「まずは1勝か」
「あれだけ不利な戦況だと思ったのに、完勝しちまったもんな。制限無しの俺達って凄いわ……」
これで敵は『
一方こちらはリアス、朱乃、祐斗の3人
どう使い分けていくかがポイントだ
次の神殿へ入り、ある程度進んだところで足を止める
2番目に待っていたのは3人の敵だった
「……映像の一件から僕の記憶が正しければ、『
第2試合の相手は『
必然的に第3試合は『
「待っていました、リアス・グレモリーさま」
ディオドラの『
『
この2人はサポートタイプで魔力もかなり高め、『
「あらあら。では、私が出ましょうか」
「後の『
1歩前に出たのはリアスと朱乃、学園で二大お姉さまと呼ばれる2人が並んだ
「あら、部長。私だけでも充分ですわ」
「何を言っているの。いくら雷光を覚えたからって無茶は禁物よ?ここでダメージを貰うよりは堅実にいって最小限の事で抑えるべきだわ」
滅びの力と
強力な力の持ち主が共闘するなら安心確実である
すると、小猫が突然前に出た
「……朱乃さん!その人達に完勝したら、新先輩がデートしてくれるそうです!」
珍しく大きな声でそんな事を言い放つ
「小猫?お前いきなり何を――――――」
カッ!
バチバチバチバチッ!
電気が辺り一面に散らばり出す
発生源の方向を見てみると、朱乃が雷光のオーラを身に纏っていた
「……うふふ。うふふふふふふふふふふふふ!新さんとデート出来る!」
朱乃は迫力ある笑みを浮かべながら周囲に雷を走らせる
「うおぉぉいっ!こっちまで雷が来てんぞっ!?」
「朱乃!あなたねぇ!」
「うふふ、リアス。これも私の愛が新さんに通じた証拠よ。もう認めるしか無いわね?」
朱乃が強気でそんな台詞を言い、場の雲行きが怪しくなっていく
「な、な、何を言っているの!デ、デ、デート1回ぐらいの権利で雷を
「何ですって?未だ抱かれる様子も無いあなたに言われたくもないわ。その体、魅力が無いのではなくて?」
「そ、そんな事は無いわ!私の体だって魅力的って言ってくれたわよ!」
「じゃあ新さんと一緒に寝た事はあるの?無いでしょ?」
痛い所を突かれたのか、リアスは固まってしまう……
「一緒にお風呂に入ったりした?」
「…………………………」
「リアス、困ったお姫様ね。それくらいの事も出来てないのに新さんを束縛しようとするなんて。それじゃあまりにも彼が不憫で可哀想だわ」
「………………うぐぅ……っ」
「あ、あれ?リアスが泣いてる?」
「ぶ、部長!しっかりして下さい!新!お前からも何か言ってやれよ!……何かこっちまで悲しみが移ってきそうだ……」
新と一誠が珍しくオロオロする中、朱乃は頬に手を添えながら
「ふふんっ、私は今すぐにでも新さんと舌を絡ませる事だって出来るわよ?舌だけじゃなく、彼のお口の中を隅々まで舐めるわ」
「朱乃!ダメ!ダメよ!あの子の口にあなたの舌が入るなんて想像もしたくないわ!」
「……なんて会話してるんだ、部長と朱乃さん……」
「ちょっ、間接的に
新は手で顔を覆い隠し、一誠は開いた口が塞がらなかった
そんな口論が続く中、相手の『
「あなた方!いい加減にしなさい!私達を無視して男の取り合いなどと――――――」
「「うるさいっ!」」
ドゴォォォォォォォォオオオオオン!
リアスと朱乃が特大の一撃を『
滅びと
プスプス………
煙を立ち上げながら『
彼女達はリアスと朱乃の口論の犠牲者となってしまった……
「……酷いなこりゃ」
「うん。俺達が言うのもなんだけど、酷い一戦だったな……」
新と一誠はその光景を見て、背中に多量の汗を流した
2人の震えが治まらないまま朱乃はいつもの様子で新に歩み寄る
「新さん。今度の日曜日、デートしましょうね♪」
朱乃はいつもの笑顔で新に言う
「いや、待ちなさい。今のは小猫が勝手に――――」
「……デート、してくれないの……?」
目を潤ませる朱乃、これには流石の新も敵わず……
「……分かった。今度の日曜日な?」
「――――ッ!はい!新さん!」
最高の返事を聞いた朱乃は小さく跳ねる
「ちょっと!新!」
「――――っ?な、何すか?」
「………………何でもないわ」
リアスは新を呼んだかと思えば複雑そうな顔でそっぽを向く
第2試合も完勝したので全員は更に奥の神殿へと歩みを進めていった
―――――――――ブゥゥゥンッ
「クックックッ。ディオドラ・アスタロトの『
グバァッ!
バキッ!
ガシュグチャッ!ゴリッ!バリッ!ヌチャヌチャヌチャ……
―――――――――
新達が次なるバトルステージ――――ディオドラの『
「や、おひさ〜」
「フリードッ!」
「クソ神父、お前まだ生きてたのか」
そいつはアーシアの一件とエクスカリバー強奪事件の一件で敵対した白髪神父フリード・セルゼンだった
「まだ生きてたんだなって言ったっしょ?イエスイエスイエス、僕ちんしぶといからキッチリキッカリしっかりちゃっかり生きてござんすよ?」
「相変わらず言語能力がメチャクチャだな。ってか、何でお前がここにいる。ここにいる筈の『
新が訊くとフリードはニヤケながら口をもごもごし始める
そしていきなりペッと何かを吐き出した――――――人の指だった
「俺さまが食ったよ」
「……何言ってんだ?こいつ、食った……?」
一誠はフリードの言葉が理解出来なかったが、新は理解した様に首を小さく横に振る
「遂にそこまで堕落したか……フリード」
「……その人、人間を辞めてます」
小猫も気付いたようで鼻を押さえ、目元を細めて言った
すると、フリードはニンマリと口の端を吊り上げて人間とは思えない形相で哄笑をあげる
「ヒャーハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!てめぇらに切り刻まれた後、ヴァーリのクソ野郎に回収されてなぁぁぁぁぁあっ!腐れアザゼルにリストラ食らってよぉぉぉおおっ!」
ボコッ!グニュリッ!
フリードの肉体の各部分が不気味に盛り上がっていく
角みたいなものが隆起し、腕や脚も膨れ上がる
「行き場無くした俺に村上の旦那が手ぇ貸してくれたんだ!旦那!俺がもっと強くなれるように力を与えてやるってさ!力をくれるって言うから何事かと思えばよぉぉおおおっ!きゅはははははははっはははっ!
背中の片側にコウモリの様な翼、逆側には巨大な腕が生えて、顔は原型を留めない程変形して凶暴な牙も生えてくる
変化を遂げたフリード・セルゼンは人間の面影等を一切残さない巨大なモンスターとなった
村上の所業に全員が表情を強張らせ、不快感を明らかにする
「村上に体を改造されたって事か。どこまでエグい真似すりゃ気が済むんだ……!」
「ヒャハハハハハハハッ!ところで知ってたかい?ディオドラ・アスタロトの趣味をさ。これが素敵にイカレてて聞くだけで胸がドキドキだぜ!」
突然フリードがディオドラの話をし始めた
「ディオドラの女の趣味さ。あのお坊っちゃん、大した趣味でさー、教会に通じた女が好みなんだって!そ、シスターとかそう言うのさ!」
ディオドラの女の趣味
シスター
その2つで一誠はすぐにアーシアと直結した
フリードは大きな口の端を吊り上げながら続ける
「しかも狙う相手は熱心な信者や教会の本部に馴染みが深い女ばかりだ。俺さまの言ってる事わかるー?さっきイッセーくん達がぶっ倒してきた眷属悪魔の女達は元信者ばかりなんだよ!自分の屋敷にかこっている女共もおんなじ!ぜーんぶ元は有名なシスターや各地の聖女さま方なんだぜ!ヒャハハハ!マジで趣味良いよなぁぁっ!悪魔のお坊っちゃんが教会の女を誘惑して手籠めにしてんだからよ!いやはや、だからこそ悪魔でもあるのか!熱心な聖女さまを言葉巧みに超絶上手い事やって堕とすんだからさ!まさに悪魔の囁きだ!」
「……ようやく分かったぜ。ディオドラは最初っからそのつもりで、アーシアを教会から追放させるよう仕組んでやがったんだな?」
新の言葉に全員が反応し、フリードは哄笑をあげる
「そっ!そいつの言う通り、アーシアちゃんが教会から追放されるシナリオを書いたのは、元をただせばディオドラ・アスタロトなんだぜ〜?シナリオはこうだ。昔々あるところのある日、シスターとセッ◯スするのが大好きなとある悪魔のお坊っちゃんは、チョー好みの美少女聖女さまを見つけました。その日からエッチしたくてたまりません。でも、教会から連れ出すにはちょいと骨が折れそうと判断して、他の方法で彼女を自分のものにする作戦にしました」
他の方法と言う単語に一誠は嫌な予感がし、見事にそれが当たってしまった……
「聖女さまはとてもとてもおやさしい娘さんです。
――――あの時、彼を救った事、後悔してません
ふと、一誠の脳内に笑顔でそう言ったアーシアが思い出される
一誠を嘲笑うかのように、フリードはトドメとばかりに言い放った
「信じていた教会から追放され、神を信じられなくなって人生を狂わされたら、簡単に僕のもとに来るだろう――――と!ヒャハハハハ!聖女さまの苦しみも坊っちゃんにとってみれば最高のスパイスなのさ!最底辺まで堕ちたところを掬い上げて犯す!心身共に犯す!それが坊っちゃんの最高最大のお楽しみなのでした!今までもそうして教会の女を犯して自分のものにしたのです!それはこれからも変わりません!坊っちゃん――――ディオドラ・アスタロトくんは教会信者の女の子を抱くのが大好きな悪魔さんなのでした!ヒャハハハハッ!」
一誠の心の底で、言い表せない程の憎悪が沸き上がった
握りしめる拳からは血も噴き出している
フリードを激しく睨み1歩前へ出ようとしたが、新に肩を掴まれ制止させられる
「一誠。その想いはディオドラをブチ殺すまで取っておけ」
「新!お前はこれを黙っていろって言うのか!」
一誠が新の胸ぐらを掴んで猛反論
新と心境は同じだが、それを押し殺して一誠に言う
「アーシアを嵌めたのはフリードじゃねぇ、ディオドラだ。ここで無駄に体力を使うもんじゃねぇって言ってんだよ」
「新くんの言う通りだよ、イッセーくん。君のその想いをぶつけるのはディオドラまで取っておいた方が良い。ここは僕が行く。あの汚い口を止めてこよう」
迫力のある歩みで祐斗は一誠の横を通り過ぎ、モンスターと化したフリードの前に立って
「やあやあやあ!てめぇはあの時俺をぶった斬りやがった腐れナイトさんじゃあーりませんかぁぁぁっ!てめぇのお陰で俺はこんな素敵なモデルチェンジをしちゃいましたよ!でもよ!俺さまもだいぶ強くなったんだぜぇぇ?ディオドラの『
祐斗は
「君はもういない方が良い」
「調子くれてんじゃねぇぇぇぇぞぉぉぉぉっ!」
憤怒の形相となったモンスターフリードは全身から生物的なフォルムのやいばを幾重にも生やして祐斗に襲い掛かろうとしたが―――――その瞬間……
フッ!
祐斗が視界から消え――――
バッ!
眼前にいたモンスターのフリードは無数に切り刻まれて四散した
静寂な怒りを灯した祐斗はフリードに攻撃の
「―――――んだ、それ。強すぎんだろ……」
頭部だけになったフリードは床に転がり大きな目をひくつかせていた
一瞬で勝負終了
目で捉えきれない神速の動きで切り刻んだのだろう
「ザマァねぇな、フリード。力を求め過ぎた野郎の哀れな末路だ」
「……ひひひ。ま、お前らじゃ、ディオドラの計画も村上の旦那も、その裏にいる奴らも倒せないさ。何よりも
「続きは地獄の
ドォォォォンッ!
笑っていたフリードを魔力で消し飛ばした新
焦げ痕だけが残り、新は首を鳴らす
全員がディオドラと村上の待つ最後の神殿へ走り出した……