ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

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リアス・グレモリーVSソーナ・シトリー

シトリー眷属とのゲーム決戦前夜

 

新達は『禍の団(カオス・ブリゲード)』や闇人(やみびと)に襲来された失態についての会議を終えたアザゼルの部屋に集まり、最後のミーティングをしていた

 

美猴(びこう)黒歌(くろか)の襲来はリアス眷属とタンニーンで追い払った事で一応の決着は着いた

 

アザゼルは新の覚醒した力について訊いてくる

 

「新。またあのデタラメな力が覚醒したのか?」

 

「ん?あぁ、『戦車(ルーク)』の能力に特化した―――――攻めにも守りにも使える形態だ。盾は一応半飛び道具にもなるぜ?」

 

「俺は制限時間があるのに新は無制限とか……ぐすっ、なんでこいつはヒトが行く先の先まで行ってるんだよ!?」

 

一誠は突っ伏しながら床を叩く

 

「しかも、あと2つ力が眠っているのよね?覚醒の条件っていったい何なのかしら?」

 

「残念ながら、それはまだ分からねぇんだよな〜。自分でも」

 

「まぁ何にしろだ。これでグレモリー眷属の戦力はアップしたに違いない。話を変えるぞ?リアス、ソーナ・シトリーはグレモリー眷属の事をある程度知っているんだろう?」

 

アザゼルの問いにリアスは頷く

 

「ええ、大まかなところは把握されているわね。例えば、新やイッセー、祐斗、朱乃、アーシア、ゼノヴィアの主力武器は認識しているわ。フェニックス家との一戦を録画した映像は一部に公開されているもの。更に言うならギャスパーの神器(セイクリッド・ギア)も小猫の素性も割れているわ」

 

「ま、ほぼ知られているわけか。で、お前の方はどれぐらいあちらを把握してる?」

 

「ソーナの事、副会長でもある『女王(クイーン)』の事、他数名の能力は知っているわ。一部判明していない能力の者もいるけれど」

 

「不利な面もあると。まあ、その辺はゲームでも実際の戦闘でもよくある事だ。戦闘中に神器(セイクリッド・ギア)が進化、変化する例もある。細心の注意を払えばいい。相手の数は8名か」

 

「ええ、『(キング)』1、『女王(クイーン)』1、『戦車(ルーク)』1、『騎士(ナイト)』1、『僧侶(ビショップ)』2、『兵士(ポーン)』2で8名。まだ全部の駒は揃っていないみたいだけれど、数ではこちらが少し有利ね」

 

次にアザゼルは事前に用意したホワイトボードに何かを書いていく

 

「レーティングゲームはプレイヤーに細かなタイプをつけて分けている。パワー、テクニック、ウィザード、サポート。この中でならリアスはウィザードタイプ。いわゆる魔力全般に秀でたタイプだ。朱乃も同様。木場はテクニックタイプ。スピードや技で戦う者。ゼノヴィアはスピードに方面に秀でたパワータイプ。一撃必殺を狙うプレイヤーだ。アーシアとギャスパーはサポートタイプ。更に細かく分けるならアーシアはウィザード、ギャスパーはテクニックに近い。小猫は言わずもがな、パワータイプだ。イッセーもパワータイプだが、サポートの方にもいけるぞ。ギフトの力でな」

 

一誠はたくさん覚える事が出てきたので困惑するが、いくつかのタイプがある事は理解出来た

 

残ったのは新1人、彼のタイプは――――

 

「新。お前はサポート以外なら全タイプを兼用出来る万能型だ」

 

「はぁ〜ん、万能型ね。」

 

その他、パワータイプはカウンターに1番気をつけないといけない

 

悪くすればカウンター1発で形勢が逆転されるなど、何事も相性があると説明を受ける面々

 

しかし、新はふとある事を言い出す

 

「アザゼル。ソーナ会長の眷属にカウンター使いがいるとしたら、俺や一誠にぶつけてくるかもしれないってのか?」

 

「そうだ。お前らの絶大なパワーじゃ、カウンター食らったら1発でアウトだ」

 

「けどよ、相手が女なら可能性は低いぜ?ほら、俺達2人は女を平気で裸にするし」

 

新の言葉に全員が苦い表情となった

 

特に小猫は「……女性の敵ですから、絶対に戦いたくないと思われます」と鋭く痛い一言を添えてきた

 

最後のまとめを終え、全員がシトリー眷属との試合に備えた

 

 

――――――決戦日

 

 

魔方陣でジャンプして到着したのはレストランとも思える場所

 

そこは新も見覚えがある場所だった

 

『皆様、この度はグレモリー家、シトリー家の「レーティングゲーム」の審判(アービター)役を担う事となりました、ルシファー眷属『女王(クイーン)』のグレイフィアでございます。我が主サーゼクス・ルシファーの名のもと、ご両家の戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願い致します。早速ですが、今回のバトルフィールドはリアス様とソーナ様の通われる学舎(まなびや)「駒王学園」の近隣に存在するデパートをゲームのフィールドとして異空間にご用意致しました』

 

ゲームの会場は駒王学園近くのデパートだった

 

両陣営の本陣はリアス側が2階の東側、ソーナ側が一1階の西側となっており、新と一誠が『プロモーション』する際は1階まで行かなければならない

 

更に特別ルールとして、回復品である『フェニックスの涙』が両陣営に1つずつ支給されている、ゲーム開始前に30分の作戦タイムがある、バトルフィールドとなるデパートを破壊し尽くさないなど、ルール制限も付け加えられた

 

派手な戦闘を行えないのは、リアス側にとって結構な痛手になる

 

ゼノヴィアのデュランダル、一誠のブーステッド・ギアで高めたドラゴンショット、朱乃の雷と言った高火力の技や武器を持つ者が多い

 

更にギャスパーの神器(セイクリッド・ギア)も暴走でゲームが台無しになってしまうのを防ぐため使用禁止

 

パワータイプや強力な神器(セイクリッド・ギア)を持っているリアス陣営は圧倒的不利な現状に陥った

 

レーティングゲームはパワーが大きければ良いと言うものではない

 

バトルフィールドやルールによって有利にも不利にも働く

 

「今回は私達にとって不利なルールかもしれないわ。けれど、これをこなせなければこれからのゲームに勝ち残る事なんて出来ない。『「兵士(ポーン)」でも「(キング)」を取れる』――――これはチェスの基本ルールでもあり、レーティングゲームの格言よ。つまり、『やり方次第では誰でも勝てる可能性がある』と言う事を示唆しているわ」

 

「そうですわね。実際の戦場でも、このような屋内戦が今後あるかもしれません。そうなった場合、今日この日の様に力が完全に発揮出来ない事もあるでしょうし。良い機会かもしれませんわね。チームバトルの屋内戦に慣れておくのに今回の戦闘は最適ですわ」

 

リアスと朱乃の話し合いを聞いて、新と一誠はなるべくド派手な戦闘をしないように心掛ける

 

そして作戦タイムが始まって15分後、ゲーム開始5分前に集合するようリアスから言われ、一旦解散して各自待機する事になった

 

新は堅苦しい事があまり好かないので気疲れしてしまい、家具等が置いてある店のマッサージチェアで寛ぐ

 

「やれやれ。今回は厳しい戦いになりそうだな……一誠の神器(セイクリッド・ギア)も強力だが、俺も新しい力が覚醒したから無闇に使えねぇな。ま、セーブして健闘していこうかね」

 

「新さん。随分と余裕ですわね」

 

朱乃が笑顔で新に抱きついてきた

 

「お、朱乃か。そう言う朱乃だって余裕そうじゃねぇか」

 

「……戦う勇気はありますわ。……私に流れるもうひとつの力を今回使うかもしれないから、それが怖いの。嫌なのよ。だから、新さん………ううん、新。私に勇気をください……。あなたから勇気を貰いたい……」

 

突然の変化に新は朱乃を抱きしめる

 

自分の中に流れる堕天使の力を使う決心をつけたのか

 

しかし、彼女の目は切なさを醸し出している

 

「朱乃。勇気はついたか?」

 

「まだ……キスして……」

 

新は朱乃に勇気を与えるべく、彼女の不安を取り除くように唇を合わせる

 

軽いキスからディープキスに移行し、卑しい水音が静かに響く

 

「朱乃……ちゅ、ちゅむ……れろ……ぢゅるっ」

 

「あふ……んん、ちゅむ……はむっ、ちゅぱぁ……ちゅぷ……ぷはぁ……」

 

新は朱乃をマッサージチェアに座らせる様に場所を入れ替え、背もたれごと朱乃を倒す

 

「新……ここで、スるの……?」

 

「ここで朱乃の処女を貰う訳にはいかねぇよ。朱乃とは……誰にも邪魔されない場所でシたいんだ。俺が初めて惚れた女だからな……だから、今はこれで勘弁してくれ」

 

新は朱乃の制服のボタンをゆっくり外していく

 

開くと色っぽい下着が眼前に現れ、朱乃も艶やかな表情を見せる

 

彼女のブラを掴みズラし上げる

 

ピンク色の乳首と白い(つや)を備えた乳房(おっぱい)を新は優しく撫でる

 

「んっ、あ……ぁんっ。新ァ……もっと、もっと私に……勇気をください……」

 

「あぁ、いくらでも持っていけ。そして乗り越えてくれ」

 

新は強弱をつけながら朱乃の胸を揉んでいき、再びキスをする

 

お互いに息継ぎをする事さえ忘れ、舌を絡め合う

 

すると、朱乃は新の首に両手を回して露出した乳房(おっぱい)に寄せる

 

「新……勇気をありがとう。大好き……」

 

「礼には及ばねぇよ。その代わり、いつかお前の処女を……誰にも邪魔されない場所で―――――」

 

「……新先輩、そろそろ集合です」

 

「「――――っ!?」」

 

ソファーの陰から小猫がヒョコッと現れ2人は大慌て

 

新は飛び起きた勢いで後頭部から落下してしまった

 

「いってー!小猫!ビックリするじゃねぇか!」

 

「……試合前に盛らないでください。エッチ先輩」

 

「あらあら、小猫ちゃんに見られちゃいましたわ。新さん、ありがとう。もう大丈夫ですわ」

 

いつもの調子に戻った朱乃は笑顔で集合場所へ歩みを進める

 

新は痛めた後頭部を擦りながら起き、集合場所へ行こうとしたが……今度は小猫が新の手を握る

 

「……私にも勇気をください」

 

よく見ると、小猫の手が震えている

 

小猫も内に封じていた力を使おうとしているが、猫又の力に呑み込まれそうな恐怖を感じている

 

新は何も言わずに手を握り返す

 

「……猫又の力を使ってみようと思います」

 

「猫又の力……まだ怖いか」

 

「はい……姉さまのようになるのは嫌です。けど、このままでは皆さんのお役に立てないかもしれません。だから使おうと思います」

 

決意の眼差し

 

小猫の目を見た新は、残った手で頭を優しく撫でる

 

「小猫。今からお前に二つ名を付けてやる。いつか必ず猫又の力を使いこなせる様な二つ名だ」

 

「……何です?」

 

「よく聞け。お前の二つ名は―――――ヘルキャットだ。冥界猫と書いてヘルキャット。赤龍帝(せきりゅうてい)闇皇(やみおう)の蝙蝠、紅髪(べにがみ)滅殺姫(ルイン・プリンセス)雷光(らいこう)の巫女に続くイカした二つ名だ!」

 

「……ヘルキャット」

 

新は1度小猫の手を離し、自身の胸に拳を当てて宣言する

 

「俺も小猫を見習って宣言してやる!もし、猫又の力で暴走しそうになっても俺が止めてやる!俺の闇皇(やみおう)の力も仲間のために使いたい!それに、黒歌(くろか)が来ても俺が必ず助ける。任せろ。何度やって来ようが小猫には指1本触れさせねぇ。だからもう怖がる必要は無い。何度でもお前を助けてやるよ!」

 

「……でも先輩、姉さまにキスされてました」

 

ギクゥッ!

 

新は痛いところを突かれて固まった

 

「い、いや……あれは何と言うか不意打ちされたと言うか油断はしてなかったんだが―――――ヒィッ!」

 

新は妙な寒気を感じたので後ろを見てみると、黒いオーラを出しながら笑顔を作っている朱乃がいた……

 

「新さん……?敵さんとそんな事をしていたのですか?ゼノヴィアちゃんや小猫ちゃんならまだ許せますが……小猫ちゃんのお姉さんと……?うふふふふ、綺麗な女性となら誰にでもキスしちゃうんですかぁ……?」

 

(こえ)ぇぇぇぇ!メッチャ(こえ)ぇぇぇぇ!」

 

朱乃の迫力にビビる新

 

そんな新に朱乃はゆっくりと近づいていく

 

「そんな事しちゃう新さんには……オ・シ・オ・キ。んちゅぅぅぅぅ」

 

朱乃が新を抱き寄せてキスをする

 

ただ1つ違うのは、魔力込みのディープキスだった事……

 

新は激しい吸引力にジタバタするも、小猫にガッチリ拘束されているため逃げられず

 

結果、魂まで吸い取られたかの様に(やつ)れた状態で集合場所へ移動する羽目になった………


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