「うーん。あれ?何がどうなったんだ?なんで体のあちこちが痛いんだ?」
恐慌状態に陥った新が九分九厘落ち着いた後、一誠が目を覚ました
記憶がない分は祐斗から説明を受けたが、やっぱり覚えておらず
アーシアも無事でゼノヴィアに抱きつかれている
「兵藤一誠。無事だったようだな」
「ああ、なんだか、世話になっちまったようだな」
「ま、たまには良いだろう。それよりもそろそろだ。空中を見ていろ」
新と一誠が
バチッ!バチッ!
空間に巨大な穴が開き、そこから巨大な何かが姿を現す
「よく見ておけ、兵藤一誠。あれが俺が見たかったものだ」
空中をとてつもなく巨大な生物――――真紅のドラゴンが雄大に泳いでいく
「『赤い龍』と呼ばれるドラゴンは2種類いる。1つはキミに宿るウェールズの
「『黙示録』っつーと、アポカリプスか?」
「
「もしかして、あれを倒す事がお前の目標か?」
新が訊くと、ヴァーリが真っ直ぐな瞳で言った
「俺が最も戦いたい相手―――――『
ヴァーリは自身の夢を語る
テロ組織に身を置いているのもグレートレッドと言うドラゴンを倒すためだった
「グレートレッド、久しい」
新達のすぐ近くに黒髪黒ワンピースの少女が立っていた
「……っ?誰だあのチビッ娘?さっきまでいなかったぜ」
ヴァーリがその少女を確認して苦笑した
「――――オーフィス。ウロボロスだ。『
「なっ!『
驚きを隠せない新
オーフィスは指鉄砲の構えで撃ちだす格好をした
「我は、いつか必ず静寂を手にする」
その直後、アザゼルとタンニーンが降ってくる
「先生、おっさん!」
「おー、イッセー。元に戻ったようだな。新がブチキレてボコボコにするもんだから怖かったが、お前ならあの歌やで『
「アザゼル!俺はあの修業ん時以上に殺意が沸いた事はねぇッ!何してくれてやがんだ!俺がどんだけ恥をかいたか分かってんのかゴラァッ!」
「スマン新。お前は女に対して色々経験済みなもんでな、名義を勝手に使わせてもらった」
新はアザゼルに対して特大の殺意を浴びせた
アザゼルとタンニーンは空を飛ぶグレートレッドに視線を向ける
「懐かしい、グレートレッドか」
「タンニーンも戦った事あるのか?」
「いや、俺なぞ歯牙にもかけてくれなかったさ」
タンニーンでも相手にならないドラゴン……
余程強さがあるのだろう……
「久しぶりだな、アザゼル。クルゼレイ・アスモデウスは倒したのか?」
「ああ、旧アスモデウスはサーゼクスが片付けた。……まとめていた奴らが取られれば配下も逃げ出す。シャルバ・ベルゼブブの方もイッセーが『
「お兄さまは?」
「結界が崩壊したからな。観戦ルームに戻ったよ」
アザゼルがオーフィスに言う
「オーフィス。各地で暴れ回った旧魔王派の連中は退却及び降伏した。――――事実上、まとめていた末裔共を失った旧魔王派は壊滅状態だ」
「そう。それもまたひとつの結末」
オーフィスは特に驚く様子も無く言った
1つの派閥が消えたのに痛くも痒くも無いと言った様な感じである
「お前らの中であとヴァーリ以外に大きな勢力は人間の英雄や勇者の末裔、
「『英雄派』……。カテレアが教えてくれた組織の名前か」
新は以前、アザゼルに連れられてカテレアが投獄されている牢に行き、そこで『
「さーて、オーフィス。やるか?」
アザゼルが光の槍をオーフィスに向けるが、オーフィスは
「我は帰る」
どうやら戦う気は無いらしい
新と一誠はホッと胸を撫で下ろした
「
「ん?どわっ!?な、何だよ?」
オーフィスがいつの間にか新の足元にいて、新を見上げながら言う
「『
「倒した闇の力を奪い取る?どういうこった?」
新はその意味をさっぱり理解出来なかった
そんな新にオーフィスは更に衝撃的な事を言う
「気を付ける。『初代キング』、目覚めつつある」
『――――っ!?』
全員がその言葉に驚愕した
『初代キング』とは
その邪悪過ぎる存在が封印から解かれようとしているらしい……
オーフィスの言葉に真っ先に反応したのはアザゼルだった
「オーフィス!それはいったいどういう事なんだよ!あの『初代キング』が封印から解かれるのか!?」
「いずれ、分かる」
オーフィスは意味深な言葉を言い残して消え去っていった
ヴァーリ達も退散しようと
「兵藤一誠。――――俺を倒したいか?」
「……倒したいさ。けど、俺が超えたいものはお前だけじゃない。同じ眷属の木場も超えたいし、ダチの匙もダイアンも――――新も超えたい。俺には超えたいものがたくさんあるんだよ」
「俺もだよ。俺もキミ以外に倒したいものがいる。
「ああ、決着つけようぜ。部長のおっぱいを半分にされたら一大事だからな」
一誠が拳をヴァーリに向けて言い放った
「木場祐斗くん、ゼノヴィアさん。私は
「やっぱりキミは面白い。強くなれよ、兵藤一誠」
「じゃあな!おっぱいドラゴン!
「なっ!何よその呼び名は!」
謎の呼び名―――――スイッチ姫に新は肩をビクッと反応させた
「へへっ、良い呼び名だろ!この呼び名は今さっき
ヴァーリと美猴も次元の裂け目へと消えていった
新も大事にならない内にその場から立ち去ろうとしたが、リアスと目が合ってしまった……
「………新。ちょっと待ちなさい」
「マチマセンッ!」
新は超ダッシュで逃げる様に―――――と言うか逃げた
しかし、それを逃がさない
「コラッ!待ちなさい新ァァァァァァァァァッ!」
「ヒィィィィィッ!怖ェェェェェェェェッ!」
リアスが般若の形相―――――もとい、般若その物の顔をしながら魔力込みの足で新を追い掛ける
新も足に魔力を注ぎ、リアスを撒くまでリアル鬼ごっこが続いた……
オーフィスが言っていた"『
―――――――――
「ヴァーリ、幹部連から連絡入った。シャルバの野郎、瀕死だけど生きてやがったぜぃ」
「そうか、
「旧魔王派の奴ら、お前さんをトップに入れたいとさ。どうすんの?」
「今のポストで充分だと伝えてくれ。これ以上、前魔王の血族としての役職を増やしたくない」
「あーあ、旧魔王派、これでほぼ瓦解だわ。他の派閥とか
「カテレア、クルゼレイ、シャルバ。――――お前達は嫉妬深過ぎだ。誇りある前魔王の血族として生きるのなら、その生き方も誇り高くするべきだった」
「で、
「――――気紛れだ。それだけの事さ」
―――――――――――――
「シャルバ・ベルゼブブの策が落ちたよ。
「そうかそうか。『
「よく言うよ。そう命じたくせに。で、どうする?そろそろ英雄と勇者の末裔の集まりである僕達英雄派も事を起こすかい?――――
「さーて、どうするか。――――今は人材集めの方が楽しいんだけどね」
「初代と同じだね。でも近い将来必ず動かなければいけなくなるよ。あなたに宿っている物がそれを許さないから。その最強の
「――――『
「ねーねー、曹操」
「どうしたジャンヌ?」
「一足先に会いたい子を見つけちゃったの。だからぁ、会いに行っちゃって良いかな?この子♪」
「これは……噂に聞いた
「竜崎総司と言えば、
「ジャンヌ。この男がどうかしたのか?」
「ふふっ。お姉さん好みの可愛い子なんだもん♪引き込みたいと思わない?」
「まぁ、竜崎総司も英雄に近いからな。しかし、珍しいな。お前が男に興味を持つとは」
「そうなのよ。お姉さんをこんなにキュンキュンさせたこの子、絶対欲しいわ。………ちゅっ♪」
―――――――――
「そうか。『
「うん。まぁ、村上さんはグレモリーのお姉さん達に殺られちゃったんだけどね。以前からコソコソやってたみたいだよ」
「『チェス』の一員が減ってしまったのは痛手だが……村上は欲に走り過ぎた。冷たいかもしれないが、当然の
「キヒヒッ。正論を述べるね〜『2代目キング』♪」
「しかし、『
「OK〜♪」
スタスタスタ…………
「……あ〜あ。ホンッッッッットつまんないよね〜、『2代目キング』のやり方は……。まぁ良いや。アレが『キング』の立場でいられるのも今だけなんだし。やっぱり
ようやく6章まで終わりました……。長い……ッ!でもまだまだ半分にも達していません(泣)クジケズガンバルゾー!次回から第7章に突入します!