明るい場所を出て、闇夜の森を歩く小猫と新
小猫はギュッと新の手を握って森の中を進んでいく
数分歩くと、小猫が突然何かに気づいてキョロキョロと首を動かす
「久しぶりじゃない?」
聞き覚えの無い声がした方向に視線をやる
現れたのは黒い着物に身を包み、頭部に猫耳を生やした女性だった
小猫は酷く驚いた様子で全身を震わせ、新は一目で"小猫の姉だな"と悟った
「あんたが小猫の姉とやらか」
「あら?名乗った覚えは無いのによく知ってるわね。そうよ。ハロー、
流れから察して、
「
「
新は小猫を自分の背中に隠れさせ、警戒態勢を取る
「会場に紛れ込ませたこの黒猫1匹でここまで来てくれるなんて、お姉ちゃん感動しちゃうにゃー」
「……姉さま。これはどういう事ですか?」
「怖い顔しないで。ちょっと野暮用なの。悪魔さん達がここで大きな催ししているって言うじゃない?だからぁ、ちょっと気になっちゃって。にゃん♪」
黒歌は手を猫みたいにして可愛くウインクをする
「ハハハハ!久しぶりだねぃ、
今度は聞き覚えのある声が何処からか発せられる
その正体はヴァーリの仲間で孫悟空の末裔―――――
「あん時の孫悟空じゃねぇか。魔王主催のパーティを狙ったテロか?」
「いんや、そう言うのは俺っちらに降りてきてないねぃ。ただ、冥界で待機命令が出ていてねぃ。俺も黒歌も非番なのさ。そしたら、黒歌が悪魔のパーティ会場を見学してくるって言い出してねぃ。なかなか帰ってこないから、こうして迎えに来たわけ。OK?それと――――――」
話し終えた美猴が突然、木の方に視線を向けて言い始めた
「気配を消しても無駄無駄。俺っちや黒歌みたいに仙術知ってると、気の流れの少しの変化だけでだいたい分かるんだよねぃ」
「だとよ。出てこいよ、一誠、リアス部長」
美猴と新に言われ、一誠とリアスが木陰から姿を現した
2人を確認した小猫は驚く
「……イッセー先輩、部長」
「美猴、誰、この子達?」
「
それを聞いた黒歌は目を丸くして、興味津々に見る
「本当にゃん?へぇ〜。これがヴァーリを
「黒歌〜、帰ろうや。どうせ俺っちらはあのパーティに参加出来ないんだし、無駄さね」
「そうね。帰ろうかしら。ただ、白音はいただくにゃん。あの時は連れていってあげられなかったからね♪」
黒歌が小猫を見て目を細める
小猫はそれを見てビクつかせていた
新は小猫を庇うように拳を黒歌に向ける
「待ちな。小猫は俺達リアス・グレモリー眷属の仲間だ。小猫の姉だからって連れて行かせる訳にはいかねぇな」
「いやいや、勇ましいと思うけどねぃ。流石に俺っちと黒歌相手に出来んでしょ?今回はその娘もらえればソッコーで立ち去るんで、それで良しとしようやな?」
一誠とリアスは憤怒の表情で前に出る
「ふざけんなよ!そんな事、誰がするか!」
「この子は私の眷属よ。指一本でも触れさせないわ」
「あらあらあらあら、何を言っているのかにゃ?それは私の妹。私には可愛がる権利があるわ。上級悪魔さまにはあげないわよ」
場の空気が一変して、リアスと黒歌がお互いに睨み合う
一触即発の空気を帯びてきたが、先に睨みを止めた黒歌が言う
「めんどいから殺すにゃん♪」
その瞬間、言い表せない感覚が襲ってきた
リアスが苦虫を噛んだ表情で黒歌に言う
「……黒歌、あなた、仙術、妖術、魔力だけじゃなく、空間を操る術まで覚えたのね?」
「時間を操る術までは覚えられないけどねん。空間はそこそこ覚えたわ。結界術の要領があれば割かし楽だったり。この森一帯の空間を結界で覆って外界から遮断したにゃん。だから、ここでド派手な事をしても外には漏れないし、外から悪魔が入ってくる事もない。あなた達は私達にここでころころ殺されてグッバイにゃ♪」
「ハッ。残念だが、俺はそう簡単には死なねぇよ。逆に、あんたを裸にして乳首を拝ませてもらうぜ」
「……先輩。こんな時にまでエッチな事を言わないでください」
新は久々に小猫に突っ込まれたが、気にせず聞き流す
「いや〜ん♪エッチな蝙蝠さんにゃ。でも、面白いにゃん。敵でも脱がして骨抜きにするって噂は本当だったみたいだにゃん♪」
黒歌は胸を押さえながら体を揺らすが、表情は余裕を浮かべている
結界で閉じ込められたので戦う以外の選択肢は存在しない
やるしかなかった……
「リアス嬢と兵藤一誠がこの森に行ったと報告を受けて急いで来てみれば、結界で封じられるとはな……」
「タンニーンのおっさん!」
見上げるとタンニーンがいた
どうやら結界が完全に張られる寸前に入り込んだようだ
「ドス黒いオーラだ。このパーティには相応しくない来客だな」
美猴が空のドラゴンを見て歓喜する
「おうおうおう!ありゃ、元龍王の『
「嬉しそうね、お猿さん。良いわ。龍王クラス以上の首2つと
龍王の首2つ=タンニーンと一誠
敵はしっかりとリサーチ&カウントしていた
美猴は足元に金色の雲―――――
更に
タンニーンは巨体に似つかわしくない速度で回避し、大質量の火炎を美猴に浴びせた
『タンニーンめ、ブレスの威力を抑えているな』
「マジかよドライグ!あの威力で抑えてるのか!?」
籠手に宿るドライグの言葉に驚く一誠だが、美猴は炎をくらってもまだ生きていた
「アハハ!やるねぃ!元龍王!」
「ふん!何者かと思えば孫悟空か!このタンニーンの一撃を受けきるとは、なんとも楽しませてくれるわ!」
「美猴ってんだ!よろしくな、ドラゴンの大将!」
「クククク。猿ごときが言ってくれる。豚と
「
「フン!
「聞きたきゃ俺っちに勝ってみなよ!」
「言うか猿めッ!ここは『あの世』と呼ばれし地獄こと冥界だ!貴様ら雑魚が後悔するには最高の場所だと知れッ!」
タンニーンと美猴が轟音を上げながら、空中で激闘を繰り広げ始めた
とりあえず孫悟空の邪魔はなくなったが……問題は黒歌だった
妖艶な笑みを見せているが、全身からドス黒いオーラを滲み出している
新は小猫を後ろにいるリアスの所へ下がらせる
「にゃん♪白音は随分とあなたの言う事に素直みたいだけど?あなた、白音の彼氏か何かにゃ?」
「違う。俺は小猫の仲間だ。小猫をお前に渡す訳にはいかねぇんだよ。お前は過去に、苦しんでいた小猫を助けようとしなかった。何故だ?あんたは小猫の姉なんだろ」
「だって、妖怪が他の妖怪を助ける訳ないじゃない。ただ、今回は手駒が欲しいから白音が欲しくなっただけ。あなたやそこの紅い髪のお姉さんより、私の方が白音の力を理解してあげられるわよ?」
姉の黒歌の言葉に小猫は首を横に振る
「……イヤ……あんな力いらない……黒い力なんていらない……人を不幸にする力なんていらない……」
震えて涙を流す小猫を、リアスは一層強く抱きしめる
「黒歌……。力に溺れたあなたはこの子に一生消えない心の傷を残したわ。あなたが主を殺して去った後、この子は地獄を見た。私が出会った時、この子に感情なんてものは無かったわ。小猫にとって唯一の肉親であったあなたに裏切られ、頼る先を無くし、他の悪魔に蔑まれ、罵られ、処分までされかけて……。この子はツラいものをたくさん見てきたわ。だから、私はたくさん楽しいものを見せてあげるの!この子はリアス・グレモリー眷属の『
リアスの言葉を聞いた小猫は涙を抑えされなかった
一誠も大泣きし、新はグッドサインを向けた
「……行きたくない……。私は塔城小猫。黒歌姉さま、あなたと一緒に行きたくない!私はリアス部長と一緒に生きる!生きるの!」
今までに無かった叫びで、小猫は絶縁とも言える宣言を黒歌に放った
それを聞いた黒歌は苦笑した後、冷笑を浮かべる
「じゃあ、死ね」
「――――ッ!マズイッ!」
黒歌から発生した霧をヤバいと感じた新は
「――――あっ」
「……これは」
一誠の隣にいたリアスと小猫がその場で膝をつき、一誠は何が起こったのか全く分からなかった
「ふーん、
「ど、毒霧!?」
「チッ。なんてエグい殺り方をしやがる!」
ドンッ!
後ろにいたリアスが魔力の弾を撃ち、黒歌を霧散させた……が、手応えを感じなかった
「良い一撃ね。でも無駄無駄。幻術の要領で自分の分身ぐらい簡単に作れるわ」
霧の中に次々と黒歌の分身が生まれる
新は
「チッ。こうなりゃ全部斬ってやるまでだ!一誠!お前も手伝え!ブーステッド・ギアを起動させろ!」
「分かった!ブーステッド・ギア!」
一誠の左腕に赤い籠手が出現するが、いつも鳴る筈の音声が聞こえず、宝玉も薄黒くなっていた
「そんな!ブーステッド・ギアが動かねぇ!?」
「ったく、何やってやがんだドライグは!こっちもオーバーワークで寝てんのかよ!?」
「あらら、
黒歌の幻影の1つが、毒で苦しんでいるリアスと小猫目掛けて魔力を撃ち放つ
新は赤く光る刀身を持った剣で斬り払う
「切り裂けェェェェェェェェェェェッ!」
赤い魔力が更に巨大な刀身を作り、新はその剣で黒歌の分身全てを切断する
「へぇ。分身を作っても無駄みたいね。なら、これはどうかにゃん?」
黒歌は
新はマントでガードをするが、絶え間なく降り注ぐ魔力のせいで攻撃に転じる事が出来ない
「小猫。さっきお前言ったよな?人を不幸にする力なんていらないって。そいつは間違ってるぜ。力が人を不幸にするんじゃねぇ!力の使い方を間違えた奴が人を不幸にするんだ!」
新は攻撃を受けながら小猫に言い聞かせる
「小猫!勇気を振り絞ってよく言った!お前の道はお前で決めるものなんだ!後は自分の力を使いこなせ!そして、俺達や他の皆に幸せを与えてやれ!お前は塔城小猫!俺達の立派な仲間だァァァァァァァァッ!」
ゴォォォォオオオオオッ!
新の叫びに応えるかの様に莫大な量の魔力が柱となって噴き出し、黒歌の魔力を打ち消した
「にゃんっ!?何なの!?この巨大な魔力は!?」
黒歌は突然の出来事と、吹き荒れる魔力に驚愕する
一誠とリアスは前に見た事があった……
これは―――――新の力が覚醒する兆しである
「新が、また進化する……!?」
「キタぜキタぜ!2つ目の力が覚醒してきやがったァァァァァァァァッ!」
両目を赤く光らせる
新は剣を天に
「『
盾が新の左腕に装備されると、マントが離脱して幾つもの破片に分離
破片は堅牢そうな鎧と化して右腕と胸部、両足の
更には足にキャタピラが具現化され、戦車の様な風格を現す
「待たせたな!こいつが『
新は左腕に装着した武具『
ギュゴォォォォオオオオオオオオ……!
凄まじい吸引音と同時に一誠達の周りを包んでいた毒霧が蝙蝠の口へ吸い込まれていく
黒の魔力は吸収と反発を
「……っ!?嘘でしょ!毒霧を吸い込んでる!?」
「ただ吸い込むだけじゃねぇ。吸収した力を自分の魔力に変換させる。これでもう毒霧みたいなものは通用しねぇ。黒歌!仲間の小猫を泣かした罪は体で償ってもらうぜ!」
「……アハハハハ!面白いじゃないの!なら、妖術仙術ミックスの1発お見舞いしようかしら!」
黒歌の両手にそれぞれ違う力が集中され、そのまま2種類の波動を撃ち出した
新は盾の蝙蝠の口を閉じ、今度は両目を赤く光らせる
ドドンッ!
2つの波動をくらってしまうが、新は全くダメージを受けておらず、ただ土埃が付いただけだった
「効かない!?かなりの妖力を練り込んだのよ!」
「それで終わりか?今度はこっちの番だ!」
魔力が盾から右腕に流れ込み、新の拳が赤いオーラに包まれていく
新はキャタピラを起動させ、黒歌との距離を詰めていく
『
「調子に乗らないでよッ!」
黒歌が先程の魔力を幾重にも撃ち出してくるが、新は盾を構えず鎧で弾きながら突き進み――――――
「オォォォォォラァァァァァアアアアアアアッ!」
ブゥゥゥゥンッ!ビュオオオオッ!
ビリビリビリッ!
新は吸収し変換させた魔力+自分の魔力を帯びた右拳を黒歌の胸元に突きだし、寸前で静止させた
止めた余波と膨大な魔力のせいで黒歌の着物が消し飛び、白く綺麗な裸体が現れる
この結果に勿論、一誠は狂喜乱舞した……
「ウッヒョホオォォォォォォォォォォォォォォッ!おっぱいゲットだぜぇえええええええええええええええっ!」
「――――ッ。いやんっ、これはヤバヤバにゃん」
黒歌は危険を察知して飛び退こうとする
新が左腕の盾を右手で掴んで引っ張ると、チェーンが繋がれた状態で左腕から分離した
「この盾は攻防一体の武器だ!逃げられやしねぇぞ!」
ビュゥゥゥンッ!
ブーメランのような中距離武器にもなった盾は回転しながら飛び、黒歌の肉体を捕らえる
「えっ?きゃっ!」
両手を封じられた状態で黒歌は引き寄せられ、新の眼前まで連れ戻された
ムニュッ
新は黒歌の豊満な
「あっ……いやんっ。ちょっと強くないかにゃ……?」
「今の俺にあんたは勝てねぇよ。このまま引き下がれ。次は拳を叩き込むぜ?それとも
「ひにゃんっ……分かったわ。だから、
黒歌は潤んだ瞳で懇願してきた
新はチェーンを
「かかったにゃん♪」
「――――っ?うおっ!」
黒歌は一瞬の隙を突いて背後に回り、新の左腕に関節技をかける
黒歌の仕掛けた罠に引っ掛かってしまった
「新!」
「先輩!」
「フフッ。ごめんね?ちょっとズルしちゃったにゃん♪」
「なぁに、戦いに策は付き物だ。それに――――――フンッ!」
ゴキッ!
なんと新は自ら
黒歌に拳を突き出したが、飛んでかわされる
「……恐ろしい子ね。まさか自分から関節を外すなんて……」
「相手の技から抜け出すには、これぐらいの事をしねぇとな。それに―――――――」
ゴキゴキンッ!クキッ……
新は外した関節を元に戻し、グルグルと肩を回す
「関節なんざ、後でハメ直せば良いんだよ」
黒歌は新の強さと思考に戦慄を覚えてしまい、1歩引き下がる
すると、後ろで待機している一誠は未だに狂喜乱舞の最中だった……
「よっしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!ぷるんぷるんの巨乳おっぱいでぇっ、元気100倍だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
『
籠手から音声が響き渡り、一誠の全身を赤いオーラが覆っていく
なんと一誠の不調は黒歌のおっぱいを見ただけで解消されてしまった……
赤い
「
『相棒、酷い。俺はそろそろ本格的に泣くぞ』
一誠の変態ぶりにドライグも涙声でそんな事を言うしか無かった
新は呆れと怒りに身を震わせながら拳を握り、盾で吸収した力を右拳に流し込む
「一誠、歯ぁ食いしばれ♪――――このクソドラゴンがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「ぶげあぁぁぁぁぁっ!?」
コークスクリュー状に放たれた新の拳が一誠の顔面に炸裂
一誠は木々をへし折りながら吹っ飛ばされた
「いってー!何すんだ新!ようやく
「じゃぁかしいボケェッ!今までのイジメを全部無駄にしてんじゃねぇか!真剣な空気をぶち壊してんじゃねぇ!」
新と一誠の口論に黒歌は唖然とする
2人が言い争っていると、空間に裂け目が生じる
その裂け目から背広を着たメガネの若い男が現れる
彼の手には極大なまでに強い聖なるオーラを放つ剣が握られている
「全員そいつに近づくな!手に持っている物が厄介だぞ!」
タンニーンが叫ぶ
「聖王剣コールブランド。またの名をカリバーン。地上最強の聖剣と呼ばれるコールブランドが
メガネの若い男が握っているのは地上最強の聖剣らしい
しかも、腰にも一振りの剣が存在している
「そこまでです、
「このエッチな蝙蝠さんに脱がされちゃったにゃん♪」
黒歌は妖艶な笑みを浮かべながら新の腕にしがみつく
「二刀か、鞘に収めている方も聖剣だな?」
タンニーンの問いに男は腰の帯剣を指差した
「こっちは最近発見された最後のエクスカリバーにして、8本中最強のエクスカリバー。『
なんと腰の剣は行方不明になっていた最後のエクスカリバーだった
これで事実上、新達は全てのエクスカリバーを目撃した事になる
「そんなに話して平気なの?」
「ええ、実は私もそちらのお仲間さんに大変興味がありましてね。
「ちょっと待ってにゃん」
男性がコールブランドと言う剣で空を斬ろうとしたが、
男と
黒歌の視線が新に向けられる
「……っ?な、何だよ?」
「ねぇ蝙蝠さん。私達のところに来る気はない?お姉さんが歓迎してあげるにゃん♪」
「敵である俺を勧誘するたぁ大した度胸だな。残念だが、俺はテロリストさんのお仲間になる気は――――――」
「私とエッチ出来るって言ったら?」
ザッ!ザッ!
新は一瞬、1歩足を黒歌の方に寄せたが、我に返って足を引っ込めた
「……なんて恐ろしい洗脳話術をしやがる……!」
「新!今あなたそっちに行こうとしたわね!?」
「チガイマス。イマノハクロカノセンノウワジュツニマドワサレタンデス」
「片言で誤魔化さないで!イッセーにも困ったけど、あなたって本当に節操無しね!」
リアスはプンスカご立腹、小猫は痛い程のジト目で新を睨んでいた
「ふふっ。じゃあ、最後にお顔を見せてくれないかにゃ?」
黒歌はコンコンと新の頭部を覆っている兜を小突く
何故だ?と思いながらも、新が兜のみを解除した刹那――――――
チュッ………
黒歌の唇が新の唇と重なった
そう、キスである
「「「「――――っ!?」」」」
「んちゅ……ちゅっ、ちゅぱぁ……れろぉ……ちゅるっ、ンフフ。たくさんの女の子を食べてきた大人の味にゃん♪」
しかも、舌を絡ませるディープキス
新は隙を突かれた事に動揺して口元を押さえた
「ぬがぁぁぁぁぁぁあああああああああっ!なんでお前ばっかりがぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああっ!」
一誠大絶叫、リアスは呆然とし、小猫に至っては物凄い殺気が漂っていた
「じゃあね。次に会った時はもっとエッチな事をしてあげるにゃん♪」
黒歌が
「ちょ、ちょっと待てやゴラァ!爆弾投下どころか、核兵器落としといて後始末を人に押しつける気か!?」
「じゃあ今すぐ来てにゃん。と言っても、あなた逃げられないかもね。また会えるのを楽しみにしてるにゃん♪」
黒歌はウインクをして
結界も消滅して一件落着に思えたが……まだ終わっていない
「新?女性だからって敵とキスするなんて無神経過ぎるんじゃないかしら?」
「……節操無しのドエッチ蝙蝠先輩」
「ち、
「リアス嬢、今はそれどころじゃないぞ。会場から嫌な気配が漂っている……まさかとは思うが、
タンニーンが険しい顔をして言った
魔王主催のパーティ会場に
それだけでも大問題だった
更にその場で襲撃を受ければ悪魔側にとっては大打撃となる
「急いで戻るぞ!とてつもなく嫌な予感がする!」
タンニーンの言葉に全員が同意し、パーティ会場に戻る事にした
その際、新はリアスから『正座したままで来なさい』と無茶振りを言われ反論しようとしたが、リアスと小猫の剣幕に勝てず……
やむを得ず正座したままパーティ会場まで戻る羽目になってしまった……
次回は闇人組織『チェス』の残りメンバーを出していきます