「へ~、そっちで竜崎先輩と紫藤先輩に会ったんだ。良いな~。しかも、四大セラフのガブリエルとその
『
「うん、楽しめそうだよ。早く先輩達と遊びたくて待ちきれないよ♪」
『
「それは無理だね♪“自由にやって良い”のが今いる組織の行動理念でしょ?」
『……それもそうですね。仕事さえこなせば後は自由、これ程までに都合の良い組織は他にありません。では、そちらもご自由に。
ガッチャーン!
「さ~てとっ、そろそろ僕も
――――――――――――――
「何か嫌な予感がするとは思っていたけれど、こう言う事って異様な頻度で起こりやすいわね。それにこんなタイミングで大公からの依頼も来るなんて……ツイてないわ」
新とイリナが謎の敵―――ユナイト・キリヒコと一戦交え、連絡を寄越して数十分、部室にいるリアス達は大公からの依頼を
その内容は“潜伏している『
「新の事が気になるけど、こっちも見過ごしておけないわ。直ぐに出発するわよ」
「部長、場所は?」
「ここから約20㎞離れた森林―――
レイヴェルとアザゼルを連絡要員として部室に残し、リアス達は
ちなみに
蟲の巣窟―――その名の通り昆虫型のモンスターが多く生息しており、奴らの体が鉄の様に硬い事から
更に一般的な森林地帯よりも遥かに広大な為、遭難する事もしばしば
身を潜めるにはうってつけの場所だ
リアス達は3つの班に分かれて捜索する
振り分けは一誠、祐斗が1班
リアス、朱乃、アーシア、ロスヴァイセが2班
ゼノヴィア、小猫、ギャスパーの3班となった
別々の方角から捜索を開始する
時折襲い掛かってくる昆虫型のモンスターを撃破しつつ、奥へ奥へと進んでいく
「久しぶりだね、イッセーくんと2人っきりになるのは」
「こんな時に気色悪い事言うなよ。はあ……俺はつくづく新が羨ましい……っ。あいつはいつもいつも可愛い女の子に囲まれて……」
「君にはアーシアさんがいるじゃないか。まだ何か不満でも?」
「アーシアは良い娘だよ!最高さ!俺には勿体無さ過ぎるぐらいに!……それでも、それでも俺はハーレム王を目指したいんだよ!なのに……浮かんでくるのはお前との妄想カップリングだの、渉との先輩×後輩だの、挙げ句には転校したてのシドとカップリングさせようってBL好きの魔の手が……っ。アアアアアアアッ!これ以上、俺の周りで
一誠は自分の不遇さに頭を振り乱しながら絶叫、否定出来る材料が見つからない祐斗は苦笑するしかなかった
そうこうしてる内に一誠と祐斗は木に寄り掛かっている何者かを発見する
白と青を基調とした服に身を包み、水色がかった銀髪のショートボブヘアーの女性
所々が汚れていてボロボロになっている……
ただならぬ状態に2人は直ぐに駆け寄った
「大丈夫ですか?随分ボロボロだけど、何か遭ったんですか?」
「……は、はい……。昨日から逃げ回ってここに潜伏してたのですが……バレるのも時間の問題で……」
どうやら彼女は“何か”から逃げ回っていたようだ
一誠と祐斗は顔を見合わせる
『なあ、木場。ひょっとして潜伏している「
『確証は無いけど、昨日から逃げ回ってると言った辺り、その可能性はあるね。それにしても……僕達以外に彼女を追ってる者がいるのが少し引っ掛かるね……。とにかく、彼女を保護してあげよう。話はそれからだよ』
祐斗は応急処置用に持っていたフェニックスの涙(少量)を彼女に飲ませる
彼女の傷はみるみる内に癒えていき、ようやく立ち上がる
「ありがとうございます。あなた方は命の恩人です。失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「あ、はい。兵藤一誠です」
「僕は木場祐斗です。あなたは?」
「私はユキノと申します。……そのお名前、もしかして―――リアス・グレモリー様のご眷属の兵藤一誠様と木場祐斗様ですか?」
銀髪の女性―――ユキノがそう訊ねると2人は小さく
2人がグレモリー眷属だと知ったユキノは力が抜けた様にその場でへたり込む
「……良かった……。じゃあ、私達は助かるんですね……」
「え?助かるって……私達?」
「他にも誰かいるんですか?」
「はい、一緒に逃げてきた私のパートナーです。あの……お願いします……っ。私達を保護してください……っ」
突然の懇願に一誠と祐斗は言葉が出なかった
やはりユキノは『
しかし、事情が事情なだけに放っておく訳にもいかない
2人は少し話し合った後に承諾した
「ええ、その場所まで案内してください」
「……っ。ありがとうございます……っ」
ユキノは目にうっすらと涙を浮かべて頭を下げる
今までにはあまり無かった状況に困惑しつつも、一誠はユキノを抱きかかえて歩き出す
ユキノの連れは森の奥にある洞穴にいるらしい
ユキノをお姫様抱っこで抱えている一誠は彼女の柔らかさに悶々としてしまう
『おおおおおおっ、おっぱいが……おっぱいが当たってるぅぅうぅぅ!この人、結構なボリュームがあるぞぉ……っ!それにメチャクチャ可愛いっ!まるで天使か妖精みたいな可愛さだ!く~っ!俺も将来、こんな可愛い娘を眷属にしたいっ!』
「あ、あの……すみません、運んでいただけるなんて……。重くありませんか?」
「いえいえいえ!全っ然!寧ろ柔らかくて気持ち良いです!」
「イッセーくん、本音が出てるよ」
一誠の欲望丸出しな台詞にユキノは顔を赤らめる
「あ!す、すいません!つい本音が……」
「い、いえ……お気になさらず……。この状態ですから、しょうがないですよね……」
恥じらいはするものの、決して怒ったりしないウブな反応に一誠は更に悶々とする
それどころかユキノは落ちない様にと腕の力を強め、より体を密着させてくる
そのお陰でユキノのおっぱいが一誠の胸板に押し付けられ、形を歪めていく
『フオオオオオオオオオオオオオオッ⁉おっぱいが更に密着ぅぅぅぅぅぅっ!ヤバいって!俺の股間にも響いてくる!そうだ!こう言う時は円周率を数えれば良いんだっ。よし、円周率は3.14……………………あ、これ以上知らねぇや!別のを数えよう!おっ
頭の中がおっぱいで埋め尽くされ、心中で乱舞しているとユキノが言っていた洞穴に到着
ユキノが声を掛けると―――中から出てきたのは2人の女性だった
「ユキノ、無事だったか。ん?その2人は何だ?」
1人はツリ目で金髪の女性
右腕に籠手、左腕に羽飾りを着け、腰布を巻いた露出の多い女騎士だ
チューブトップと呼ばれる布を巻き付けただけの胸がドドンと豊満さを主張してくる
「あれ、グレモリー眷属の兵藤一誠と木場祐斗じゃない?どうしてその2人がここに?」
次に出てきたのは小柄な美少女
オレンジ色の長髪にリボン付きのヘッドホンを着用し、棒付きのキャンディを口にくわえている
一誠は心中でヒャッハー状態となり、歓喜の涙を流す
「おい、ユキノ。何故グレモリー眷属の連中がここにいる?」
「まさか、あいつらの差し金……?」
2人の女性が険しい顔付きとなって警戒態勢に入るが、ユキノが直ぐに止める
「ち、違いますっ。お二人には私から説明しました。私達を保護してくれます」
「……ユキノがそう言うなら、信じてみよう。私の名はディマリアだ。宜しく頼む」
「命あっての物種だもんね。私はチェルシー、エスコートはお願いね?」
簡単な自己紹介を終えたディマリアとチェルシー
祐斗はひとまずリアスに報告する為、通信用の小型魔方陣を展開するが―――聞こえてくるのは雑音のみ
「……おかしいな、全く通じないよ」
「まさか、部長達に何か―――」
「いえ、この森は奥に行けば行く程に磁気が大きく乱れるのです。機器は勿論、術式を含めた通信手段は使えないんです。森の入口に行けば通信は使えます」
「どっちにしろ、この森を出ないと連絡が通じないって事か」
「そうみたいだね」
森の入り口を目指すべく歩き出した一向
薄暗い木々の道を進んでいく
「そう言えば聞きそびれたんだけど、ユキノさん達は何で追われてるんだ?」
「はい……。私達は元々『
ユキノの表情に陰りが強く出始め、ディマリアとチェルシーの顔も沈んだ表情となる
どうやらあまり思い出したくない内容らしい
「その人の強さと恐ろしさは……忘れたくても忘れられません……っ」
「三大勢力以外にも『
祐斗が訊くとユキノは口元を震わせて答えた
“…………1人です……っ”
「ひ、1人っ⁉たった1人でユキノさん達を⁉」
一誠は目玉が飛び出しそうなくらい驚き、ユキノは無言で小さく頷く
それ程の者が彼女達をつけ狙う理由、その目的は何なのか?
謎を残したままだが、一向は森の入り口付近にまで辿り着いた
“これで助かる……っ”
ユキノ達が安堵して心を緩めたその時―――何者かが空から地上へと着地してきた
砂煙が足元に舞い、足を止める一誠達
「やあ、イッセー先輩。奇遇だねー」
その軽いノリの声音には聞き覚えがあった
最近知ったばかりの声、制服姿……
眼前の人物は紛れも無く、
「お前……シド⁉何でお前がここに⁉」
当然驚いた一誠は問いただすが、シドは陽気に手を振るだけ
ふざけた態度に物申そうとした時、ユキノ達の異変に気付く
全身を震わせ、この世の終わりの様な表情となり、歯もガチガチと鳴らしている
その様子を見て祐斗はいち早く察した
「……なるほど、どうやら彼が話の主犯みたいだね」
「え?それじゃあ―――」
「……はい……っ。あの人が……あの人が……っ、私達の拠点を……全滅させたんです……っ」
絞り出された彼女の言葉に木々がざわつく……
次回はシドとバトりますよー!