
「キヒヒッ♪これで破壊した封印の
「俺の名はバリー・デスペラード。あんたが製造した
「白い『ポーン』?あぁ、ストレイグか。もしかして、あの役立たずは死んだの?」
「そうだ」
「キヒヒッ。良いよ良いよ〜♪あんな役立たず。でも、最高の置き土産をしてくれたね〜♪封印の楔も残り1本になったし、これから最高のパーティが始まるよ」
「封印の楔?それは何だ?」
「『初代キング』を封印している楔だよ。もう場所はリサーチ済み♪様々且つ特殊な力の場―――――日本の有名なスポット、京の都……そこに最後の楔がある……!キャハハハハハハ♪待っててよぉ『初代キング』……!」
第8章これにて終了です!
次は第9章――――の前にオリジナル話を展開しようと思います。
章も9章ではなく、8.5章として進めていきます