「あ、新と同じ鎧……でもない……?けど、蝙蝠っぽい」
「あぁ。だが、あっちのは金色だし目も
皆が視線を集中させる中、黄金に輝く蝙蝠は異形の剣を持ちながら村上に歩み寄っていく
剣の
「いくよ。
黄金の蝙蝠が剣の刀身に魔力を込めていく
狼の目が光り、金色のオーラが現れる
「『
「そうだよ。でも名字は違う。それに、教えてと言われても教えられない。あなたは僕が狩るから」
「裏切り者の末裔がほざくな!『
村上が両腕を広げると、周りから何本もの樹木が生え、刃を向けながら襲い掛かる
黄金の蝙蝠は居合いの様な構えを取り―――――――
ズバババババババッ!
向かってきた古代樹の刃を1本残らず伐採した
「ぬぅぅぅっ!『
村上が薔薇の花びらで蛇と鷲の大群、ひとつ目の巨大な怪物を作り上げた
村上が手を前に
黄金の蝙蝠は冷静に回避していくが、数が多いせいか……攻撃を仕掛けられない
「ふっ、どうだ?これだけ多くの攻撃を回避し切れるか?」
「それ程疲れる作業じゃないよ」
「減らず口を。たった1人で何が出来ると言うのだ!」
「言った筈だよ?僕達はあなたを狩る……と。ふっ!」
黄金の蝙蝠が
そして剣を水平にして、口の位置に狼の頭部が来る様に構える
「何をしようと無駄だ!殺れッ!」
薔薇の花びらで作られた蛇、鷲、巨躯の怪物が直前まで迫ってきた
「ハァッ!」
ウオォォォォォォォォォォォオオオオオオンッ!
村上が産み出した怪物達は超音波によって崩壊し、村上にもダメージを与えていく
「ぐあぁぁぁぁぁああああああっ!な、何だこの超音波はっ……!?」
「
再び
剣を逆手に持ち替え、上空へ飛び上がる
「おのれぇっ……!肉体に負担は掛かるが仕方無い!
村上が
「往生しなさいッ!」
何処からか聞こえてくる女性の声と共に水色のオーラが薔薇を凍らせた
「なにっ!?私の薔薇が!?」
村上は声がした方向を向く
視線の先には巨大な氷の斧を構える女性がいた
腰辺りまでありそうな純白の長髪と
「しっかり決めなさい!
「ありがとう
逆手に持った
「こんな奴らに私が殺られると言うのかッ!?認めん!私は認めないぞォォォォォォォォッ!おのれぇぇぇぇぇっ!三嶋の子孫めェェェェェェッ!」
村上が全身から
ザンッ!
金色の戦士は逆手に持った
左肩からズレ、血を噴き出しながら上半身が地に落ちる
残った体も仰向けに倒れ、2つの肉塊は煙の様に消滅していった……
「ふうっ。流石は『チェス』の『ポーン』だね。少し苦戦しちゃった」
「気をつけなさいよ渉。『チェス』の1人を倒したと言ってもこいつは組織じゃ末端。まだ上には5人もいるのよ?」
「うん。これから気をつけるよ」
「これからこれからって……渉!」
「お取り込み中スマねぇけどよ、お前ら何者なんだ?」
「あ、自己紹介がまだだったね」
弱い閃光が放たれた直後に黄金の鎧が解除される
「おぉっ!美少女じゃないかッ!隣の女の子もなんて可愛――――ブギャアッ!」
一誠が歓喜に震えようとした瞬間、氷の斧を持っていた美少女から蹴りが飛んできた……
一誠を殴り飛ばした
「気持ち悪い目で見るんじゃないわよ!変態!ホモ!
蹴られた一誠は目玉を飛び出させた
新は最初から気付いていたのであまり驚いていない
「マ、マジで……?お前、男なの……?」
「うん、僕の名前は
「うわぁぁぁぁぁぁぁああああああああんっ!」
一誠はギャスパーの時と同じ様に、見た目で性別を騙された悔しさで泣き崩れた
「また騙された!何でだよ!何でこんな可愛い顔をした奴が男なんだ!男だなんて!この顔の下にチ◯コが生えてるなんて!」
「渉の前で下ネタ言うな!このホモゴキブリ!」
「やめてやってくれ。一誠は最近、うちの部員の祐斗やギャスパーとのホモ疑惑が目立ってるんだ。これ以上ツラい現実を浴びせたらマジでホモ世界に走りかねない(笑)」
「本当にホモだったの!?キモッ!来ないで!その人らだけじゃなく、渉まで犯す気!?」
「ねぇ祐希那。そのホモってどういう意味?」
「傷心の男の前でホモホモ言うなーッ!もう俺の心のライフは0なんだよぉぉぉぉぉぉっ!」
一誠は涙が枯れるまで泣き続けた……
――――――――
「しかし、驚いたぜ。まさか俺の『
「僕達は世界中を放浪しながら、人知れず
アーシアの
渉は自分の胸に手を当て、『
「『
「ちょっと、渉に変な事吹き込まないでよね。だいたい何?そのネーミングセンス、だっさ」
「何かやたらと噛み付いてくるな、この女は。さっきも俺の気配を消したタッチを
「私はね、エロい奴が大っっっっっっっっっ嫌いなのよ!24時間年中無休でエロい事考えてる様な奴は死ぬべきね。跡形もなく」
「だそうだ、一誠。お前は死んだ方が良いって」
「何で俺だけなんだよ!新なんか俺よりエロいくせにッ!」
新と一誠は押し付け合う様な喧嘩を始めたが結果は新の圧勝
新は更に気になる事を聞き出す
「そういえば、さっき村上の薔薇を凍らせた斧――――――あれは
「そうだよ。
「初めて聞く
「部長にも知らない
「えぇ。私だって全ての
リアスの意外な事情に新と一誠はへぇ〜っとハモる
「あとさ、村上がお前を"三嶋の子孫"って言ってたんだが……お前の名字は八代だったろ?なんで名字が違うんだ?」
「僕は
「「「「「「「「「
驚きの事実を聞かされ、綺麗にハモったリアス一行
渉は少しビックリしたが、気を取り直して自分の出生について話し始める
「僕の父さんは
「『初代キング』の封印に、お前の父親も絡んでいたのか……初耳だ」
「『初代キング』を封印した後、父さんは
予想以上の重い話にリアス達は無言になってしまう
「でもさ、全ての
真剣な眼差しで言い放つ渉
その目標に、新はなるほどなと頷く
「
「俺もだよ。
新と一誠は渉に握手を求め、渉はそれに喜んで応じた
「でも、僕達は君達と共には行動出来ないよ?
「あの女の頼み?何だよそれは?」
「……私の主を殺した
ドスの効いた声音で口を開いた
その言葉の意味に、リアスはいち早く勘づいた
「あなた、もしかして誰かの眷属悪魔だったの?」
「……そうよ。私は元々『
3年前に突如、屋敷にやって来た1人の
まだ眷属になったばかりの
全身を血で染めた
その時に、
それ以来、渉が付きっきりで看病した
1年と言う長い治療期間を経て
自分の主と仲間を殺した
「……酷い話ね」
「あの目だけは忘れない……忘れられないわ……!殺しを楽しむようなゲスな目!奴を殺さない限り、私や主、仲間達の無念は晴らせない!」
壮絶な過去を聞いて、一誠もその
「殺しを糧に生きてる
「何か情報を掴んだら教えて欲しい。少しでも、どんな小さな事でも良いから」
「あぁ、良いぜ。これ以上頼もしい味方はいないからな」
新は渉と携帯番号を交換し合い、その番号を部員全員に送信した
「じゃあ、僕達はもう行くよ。総司さんにもよろしく伝えてね」
「あ、あぁ。そっちも頑張れよ」
渉は『
「新、なんか俺さ……
「そうだな。俺達も少しは見習わないとな」
その後、新達は魔方陣の中に入り姿を消した
―――――――――
「ねぇ渉。あんなエロい奴らを信じる気?」
「勿論だよ。それに総司さんの息子―――――竜崎新さんが『
「はぁ……渉。友達は選ばないといけない物だって知ってる?」
『そうそう。あたしも少し心配になってきたわ。渉って人との免疫力が皆無なのよね』
「ご、ごめん
「『その言葉は何回も聞いたし飽きた』」
「うぅっ……」
―――――――――
「キヒヒッ。見事に殺られちゃったね〜?『ポーン』の村上さん?命を2つ持ってなかったらとっくに死んでたよ〜?」
「『ビショップ』か……弁解する気も起こらない。まさか三嶋の子孫が介入してくるとは思わなかった……」
「キャハハハハハ!それに君の
「……取り合えず恩にきる」
「あっ、あとついでなんだけどぉ、君の他にも2人『ポーン』の称号を与えたから♪」
「……っ!?『ポーン』は私1人では無いのか!?」
「今までと同じじゃあ奴らには勝てないよ♪2人とも去年入ったばかりの新参者だけど、少なくとも君よりは互角かそれ以上の実力を持っているから、文句は言えない筈だよ?」
「くっ……!だが、まぁ良い。組織の拡大は我々にとって重要だからな」
「キヒヒッ。話が分かる人は長生きするよ〜♪それからさぁ、今からカプリンチョとクリームソーダ買いに行かない?勿論、村上さんの奢りで♪ボクが運んであげてるんだから、それぐらいの礼は貰わないと」
「……手痛い出費になりそうだ」
4章編終了しましたぁ!次回から5章に突入します