ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

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今回の話で新しいキャラが出ます。仮面ライダーの人物が元ネタです。


おっぱいパワー爆発!

◯×港の第4倉庫

 

この中で闇人(やみびと)とリアス・グレモリー率いる眷属悪魔逹の死闘が繰り広げられていた

 

だが……やはり量産型の闇人では相手にならず、残った闇人(やみびと)村上京司(むらかみきょうじ)ただ1人となった

 

「量産型とはいえ、1000匹の闇人(やみびと)を数分で片づけたか。やはり君達は1番の障害になりそうだ」

 

死屍累々と並ぶ量産型の闇人(やみびと)を踏みにじりながら、魔人態(まじんたい)と化した村上京司(むらかみきょうじ)が歩み寄る

 

村上京司(むらかみきょうじ)!てめぇだけは許さねぇぞ!ブーステッド・ギア!」

 

Boost(ブースト)!!』

 

一誠の籠手に力が溜まる

 

しかし、村上はただ嘲笑するだけだった

 

「おやおや。良いのかな?君の神器(セイクリッド・ギア)の力は粗方(あらかた)把握している。10秒毎に力が倍増していき、その力を誰かに譲渡する事も出来る。更に『禁手(バランス・ブレイカー)』とやらにも目覚めたが、まだ未熟らしいじゃないか。そんな危険な力をここで振るえるのかい?あのか弱き子羊逹も、巻き込んでしまうんじゃないのか?」

 

「うっ……!」

 

「クックックッ。やっぱりそうだ。力があっても、使用者がクズでは話にならないな!」

 

ドゴッ!

 

村上の膝蹴りが一誠の腹に炸裂

 

隆起した(いばら)が腹に食い込み、一誠は吐血する

 

続けて村上は右拳で一誠を殴り飛ばした

 

「調子に乗んなよ!村上ィッ!」

 

新は闇皇(やみおう)に化身して闇皇剣(やみおうけん)で斬りかかるが、薔薇のサーベルに阻まれる

 

新は脇腹に蹴りを走らせるが、村上は左手でガード

 

「チッ。久々とか言ってた割に(つえ)ぇな!」

 

「教会の時は油断していたが、今回は違うぞ?」

 

グワッ!

 

村上の背中から何本もの長い薔薇が突き破り、中央の花から針が発射される

 

新はギリギリで回避し、一旦距離を取る

 

「「くらいなさい!」」

 

リアスと朱乃の同時攻撃が放たれる

 

対する村上は背中から出現した薔薇を複雑に絡ませ、一基の巨砲(キャノン)に変化させた

 

「『薔薇の主砲撃(ローズ・キャノン)』!」

 

ゴバァァァアアアアアッ!

 

中央から高密度の魔力が放出され、リアスと朱乃の攻撃を相殺(そうさい)する

 

「邪魔だな。『幻影の薔薇(シャドウ・ローズ)』」

 

リアスと朱乃の足元の影が薔薇の形となり、影を絡ませ拘束していく

 

「う、動けない……!」

 

「ダメですわ!魔力で攻撃しても解けません!」

 

リアスと朱乃の攻撃、助けに入った祐斗の聖魔剣(せいまけん)で斬っても影は四散しなかった

 

「『幻影の薔薇(シャドウ・ローズ)』の実体は影。影をいくら斬ろうが無駄だ」

 

「はぁぁああああっ!」

 

ゼノヴィアが聖剣デュランダルで村上の頭を狙う

 

村上は降ってくる刃を片手で制止し、もう片方の手で突き飛ばした

 

「ふぅむ……それが有名な聖剣デュランダルか。なかなかの名刀だが、そこの赤龍帝(せきりゅうてい)同様に使用者がクズでは話にならない」

 

「まだまだぁっ!」

 

一誠は再び殴り掛かろうと突っ込む

 

村上は腕から鞭を出して、商品だった美少女の1人を捕まえる

 

「おっと。このか弱き子羊を殴る気かい?」

 

「おぉっ!小振りなおっぱい―――――じゃなかった!女の子を盾にするなんて卑怯だぞ!」

 

「卑怯?それはどうも。だが、策を用いるのは戦いでは定石だ。油断している君達が悪いのだよ。『種子の機関銃(シード・バルカン)』!」

 

村上は大きく裂けた口を開け、口から種の弾丸を連射する

 

「ぐあぁぁぁあっ!」

 

「きゃあっ!」

 

「うわぁっ!」

 

至近距離にいた一誠は勿論、アーシアや小猫、祐斗は『種子の機関銃(シード・バルカン)』をくらってしまった

 

「チクショウ!裸の女逹がいるから迂闊に攻撃出来ねぇ!せめて、こいつを外に連れ出せたら良いんだが……」

 

「ハハハッ。何を迷う必要がある?君達は私を殺したいのだろう?ならば、人質ごと殺す勇気を持って攻撃しなければ死んでしまうぞ?」

 

「女の子を盾にしただけじゃ飽き足らず、そんな台詞まで言いやがるとは……!ハーレム王を目指してる俺に対する侮辱だ!」

 

「一誠、ここでその言葉をチョイスすんのは場違いだろ?」

 

そんなバカみたいなやり取りに村上は口元を笑ませて一誠に甘言を吐く

 

「ハーレム王か……フッフッフッ。赤龍帝(せきりゅうてい)それが君の欲望なら、我々の所へ来るべきだ。悪魔等と言う下等生物共と一緒にいるよりは、我々と行動した方がハーレムを達成し易いぞ?ならば、私のビジネスをサポートしてみないか?すぐに美女美少女をたくさん抱けるぞ。こんな良い話は他に無い上に、君自身にとっても悪くない筈だ」

 

「…………………………………そ、そんな誘惑に屈する俺じゃねぇぞ!」

 

「ちょっと待て!何だ今の長い間は!?お前"それも良いかな"って考えたろ!」

 

一誠は魅力的な誘惑に弱かった……

 

他の皆も一誠の揺らぎ具合に苦笑したり、呆れたりする

 

「イッセー!もう!よだれを拭きなさい!あなたどうしてこんな時まで!」

 

「……す、すみません部長。どうにもハーレムって言葉に弱くて……」

 

「ったく、安い男だな一誠。だからいつまで経っても童貞止まり――――」

 

ここで新は野次るのを止めて思考回路を働かせる

 

数秒後、頭に電球マークが浮かんだ新は一誠にトンでもない事を言い出した

 

「おい、一誠。そんなにハーレムが欲しいか?」

 

「そりゃ男として当たり前だろ!」

 

「そうかそうか。だがな……今はハーレムよりも魅力的な褒美がお前の近くにあるんだぜ?」

 

悪巧み顔をした新の言葉に耳を傾ける一誠

 

次に新はアーシアを指差す

 

「良いか?お前はアーシアと言う最高の逸材を手中に収めている。従順で未だに穢れを知らない元シスター、加えてお前ん家にホームステイしてる身だ。1歩踏み出せば――――アーシアに乳首を吸わせてもらえるかもしれねぇなぁ」

 

「……っ!?」

 

衝撃的過ぎる甘言に一誠の目玉が飛び出し、新はアーシアに向かって叫ぶ

 

「アーシア、もし俺達が生きて帰れたら一誠に乳首を吸わせてやるんだよな!」

 

「「「「――――っ!?」」」」

 

トンでもない発言にアーシア以外のメンバーは揃って絶句

 

アーシアは処理しきれない事態に混乱してしまう

 

「え、えぇっ!?あ、あの……っ」

 

「一誠は1度お前を殺した村上(アイツ)をぶっ倒したがってる。だが、その為にはアーシアの乳首が必要不可欠なんだよ!お前の口から乳首を吸わせるって言うんだ!」

 

「ちょっ、おまっ……!?アーシアになんて事を吹き込んでんだよぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

 

「え、アーシアの乳首吸いたくねぇの?」

 

「吸いたいっ!……いや、待て!確かに吸いたいけど、今はそんな場合じゃねぇだろ!?」

「さあ、答えろアーシア!一誠に乳首を吸わせる?吸わせない?ドッチ?」

 

一誠は一刻も早く羞恥プレイを止めさせようと殴りかかるが……アーシアから返ってきた答えは――――

 

「…………………良いです、イッセーさん」

 

振り絞る様に聞こえてきた返事に一誠の耳がピクッと反応し、首をゆっくりとアーシアの方に向ける

 

一誠はその言葉を聞いてやる気をアップさせていた

 

「マジですか……!?じゃ、じゃあ……おっぱいを吸っても!?」

 

「は、はい……っ。イッセーさんさえ宜しければ…………す、吸ってください……っ」

 

会場(戦場)に響くアーシアの一大決心

 

それを聞いた一誠から(かつ)てない程の膨大な魔力が放出された

 

『ま、まさか……こんな事で……っ!こんな事で本当に至るとは……っ!』

 

「ふふふ。吸う。吸える!吸えるんだァァァァッ!よっしゃぁぁぁぁぁぁああああああ!長年の夢が今まさに叶うゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!アーシアの乳首を吸えるゥゥゥゥゥゥッ!アーシアの乳首を吸うため、殺られてもらうぜぇぇぇぇぇぇぇっ!村上京司ィィィィィィィィィィ!」

 

Welsh(ウェルシュ) Dragon(ドラゴン) Balance(バランス) Breaker(ブレイカー)!!』

 

籠手に宿るドライグが愕然としたのも束の間、膨大な赤いオーラが噴き出し、一誠の全身を包み込む

 

ブーステッド・ギアが一誠のスケベ根性(笑)に反応したのか、禁手(バランス・ブレイカー)――――『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』を具現化させた

 

女王(クイーン)』にも『プロモーション』して準備万端

 

一誠は歓喜の雄叫びを上げた

 

「アハハハハハハハ!吸うぞ!吸うぞ!村上京司をぶっ倒して!アーシアの乳首を吸うぞォォォォォォォォォォッ!」

 

「今のあいつ、すっげぇ輝いてやがるな……。けど、まさかあれだけで禁手(バランス・ブレイカー)に至るとは、もはや末期だぜ……」

 

「あの宝玉に宿ってるのは二天龍の一角と呼ばれる『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』だったよね……?そろそろ本格的に泣いちゃうんじゃない?」

 

「……新先輩と負けず劣らずのドスケベ」

 

「凄い魔力だな」

 

「あらあら。イッセーくんらしいですわね」

 

「イ、イッセー先輩凄いですぅぅぅぅぅぅぅっ!」

 

村上は一誠のパワーアップ過程に開いた口が塞がらなかった

 

「まさか女性の乳首を吸いたい想いでそこまで強くなるとは……。何故か神器(セイクリッド・ギア)が可哀想に思えてしまう……だが、強くなろうと君は人質ごと攻撃する事など出来はしない。妙な真似をすれば子羊を――――――」

 

ドンッ!ドンッ!

 

一瞬にして目を疑う光景が飛び込んでくる

 

村上が喋り終わる前に一誠が超速で飛び出し、村上の顔面に拳を入れていた

 

「遅いんだよタコ!」

 

「ぐわぁぁぁっ!」

 

村上は殴られた勢いで外まで吹っ飛ばされた

 

同時にリアスと朱乃を縛っていた『幻影の薔薇(シャドウ・ローズ)』も消滅する

 

「オォラァッ!待ちやがれ村上ィィィィィィィィィィッ!」

 

一誠は飛ばされた村上を追って外へ飛び出していった

 

「新……あなたってヒトは……。もう少し言葉を選べなかったの……?」

 

「なぁに言ってやがんでぃ。一誠にやる気を出させるにはこう言うしか無かったんだよ。まあ、やる気じゃなくて殺る気になっちまったが結果オーライだ(笑)」

 

ケラケラと笑う新の近くではアーシアが顔を真っ赤にして湯気を噴出していた……

 

 

―――――――――

 

 

「くっ……1度ならず2度までも油断してしまった。また顔が少し凹んだ」

 

村上は頭を叩きながら起き上がり、薔薇の花吹雪で一誠を攻撃する

 

「外に出ればこっちのもんだ!いっくぜぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 

Explosion(エクスプロージョン)!!』

 

一誠は倍増した力を集めて(てのひら)を向ける

 

「くらえ!ドラゴンショットォォォォォッ!」

 

ゴォォォオオオオッ!

 

一誠の(てのひら)から魔力が帯状に解き放たれ、薔薇の花吹雪を跡形もなく消滅させた

 

村上は危険を察知して回避するが、右腕を焼かれてしまう

 

「ぬぅぅぅぅっ!これ程までとは……っ」

 

「よそ見してる暇は()ぇぞ!」

 

ドゴッ!

 

一誠の拳が村上の腹にめり込む

 

村上は吐血をするも、一誠に蹴りを入れるが……

 

「アハハハハハハハ!効かねぇ効かねぇぇぇぇぇっ!」

 

蹴り足を掴まれ、そのまま地面に叩きつけられた

 

後から合流した新達も呆然とするが、優勢だったので村上に攻撃を加える事にした

 

「小猫!ゼノヴィア砲、発射準備!」

 

「……OKです」

 

「いつでも良いぞ」

 

小猫がゼノヴィアを持ち上げ、ゼノヴィアはデュランダルを構える

 

発射指揮官は新だった

 

「ゼノヴィア砲、発射ァァァァッ!」

 

ブゥゥゥンッ!

 

ロケットと化したゼノヴィアはデュランダルで村上の前面を斬る

 

村上の肩口から横っ腹に斬り傷が出来た

 

「ぐおぉぉぉぉっ!」

 

「まだまだいくよ。氷の聖魔剣(せいまけん)ッ!」

 

祐斗が聖魔剣(せいまけん)を地面に突き刺すと―――――地面を氷が走り、村上の足を凍結させて動きを封じる

 

「新、イッセー、朱乃!トドメよ!」

 

「「はい!」」「おう!」

 

リアスの合図で4人が一斉に魔力を溜め始める

 

そして――――4人の手からトドメの一撃が放たれた

 

「ぐ、ぐおォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!」

 

絶叫する村上は4つの魔力の束に包み込まれた

 

体がブスブスと煙を出し、夜空を見上げたまま硬直している

 

「勝った……勝ったぞ……っ!ぐふふふっ。これでアーシアの乳首を……!」

 

「吸えると思っているのかい?」

 

――――――ッ!

 

なんと村上はまだ死んでおらず、余裕を表すかの様に首を鳴らしていた

 

「嘘でしょ……!?あれだけの攻撃を受けて……まだ立っていられるの!?」

 

「チクショウ!なんて野郎だ!ある意味、今の一誠よりも(こえ)ぇな!」

 

「グレモリー眷属。今のはだいぶ効いたよ。流石に痛かった」

 

村上は右腕を押さえながら口をニヤケさせる

 

一誠は村上が死んでいなかった事に地団駄を踏む

 

「ここまで私を追い詰めたのは君達が初めてだ。敬意を評して見せてあげよう。限られた闇人(やみびと)が持つ力―――――『超魔身(ちょうましん)』を」

 

超魔身(ちょうましん)?」

 

ゴォォォオオオオッ!

 

村上の全身から質の違う魔力が大量に噴き出し、異変が起こる

 

全身からトゲが隆起、筋肉が肥大していき、首が数センチ伸びて口がドラゴンの様に突き出てくる

 

異形の闇人(やみびと)が更なる異形への変貌を遂げた……

 

「コォォォォォォ……ホォォォォォォ……」

 

「な、何なんだこれは……!?何が起こりやがった!?」

 

「クッハッハッハッハッハッハッハッ。これこそ、闇人(やみびと)の力を極限まで高めた者のみが成せる力―――――『超魔身(ちょうましん)』だ。私の超魔身態(ちょうましんたい)はあまりにも(みにく)いので使うのを拒んでいた。だが……そうも言ってられない様だ」

 

関節をゴキゴキ鳴らす村上は今まで以上に口の端を吊り上げていた

 

 

――――――――――

 

 

「……強い魔力を感じる。恐らくこの近くだね。でも……かなり厄介な事になってるかもしれないよ」

 

(わたる)、それってどういう事?」

 

「魔力の質が邪悪な気配を発してる……。この波動は『超魔身(ちょうましん)』に違いない。誰かが『チェス』の一員と戦ってるんだ」

 

「まずいわね……。なら、さっさと行って(しず)めてやらなきゃいけないじゃない」

 

「うん。分かってるよ、祐希那(ゆきな)

 

 

―――――――――――

 

 

一誠の"アーシアの乳首を吸いたい"と言う想いが爆発し、村上京司(むらかみきょうじ)を圧倒的に打ちのめしていた

 

仲間のと連携攻撃も決まり、村上は死んだと思っていた

 

だが、村上は死んでないどころか……更に『超魔身(ちょうましん)』と言う強化術を(おこな)ってパワーアップしてしまった

 

「さて、赤龍帝(せきりゅうてい)。私は今から……この右拳で君の顔面を打ち抜くぞ」

 

超魔身態(ちょうましんたい)となった村上は拳を見せつける様に掲げ、どこにどう攻撃するか宣言してきた

 

「バ、バカにしてるのか!攻撃を教えるなんて、今の俺なら目を(つむ)ってでも―――――」

 

「避けられるとでも思っているのかい?大した自信だ。私が拳を出す前に避けても構わないぞ」

 

村上は拳を掲げたまま静止し、一誠は目を凝らして拳を見る

 

禁手(バランス・ブレイカー)』の状態は体力と魔力をかなり消費してしまうので、動き回って翻弄するのは得策では無いと踏んでの行動だ

 

なので、拳を出した瞬間に全力でかわし、一撃を加えてやろうと一誠は考えている

 

一誠は村上の目と拳に細心の注意を払って構える

 

『さぁ来い!こうしてる間にも、ブーステッド・ギアの力で倍増していくんだ。かわした後で一気にケリをつけてやる!』

 

10秒……20秒……30秒と時間が過ぎていく

 

ピクッ……

 

『今だ!』

 

一誠は拳が来る直前の動きを見逃さず、背中から魔力を噴出して右に回避――――――

 

ドゴォォォォンッ!

 

「おやおや。ちゃんと拳で攻撃すると言ったのに、(かわ)せなかった様だね」

 

出来なかった………

 

右に回避した筈の一誠は、地面に顔を抉り込ませる様な形で沈んだ

 

「――――ッ!イッセー!」

 

「何だよ今のは!?殆ど拳が見えなかった!?」

 

「簡単な事だ。彼が避けるよりも速く動き、速く拳を打ち込んだ……ただそれだけだよ」

 

一誠の兜が割れ、拳の痕がくっきり残った頭部が露出する

 

グレモリー眷属の怒りが上がり、魔力を集中させていく

 

新はリアスから『プロモーション』の許可を貰い、『進化する昇格(エボルシオン・プロモーション)』で『闇皇の神速槍騎士(アーク・カイザー・ジェットスピア・ナイト)』に変異した

 

「ぶっ殺してやる!」

 

「消し飛べェェェェェェェェェェェッ!」

 

リアスが巨大な魔力を撃ち出すのと同時に、新は槍を構えて突撃していく

 

村上は微動だにせず、拳に力を入れて――――――

 

「ぬぅぅぅんっ!」

 

自分に向かって放たれた巨大な魔力を新に弾き返した

 

「うぉわぁっ!?」

 

新は跳ね返されたリアスの魔力をかろうじて回避

 

だが、左肩に少しくらってしまい煙が上がる

 

「アッチィィィィッ!なんて奴だ……あのバカでかい魔力を、拳だけで弾きやがった……!」

 

「次はリアス・グレモリー。君に左の蹴りをくれてやろう」

 

ビュンッ!ドゴッ!

 

村上は殆ど視認出来ないスピードで動き、リアスの脇腹に左足の蹴りをくらわせた

 

「カハッ……!」

 

右側の肋骨が折れ、リアスは血を吐きながら地面に転がる

 

「ぶ、部長ッ……!」

 

「ウオォォォォォオオッ!」

 

新も超神速移動で進み、村上の腹に槍を突き刺した

 

だが、貫通まではいかず……村上は余裕の笑みを見せながら槍を引っこ抜いた

 

「おまっ、冗談だろ?」

 

「現実だ。次は膝をやろう」

 

バゴッ!

 

村上の膝が新の腹にめり込み、その威力で鎧の一部が砕ける

 

「ガァハッ!グ、グボェェェッ!」

 

吐瀉物と血を吐く新

 

村上は更に左拳で新を倉庫に殴り飛ばした

 

間髪入れず朱乃に右拳、小猫に右の蹴り、ゼノヴィアに肘鉄、祐斗に鉄槌をくらわせた

 

アーシアとギャスパーは何も出来ず、ただ尻餅をついて怯えていた

 

村上がアーシアを睨み付ける

 

「これはこれは、アーシア・アルジェントじゃないか。あの時に死んだと思っていたが……まさか悪魔になっているとはな」

 

「あ……ああ……」

 

「とても良い表情だ。心の底から怯えている。恐怖に顔を強張(こわば)らせた人間程美味なる物は存在しない。君の表情は、今まで私が見た中で最高の代物だ」

 

「「アーシアに近づくんじゃねぇェェェェェェェェェェェッ!」」

 

ドゴッ!ザシュッ!

 

後ろから一誠と新が拳打と槍で村上に攻撃を加える

 

だが、村上には殆どダメージが無かった

 

「ほう。まだ動けるのか……大した物だ」

 

「アーシア!こいつは俺と新で押さえる!部長達に回復を!」

 

「は、はい!」

 

アーシアは何とか立ち上がってリアス達を回復させる作業に取り掛かる

 

「さっきはよくもやってくれやがったな。万倍にして返してやる!」

 

「出来ない口約束はしない方が良いぞ」

 

グキグキグキ!

 

村上は首を180度回転させて、新と一誠に高熱の火炎を浴びせる

 

「ぐわぁぁぁぁあああっ!」

 

「アッチィィィィッ!また火傷かよ!」

 

「ほらほら。次は上から行くぞ!」

 

村上は2人の頭上に飛び上がって太い両足で踏みつける

 

大地にヒビが入り、小波が跳ね上がる

 

「ふむ……そろそろ解除するか。超魔身(ちょうましん)を長く使っていると肉体が崩壊しかねないからな」

 

ググググ………ッ

 

村上は超魔身態(ちょうましん)から、元の魔人態(まじんたい)へ戻した

 

そしてリアスを『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』で回復させているアーシアにゆっくりと近づいていく

 

「部長さん!しっかりしてください!もう少しですから!」

 

「その通り、しっかりしたまえ。もう少しで君達は死ぬのだから」

 

アーシアがビクッと反応して後ろを振り返る

 

そこには村上京司(むらかみきょうじ)が立っており、アーシアは両腕を掴まれ宙吊りにされる

 

「ア、アーシアを放しなさい……!」

 

リアスは魔力を撃とうとするもダメージで力を練れず、村上は自分に向けられたリアスの手を蹴る

 

一誠と新、他の皆もまともに動けなかった

 

「悪魔になったシスターか。これは傑作だな。しかし……そうなった事で逃れられない運命(さだめ)の渦に飲み込まれてしまった」

 

ビリビリッ!

 

村上がアーシアの制服を破る

 

アーシアは上半身裸の格好にされ、指で乳房(おっぱい)(いじ)られる

 

「ひっ、いやぁぁぁぁぁ……」

 

「何とも皮肉だな。1度殺されたと言うのに、生き返ってまだ同じ相手に殺されてしまうとは……リアス・グレモリー、君も罪深い事をしたものだ。安心したまえ……アーシア・アルジェントが今感じている恐怖、苦しみを再び取り除いてあげよう。あの時と同じ様に――――――心臓を串刺しにしてね」

 

村上の背中から長い薔薇が出現し、中央から針を出す

 

その照準はアーシアの心臓に定まっていた

 

「さらばだ、アーシア・アルジェント。君の(むくろ)には私の薔薇を添えてやる」

 

「やめろ……!やめろォォォォォォォォォォッ!」

 

一誠の叫びに村上は聞く耳を持たず

 

アーシアは死ぬ恐怖で目を閉じた……

 

ザシュッ

 

「……………え?」

 

突然聞こえた"何かが斬られた"音

 

地面に落ちたのは村上の背中から生えた薔薇だった

 

思わずアーシアを放し、周りを見渡す村上

 

「誰だ!私の邪魔をするのは!」

 

シュタッ……

 

何かが地上に降り立ち、全員の視線がその方向に集中した

 

そこにいた"何か"に全員は驚愕してしまった

 

暗闇の中で輝く金色の鎧

 

(なび)くマントに紅の眼光

 

手に持った異形の剣

 

その者のは新の身に宿る『闇皇(やみおう)の鎧』と酷似していた……

 

「そ、その鎧は……!?まさか貴様……!」

 

「そう。『闇皇(やみおう)の鎧』と対を成す『光帝(こうてい)の鎧』……。村上京司(むらかみきょうじ)。僕は……いや、僕達は今から君を狩るよ」

 

月光が出ていない闇夜の中、光帝(こうてい)の目が(あか)く光った




今回出てきた渉と呼ばれるオリキャラはにじふぁん時代にある方から送られてきたアイデアを採用しています。元ネタはキバの紅渡です。村上京司はファイズの社長が元ネタです。

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