ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

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運命の幕開け

「へっへ〜、プラス85万も儲かっちまった。大穴はやっぱり怖いぜ」

 

時刻は既に夕刻

 

全レースを終えた競馬場のゲートから出る新

 

本日の戦績は12レース中9レース勝利、3レース敗北、プラス85万円の功績を叩き出した

 

更に投資した金額も少な目に抑えての戦績なので本人は勝ち誇った顔をしていた

 

「さて、町に戻って良い女を捕まえようか」

 

バイクで疾走する新の頭の中は、ナンパで埋め尽くされていた

 

 

―――――――――

 

 

自分好みの女性を見つけるべく町を徘徊するが今日は不調のようでなかなか見つからない

 

新はどうしようかと悩む

 

「まいったな。今日は捕まえられそうにないか……?いや、まだだ。まだ夜が残っている」

 

新は夜に女性を捕まえようと一旦家に帰る事に――――――

 

ザワッ……………

 

――――――しようと思った矢先、妙な雰囲気を感じ取った

 

「何だ……?人間じゃない魔力が近くから感じる?」

 

周りを見回して気の正体を探っていると、2人のカップルが視界に入る

 

片方は高校生くらいの男子で、もう片方は同い年くらいで黒髪のスレンダー美少女

 

新が特に目を付けたのは美少女の方だった

 

「あの女、何か匂うな……妙な気の正体はあれか?」

 

新は気付かれないように尾行していくと、噴水のある公園に到着

 

隠れながらしばらく美少女の様子を伺っていると、いきなり美少女が全裸となった

 

「おおっ!ピンク色の乳首!」

 

間抜けな声を出してしまう新

 

裸になった美少女の背中から黒い翼が生え、露出過多の黒いボンテージに身を包む(殆ど裸に近い)

 

「っ?あぁ、そうか。あれが堕天使って奴か。聞いた事はあるけど、本物は初めて見たな」

 

バウンティハンターはいろんな賞金首に出くわすので魔物についての知識は頭に入れておかなければならない

 

悪魔や堕天使も例外ではなかった

 

「しっかし、良い色の乳首だったな。どうせなら全裸の方が―――――あっ、あいつ死んだ」

 

感想を述べる途中で高校生男子が、堕天使が作ったであろう光の槍で腹を貫かれた

 

その後、堕天使は黒い翼を羽ばたかせて去っていく

 

新は「運が無かったな、あの高校生」と薄情な台詞を吐きながらも、堕天使の行方を追う事にした

 

紅い髪の女性が死体となった高校生の前に現れた事に気付かないまま……………

 

 

―――――――――

 

 

「おかえり〜♪レイナーレ様」

 

古ぼけた教会前でボンテージ堕天使を迎えたのは恐らく仲間の堕天使

 

数は2人、1人が妖艶な雰囲気を醸し出す美女でもう1人は金髪ツインのゴスロリ堕天使

 

新は茂みに隠れて更に様子を伺う

 

「あの堕天使はレイナーレって言うのか。良い女なのに人殺しをするとは勿体ねぇ。それに後の2人もなかなかの代物だ―――――教会前でのセッ◯スに挑戦してみようか?」

 

新の頭は性交の予定で埋め尽くされていた

 

何を話しているのかを聞くため、もう少し近付こうとした

 

「そこにいるのは誰?隠れてないで出てきたらどう?」

 

「ありゃりゃ。バレてたのか」

 

堕天使の忠告に応じて新は茂みの中から姿を現す

 

「誰あなた?」

 

「おっと。人に名前を聞く時は自分から名乗るのが礼儀だぜ?堕天使さん」

 

「人間の癖に生意気な態度ね。良いわ。あなたの最後の人生を飾る名前だから覚えておきなさい。私は至高の堕天使レイナーレ」

 

「名乗ってくれてサンキュー。俺は竜崎新―――――バウンティハンターだ。せっかくだから、そこのお二人も名乗ってくれるかい?」

 

「あんた面白い奴〜♪これから殺されるってのに名前を言うとか呑気過ぎ〜。え〜、うちは堕天使のミッテルトと申します〜♪」

 

「私はカラワーナ。賞金稼ぎ風情がここに何の用だ?」

 

新は余裕の笑みを見せながらゆっくりと堕天使の方に歩み寄る

 

「なぁに、良い女を放っておけなくてね。そしたら、そこの堕天使さんが人殺しを働いたから何でだろうな〜って探求欲を解消しに来たんだ。どうだい?古ぼけた教会で話すより、深夜のバーかホテルで酒を飲み交わしながら熱く盛り上がらないか?」

 

「ププッ。あんた分かりやすいくらいエロい目ぇしてる〜。心の中じゃうちらとセッ◯スしたいとか思っちゃってる?」

 

「その通り。気の強そうな女は弄ったら良い声で啼いてくれる。あんたらはどんな声で啼いてくれるのか是非聞かせてもらいたい」

 

堕天使3人は新を嘲笑しながら、黒い翼を生やす

 

「ふふっ。残念だけどあなたはここで死ぬのよ。至高の堕天使である私を侍らそうなんて、下等な人間としては大した度胸ね」

 

「貴様のような男は初めて見た。殺されると分かってても尚、逃げる素振りを見せないとは」

 

「今からでも逃げる〜?まぁ逃げても追い掛けて殺すから、逃げられても全然無問題(モウマンタイ)だし。最後にお礼言っといてあげるわ。今世紀最大の笑いをくれてあっざ〜す♪」

 

堕天使達が光の槍を作って新に投げつける

 

狙いは心臓辺り、くらえば無論命はない

 

そう―――――くらえば……

 

「悪いが、死ぬつもりは毛頭ない」

 

ガシャァアアンッ!

 

堕天使の投げた槍は、新の右腕でいとも簡単に砕かれた

 

光の槍を砕いた鎧の右腕はレイナーレを指さす

 

「俺も礼を言わせて貰うぜ。ピンク色の乳首を見せてくれてあっざ〜す」

 

ただの人間が光の槍を砕き、右腕に謎の鎧を装着している

 

そんな目の前の状況に堕天使達は驚きを隠せなかった

 

「まさか……あなたも神器(セイクリッド・ギア)を宿しているの!?」

 

「っ?神器(セイクリッド・ギア)?こいつの事か?生まれた時からあった力なんだが」

 

「でも、そんな神器(セイクリッド・ギア)は見た事ないわ………何と言うか、禍々しい魔力を感じる……!いったい何なの!?」

 

怒りを交えて新に質問するレイナーレ

 

しかし、新もこの力が何なのかは詳しくは知らない

 

ただ便利な力とだけ認識していた

 

「ちょっ、レイナーレ様!?アレ何か超ヤバそうじゃない!?」

 

「確かに………悪魔でも、我々堕天使でもない恐ろしい力が滲み出ている………今この場で殺しておかねば!」

 

焦ったカラワーナとミッテルトが光の槍を携えて突っ込んでくる

 

一方、新は鎧の右腕を水平に掲げる

 

すると、鎧の手の甲が赤と黒のオーラを発し、中から長い何かを出現させていく

 

「っ!?剣だと!?」

 

「ナニソレ!そんなん有り!?」

 

2人の言う通り、手の甲から出現したのは1本の剣だった

 

だがソレは普通の剣とは思えない装飾をしていた

 

凶暴そうな顔と蝙蝠の翼が混じったような柄に、そこから伸びる刀身はクリスタルの様に綺麗な輝きを放つ

 

新は出てきた剣を右手で掴み一振りする

 

「どうする?逃げるか?」

 

「だ、誰が人間ごときに逃げるか!」

 

「そうよ!調子に乗んないでくれる!?」

 

カラワーナとミッテルトは先程よりも強く大きな槍を形成して新に斬りかかる

 

ブンッ!バキィンッ!

 

新の振るう剣は光の槍を豪快に壊した

 

それと同時に剣から発する魔力と風圧がカラワーナとミッテルトを裸にする

 

「おおっ。あんたらもピンクの乳首か。あざっす」

 

小さく頭を下げる新だが、堕天使の2人はその場にへたれ込み裸体を震わせる

 

「ちょっと、あり得ないんですけど……。何なのこの力……?怖いよぅ……」

 

「身体の震えが止まらない……。まるで、私達の全てを喰らおうとするような感覚が全身を……」

 

完全に萎縮し戦意喪失となってしまった堕天使2人

 

レイナーレも異様な力に焦りを感じ始めた

 

「さて、もう1度乳首を見せて貰おうか。レイナーレとやら」

 

「ふ、ふざけないで!私はいずれ至高の堕天使になるのよ!あなたみたいな下等な人間ごときに負ける筈が無いわっ!」

 

「至高の堕天使ねぇ。じゃあこれから只のバウンティハンターに負けるあんたは、至高でも何でもないって訳だ?」

 

その言葉にキレたレイナーレは先程の10倍の大きさはある槍を投げつける

 

しかも2本

 

「アハハハハハッ!これならどう!?いくらあなたの力が強力でも、私の全力を注いだこの槍は簡単に」

 

コォオオオオオオ………!

 

新が左腕にも鎧を展開し、剣の刀身を左手でゆっくりと下から往復で研ぐ

 

クリスタルの刀身は鮮血を思わせる赤に染まっていき、強い魔力も放つ

 

「ワリィ。破壊しま〜す」

 

バキャァアアアアンッ!

 

軽薄な台詞と共に、新の赤い剣は2本の巨大槍を粉々にした

 

全力を注いだ攻撃を簡単に破壊された事で、レイナーレは開いた口が塞がらなかった

 

「嘘よ………こんなの………!何で只の人間が……私の光を……!?」

 

「そろそろ降りてこい(ビュンッ!)」

 

空高く舞い上がった新は一瞬でレイナーレの背後に回り、右の蹴りで地面に落とす

 

回転しながら落下したレイナーレ

 

その眼前に着地した新は剣を構える

 

「ひっ!」

 

思わず目を瞑るレイナーレに高速の剣技を放つ新

 

新が剣を鎧の中に収めると、レイナーレのボンテージが一気に弾け飛び、再び彼女の裸体が展開された

 

「やっぱ綺麗な乳首だな」

 

新は残りの鎧を解除してレイナーレの前に座る

 

「今から質問していくから、それに答えてくれ。妙な真似をしたら………悪戯(イタズラ)に走った方の腕を斬り落とす。あと、質問に全て答えてくれたら俺は帰る」

 

新はドスを利かせた目で堕天使3人を睨みつける

 

震える堕天使は新の言う通りにするしかなかった

 

「あっ。その前に、3人横に並んで手を後ろにやってくれるか?」

 

「………て、抵抗させないため?」

 

「いや、乳首を見たいだけ」

 

拍子抜けさせられる台詞だが、新は至って真剣な表情

 

レイナーレ、カラワーナ、ミッテルトは横一列に並んで座って手を後ろにやった

 

新は彼女達の裸体を真剣に見つめ、乳房(おっぱい)を揉んでいく

 

「んっ……はぁんっ。まさかこんなエッチ事をしたいだけ?んんっ……!」

 

「ぅんっ。みょ、妙に上手い手つきだ……ぁんっ」

 

「おっぱい揉むなんて聞いてな――――ひゃぁんっ!」

 

「何人もの女を抱いてきた俺の手技は伊達じゃないからな」

 

自信満々に自分の特技をカミングアウトする新

 

乳房(おっぱい)を揉みながら本題に入る

 

「まず1つめ、神器(セイクリッド・ギア)ってのは何なんだ?」

 

「神が特定の人間に宿らせる規格外の力の事よ」

 

「特定の人間に………。さっきの高校生を殺したのも、その神器(セイクリッド・ギア)が宿っていたからか?」

 

「そ、そうよ――――ぁんっ。中には悪魔や堕天使の存在を脅かす程の力を持った神器(セイクリッド・ギア)があるわ。私達は上からの命令で――――んんっ。危険因子と認識された神器(セイクリッド・ギア)を宿す人間を排除しているの」

 

「結局は人殺しか」

 

「人殺しって。うちらは出世の為に必死で――――んひぃぃいんっ!」

 

身勝手な言い分に少しムカついた新は、ミッテルトの桃色突起物を強く摘まんだ

 

思わぬ不意打ちを食らったミッテルトは仰向けに倒れ息を荒らくする

 

「はぁ……はぁ……刺激強すぎぃ……。エッチ過ぎるぅ……」

 

「喧しい。どんな大層な理由で殺してるかと思ったら、出世の為かよ。出世したいなら指名手配されてる賞金首を捕まえろっての」

 

新は生きる為に賞金首を捕まえたり殺したりしているが、殆ど理由は似たような物である

 

「じゃあ2つ目、俺のこの力もその神器(セイクリッド・ギア)って奴なのか?」

 

「それは分からないわ。異質で異様な力を感じたから……」

 

レイナーレの言葉にカラワーナもただ頷くのみ

 

ミッテルトはまだ立ち直れないままだったが

 

「そうか。じゃあこれで質問終わりっ」

 

「な、なら……早くこの指をどけてぇ……。くすぐったいぃぃ……!」

 

「まさか乳房じゃなく、乳輪に爪先を這わせるなんて―――――はひんっ!」

 

新の手技及び指技は殆どの女性を蕩けさせる猛毒

 

レイナーレとカラワーナはその毒の餌食となり、女としての顔が出来上がってしまう

 

「そっちの、ミッテルトだったな。あんたは何かこれ以上弄ったら壊れそうだから止めといてやるよ」

 

一仕事終えた新は立ち上がってその場を去ろうとする

 

「待ちなさいよ。1つ聞かせて―――――あなたはいったい何者なの?」

 

「さっきも言ったろ?俺はバウンティハンター。変な力を持った賞金稼ぎだ」

 

それだけ言って新は全裸の堕天使逹に軽く手を振って去っていった

 

 

―――――――――

 

 

「屈辱ね……。只の人間ごときに負けた挙げ句、感じさせられた……」

 

「うちなんて乳首摘まれた〜!マジ最悪!あいつ絶対いつかブチ殺す!」

 

「だがあの男の力に、我々は手も足も出なかった……奴を相手にするのは」

 

「心配無いわ。あの子がくれば、私は至高の堕天使になれる……その時こそ、あの男の最後よ……!」

 

 

―――――――――

 

 

「ようやく見つけた。忌まわしき男の息子。その身に宿りし(おう)の力―――――返してもらうぞ」


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