シドが“ちょっと本気を出す”と高らかにそう宣言した直後、両手を広げて大きな魔法陣を展開
そこから発せられる波動が彼の周りに強化メダルを生み出す
錬成した強化メダルを自在に操り、その中から3枚を選別して自分のマスク部分に投入する
『
『
『
3種類の音声が流れ、シドの全身が大きく脈動し、金属のような光沢を得る
そして、超スピードでその場を駆け出し―――あっという間に仁村との距離を詰めた
何が起きたのか理解できず、眼前に現れた事に反応すら出来なかった仁村
シドは間髪入れずにパンチと蹴りを決め、仁村を後方へと吹き飛ばす
攻撃力倍増と硬質化による強化の重ね掛け
その威力は凄まじく、仁村は一瞬にして身体の自由を奪われてしまった
「―――っ⁉留流子っ!」
「さ~て、そこのお姉さんにはキツいのをお見舞いしちゃおうかな!」
シドは再び強化メダルを大量に錬成して、選別作業に取り掛かる
3枚を選ぶと即座にマスク部分に投入
『
『
『
今度は攻撃力倍増の三段重ね……
シドの全身から尋常じゃない程のオーラが噴出する
危険を察知した花戒は勿論、『
しかし、鬼気に満ちたシドが前蹴りを繰り出し……結界と衝突
バリィィィィンッ!
攻撃力をとんでもなく倍増させたシドの強烈な蹴りは結界を容易く
近くの壁に叩き付けられた花戒は血を吐いて倒れ伏す
「……っ!花戒っ!仁村ぁっ!……てめえぇぇぇぇぇえええええええっ!」
匙が体を起こしながら、彼女達の名を叫び―――怒号を上げてシドに立ち向かっていく
匙は手から膨大な質量の黒炎、ヴリトラ系
黒炎が炎の壁となってシドを四方から囲み、更に足下からも炎の壁が出現する
こちらもヴリトラ系
その中ではヴリトラの呪いの炎が渦巻き、相手の動きを封じる
更にそこへ『
ヴリトラ系
さすがのシドもこれには……と思った矢先―――
ブオンッッ!!
黒炎の壁が風圧によって一挙に消し飛ばされ、赤い拳を振り抜いたシドの姿が現れる
シドのもう1つの戦闘形態―――『
炎のように赤い装甲と巨大な拳による打撃を特化させた攻撃重視の姿である
「これが噂に聞くヴリトラの炎かぁ、心が踊るよッ!」
そう叫んだ刹那、シドの姿が一瞬で消え―――気付いた時には匙の眼前で構えていた
シドの拳が匙の腹部に突き刺さり、匙の体が宙に浮き上がる
そのまま空中コンボの拳打ラッシュを叩き込み、トドメに跳び上がってパンチを打ち下ろす
顔面に巨大な拳がめり込み、地面を抉りながら吹き飛ばされる匙
彼は多量の土煙と血にまみれて倒れた……
「アハハハハハッ!もうダウンしちゃったの?それじゃあダメだよッ!」
「……ッ!アーシア!回復を頼む!」
「は、はい!」
シドにやられた花戒と仁村の治療に当たっていたアーシアは、直ぐに匙の治療に取り掛かる
その間に一誠は体を起こし、怒りの眼差しをシドに向けて飛び出していった
背中のブーストを噴かして距離を詰め、拳を打ち込もうとするが……シドも拳打を打ち込んでくる
お互いの拳が衝突するものの、今の一誠は本調子ではないので呆気なく押し負けてしまう
「アレアレ~?どうしたの、イッセー先輩?何か調子悪そうだねぇ」
「……てめえには関係ねぇだろ……っ!」
口では強がるが……先の魔獣騒動以降、ドライグが眠り続けている為に本来の
『真・
そんな一誠を嘲笑うかのようにシドは拳に纏った炎を幾重にも飛ばす
一誠は飛んでくる炎を拳で打ち消していくが、距離を詰められて強烈なパンチを叩き込まれる
両腕を交差させてガードするも、体勢ごと打ち崩されてしまい―――シドのアッパーカットが腹に深々と突き刺さる
グブッと血を吐き出す一誠の体が“くの字”に折れ曲がり、シドが腰を回して右ストレートを振り抜いた
一誠の体が宙を舞い、背中から倒れ込む
打ち抜いたシドは伸びをして戦闘形態から元の姿に戻る
「まだまだだねぇ、イッセー先輩。そんな低レベルじゃ僕とまともに遊べないよ?本気で『クロニクル』を止めたかったら……もっともっとレベルを上げなきゃね?」
「ぐ……が……ぁ!」
またもやシドに一方的に打ちのめされた一誠は悔しさのあまり、ギギギと歯を食い縛る
シドは腰を捻ったり、首を回したりして体を
「じゃあねっ、イッセー先輩。
軽く手を振り、シドは魔法陣の中へと消えていった
一誠はアーシアの治療を受けながら、良いように
『まただ……!また、あの野郎に手も足も出なかった……っ!チクショウ……!チクショウ……ッ!』
―――――――――――――――
一方、単独で別行動を取っていた新は
野次馬の“『クロニクル』のボスが出現した!”と言う話を耳にして、現場に直行
今まさに2体のボスキャラと対峙していたのだ
1人は以前に見かけたソルティーユ・クロコッショー
もう1人は杖を
そして、彼らの周りに散乱している装備品の破片……
新が現場に着いた時、既に多くのプレイヤーが
また犠牲者が増えてしまったのは痛ましい事だが、気落ちしている暇など無い
新は両手から黒い火竜を生み出し、2体のボスキャラ目掛けて解き放つ
それに対してソルティーユは電撃、ブラーゲは杖から魔法による砲撃をそれぞれ最大限の威力で放った
しかし、新の火竜は2つの攻撃をものともせず喰らい―――そのままボスキャラ2人を焼き尽くす
『せっかくレベル20にまで上がったのにっ!この敗北はしょっぱ過ぎる~っ!』
『我が最大級のパワフル魔法が通じないとは……!せめて、せめてマ○ンテ並の魔法を覚えておけば良かった……!』
名残惜しさ満載の捨て台詞を
『
『クロニクル』のボス2体を倒した新は元の姿に戻り、フゥッと息を吐く
「……いきなり2体のボスが出てきてくれたのは好都合だ。奴の口車に乗るのは
ボスを倒したのは良いが、問題は“この経過と経緯をリアス達にどう説明するか”だった……
“キリヒコに話を持ち掛けられ、『クロニクル』のプレイヤーになった”等と普通に話してしまえば怒られるのは明白
新は疲れた頭に鞭を入れて、納得できるような言い訳を組み立てながら帰路に着く
―――しかし、それをただで見過ごす程“ヤツ”は甘くなかった……っ
『出だしは好調のようですね。……さて、そろそろあなた方のもとに出向かせていただきますよ。信頼関係が壊れ、絶望を
――――――――――――――
アーシアの治療を経た一誠達も何とか復調し、
アザゼルも同伴しており、現状報告に入る
「まずは『クロニクル』のプレイヤーの保護状況から伝える。この町を含む近辺で保護したプレイヤーの数は57人。今までの被害人数から見ても雀の涙ほどの数だが……奴らの思惑通りにされるよりマシだ。確保したプレイヤーは堕天使系列の医療施設に転送し、回復措置を
アザゼルの現状報告に“ほぼ”全員が安堵の息を漏らした
現在の『クロニクル』死亡者は既に10000人を超えてしまっているが……たった数十人の保護だけでも成果は上々と言える
更に端末を
“ここから反撃に出られる”―――誰もがそう思っていた
ただ1人、新だけが素直に喜べない表情をしているのを除けば……
『…………そう簡単に上手く事が運ぶものなのか……?』
新は不気味な違和感を
最初の時と同じく、自分の首筋にネットリと絡み付き―――ジワジワ絞め殺そうとする蛇がいるかのように……
続いてアザゼルが今後の方針を話そうとした時だった
コン……コン……コン……コン……
突如、部室の扉をノックする音が鳴る
今の時間帯に来客の予定は無い筈
いったい誰なのかと全員が
しかし、開かれた扉の先には誰もいない
全員が“おかしい”と疑問に思う中、新は背後からの感じる気配を察し―――そちらに視線を移す
「―――っ。……本当に目的が読めねぇ野郎だな、お前は」
そう
「
何処かで聞き覚えのあるフランス語を交えた口調
窓の枠に優雅に腰掛け、軽く手を振っている
まともな知り合いなら文句の1つでも言って笑いを取っている事だろう
しかし、眼前にいるのは決して笑いを取れる人物ではない……
その場にいたほぼ全員が目を見開き、アザゼルが憎々しげに言う
「……わざわざ敵側から来訪してくるとはな。いや、この場合は不法侵入と言うべきか」
「あなた方とはお初でしたね。
来訪者―――もとい、不法侵入者は
キリヒコの登場に全員が臨戦態勢となり、特にゼノヴィアは殺気と共にデュランダルの切っ先を向ける
「ここで黒幕が出てくるとは……直ぐにその首を斬り落としてやる!」
「やめろ、ゼノヴィア。コイツはそう簡単に
ゼノヴィアを手で制する新
キリヒコの危険性を1番よく知っているので、ここで戦えば無事では済まされない
ゼノヴィアは納得がいかない表情のまま、ひとまずデュランダルを下ろす
「んで、『クロニクル』とか言うくだらんクソゲームを始めた首謀者さまが何の用だ?ただ他愛も無い挨拶に来たってわけじゃねぇだろう?」
アザゼルが怒気を交えて
「
「さすが陰で魔獣騒動を焚き付けた黒幕、嫌味と悪意が満載じゃねえか……!だがな、これ以上お前らの好き勝手にはさせねぇぞ」
「
「何が刺激だ、悪趣味なクソゲーで民衆を煽りやがって」
「あなた方のビジネスと同じですよ。退屈な日々を劇的に変えて過ごしたいと言う
キリヒコは一切悪びれる様子も無く、冥界の“悪魔稼業と真理は同じ事”だと言い放った
確かに悪魔は人間と契約を交わし、対価を貰ってその者の願いを叶える
しかし、キリヒコが人間に支払わせているのは欲望と命……
命懸けのデスゲームを焚き付け、人間の欲望を刺激し、そして
人間側にとっては、どう足掻いても
一方的な虐殺をいけしゃあしゃあと“等価交換”と述べるキリヒコに、アザゼルは怒りの色を一層濃くする
「ふざけやがって……ッ!何が等価交換だ?最初から死亡エンドしか描いてないクソゲーだろうが……ッ!」
「カジノ等の事業と同じですよ。大元があっさりと負けてしまっては事業として成立しない。全てを公平にする必要はありませんが、“公平感”は客に与えなければなりません。冥界・人間界問わず、事業とはそう言うものなのですよ?」
キリヒコは窓枠から降り、タブレット型の端末を手元に出現させて話を続ける
「その証拠にプレイヤー側にも有利な条件を付けてあげたのですから」
“有利な条件”と言う台詞に疑問を浮かべる面々
キリヒコはタブレットを操作して、ある場面を宙に映し出す
それは新がキリヒコと密会したと同時に『クロニクル』のプレイヤー登録をした、あの夜の場面……
キリヒコは密会と会話の内容も包み隠さず暴露
密会していただけでも驚愕を禁じ得ないのに、更に『クロニクル』のプレイヤー登録までしていたのだから愕然とした
『……本当にイヤな野郎だな、コイツは……ッ!』
新は何も言い返せず、キリヒコを睨み付けるが―――当の
キリヒコが軽く会釈する
「この通り、そこの
キリヒコはタブレットを閉じ、新に視線を移して口の端を吊り上げる
恐らく、この暴露も
新以外の皆が愕然とする中、アザゼルが新に問う
「……お前、黙っていたのか?ヤツと密会していた事を」
静かに怒りを孕ませながら問うアザゼルに対し、新は「……ああ」と
「何故、ヤツの話に乗った?」
「……それしか方法が無いと思ったからだ」
淡々と答える新、震えて舌打ちをするアザゼル
それを見て笑うキリヒコは更なる追い打ちをかける
「ああ、そう言えば……あなた方はプレイヤーを確保していましたね。無傷で捕らえて『クロニクル』の進行を妨害するおつもりですか?―――
「どういう意味だ?」
アザゼルが訊いてもキリヒコは不敵な笑みを浮かべるだけ
問い詰めようとした矢先、アザゼルのもとに小型の通信用魔法陣が展開される
応答に対応してから直ぐにアザゼルの顔付きが変わった……
「何だと……っ⁉本当か……っ⁉」
焦燥に駆られた声音と共に表情の険しさが増していき、歯噛みしながら通信用魔法陣を切る
リアスがアザゼルに訊ねる
「どうしたの、アザゼル?」
「……アジュカから連絡があった。……たった今、確保してきたプレイヤーが死んだ」
「「「「「――――っ⁉」」」」」
それは誰もが驚く知らせであり、一連の会話を聞いたキリヒコは“予想通り”と言った表情で笑っていた
「残念でしたね。『クロニクル』の妨害も先読みして、先手を打たせてもらいましたよ?端末には特殊な術式を
要約すれば正当な手段で『クロニクル』を終わらせない限り、プレイヤーは『クロニクル』の脅威から逃れる事は出来ない……
1度でも打てば、それ無しでは生きられない麻薬と同じ……
キリヒコの卑劣極まりない手腕に全員の表情が
リアスが憤怒の形相でキリヒコを睨み、憎々しげに告げる
「……腐ってるわ……ッ!あなたは……腐りきってる……ッッ!」
悔しさにまみれるリアス達を見て、キリヒコは更に邪悪な笑みを浮かべた
「口では何とでも言えましょう。ですが、私はまだ良心的な方です。世の中には
「良心的だぁ?どの口が言いやがる……っ!詐欺師・ペテン師のクソ野郎が……っ!」
アザゼルもリアスと同じく憤怒の形相で吐き捨てるが、この状況下では負け惜しみにしか見えない
完全にキリヒコのペースで事が進んでいた
「て、め、えぇぇぇぇぇぇぇ……っっ!」
一誠は既に具現化した籠手で殴りかかろうとしていたが、新がそれを制する
新の態度に納得がいかない一誠は、新の胸ぐらを掴んで詰め寄った
「新ッ!さっきから何なんだ!なんで、こんなクソ野郎の肩を持つんだよ⁉コイツのせいで松田と元浜も巻き込まれたんだぞ!」
「ここで挑発に乗ったら、それこそ奴らの思う壺だからだ」
「いの一番にヤツの取引に応じたお前が言えた義理か?」
アザゼルに痛いところを突かれた新は反論せず、ただ黙するだけ……
事実ゆえにその点だけは言い返せない
「新、何故俺達に言わなかった?一言だけでも告げなかった?告げていれば、何らかの対策を打てた筈だ。お前はそれを自分から摘み取ったんだぞ!」
「
キリヒコの横槍に対してアザゼルは「黙れ!」と一蹴するが、キリヒコはただ笑って受け流すのみ
アザゼルは再度、新に問いただす
「新、お前自身も言ってたよな?“コイツらの挑発に乗るな”と。そう言ったお前が、舌の根の乾かぬ内にコイツと密会して取引に応じるのは充分な裏切り行為じゃねえか!」
「……なら、この状況でどうしろってんだ?完全に詰み、手も足も出なくなった―――この状況で他に何か手はあるのか?」
新は静かに問うが、その態度にカチンと来た一誠が更に激怒する
「―――ッ!新ぁッ!お前、言うに事欠いて……ッ!開き直ってんじゃねぇぞ!いつから、こんなクソ野郎の言う事を聞き入れるようになったんだ⁉目を覚ませ!またふざけた事を抜かしたら、目を覚ますまでぶん殴るぞッ!」
一誠に続くように他の者からも非難の声が飛び交う
新が事情を少しでも話してさえいれば、ここまでの混乱は招かなかっただろう……
しかし、それは目の前で状況の悪さ、打つ手の無さを突きつけられても未だに理解していない者の言動に過ぎなかった
新もキリヒコの挑発に
その結果、キリヒコの提案に乗るしか無かった……
新も煮え湯を飲まされながら、苦渋の決断を下したのだ
ここまで現状の悪さが明らかになっても、アザゼルを始めとする皆が納得も理解もしてくれない
そんな不毛な空気が新のイライラを覚醒させてしまう……
「………………いつまで寝ぼけた事を言ってやがる……っ」
新は一誠の手を振り払い、ドンッ!と拳を机に叩き付けて怒号を放った
「この……ボケどもッッ!目を覚ますのはお前らの方だ!今ので分かっただろ⁉たった2日間で10000人以上の人間が、こいつらの仕掛けたクソゲームで殺されたんだぞッ!しかも、保護したプレイヤーは自動的に死ぬ仕掛けまで
「だからって……何もこんな奴の口車に乗る事は無いだろ!先生やアジュカさんに解決策を見出だしてもらえば―――」
一誠の反論に対し、新は「ボンクラがッッ!」と怒号を上げて一蹴する
「だったら、他にどんな方法がある?それは今この場で出せる方法なのか⁉この事態を早急に解決できるものなのか⁉それとも安全性を考慮したものなのか⁉」
「そ、それは……っ」
「よく考えろ!このまま3日・4日と時間が過ぎたらどうなると思う⁉犠牲者の数は増加するだけだ!そんな状況で今更“他の解決案を探す”ってのは足止めされてるのと同じなんだよ!」
「新……っ」
「お前らは自分達の置かれている状況を全く分かっちゃいない。―――奴らが放った火の手は、既に俺達の足を焼いてんだよ……ッ!この状況で“他の方法を探せ”とか、“止めようか”なんて発言は寝言同然……ッ!前しかねぇんだ!突っ走って、突っ走って、その先にある亀裂を飛び越えるしかねぇんだよッッ!」
他の解決策が無いからこそ、新は現状を踏まえて荒々しく熱弁した
目の前には跳べそうな距離の亀裂、背後からは
そんな状況で後戻り、炎の中に突っ込める者がいるだろうか……?
答えは
それが新を含め、今の自分達が置かれている立場である……
先程まで異を唱えていたアザゼルも、自分達が置かれている立場の悪さをヒシヒシと痛感した
それでも納得のいかない様子のイリナが1歩前に出る
「で、でも新くん!まだ他にも方法が―――」
「いい加減に気付けよ!退路なんて物は……このクソゲームが始まる前から―――奴らの手で壊されてんだよッ!」
「新くん……っ。どうして、こうまでして……」
「決まってんだろっ、このクソゲームを一刻も早く終わらせる為だ!犠牲者を次々と増やしたくないなら、俺がこのクソゲームを終わらせるしかねぇんだよ!その為なら多少の危険―――いや、大きな危険を
ノンストップで続ける激しい弁論に新は息切れを起こし、論破された他の皆は完全に沈黙していた……
その様子を一部始終、高みの見物を決めていたキリヒコは邪悪な笑みが止まらない
「―――
言葉だけ申し訳なさそうに聞こえるが、実態は嘲笑と悪意に満ちていた……
最後にキリヒコは足元から黒い霧を滲み出させて、自分の周りの空間を
「さて、これ以上は野暮ですから、私はこの辺りで失礼させていただきます。あなた方のご健闘を心からお祈りしておきますので。それでは―――
黒い霧が完全にキリヒコを覆い隠し、霧が晴れた直後にはキリヒコの姿が無くなっていた
普通なら逃がさんとばかりに動く筈だが……
デスゲームの
何も言えず、何も言い返せない時間が
確認してみると……次のボスキャラの位置情報が表示されていた
これは『クロニクル』のプレイヤーにのみ与えられる情報で、
スマホでボスキャラの出現ポイントを確認した新
重苦しい空気の中、何とか言葉だけでも絞り出す
「………………黙っていた事と、勝手な行動をした事は……本当にすまなかった。この1件が片付いたら、いくらでも怒ってくれ。ただ……今の状況を理解してくれ。もう、後戻りしている暇は無いんだ……っ」
それだけ告げると、新は静かに部室を去っていった
完全にカ○ジ展開になりました(笑)
最近では“盾の勇者の成り上がり”がアニメで放映されていますね。あれも胸くそ悪い奴らばっかり……何かの形でオーバーキルしてやりたいっスワ