ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

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冥界テレビ出演

ダイアンとの戦いを終えた次の日、深夜の悪魔稼業で新は一誠と合流し、自販機の前で座っていた

 

「上級悪魔か……」

 

「どうした一誠?いつもより浮かねぇ顔をしてるな。やっぱり親友が闇人(やみびと)だった事が響いてるのか?」

 

「それもあるけどよ……上級悪魔について考えてたんだ。自分達以外の悪魔を見下してる様な態度が目立つから……」

 

悪魔社会、基本的に旧家の上級悪魔は転生悪魔や下級悪魔をよく思っていない

 

一誠はチャリを漕いでいる時も、それについてばかり考えていたらしい

 

「なぁ新。俺はさ、アーシアの事は……大事な仲間だと思ってる」

 

「どうしたいきなり?んなもん当たり前だろ」

 

「じゃあさ……もし、アーシアが無理矢理連れてかれそうになったらどうする?」

 

「拉致った奴を殺す。世界規模でぶっ殺す。上級悪魔でもぶっ殺す」

 

「……そうだよな。アーシアだってあいつの、ディオドラにビンタかましてくれたんだよな……俺のために」

 

「あぁ、そうだ。あんなに健気で意志を強く持てる女は何よりの宝だ。そして大切だ。その想いに応えてやるのが男の務め―――――ッ!」

 

話の途中で気配を感じた新と一誠はその場を飛び退く

 

闇夜から姿を現したのはラフな格好の男だった

 

「おひさ、赤龍帝(せきりゅうてい)闇皇(やみおう)の」

 

「てめぇは何時(いつ)ぞやの孫悟空(そんごくう)じゃねぇか」

 

美猴(びこう)!なんでお前が!」

 

新は殺気が無い事に気付いたが、一誠は警戒をやめない

 

「ま、相棒の付き添いでさ」

 

美猴(びこう)が後ろに顔を向ける

 

そこから現れたのは白ワイシャツ姿の白龍皇(はくりゅうこう)ヴァーリだった

 

「2ヶ月ぶりだ、兵藤一誠、竜崎新」

 

「ヴァーリッ!」

 

一誠は警戒を高めるが、新は口笛を鳴らして言う

 

「よぉ、白龍皇(はくりゅうこう)さん。こんな夜更けに何か用か?」

 

「たまたま近くを通りかかったから、挨拶をしに来ただけだ」

 

「どうせなら、ここでこの前の続きやるか?」

 

「随分と戦闘的じゃないか、兵藤一誠」

 

「こちとら将来の未来計画のためにお前が邪魔で邪魔で仕方ないんだよ」

 

「上級悪魔になる事か?心配しなくてもキミなら数年もしない内に上級悪魔になれるんじゃないかな。っと、今日はそういう事を言いに来たわけじゃない」

 

怪訝に思う一誠を余所に、新は何なんだと訊いてみる

 

「レーティングゲームをするそうだな?ディオドラ・アスタロトには気をつけた方が良い」

 

「どういう事だ?」

 

「記録映像は見たのだろう?アスタロト家と大公の姫君の一戦だ」

 

ディオドラが帰った日、新達はディオドラ対アガレスの試合記録映像を見た

 

結果はディオドラの勝ちだったが、その過程を見て全員が訝しげに思った

 

ディオドラだけが急激にパワーアップし、アガレスとその眷属を撃破した

 

アザゼルとリアスは「ディオドラはあそこまで強い悪魔ではなかった」―――――と意見が一致

 

短時間でそこまで強くなるのはおかしいと新も疑う程に

 

「ドーピングでもしてたりして」

 

「案外そうかもしれないぜぃ?」

 

新は十中八九ドーピングはしてるだろうと睨んだが、詳しい正体までは流石に分からない

 

とにかく用心するしかなかった

 

「まぁ良いか。帰るぞ、美猴(びこう)

 

「待てよ。それだけを言いに来たのか?わざわざ?」

 

「さっきも言っただろ。近くに寄ったから、未来のライバル殿に忠言をしに来ただけさ」

 

「じゃあな。なぁヴァーリ。帰りに噂のラーメン屋寄っていこうや〜」

 

ヴァーリは美猴(びこう)を引き連れて立ち去ろうとしたが、いきなり立ち止まり振り返った

 

「そうだ。ちょうど良かった。闇皇(やみおう)黒歌(くろか)がお前に対して言っていた事だが」

 

「あぁ、あのグラマーな女か。何だ?今度お茶でもしようってのか?」

 

「いや――――『今度会ったら本気で犯す』だと。お前は凄いな。敵でも女に好かれるのだから」

 

黒歌(くろか)の伝言に新は特大の寒気を感じた………

 

 

―――――――――

 

 

「冥界テレビ?」

 

『ええ、そうよ。取材が入ったから、冥界のテレビ番組に私達が出るの。若手悪魔特集で出演よ』

 

家に帰った直後、新はリアスから話を切り出された

 

内容はテレビ出演が決まった報告

 

因みにリアスは今入浴中で――――朱乃、ゼノヴィア、小猫も一緒だった

 

先に風呂から上がって会話内容をコッソリ聞いたレイナーレ、カラワーナ、ミッテルトはヒソヒソと話し合う

 

いくつかの応答の後、新はカシスオレンジを飲みながらソファーに座る

 

「アラタ、テレビ出演って本当なの?」

 

「あぁ。当日は一誠の家に集合して、そっから魔方陣でジャンプするんだと」

 

「アラタ芸能界デビュー?くぅ〜っ!羨ましいな〜!うちも出た〜い!」

 

「我が儘言うな。若手悪魔特集だから、出れるのはグレモリー眷属だけなんだよ」

 

ムスッと頬を膨らますミッテルトは新の膝に座る

 

「ズルいズルい〜。うちらだってチヤホヤされたいのに。もうっ」

 

「いじけんなよ。冥界産の酒と温泉の素を買ってきてやったんだから、機嫌直せよ?」

 

「アラタが買ってきたアレか。なかなか良い代物だ。肌がこんなにツヤツヤになった」

 

カラワーナがタオルを取って堂々と裸を見せつける

 

レイナーレとミッテルトも負けじとタオルを取った

 

「どうアラタ?私の肌もこんなに綺麗になったのよ?」

 

「うちだってこんなに!ツルツルなんだから!」

 

「おーおー。乳首が輝いてるぜ」

 

堕天使3人組は新とイチャつき始めた

 

レイナーレ、カラワーナ、ミッテルトの乳房(おっぱい)をそれぞれ揉みまくり、濃厚なキスもしていく

 

「はぁ……アラタ、好き」

 

「うちも大好き♪」

 

「私も、アラタが好きだ」

 

「可愛らしい事言ってくれるじゃねぇか。このぉっ」

 

新は再び3人の乳を揉んでいると、入れ替わりで風呂に入っていたリアス、朱乃、ゼノヴィア、小猫がタオルを巻いた姿でやって来た

 

「……新、随分と良いご身分ね?主を差し置いて3人もの女性を侍らせてるなんて」

 

リアスは迫力ある笑みを浮かべ、新はフフンと鼻を鳴らして言う

 

()が何故、女の乳を揉むか……それは――――そこにおっぱいがあるからだ」

 

「真面目な顔でそんな台詞を言われるとは思わなかったわ」

 

「あらあら、私達だけ除け者なんてズルいですわ」

 

「新、私も混ぜてくれ」

 

朱乃とゼノヴィアはイチャつきに参加するべく、タオルを投げ捨てて裸で新に抱きつくが、小猫は「……失礼します」と言い残し、複雑そうな表情で部屋に戻っていく

 

一方でリアスは―――――ムッとした表情で新を堕天使3人組から引き離し、自分の胸に密着させた

 

その行動が火種となり、周囲の空気がピリピリし始める

 

「ちょっと、アラタを独り占めしないでよ」

 

「いいえ、私はこの子の主よ。私にはこの子を(しつけ)する義務があるわ。これから部屋に戻って女性への接し方について話をしないといけないの」

 

「あらあら、リアスったら。随分な言い訳ですこと。新さんは私のおっぱいを所望していますのに無理矢理引き離すなんて無粋ですわ」

 

「いつ新がそんな事を言ったのかしら?」

 

リアスが紅いオーラを揺らめかせ、朱乃も負けじと雷のオーラをバチバチと(ほとばし)らせる

 

「新さんへの愛が通じた私には彼の目を見ただけで分かるのよ」

 

「そんなの自分勝手な憶測じゃない!だいたい朱乃の胸を常日頃から触ってる新は、そろそろ私の胸を欲しいと思っている筈よ!」

 

「それこそ屁理屈ね!新は私の胸をいつまでも触っていたくなる程気持ち良いって言ってくれたわ!」

 

「新は正直で女ったらしだから、そう言ったに過ぎないのよ!って、新を呼び捨てに!?」

 

「良いじゃない!2人っきりの時はいつも呼んでるわよ!新アラタ新アラタ新アラタ!リアスのバカ!」

 

「朱乃のおたんこなす!今日と言う今日は許さないんだから!」

 

リアスと朱乃が取っ組み合いの喧嘩を始めようとした矢先……「それは違うわね!」と異論を唱える者がいた――――レイナーレだ

 

「分かってないわ!アラタは私のおっぱいが好きなのよ!それに、私はもう2回もアラタと交わったんだから」

 

ピクッ……

 

レイナーレのセッ○ス発言にリアスの片眉が上がり、朱乃も迫力ある笑みを浮かべた

 

「……でしたら、私は今ここで3回―――――いえ、倍の4回新と肌を重ねますわ」

 

「……ッ!ダメ!ダメよ!私の目が黒い内はそんな事させないんだから!」

 

「朱乃さん!抜け駆けはズルいぞ!新は私と子作りをするんだ!」

 

「子作りってどーゆー事!?アラタ!うちとのセッ◯スを忘れたの!?」

 

「落ち着けミッテルト。アラタ、エッチは許すが子作りは聞き捨てならないな。ちゃんと説明をしてもらおう」

 

「え〜、ちょっとマチナサイ。いっぺんに言われても………」

 

「冗談じゃないわ!アラタ!今すぐ私とエッチしなさい!」

 

「新、誰が本妻なのかをリアスと堕天使の皆さんに分からせてあげましょうね?」

 

「ちょっと!どさくさに紛れて新に覆い被さらないで!」

 

その日は壮絶な女同士のヌードレスリングが(おこな)われ、新は縮こまるしか出来なかった

 

 

―――――――――

 

 

テレビ収録当日

 

新達が魔方陣で冥界でジャンプすると、到着した場所は都市部にある大きなビルの地下

 

プロデューサーに連れられてビルの上層内に着くと、廊下の先から見知った顔が歩いてくる

 

「サイラオーグ。あなたも来ていたのね」

 

リアスが声をかけたのはバアル家の次期当主サイラオーグ・バアルだった

 

その後ろには金髪ポニーテールの女性でサイラオーグの『女王(クイーン)』が控えている

 

新と一誠好みの以下略………

 

「リアスか。そっちもインタビュー収録か?」

 

「ええ。サイラオーグはもう終わったの?」

 

「これからだ。おそらくリアス達とは別のスタジオだろう。試合、見たぞ。お互い新人丸出し、素人臭さが抜けないものだな」

 

苦笑するサイラオーグの視線が新と一誠に移る

 

「どんなにパワーが強大でもカタにハマれば負ける。相手は一瞬の隙を狙って全力で来る訳だからな。とりわけ神器(セイクリッド・ギア)は未知の部分が多い。何が起こり、何を起こされるか分からない。ゲームは相性も大事だ。お前らとソーナ・シトリーの戦いは俺も改めて学ばせてもらった。だが、お前達とは理屈無しのパワー勝負をしたいものだよ」

 

サイラオーグは2人の肩をポンっと叩き、去っていった

 

軽く叩かれただけでも重みを感じる

 

若手最強の悪魔に期待され、新と一誠は番組が始まる前から緊張してしまった

 

その後、スタジオらしき場所に案内され、スタッフが声をかけてくる

 

「えーと、木場祐斗さんと姫島朱乃さん。それに竜崎新さんはいらっしゃいますか?」

 

「あ、僕です。僕が木場祐斗です」

 

「私が姫島朱乃ですわ」

 

「俺が竜崎新だ」

 

3人が揃って手を上げる

 

「あなた方に質問がそこそこいくと思います。3人とも人気上昇中ですから」

 

「マジっスか!」

 

一誠が驚きの声をあげるとスタッフは頷く

 

「ええ、木場さんは女性ファンが、姫島さんには男性ファン、竜崎さんはかなりの女性ファンが増えてきているのですよ」

 

「ほう。そりゃまた何故に?」

 

「ここだけの話、その女性ファンの多くは竜崎さんに脱がされたい、いじめられたいと強く所望しているらしくて……」

 

新の女性ファンはドMが多かった様です(笑)

 

 

―――――――――

 

 

「あ~、疲れた……」

 

収録後、全員が楽屋でぐったりしていた

 

特に新はこの手のものに慣れておらず、楽屋に入るなり壁に(もた)れて魂が抜けたかの様になっていた

 

質問の時も「エッチ蝙蝠さ〜ん!」とか「私を脱がして〜!」だの黄色い声が飛んできたりしたからてんてこ舞い

 

一誠の方もお客の子供達から「ちちりゅーてー!」「おっぱいドラゴン!」って声をかけられていた

 

乳龍帝(ちちりゅうてい)』と言う二つ名にドライグはマジ泣きしてしまったとか………

 

こうして取材も終わり、ディオドラとの一戦が間近に迫っていった


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