ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

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新年初投稿になります。皆さん明けましておめでとうございます!


冥界パーティ開催!

次の日の夕刻、新と一誠は駒王学園の制服(夏バージョン)に身を包んで待機していた

 

新はいつも普段着にしているロックミュージシャン服が良かったのだが、リアスから許可が下りなかったので無い物ねだりしても仕方ない

 

渋々制服を着て、腕章をつけた

 

「兵藤か?それに竜崎も」

 

「匙、どうしてここに?」

 

「ああ、会長がリアス先輩と一緒に会場入りするってんでついてきたんだ。で、会場は先輩に会いに行っちまったし、仕方ないんで屋敷の中をウロウロしてたら、ここに出た」

 

匙は少し離れた席に座り、真剣な面持ちで言う

 

「もうすぐゲームだな」

 

「そうだな」

 

「俺、鍛えたぜ」

 

「俺達も鍛えた。ってか、山で毎日ドラゴンと新にイジメられた」

 

「そ、そうか。相変わらずハードな生き方してんな。まあ、俺も相当ハードなメニューこなしたけどさ」

 

匙は頬を掻きながら、あの事について言う

 

「先月、若手悪魔が集まった時のこと覚えているか?」

「あぁ、あの会合か。それがどうした?」

 

「あれ、俺達は本気だ。……お、俺……。せ、先生になるのが夢なんだ!」

 

「先生……レーティングゲーム学校のか?」

 

新の問いに匙は紅潮しながらも真剣に話を進めた

 

ソーナ会長は冥界にレーティングゲーム専門の学校を設立しようとしており、そこでは悪魔なら階級に関係なく受け入れる自由な学校にしたいと言う

 

誰でもレーティングゲームが出来るように、ソーナ会長は人間界で勉強している事も聞かされた

 

実現出来る可能性が0に限りなく近くても、上級悪魔になれる事を信じてソーナ会長と共に目標を立てた匙

 

その話を聞いて、新はうんうんと頷い

「レーティングゲーム専門の学校の教師か……。立派じゃねぇか。なるからには良い先生になれよ?」

 

「ああ、そのためにも今度お前達を倒さなきゃいけないんだけどな」

 

「あー、なるほど。ならダメだ。俺達が勝つさ!」

 

「いや、俺達だ。上にバカにされた以上、俺達は結果で見せなきゃいけない」

 

一誠と匙は互いに笑いながらも、真剣な目で勝利宣言を交わす

 

「新、イッセー、お待たせ。あら、匙くん来ていたのね」

 

「新さん、お待たせしました」

 

振り向くとドレスに着替えたリアス達がやって来た

 

朱乃も西洋ドレス姿

 

アーシア、ゼノヴィア、小猫の3人もドレスを着ていた

 

勿論ギャスパーも………

 

「ギャスパー、お前またドレス姿かよ……」

 

「だ、だって、ドレス可愛いんだもん……」

 

女装癖もここまでくれば大したものである

 

ソーナ会長もドレス姿でやって来て、しばらくすると執事がこう言ってきた

 

「タンニーン様とそのご眷属の方々がいらっしゃいました」

 

庭に出てみると、タンニーンと同じサイズのドラゴンが10体もいた

 

「約束通り来たぞ、兵藤一誠」

 

「うん!ありがとう、おっさん!」

 

皆はタンニーンを含めたドラゴン達の背中に乗り、会場となる場所へ向かっていった

 

 

―――――――――

 

 

「あー、ちかれた」

 

「挨拶メンド……やっぱ堅苦しいのは俺に合わねぇわ……」

 

パーティ会場に着き、上級悪魔達との挨拶を終えた新、一誠、アーシア、ギャスパーはフロアの隅っこにある椅子に座り込んでいた

 

慣れない事に気疲れしたせいでグッタリしている

 

新は席を離れ、飲み物や酒のツマミを取ってくる事に

 

「……ぷはぁっ。あ〜、飲み物が美味ぇ。やっぱ貴族様との付き合いは疲れるな……」

 

「お、お久しぶりですわね、闇皇(やみおう)の蝙蝠」

 

突如耳に入ってきた聞き覚えのある声

 

振り返ると高価そうなドレスに身を包んだ少女がいた

 

「……っ?お前は確か、フライドチキンの妹」

 

「レイヴェル・フェニックスです!まったく、これだから下級悪魔は頭が悪くて嫌になりますわ」

 

やって来たのはリアスの元婚約相手、ライザー・フェニックスの妹――――――レイヴェル・フェニックスだった

 

「冗談冗談、ちゃんと覚えてるっつうの。ライザーは元気か?」

 

「……あなたと赤龍帝(せきりゅうてい)のお陰で塞ぎ込んでしまいましたわ。よほど敗北とリアスさまを取られた事、あなたに追い詰められた事がショックだったようです。ま、才能に頼って調子に乗っていたところもありますから、良い勉強になった筈ですわ」

 

「容赦ねぇ〜。一応レイヴェルもライザーの眷属だろ?」

 

「それなら現在トレードを済ませて、今はお母さまの眷属と言う事になってますわ。お母さまが自分の持っていた未使用の駒と交換してくださったの。お母さまは眷属になりたい方を見つけたら、トレードしてくれるとおっしゃってくださいましたから、実質フリーの『僧侶(ビショップ)』ですわ。お母さまはゲームしませんし」

 

トレードとはレーティングゲームのルールの1つで、『(キング)』である悪魔の間で自分の駒を交換出来る制度

 

トレードを(おこな)うには同じ種類の駒である事が必須条件である

 

「そういう手もあんのか、へぇ〜」

 

「と、ところで……覚えていますか?」

 

「えっ?何を?」

 

「とぼけないでください!あなたは以前のレーティングゲームで、私を恥ずかしい目に逢わせました!その責任を取っていただきます!」

 

「恥ずかしい目に……あぁ!俺がちょっと暴走して、お前を裸にした事か。いや〜、わりぃわりぃ。あん時はキレてて、殆ど覚えてなかったが……良い乳首だった」

 

新は悪びれる様子も無く頭を掻き、レイヴェルは顔を真っ赤にする

 

「まぁ、あれは全面的に俺が悪かったしな。罪滅ぼしとまではいかねぇが、どうぞ何なりと」

 

「で、では……これからあなたの事をお名前で呼んでもよろしいですか?とりあえずは、それで許して差し上げてよ」

 

「そんだけで良いのか?別に構わねぇけど、竜崎新だ」

 

「コ、コホン。で、では……新さま」

 

「さま付けまでしなくても良いんだが……」

 

「レイヴェル。旦那さまのご友人がお呼びだ」

 

そこへ更に見知った女性がやって来る

 

ライザー眷属の1人のイザベラだった

 

「わ、分かりましたわ。新さま、今度お会い出来たら、お茶でも如何かしら?わ、わ、わ、私でよろしければ、手製のケーキをご、ご、ご用意してあげてもよろしくてよ?」

 

キョドり過ぎだろと心の中でツッコミを入れておく新

 

レイヴェルはドレスの裾を上げ、一礼して去っていった

 

「やあ、竜崎新」

 

「イザベラ、久しぶりだな。レイヴェルの付き添いか?」

 

「まあ、そんなとこ。それに来てるのは私だけじゃないんだ」

 

その言葉に新は疑問を覚えた

 

後方からゾロゾロと見知った女性達がやって来る

 

「「あ、お兄さん!」」

 

「こ、こんばんわ、新さん」

 

「修行の時以来だ。元気にしていたか?」

 

「あの時は、どうもありがとう」

 

「イル、ネル、ミラ、カーラマイン、雪蘭(シュエラン)じゃねぇか。お前らも来てたのか」

 

集まったのは以前、新と異空間で修行に励んだメンバー達で、全員がドレスを着飾っていた

 

「お兄さん!会いたかった!」

 

「どう?私達のドレス姿、綺麗?可愛い?」

 

「ハハッ。あぁ、良く似合ってるぜ」

 

褒められた事に双子は嬉しそうに顔を赤くした

 

「しかし、レイヴェルの付き添いにしちゃ多くないか?」

 

「本音を言ってしまうと、魔王主催のパーティだから、もしかしたら君も出るんじゃないかと思って出席してるようなものなんだ」

 

「俺に会いたかったのか?」

 

「そうだ。私達はお前のお陰で力をつけ、襲来してくる闇人(やみびと)もことごとく討伐出来る様になったのだ」

 

「色々お世話になったから、改めてお礼を言いたくて」

 

「ふ〜ん。別に気にすんなよ。困った時はお互い様だ。それに、お前らの乳首を見れたから」

 

「むぅ、相変わらずエッチ……」

 

「ふふっ、君らしいな。でも、私達としてはやはり礼をしたい。そこで、これを是非受け取って欲しいんだ」

 

イザベラが新に渡したのは、人間界にあるリゾート付きホテルの無料招待チケット

 

しかも、滅多に手に入らない代物に新は驚いた

 

「こ、これって入手困難のチケットじゃねぇか!こんなレアな物を俺にくれるのか!?」

 

「うん。君が人間界に帰ったら連絡して欲しい」

 

「けど、良いのか?お前らだってライザー眷属なんだろ?こんな浮気紛いの事してて。まあ、その方が燃えるけど」

 

「それなら心配は無い。ライザー様のお父上が許可をくださった。……どうだろう、私達の誘いを受けてもらえないだろうか……?」

 

紅潮したイザベラの発言に新は更にビックリ

 

それに対して新の出した答えは――――

 

「ん~、上級悪魔って色々堅苦しい事があっからなぁ……。本音を言うとなりたくないんだが、リアスは拒否るだろうな……。ふぅ……分かった。俺も上級悪魔を目指してみるかぁ。せっかくの誘いを無下にする事ぁ出来ねぇし」

 

「「本当!?やったー!」」

 

「じゃ、じゃあ、今後もよろしくね?」

 

「何かあった時はいつでも言ってくれ。全身全霊を懸けて協力しよう」

 

「リゾートも楽しみに待っててね?」

 

順番にイルとネル、ミラ、カーラマイン、雪蘭(シュエラン)が礼を言って手を振りながら去っていく

 

残ったイザベラは新に近づき……

 

「ありがとう。レイヴェルのお誘いも承諾してくれるかい?」

 

「勿論だ。俺は良い女からの誘いはなるべく断らない男だからな」

 

「ふふっ、それはありがたい。レイヴェルも喜ぶだろう。私も嬉しいよ。さて、私はこれにて失礼する。良い宴を」

 

イザベラも手を振って去っていった

 

新は貰ったチケットを大事にしまい、豪華な料理を口に運ぶ

 

すると、小猫がズボンの裾をクイクイと引っ張ってきた

 

「ん?どうした小猫?随分と真剣な顔をしてるが……」

 

「……新先輩。仲間に頼れって言いましたよね?私と一緒に来てください……」

 

真剣な表情の小猫に新は断る事もなく承諾した

 

「良いぜ。それで、何をして欲しいんだ?」

 

「……ついてきてください」

 

小猫は新の腕を握って、一緒にエレベーターを降りた


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