闇皇と戦乙女と魔銃
「これはどういう事なんですか!」
とある休日
朝一番でロスヴァイセが新に怒鳴っていた
「な、何がどうなんだよ?」
「何故あの寮には女性しか住んでいないのですか!新さん、まさかあの女性達を……は、
どうやら、宿泊寮の住人が女性(元ディオドラ眷属)しかいない事を問い
会話の内容を聞いていたレイナーレ、カラワーナ、ミッテルトは首を振って嘆息した
「あなたねぇ、アラタは元々こういう男なのよ。ここや寮に住むからには知ってて当然でしょ?」
「そうだ。皆それを承知で住んでいる。何の問題も無い筈だ」
「問題大有りですよ!例えば、その……エ、エッチな事をしたりとか……」
「うちらはぜ〜んぜん気にしないも〜ん。アラタがエッチで浮気性なのは知ってるしぃ。そんな事ばっかり気にしてるから、考え方が古臭いって言われるの、おばさん♪」
「おばっ、おばさん!?わ、私はおばさんじゃなぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!まだ18歳です!処女です!私だって素敵な彼氏とエッチな事したいのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!うわぁぁぁぁぁぁんっ!」
ロスヴァイセはミッテルトのおばさん発言に泣き出し、自虐的な発言をしてしまう
リアスは腕を組んで考え込む
「ロスヴァイセ、確かに新は多くの女性を侍らせているわ。でも、今それを問いただしても彼は改善しないの。元からこういう子なんだから」
「あらあら、ロスヴァイセさん。そんなにお堅いとやっていけませんわよ?」
朱乃が新に抱きついてロスヴァイセに言う
「朱乃さん!あなたは良いんですか!?浮気されているのですよ!?」
「うふふ、これが新さんなのですよ?新さんは欲深いお人。他の女性を見捨てない主義を持っているのですから。それに、父さまと母さまにも許可は得ていますわ♪」
「私も問題は無い。新の事が好きだし、子作りが出来るなら」
「……郷に入っては郷に従えです。先輩はエッチですから、自分の主義を曲げるつもりは無いそうです」
ゼノヴィアと小猫も参戦し、ロスヴァイセはワナワナと震える
「新さん!やっぱりあなたは節操無しのエッチ蝙蝠ですね!もう結構です!今から私は新しい住居を探しに行きます!」
「住居って、
新の言葉を聞く前にロスヴァイセは出ていってしまった……
しばらく静寂が流れ、リアスが新の肩に手を置く
「新、追い掛けて連れ戻して来て。元々はあなたが原因なんだから」
「俺何にも悪い事してないんだけどな……」
「なんかメンドイおばさんね、アラタ」
「元ヴァルキリーだから仕方ねぇよ。あ〜……留守番頼むわ。探しに行ってくる」
「新さん、ロスヴァイセさんもこの家に住ませるのですか?」
「いや、それは本人次第だ。とにかく、行く宛も帰る宛も無い女を放ってはおけねぇだけだ」
新は自前のバイクを走らせ、ロスヴァイセを探索しに行った
―――――――――
『さぁ、いらっしゃいいらっしゃい!本日の目玉商品はこのサイクロンジェットクリーナー!強力なパワーでどんな小さなゴミや
それを住居の屋根の上から見下ろす男――――
「サイクロンジェットクリーナーか。この
「さぁて、改良した
ドォンッ!
目玉商品サイクロンジェットクリーナーに黒い弾丸が埋まり、やがて異変が起こる……
掃除機が魔力を帯び、人型の異形と化していく
右手に吸引ノズルを持ち、背中に貯蔵タンクが備わった
それを見たストレイグは感心した様子で見る
「なかなか良いじゃねぇか。人間や他の種族だと反抗するかもしれないが、こうした機械なら忠実な
「機械より完璧な物はありません。
「ますます気に入ったぜ。この
「良いですよ。適当に暴れてきます。私の掃除機で」
――――――――――
その日の夜、ロスヴァイセは疲弊した様子で公園のベンチに座っていた
「はぁ……散々歩き回ったのに1軒も見つからなかった……。マンションは高くて手が出ませんし、アパートも手頃なのがありません……」
ロスヴァイセは新しい住居となりそうなマンションやアパートを探し回ったのだが結局見つからず
家賃が高いとケチってしまったり、満室だったりで住居を確保出来なかった
「勢いで出ていってしまいましたが、どうしましょう……このまま帰るなんて事は出来ないですし……。かと言って、このまま野宿と言うのも……へくしゅっ」
くしゃみをするロスヴァイセ
とりあえず寒さを凌げる場所を探す事にした
「そこのお姉さん。掃除機は如何ですか?」
「……っ?掃除機――――って、何なんですかあなたは!?」
ロスヴァイセは当然驚いた
掃除機の様な人型の異形が目の前におり、話し掛けてきたのだから
「私、目玉商品の
「何を言っているのですか!?それに
「そうですよ。他の種族を殺す
「
ロスヴァイセは戦闘態勢を取り、
「はいはい。戦いますか。じゃあ手っ取り早く終わらせましょうか」
「元ヴァルキリーの力を受けてみなさい!」
ロスヴァイセは周囲に魔方陣を展開して魔術砲撃を放つ
四方八方から降り注ぐ攻撃に対し、
「吸い込みましょうか」
ズイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!
凄まじい吸引音を放ち、ロスヴァイセの放った魔術攻撃が全てノズルに吸い込まれていく
「――――っ!?わ、私の攻撃を吸い込んでる!?」
狼狽するロスヴァイセを他所に、
「あまり強くないですね。お返ししましょう」
そう言うと、背中のタンクに溜められた魔力がノズルから発射される
魔力が枷の様な形となってロスヴァイセの四肢を捕らえ木に貼り付けた
「きゃあっ!な、何なんですかこれは!?」
「それは今さっき吸い込んだ魔力を枷状にした物です。余程の力が無いと外れませんので」
「な、何をする気なんですか?」
「何って――――脱がします」
ズイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!
ビリビリビリィッ!
ロスヴァイセの上半身を覆うスーツが掃除機に吸い込まれ、ブラジャーが露出した半裸姿となった
「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!なんて事をするんですか!このスーツ高かったんですよ!?タイムセールで買った特売品なのにぃぃぃぃぃぃぃっ!」
「面白い女性ですね。裸にされる事よりも服の方が大事ですか。それじゃ続けましょう」
今度はロスヴァイセの鎧の腰垂れを吸い込み、続けてストッキングも吸い込んでいく
ロスヴァイセの衣類は上下の下着と靴下だけになった
「では最後に、そのブラジャーを吸い込んじゃいましょうか」
「ひっ!?や、やめてください!私、まだ誰にも裸を見られた事が無いんです!素敵な彼氏もいないのに裸を見られるなんて嫌です!」
「厳密に言えば"ほぼ"裸にします。私はね、女性のパンティと靴下だけは残す主義なんですよ。そこのところ、お間違えが無いように」
ズイィィィィィィィッ
掃除機のノズルがロスヴァイセのブラジャーをゆっくり吸引していき、プチプチとブラジャーが裂けていく
「い、いやぁっ……!助けて!助けて!新さぁん!」
ロスヴァイセは涙目になりながら思わず新の名を叫ぶが、当然ここにはいない
「無駄ですよ。誰かを呼んだとしても、
「ウィリーライダー!」
ドガッ!
バイクの前輪が激突し、
バイクに乗った輩がヘルメットを外し、正体を明らかにした
「よっ、ロスヴァイセ」
「……ッ!新さん!」
「ったく、あちこち探し回ったぜ。それにしても、お楽しみの最中だったか?乳首見せてるし」
「えっ?」とロスヴァイセは視線を
―――
自分の胸に視線を移すと、ブラが無くなっていた
「……ひぐっ、ぐすっ……み、見ましたね……?見ましたね……?ふえぇぇぇぇぇぇぇぇぇんっ!新さんに見られたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「だ〜もう、泣くなっつぅの」
新は
ロスヴァイセは解放された直後に胸を隠して泣きじゃくる
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!まだ素敵な彼氏とキスもエッチな事もしてないのに裸を見られたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!どうしてくれるんですか!新さん!責任取ってください!」
「俺のせいなの!?俺が悪いの!?無茶苦茶な事言わないでくれる!?」
「無茶苦茶なんかじゃありません!だいたい、あなたは女性の裸を見たのにお詫びの言葉すら言わないのですか!?最低です!」
「助けに来た俺が何故責められなきゃならないんだ!?」
「
バイクで吹っ飛ばされた
「つーかロスヴァイセ、何なんだ?あの掃除機みたいな化け物は?」
「ぐすん……
「
新は
しかし、
「あ〜あ、何だかシラケてしまいましたよ。この辺で失礼させていただきます」
ズドドドドドドドッ!
ノズルから魔力の塊が無数に撃ち放たれ、新は全部を剣で切り裂く
切り終わると、
「チッ、逃げやがったか。ほら、ロスヴァイセ。もう泣くなって」
新は
「帰るぞ」
「か、帰るって……?私、出ていって―――――」
「関係無い。その様子じゃ見つからなかったんだろ?だったら、寮に住めよ」
ロスヴァイセは新の慈悲深い言葉に涙を流した
「い、良いんですか!?私が自分から出ていったのに、新さんは許してくれるんですか!?」
「許すも何も、住まいの無い女を放っておけない
「うぅぅぅっ!新さんは優しいです!オーディン様とは大違いですぅぅぅぅっ!うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
「はぁ……よく泣くヴァルキリーだこと……」
その後、ロスヴァイセは新の中では『泣き虫ヴァルキリー』と言う不名誉な称号を付けられてしまう……
―――――――――
「と言う訳で、今日から新さんのお家に厄介になります。皆さん、よろしくお願い致します」
ロスヴァイセの言葉に驚く面々と頭を掻く新
実はバイクで帰る途中、ロスヴァイセは寮じゃなく新の家に住みたいと言い出した
新は最後の確認を取ったが、もう決めたらしい
ちょうど1階に使ってない部屋があるので、そこをロスヴァイセの部屋にした
「よろしくね、ロスヴァイセ」
「はい、よろしくお願いします」
「あらあら、また騒々しくなりそうですわね」
「ロスヴァイセさんも新の家に……ライバルが多くて大変だな」
「……どうして先輩の上着を着てるんですか?」
小猫が1番の疑問をロスヴァイセにぶつける
すると、ロスヴァイセは頬を赤く染めて―――――
「新さんに……見られました……」
明らかに誤解を生む発言をした
新は違うと説明しようとしたが、7人の気迫にビビってしまう
「新、あなた何をしたの?詳しく聞かせてもらうわよ」
「新さん?ロスヴァイセさんの恥ずかしいところを見たのですか?」
「うん。説明してもらうぞ」
「……言い逃れは出来ませんよ?」
「アラタ!至高の堕天使の私を差し置くってどういう事よ!?」
「アラタ。何を見たのか話してもらおう」
「ぶ〜っ!うちよりおばさんを選ぶって言うの!?エッチしたのに酷い酷い!」
「ちょ、ちょっと待て!攻撃態勢を解けお前ら!俺は何も――――ってロスヴァイセ!何勝手に逃げようとしてんだ!誤解を招く説明をすnアーーーーッ!」
新はその日――――リアス、朱乃、ゼノヴィア、小猫、レイナーレ、カラワーナ、ミッテルトから長時間に渡る説教と魔力込みのつねりを食らう羽目に………
今回出てきた闇人はゴーバスターズのソウジキロイドをイメージモデルにしています。正式名称は今のところ未定です