ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

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シトリー戦ラストです!


ゲーム決着!新VSソーナ

ショッピングモール中心の中央広場に到着した新

 

まだ他のメンバーは来ていない様子から、自分が1番乗りだと悟る

 

「ごきげんよう、竜崎新くん。いずれ来るだろうと思っていました。ただ、単独でこちらに来るのは予想外でしたが」

 

「そう言うソーナ会長こそ、本陣を離れるとは大胆だな。オマケに結界まで張ってやが―――――っ?」

 

新は結界を発生させているシトリー眷属『僧侶(ビショップ)』の1人に目をやる

 

白髪美少女『僧侶(ビショップ)』の持っているバッグからラインの様なものが何処かへ伸びていた

 

新は頭の中で先程見かけた匙の神器(セイクリッド・ギア)を思い出す

 

匙の『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』は一誠の腕に巻きついていた1本だけでなく、2本のラインが存在していた……

 

新はストレートにそのラインについて追求してみる

 

「そこの『僧侶(ビショップ)』さんよぉ。その黒いラインは何処へ繋がっているんだ?」

 

『―――――ッ!』

 

ソーナ会長を含めた3人が驚いた表情で目を見開く

 

「そうか。やはりそいつは匙の神器(セイクリッド・ギア)―――――『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』だな?そこまで驚いてるのを見ると、こんなに早く策を見破られるとは思わなかったってところか?」

 

「竜崎くん。あなたは単に女性を裸にするだけのヒトかと思っていましたが、そんな甘いヒトではなかったみたいですね……良いでしょう」

 

ソーナ会長がバッグを持っている『僧侶(ビショップ)』に目で指示を出す

 

コクリと頷いた『僧侶(ビショップ)』の女性がバッグから何かを取り出した

 

それは赤い液体の入ったパックのようなもの………

 

一目見ただけで輸血パックだと断定できた新は目を見開いた

 

「……ッ!まさかとは思うが、一誠の血か!」

 

「ご名答です。兵藤くんはあなたと同じ様に人間がベースとなっている転生悪魔。人間は体に通う血液の半分を失えば致死量です。レーティングゲームのルール、ゲーム中に眷属悪魔が戦闘不能状態になると、強制的に医療ルームへ転送されます」

 

「つまり、一誠をダメージでは倒さず、レーティングゲームのルールで倒すと言う事か……!」

 

新が拳を震わせる中、ソーナ会長は更に続ける

 

「サジは神器(セイクリッド・ギア)を用いて、兵藤くんの血を少しずつ少しずつ吸い取っていたのです。対象のエネルギーを吸い取るのが本来の能力である神器(セイクリッド・ギア)で血液を吸い続けるには、相当な修業と緻密(ちみつ)なコントロールがいりました。しかし、サジはそれを完遂させたのです。もう手遅れです。兵藤くんは医療ルームへ転送されるだけの血を失いました」

 

「チッ、完全にやられたな……一誠」

 

新は額に手を当てて首を振る

 

「本当は竜崎くんも同じ罠でリタイヤさせたかったのですが、あなたの力はリアスの眷属でトップクラスを誇っています。フェニックス戦での記録映像でも、あなたは大きな破壊をせずに相手の眷属の大半を圧倒する実力を見せていました。今回のルールとあなたの力量から、サジの神器(セイクリッド・ギア)で倒す標的を兵藤くんにしたのです」

 

「なるほど。一誠の攻撃は殆どが高火力で派手なものばかり。デパートを破壊してはいけないと言うルールの縛りを利用した見事な策だ……。流石はソーナ会長――――――だが、俺のこいつは攻略出来るか?」

 

ズォォォォォォオオオ………!

 

新は闇皇剣(やみおうけん)を出現させ、突き刺す様な動作をする

 

黒く染まった刀身から闇が発生し、ソーナ会長と『僧侶(ビショップ)』2人に襲い掛かる

 

「黒い闇……!?」

 

「会長!どんどんこちらに侵食してきます!」

 

闇は結界を少しずつ喰らっていき、直径3センチ程の穴を開けたところで一気に結界内へ侵入する

 

「ソーナ!花戒(はなかい)草下(くさか)!またさっきの……!」

 

「おっと副会長!2回目乙!」

 

ズォォォォォォオオオ!

 

新は剣で薙ぎ払う様な動作をして椿姫にも闇を飛ばす

 

素早く行動に転じれなかった椿姫は再び闇に捕まってしまった

 

「くっ……またこの闇に……!」

 

「う、動けません……!」

 

「何なんですかこれは……!」

 

椿姫、花戒、草下の3人を捕らえたが………ただ1人、ソーナ会長だけは何故か捕まえられなかった事に新は不審に思う

 

「何故ソーナ会長だけが『暗黒捕食者(ダーク・グリード)』に捕まってねぇんだ……?少し揺さぶりを掛けてみるか」

 

シャー……!シャー……!

 

新が刀身を手で擦ると、3人を捕らえている闇が(うごめ)き出す

 

――――闇は捕らえた女性(獲物)の衣服をモシャモシャと喰らい始めた

 

「えっ……嘘!?私達の服を食べてる!?」

 

「いやぁぁぁっ!やめてぇぇぇっ!」

 

「ソーナ会長、教えてもらおうか。本物のあんたはいったい何処にいるんだ?」

 

新の言葉にソーナ会長がこれ以上ない驚きの表情を見せた

 

新はやはりな……と前置きをしてから話を続けた

 

「俺の『暗黒捕食者(ダーク・グリード)』が効かない訳がようやく分かったぜ。そこにいるソーナ会長は偽物なんだろ?俺は"この場に存在する結界及びソーナ会長とシトリー眷属全ての衣類を喰らえ"って指示を出している。にもかかわらず、闇が目の前にいるソーナ会長を捕らえられないのは―――――実体が無いからだ。実体が無い幻か映像なら闇が捕らえられないのも合点がいく」

 

「………ッ!なんて方法で私の策を見破るんですか……!しかも、その技はあまりにも破廉恥です!」

 

「悪いけど、これが俺の戦い方だ。せっかく着替えてきたのも無駄になっちまったな?真羅椿姫(しんらつばき)副会長?」

 

「――――っ!?椿姫、あなたも竜崎くんの技に……!?」

 

「ごめんなさいソーナ……。竜崎新はグレモリー眷属で要注意すべき存在だと言う事は分かっていたけど、彼は規格外過ぎる存在だったわ……」

 

暗黒捕食者(ダーク・グリード)』の闇は動けない3人の服を容赦なく喰らっていく

 

映像らしき会長はどうする事も出来ず、ただ目の前の光景を見ているしかなかった……

 

「さぁて、そろそろ仕上げといくか!」

 

「い、いやっ!やめてっ!」

 

「見ないで!見ないでください!」

 

僧侶(ビショップ)』の花戒と草下は涙混じりに叫ぶが、新は無情にも刀身を擦っていた手を柄の蝙蝠に触れさせる

 

闇が消え、捕らえられていた椿姫、花戒、草下は裸で解放された

 

闇から解放されたと同時に彼女達のおっぱいがプルンプルン揺れる……

 

「きゃぁぁぁぁぁぁっ!」

 

「いやぁぁぁぁぁぁっ!」

 

「また裸にされた……」

 

僧侶(ビショップ)』2人は裸体を隠す様にうずくまり、椿姫は両手で乳房(おっぱい)と下を隠す

 

結界が消えると同時に、偽物のソーナ会長も消えた

 

「結界で作り出した囮だったのか……あとは本物のソーナ会長の居場所だ」

 

新は尋問すべく2人の『僧侶(ビショップ)』の所に歩みを進めた

 

シトリー眷属の花戒と草下は怯えた表情で後ろへ下がっていく

 

「い、いや……これ以上はやめて……っ」

 

「お願いします……もうエッチな事はしないで……」

 

「じゃあ本物のソーナ会長が何処にいるか教えてくれ。教えてくれたら直ぐに消えるからよ」

 

これ以上自分達では打つ手が無い事を悟った椿姫、花戒、草下の3人は揃って屋上へ続く階段を指差した

 

「屋上か。よし、ちょっと待ってろ」

 

そう言うと新は屋上へ向かわず、別の場所へ走っていく

 

怪訝そうに窺うシトリー眷属3人

 

すぐに新が何かを抱えて戻ってきた

 

無造作に彼女達の前に落としたのは―――――女性用の衣服と下着類だった

 

「……っ?これは?」

 

「ソーナ会長の居場所を教えてくれたから少しばかりの礼だ」

 

「私達の為にわざわざ持ってきてくれたんですか……?」

 

「そゆ事〜。適当に持ってきたから合うかどうかは分からねぇけど、無いよりマシだろ?」

 

僧侶(ビショップ)』の花戒と草下は頬を紅潮させ、新から目を逸らして服や下着を漁る

 

「……2人とも胸デカいな」

 

「――――ッ!あんまり見ないでください……恥ずかしい……」

 

「男のヒトの前でこんな格好……恥ずかしいです……」

 

2人が恥じらいながら自分に合う衣服を探している中、椿姫が話し掛けてくる

 

「あなたって変わった男性ですね。女性を裸にしたかと思えば、代わりの服を持ってきたりと――――――ぁんっ。ヒ、ヒトが話をしている途中で……んんっ。胸を触らないでください……っ」

 

「マジ泣きされるのが好かねぇだけだ。じゃあな」

 

新は椿姫の乳房(おっぱい)をひと揉みしてから屋上へ続く階段を上っていった

 

椿姫が熱のこもった視線を向けながら「エッチ……」と呟いた事など、新は知る由もない……

 

 

―――――――――

 

 

「まさか椿姫でも止められなかったなんて……竜崎くんを侮っていたわ……」

 

屋上にいるソーナ会長は苦虫を噛み潰した顔になっていた

 

綿密に練った作戦を見破られただけならまだしも、椿姫を始めとする自分の眷属が新に手も足も出なかったから……

 

「さっき竜崎くんが出していた闇、あれで椿姫や他の皆も裸にしたのかしら……。このままじゃ、私も裸にされちゃう……竜崎くんに見られちゃう……」

 

ソーナ会長は自身の胸を押さえる

 

しかし、『(キング)』として引き下がる訳にもいかない

 

ここで逃げれば自分の夢を果たす事など到底叶わないだろう

 

ソーナ・シトリーは覚悟を決めた

 

「裸にされても……それは負けじゃない。私は彼に勝って、それを夢への1歩に繋げてみせる!」

 

意気込みを胸に秘めて立ち上がるソーナ会長

 

そこへ丁度、闇皇(やみおう)姿の新が到着した

 

「来ましたね。竜崎くん」

 

「やっと本物に会えたな。ソーナ会長。もう残ってるのは会長1人だけだ」

 

「……サジは赤龍帝(せきりゅうてい)に勝ちました」

 

「あぁ、上ってる途中でアナウンスを聞いた。これでも結構動揺してんだぜ?」

 

 

フフフと笑い合う新とソーナ

 

ソーナは周囲に水のオーラを集め、新は闇皇剣(やみおうけん)に赤い魔力を集中させる

 

「……では、始めますか?」

 

「勿論。会長の裸、じっくり拝ませてもらうぜ」

 

ソーナは集めた大量の水を変化させ、鷹や大蛇、獅子、狼、そして巨大なドラゴンを幾重にも作り出す

 

「セラフォルー様は氷、ソーナ会長は水の魔力を得意とする……か。聞いてはいたが、ここまで繊細な技術は初めて見たな」

 

「さて、竜崎くん。私の水芸、とくと披露しましょうか!」

 

ソーナが手を向けると、水で形成された生物達が一斉に襲い掛かる

 

新は水の生物達を斬り払いながら、ソーナの所へ突き進む

 

「簡単にはやられませんよ!」

 

ソーナは水柱を発生させて新を囲う様に閉じ込め、生物達は四方八方から突っ込んでいく

 

「オォォォォオオオオッ!」

 

新は赤い魔力で巨大な刀身を作り上げ、周りの柱や生物を両断する

 

斬られた柱と生物は水に戻り、大きな音を立てて地面を濡らす

 

「そろそろいくぜ。『暗黒捕食者(ダーク・グリード)』!」

 

黒い魔力を帯びた剣が闇を生み出し、ソーナのもとへ迫る

 

「――――ッ!出ましたね……ならば!」

 

ソーナが巨大な螺旋状の水流を2つ作り、それらを闇に向かって放つ

 

2つの水流で闇を打ち消す魂胆であろう

 

次第に闇の勢いが衰えていく

 

「さぁ、これであなたの闇も―――――――ッ!竜崎くんがいない!?」

 

闇を打ち消したのも束の間、新の姿が地上から消えていた

 

空や周りを見渡しても姿を確認出来ない

 

その時だった……

 

ズズズズズ……!

 

何かがせり上がって来る不気味な音に反応したソーナは後ろを向く

 

「わ、私の影から!?」

 

「残念だったな。『暗黒捕食者(ダーク・グリード)』は俺自身を闇の中に潜ませる事も出来るんだよ。もっとも、使えるのにかなり時間を食っちまったけどな」

 

完全に虚を突かれてしまったソーナは逃げられず、『暗黒捕食者(ダーク・グリード)』の闇に捕らえられてしまった

 

新は発生させた闇の中に隠れ、ソーナの影に繋げると言う妙技を見せた

 

「まさか、こんな方法があったなんて……!」

 

「さぁてと。学園でも名高い生徒会長様の裸。とくと拝ませてもらおうか!」

 

闇がソーナの衣服と下着を喰らい終わり消えていく

 

新の宣言通り、ソーナは裸にされた

 

白い肌、大き過ぎず小さ過ぎずの適度な乳房(おっぱい)、ピンクの乳首、引き締まった腰、弾力抜群であろう可愛らしい尻

 

ソーナの全てが新に見られた………

 

「――――ッ!いやんっ!」

 

ソーナはうずくまる様に自分の裸を隠す

 

新は一礼をしてから勝利を手にする為、ソーナに近付こうとする

 

しかし、意を決したかの様な表情を見せたソーナは立ち上がり――――――

 

「まだ終わってませんよ?竜崎くん」

 

「えっ?うおっ!マジで!?」

 

ソーナはゆっくりと両手を離し、隠していた裸体を見せつける

 

頬を紅潮させながらも、戦う意思を捨てていなかった

 

「竜崎くん。あなたは必ずその闇を使ってくると思っていました。裸にされた女性は大抵戦意を無くすと考えていたのでしょうが、私はそんなにヤワじゃありませんよ?それなりの対策はあります!」

 

ソーナが手を上に(かざ)すと、周りの水が引き寄せられ体にまとわりついていく

 

水流はソーナの胸と下を隠す衣服と化した

 

「なっ!?」

 

「どうですか?水を変化させる能力を駆使した水の衣服です。格好は少し恥ずかしいですが、水がある限り何度でも復元が可能となります」

 

ソーナの秘策に新は拍手を送る

 

「こいつぁ参ったぜ。普通ならここで諦めるもんだと思っていた。ソーナ会長、あんたの乳首だけでなく―――――強い信念と覚悟を見せてもらったぜ!」

 

「私は負けません。冥界に誰もが通えるレーティングゲーム専門の学校を設立する夢を叶えるため、サジや他の皆の覚悟も背負っています!だから、負ける訳にはいきません!」

 

「悪いが……俺も負けられねぇんだ。初のレーティングゲームで苦い敗北を味わっちまったからな。リアスも一誠も、心の底から悔しがっていた。今度こそ勝利を収めて次へ進ませてやりたいんだ!」

 

お互いに負けられない理由を叫び、最後の攻撃を仕掛けようとする

 

「ところでソーナ会長」

 

「何ですか?竜崎くん」

 

「その水の服――――――どことなくセラフォルー様の格好と似てる気がするんだが……意識して作った?」

 

「―――――っ!?」

 

ソーナは急に顔を真っ赤に染めた

 

新は適当な事を言ったんだが、どうやら図星らしい

 

「ななななな、いきなり何を言い出すんですか!?こんな肝心な時に不謹慎です!お姉さまは関係ありません!」

 

「ハハハハハ!スマンスマン。これは俺が悪かった」

 

ゴォォォォォォォッ!

 

気を取り直して新は再び剣に赤い魔力を込め、ソーナも水を集めて特大の水流を何本も作り上げる

 

「よしっ、負けても恨まないでくれよ?ソーナ会長ッ!」

 

「望むところですよッ!」

 

新が持つ赤く巨大な刀身の剣と、ソーナの放つ水流の群れがぶつかり合った

 

 

―――――――――

 

 

『ソーナ・シトリー様の投了(リザイン)を確認。リアス・グレモリー様の勝利です』


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