ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

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新の新技で荒れます!


動き回る闇皇、新技炸裂!

ゲーム開始時刻

 

なお、今回のゲームの制限時間は3時間となっているので悠長にする暇は無い

 

リアスが椅子から立ち上がり、気合いの入った表情で言う

 

「指示はさっきの作戦通りよ。イッセーと小猫、祐斗とゼノヴィアで二手に分かれるわ。イッセー達が店内からの進行。祐斗達は立体駐車場を経由しての進行。ギャスパーは複数のコウモリに変化しての店内の監視と報告。進行具合によって、私と朱乃とアーシアがイッセー側のルートを通って進むわ」

 

全員が耳に通信用のイヤホンマイクを付ける

 

4人が二手に分かれて進んでいった中、新の役割はと言うと――――――

 

「あの〜……俺だけ役割を与えられてないんすけど?」

 

「あなたは今回、単独の遊撃部隊よ。臨機応変に対応してちょうだい」

 

「単独?それは勝手にやれって言うのか?」

 

新の言葉にリアスは先程と一変して表情に陰りを見せる

 

「ええ、今の私じゃ……まだあなたを使いこなせないかもしれないの……ごめんなさい」

 

「いや……そんな気落ちしないでくれよ。それに、フェニックス戦でも単独行動しちまった訳だし」

 

新は頭を掻きながらリアスを慰め、リアスは頬を朱に染める

 

「ありがとう。もうあなた達に無様な姿を見せられないわ」

 

「それでこそ『(キング)』だ。んじゃ、行ってくるぜ!」

 

新は俊足で駆けていった………

 

単独行動はバウンティハンター時代からやっているが、今回はチーム戦での単独行動

 

新はいつも以上に気を引き締めて店内を徘徊する

 

「結構足音が響くな。空中を飛びながら移動した方が良さそうだ」

 

そう言って闇皇(やみおう)に変異し、黒いマントを翼に変えて浮遊し始める

 

羽音を立てない様に静かに飛び回る

 

「よぉし。この状態なら敵にも気づかれずに――――――」

 

『リアス・グレモリー様の「僧侶(ビショップ)」1名、リタイヤ』

 

なんと開始早々味方のリタイヤ通告が流れてきた

 

アーシアはリアスや朱乃と一緒にいるから違う

 

そう考えた結果、やられたのはギャスパーのようだ

 

「おいおい、早すぎるだろ。ちょっくら急ごうか」

 

天井近くを飛びながら徘徊していると、誰かと交戦している一誠と小猫の姿が視界に映る

 

新は急降下していき、地面の数十センチ手前で翼をマントに戻して降り立つ

 

「新手か!げっ!?よりにもよって竜崎かよ!」

 

一誠と戦っていたのは匙だった

 

しかも、匙の右腕には黒い蛇が何匹も巻きついており、以前の『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』と形が違っていた

 

「新!悪いけど、匙とはサシで決着をつけたいんだ!邪魔をしないでくれ!」

 

「分かった。こんな真剣勝負の場を邪魔する訳にはいかねぇな。思う存分やっちまえ!」

 

一誠の言葉を汲んでやる事にし、小猫と匙の後輩らしき女子との戦いに目を向ける

 

パンッ!

 

小気味の良い音が響き渡り、匙の後輩が膝を落とす

 

「……気をまとった拳であなたに打ち込みました。同時にあなたの体内に流れる気脈にもダメージを与えたため、もう魔力を練る事は出来ません。更に言うなら内部にもダメージは通ってます。……もう、あなたは動けません」

 

「外部と内部を同時に攻撃する技か……これが、小猫の本当の力」

 

新が感心する中、匙の後輩の体が消えてなくなる

 

致命的なダメージを負ったため、リタイヤ転送されたのだ

 

「よくやったな、小猫」

 

「……新先輩。私、頑張って冥界猫(ヘルキャット)になります!」

 

「おう、その意気だ。一誠も負けんなよ!じゃあここはもう大丈夫そうだな」

 

(きびす)を返して飛ぼうとする新に小猫が呼び掛ける

 

「……先輩。何処へ?」

 

「ここはお前らに任せる。俺は立体駐車場に向かうわ。頑張れよ!」

 

激励を送り、新はマントを翼に変えて飛び去っていった

 

 

―――――――――

 

 

「さて……ここでは鬼が出るか蛇が出るか?」

 

立体駐車場を羽音を立てずに飛行する新

 

すると3人の人影を見つけ、その先には隠れている祐斗と倒れているゼノヴィアの姿があった………

 

「ゼノヴィア……!?やられたのか……!」

 

仲間のやられた姿に新は兜の中で歯を食いしばる

 

感情を押し殺しつつ、新は敵側の駒を視認する

 

「あれは『女王(クイーン)』の真羅椿姫(しんらつばき)か。グラマーな体してるから覚えてるな。あとの2人は『戦車(ルーク)』の由良(ゆら)と、『騎士(ナイト)』の(めぐり)か」

 

新は低空飛行に切り替え接近していく

 

ジリジリと祐斗が隠れている物陰に近づくシトリー眷属はまだ新に気づいていない

 

「―――――ッ!後ろから何か来ます!」

 

しかし、寸前のところで『騎士(ナイト)』の巡が気づき、それに合わせて残りの2人が後ろを向いた

 

「チッ!バレたか!それでもお構い無し!」

 

シトリー眷属3人はすぐに散開するが、新はその内の1人―――――真羅椿姫に狙いを定め服を切り裂く

 

「竜崎新。まさか単独で行動していたのですか?」

 

「その通り。ほ〜、黒の下着か。なかなかそそるぜ」

 

椿姫の切り裂かれた胸元から黒いブラが見え隠れしている

 

彼女は訝しげな顔をするが、決して攻撃体勢を解こうとしなかった

 

長刀(なぎなた)を構えてその場に佇む

 

新は隠れている祐斗に現状の報告を促した

 

「ごめんよ新くん。まさかカウンター使いを2人も投入してくるとは思わなかった……。ソーナ会長は、まず僕達を完全に潰すつもりだよ」

 

「なるほど。聖魔剣(せいまけん)とデュランダルを持ってるお前らは確かに脅威だから、本命と読んで当然って訳か。その様子だと、ゼノヴィアは……」

 

新の問いに祐斗は無口になった

 

新はそれを肯定の意味で受け取る

 

おそらく、ゼノヴィアはもう戦える状態では無いだろう………

 

「分かった。そんじゃ、仲間の仇討ちをさせてもらおうか!」

 

新は『闇皇(やみおう)の鎧』から闇皇剣を取り出し、剣先をシトリー眷属3人に向ける

 

「由良、巡。彼は1番の強敵です。全力でいきますよ!」

 

「「はいっ!」」

 

3人は新を囲う様な陣形を取る

 

「さぁて……誰から裸にしてやろうか」

 

卑猥な発言に巡は1歩引き、椿姫は長刀を構えたまま微動だにしない

 

ダッ!

 

「はぁっ!」

 

ここで『戦車(ルーク)』の由良が先陣を切って突っ込み、新に拳を放つ

 

新は上体を反らして回避し、巡の日本刀を闇皇剣(やみおうけん)で止める

 

椿姫が長刀で斬りかかって来るのを見て巡を突き放し、長刀を剣で叩く様に左へ払う

 

「よっと!」

 

「まだまだ!」

 

新は勢いを利用して由良の足を狙うが、由良はジャンプして回避

 

そのまま新に蹴りをくらわせた―――――かに見えた

 

「残念賞!」

 

くらう寸前で由良の蹴り足を左手でキャッチし、巡に向かって投げつける

 

「後ろが空いてますよ?」

 

ガキィィンッ!

 

虚を突かれたせいか、新の剣が椿姫の長刀で飛ばされる

 

トドメと言わんばかりに長刀を振り下ろす椿姫だが、新は身を低くして椿姫の手を蹴る

 

その衝撃で椿姫の手から長刀が離れ、新はダッシュで剣を拾った

 

「そろそろやってやるか!」

 

闇皇剣(やみおうけん)の刀身に魔力を溜め、柄の蝙蝠の両目が赤い輝きを放つ

 

新はその剣で椿姫に斬りかかろうとした

 

「それを待ってました。『追憶の鏡(ミラー・アリス)』!」

 

そう言った椿姫の前に、巨大な鏡が出現する

 

新は何かヤバいと察知し、兜の口を開いて弱い威力の魔力弾を放つ

 

その魔力弾が鏡を割った瞬間、衝撃波が新を吹き飛ばした

 

「ぐあぁぁぁあっ!ヒュウッ、いって〜な……。何とか最小限のダメージに留めたが、そいつは厄介だな……カウンター系の神器(セイクリッド・ギア)か」

 

「あなたの言う通り、私の神器(セイクリッド・ギア)はカウンター系神器(セイクリッド・ギア)の『追憶の鏡(ミラー・アリス)』。鏡を割った攻撃を倍増させ、そのまま相手に跳ね返す神器(セイクリッド・ギア)。咄嗟に威力の低い攻撃に転じるとはお見事ですね」

 

「これは俺の推測だが、ゼノヴィアもさっきの鏡で仕留めたな?」

 

「はい。彼女の聖剣とデュランダルのパワーを利用させてもらいました。ゼノヴィアさんは今に転送されるでしょう。次はあなたの番です」

 

淡々と新の問いに答える椿姫は長刀を構える

 

巡と由良も並び、新に迫ろうとする

 

新は剣を杖代わりに突き立てて立ち上がった

 

「思った以上に強敵だな。だったら……修行で開発した新必殺技でもお披露目してやろうか」

 

新の発言にシトリー眷属3人は足を止めた

 

新は闇皇剣(やみおうけん)の刀身に魔力を込めていく

 

ただし、今度は赤い魔力ではなく黒い魔力を……

 

そして黒く染まった剣を地面に突き刺す

 

ズザザザザザザザザ!

 

剣を突き刺した瞬間、地面が漆黒の闇に塗り潰されていき、シトリー眷属3人に迫っていった

 

椿姫、由良、巡は散開しようとしたが……足元から闇に捕まってしまう

 

「なっ、何これ!?」

 

「闇が体にまとわりついていく……!?」

 

「くっ……!斬っても斬れない……!」

 

闇は次第に3人の体――――――頭部以外の部分を完全に覆っていき、彼女達の動きを封じた

 

「どうだ?これが俺の新しい技だ。その名も『暗黒捕食者(ダーク・グリード)』」

 

「これは……相手の動きを封じる技ですか?だとしたら、私達には何のダメージも与えられないのでは?」

 

椿姫の質問に新はクスクスと笑うだけ

 

動きを封じる技では無さそうだ

 

「少し違うな。今に分かるぜ」

 

新は突き刺した剣を引っこ抜き、刀身を上から手でゆっくりと擦る

 

手が柄の蝙蝠に触れた瞬間、シトリー眷属3人を捕らえていた闇が消えていった―――――彼女達を裸にして

 

椿姫のグラマーなボディ、くびれた腰に豊満な乳房(おっぱい)とピンク乳首

 

由良の引き締まった肢体、適度なサイズの乳房(おっぱい)とピンク乳首

 

巡の白く丸みを帯びた細身の体、由良と同じく適度なサイズの乳房(おっぱい)とピンク乳首が一斉に公開された

 

「えっ!?いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」

 

「わ、私達の服が!?」

 

「きゃあっ!い、いったい何が……?」

 

巡、由良、椿姫は恥ずかしさのあまり自分達の裸体を手で隠す

 

新は得意気に先程の技を説明に入った

 

「どうだ?この『暗黒捕食者(ダーク・グリード)』は剣から闇を発生させて対象物を捕らえ、"俺が脳内で考えたものだけ"を喰らい尽くす。俺が"相手の魔力を喰え"と考えれば魔力を喰らい、"腕を喰え"と考えれば腕を喰らう。つまり、今喰ったのはお前らの衣類全てだ。一誠の『洋服破壊(ドレス・ブレイク)』みたく派手じゃねぇが、遠く離れた相手も捕らえる事が出来る。俺はいつも女相手には接近して裸にしていたが、カウンター使いや接近戦に長けた女だと効かない可能性が生じる。だから遠近両用の技を開発した」

 

「迂闊でした……っ。まさかこの様な技を編み出していたなんて……」

 

「もう、エッチ!変態!性欲魔!ドスケベ!」

 

椿姫は想定外の事態に歯噛みし、巡は涙目で罵倒を飛ばすが……新はふんぞり返って一蹴する

 

「何とでも言え!勝負の世界は常に非情ナリ!」

 

物陰に隠れている祐斗は額に手を当てて『新くん、君は1度自分の力について考え直す必要があるよ……』と憐れみの目を新に向けたが、本人は改心する気全く無し

 

そんな祐斗をよそに、新は剣を鎧の中にしまって指を鳴らす

 

「このまま乳房(おっぱい)をモミクチャに揉みしだいて放置してやっても良いんだが、バトルフィールドがデパートとなると洋服店があるだろうな。替えの服なら腐る程ある……そこへ行かれる前にリタイヤさせておこうか。ゼノヴィアの仇討ちだからな」

 

「新くん。ギャスパーくんを忘れてるよ?」

 

「あぁ、ついでにやっといてやるか」

 

ギャスパーは"ついで"扱いにされていた

 

裸のシトリー眷属3人に1歩1歩近づいていく

 

3人はまともに戦える状態じゃないため動けない

 

「洋服店に行けば着替えられますが、目の前にいる彼を何とかしない限りは……」

 

「まずは――――1番厄介なあんたからだ。真羅椿姫副会長!」

 

新は『女王(クイーン)』の椿姫をリタイヤさせようと拳を振ろうとした――――――その時

 

「副会長!逃げてください!」

 

「ひでぶっ!?」

 

由良が意を決して飛び込み、新を押し倒してマウントポジションを取る

 

由良はその体勢のまま、新の左腕を体で押さえつけた

 

「巡!竜崎新の右腕を押さえて!」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ由良!こんな格好じゃ恥ずかしくて戦えない!」

 

「今はそんな事を言ってる場合じゃない!早く!」

 

「なんかデジャヴだぞこれ!?クソッ!」

 

新は空いた右手で由良に掌底(しょうてい)を打ち込もうとしたが、覚悟を決めて飛び掛かった巡に阻まれる

 

「副会長!急いで着替えてください!この場は私達が食い止めますから!」

 

「……ですが、それではあなた達が!」

 

「構いません!私達は囮になります!だから急いで!」

 

椿姫は由良の言葉に苦しい表情をしながらも戦線を離脱

 

シトリー眷属の『女王(クイーン)』は店内へ走り去っていった

 

「巡、もっと強く押さえつけるんだ!力が強い……!」

 

「ぐすんっ……もう何にでもなって!」

 

裸の美少女2人にしがみつかれる

 

男にとっては夢の様なひとときである

 

だが、今回ばかり新は心を鬼にした

 

「今回は時間がねぇんだよ。それに言った筈だ――――――勝負の世界は常に非情だと」

 

ドゴッ!

 

新は唯一封じられてない足で巡の背中を蹴る

 

蹴られた巡が離れ、空いた右手で由良にもう一度掌底(しょうてい)を放つ

 

由良は上体を起こして掌底(しょうてい)を回避するが、逆にその動作が新の狙いだった

 

モニュッ……ムニュムニュ……

 

「あっ、ぁんっ……」

 

胸を揉まれて感じた由良は、新の左腕を押さえていた手を離して自身の胸を押さえる

 

「ヘッドバット!」

 

ゴキンッ!

 

新はその隙を突いて上体を起こし、由良にヘッドバットをくらわせる

 

強固な兜での頭突きは由良に致命傷を与え、彼女の体が光となって消えていく

 

「由良!」

 

「お次はそっちだ!」

 

新は間髪入れずに巡の乳房(おっぱい)を揉もうとした

 

巡はそれに怯んで目を瞑ってしまう―――――が、新はフェイントを掛けていた

 

「脳天チョップ!」

 

「ふぎゃっ!」

 

巡の脳天を手刀で打ち、彼女もリタイヤさせた

 

「ヒュウッ。ちょっと手こずっちまったか?」

 

「まだ余裕がありそうに見えるんだけど」

 

「注意すべきはあの鏡だけだったな。あとは普通の能力でも俺なら充分に勝てる」

 

「新くん、僕は君の強さが羨ましいよ……」

 

「そんじゃまぁ、ここは片付いたから店内に戻るわ」

 

「君だけ唯一単独行動なんだよね?油断しないように頼むよ」

 

「ご忠告あんがと」

 

バサッ!

 

新は再三、マントを翼に変えて店内に戻っていく

 

リタイヤした数は互いに2名ずつ

 

どちらが先に『(キング)』を取るのか……


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