フローズンパレスの第2大広間
そこは『
現在グレモリー・シトリー陣営で勝ち残ったメンバーは新、一誠、祐斗、ゼノヴィア、イリナ、小猫、ギャスパー、ロスヴァイセ、由良、巡、仁村
リュオーガ族の勝ち残り組はレモネードのみ
戦力的には新達の方が有利だが……今までの戦いで疲労も蓄積している為、まだ油断は出来ない
今はとりあえず傷の治癒を優先、残り少ないフェニックスの涙を少しずつ分け合って傷を癒す
傷は癒せても緊迫感を取り払えない新達を尻目に、レモネードはソファーらしき物に座って紅茶を飲んでいる
「随分と余裕があるな、あの娘……」
「ああ、不気味なぐらいにな」
レモネードの様子を
レモネードは視線に気付いたのか、2人の方を向いてクスッと微笑む
そこへ祐斗が新に呼び掛ける
「……さっき部屋の中で見せられたけど、新くん。―――君がリュオーガ族だって言うのは本当?」
「……どうもそうらしい。こいつが証拠だってよ」
新は苦々しい顔付きで左腕に刻まれたリュオーガ族の痣を祐斗達に見せる
ラースの策略で祐斗達も新の正体を知ってしまっただけに複雑な表情となる
「……本当ならあんまり見せたくないんだがな。あんな奴らと同じだなんて―――」
「クスッ……それは無理」
「おわぁっ⁉」
いきなり新の背後にまで迫ってきたレモネードに驚く一同
彼女は相変わらず意味深な含み笑いを見せつけている
「……その痣は私達リュオーガ族の証。それがある限り、あなたはゼノンで私達の家族。竜の一族の血と運命からは逃げられない」
そう言いながらレモネードは首の後ろに結ばれている紐に手を掛け、ゴスロリ服の結び目をほどく
一誠は即座に反応し、鼻の下を伸ばしながらガン見
結び目が完全に解かれてゴスロリ服の上部がはだける
白く透き通る様な綺麗な肌を見せたレモネード
しかし、本当に見せたいのは彼女のおっぱいにあるリュオーガ族の痣だった
「ウヒョッホォォォォォッ!思った通り、うちのアーシアと同じぐらい素晴らしいおっぱいッ!くぅぅぅうっ、堪りませんなぁっ♪」
「イッセーくん、ジロジロ見たら失礼だよ」
紳士な祐斗は手で目元を隠しながら一誠に忠告するが、一誠は目を逸らすつもりなど微塵も無い
「何良い子ぶってんだ、ムッツリスケベめ!あの娘がおっぱいを見せてくれるのなら、男は黙っておっぱいをガン見する!それが礼儀ってもんだろ!」
「君がそこまで言うなら止めないよ。……新くんの二の舞になりたいならね」
祐斗の言葉に疑問を抱いた一誠がふと新の方を見てみると―――新は小猫の折檻を食らっている最中だった……
「……新先輩、今はエッチぃの禁止です」
「ガ……ッ、ガ……ギ、グ……ッ、ゲ、ゴ……ッ!」
目の前の惨状を見てしまった一誠は顔中から汗を流し、背中も冷や汗でグッショリと濡れる
祐斗が一誠の肩に手を置き、“……ね?”と諭す様に一言だけ告げた後、一誠は何も言わずに下を向いた
やがて背骨の鳴る音が止み、小猫の折檻から解放された新は地に落ちてピクピクと体を痙攣させる
完全に白目を剥いており、次の戦いに支障が出そうな程ヤバい状態だった……
レモネードはゴスロリ服を着直してクスクスと笑う
「……あなた達も不運。ゼノンを側に置いた事を後悔する、絶対に」
「後悔?」
「……私達は誰からも愛されず、拒まれてきた呪われし一族。特にゼノンは創造主の欠片から作られた存在。……いずれ、その力が目を覚ます時―――あなた達も拒絶する。他のヒト達と同じ様に。……だから、ゼノンは私達のもの。これ以上苦しみたくないなら……ゼノンを私達に返して」
レモネードは警告とも取れる台詞を一誠達に言い放つが、ゼノヴィアがそれを真っ先に一蹴する
「断る。新をお前達に渡すつもりなど無い。勿論、新を拒絶する気も無い」
「……どうして?あなた達は悪魔。……どうして違う種族のヒトがゼノンを受け入れられるの?ねえ、どうして?」
「新は―――私が惚れた男だ。惚れた男を敵に渡す女が何処にいる」
またもゼノヴィアの一般男子よりも男らしい台詞が炸裂
聞いてるだけでも赤面ものであるが、一誠達もその決意は同じ
「そうだ、新は俺達の大事な仲間なんだ!正体が何であろうと変わらない!オカルト研究部の一員で―――俺達の仲間だッ!」
一誠も自身の気持ちを吐き出し、皆も同意を表すよう頷く
一誠達の返答にレモネードは首を
「……分からない。あなた達は“家族”じゃないのに、どうして一緒にいられるの?」
「理屈ばかり押し付けるお前達には分からんだろうな」
「…………」
ゼノヴィアや一誠の考えを理解出来ないレモネードはソファーに戻って座り直し、何度も首を傾げる
その間に新は「……問題無い、この川を渡れば良いんだろ?」と危なげな独り言を呟いていた
更に昔つるんでた仕事仲間達が川の向こうで「こっち来いよぉ!」と元気
「待て、新ッ!その川を渡っちゃダメだ!死ぬぞ!」
「……よお、ノクス。随分と雰囲気変わったじゃねぇか。背中に骸骨なんか乗せちまって。……ニルス、上手そうなスープだな。何の骨でダシ取ってんだ?……グラさんもこんな川の
「ヤバいヤバいヤバいっ、新が骸骨を同伴させた人達と喋り始めたぁぁぁっ!」
一誠は急いで授業で習った心肺蘇生法を実施、何とか生還させる事に成功した
意識を整えた矢先、考え事をしていたレモネードが再び席を立つ
「……でも、どの道あなた達に勝ち目なんて無い。アノン、ニトロ、ジュウゾウに勝っても、まだラースが残ってる。あなた達もラースには勝てない。……ラースと戦ったヒト達、皆死んじゃったから」
レモネードは紅茶が入っていたティーカップの
1周、2週、3周させてからティーカップを指で軽く叩いた瞬間―――パリンっと儚い音を立てて割れた
「……このカップと同じ。私が壊しても、物は無くならない。……でも、ラースは残さない。跡形も無く消しちゃうの。それは嫌でしょ?……ラースと戦ってるあなたのお友達、皆消えちゃう。……良いの?」
僅かばかりの心遣いなのか、レモネードは今すぐにでも諦めるよう進言してくる
しかし、一誠は「そんな事は無い!」と叫ぶ
「部長も、朱乃さんも、渉も、高峰も生きてここに来る筈だ!あんな奴に負ける訳が―――」
「随分と買い被っているようだな、腐った下等生物ごときが」
耳に届いた辛辣な言葉遣い、背筋に寒気が走る……
新達が後ろを振り返ってみると、扉に
登場もそうだが、何より今の彼の姿に圧倒されてしまいそうになるだろう
「あれがラース……?さっきまでと姿が全然違うじゃないか……ッ!」
「一誠、姿だけじゃねぇ。殺気も桁違いだ……ッ」
異様な姿と気迫にたじろぐ一同を尻目に、ラースがゆっくりと歩みを進める
「……おかえり、ラース。その姿、久しぶりに見た」
「この姿になるまでも無いと思っていたが、そうもいかなかったんだ。まあ、どちらにしろ丁度良い。矮小な頭しか持たない下等生物共に更なる絶望と恐怖を植え付けてやらないとね」
ラースがここに来た―――それは
新達にとっては悲報でしかない
その悲報を知らされた新と一誠の拳に怒りが宿った
ラースは嫌味な含み笑いを見せつけながら言う
「君達のご主人は本当に残念だよ。これから始まる最高のショーを見れずに、跡形も無く消えてしまったんだからね」
「「……テメェ……ッ!」」
新と一誠の怒りは爆発寸前
特に新からはドス黒い感情が沸き上がってくる……
そう、サイラオーグとの戦いで爆発した敵意、殺意、怨恨が彼の内を全て
“もう一押しだ”と言わんばかりにラースは再び指を鳴らし、宙にアザゼル達の映像を映し出す
画面に映ったアザゼルが視線をラースに向ける
『……ここで出てくるとは、何の用だ?』
「ド腐れ堕天使の腐敗した耳と頭に入れておきたい情報を伝えようと思ってね。君の教え子―――
皮肉な笑みを浮かべてラースは冷酷な知らせを画面越しに伝える
アザゼルは一瞬目を見開き、顔を下に
絶望したであろうアザゼルを
「ハハハッ、由緒正しき竜の一族に歯向かった当然の報いさ。だが、まだ終わらせないよ。残りの下等生物を死よりも
徹頭徹尾煽ってくるラース
こんな陰湿な挑発をしてる時点で“由緒正しき”等とよく言えたものだ
大広間にいるグレモリーとシトリー陣営が怒りに震える中、画面に映っているアザゼルも徐々に震え出し―――
『……ハーッハッハッハッハッハッハッハッ!』
―――何故か大口を開けて高らかに笑い始めた
解せない事態に
「……何の真似だ?突然笑いだすとは、まさか狂い過ぎて逆にハイになってしまったのか?」
『ハッハッハッハッハッ!……いやぁ、スマンスマン。お前さんの自信満々の顔付きと台詞、俺の横にある光景とあまりにも噛み合わないもんだから、可笑しくて可笑しくて』
「何……っ?」
アザゼルの意味深な言葉にラースは映像を“アザゼルの隣”に移す
映像の中には“消滅させた筈のリアス達が存在している”画が映っていた……
確かに酷い傷だらけではあるが、しっかりと生存している
「……ッ!生きてる……ッ、あ、新ッ!部長も!朱乃さんも!渉も!高峰も生きてる!生きてるぞッ!」
「……ッ……あぁ……ッ」
一誠は狂喜乱舞して新の肩を揺さぶり、新も感極まって一筋の涙を流す
他の皆も嬉し泣き、喜ぶ中―――ラースだけは愕然としていた
「……何故だ……ッ。何故あのゴミ虫どもが生きている……ッ?あの攻撃をまともに食らって生きている筈が無い……ッッ!」
『俺だってビックリしてるさ。突然ボロボロのこいつらが戻って来たんだからよ』
アザゼルさえ知らないリアス達の生存の理由
実はラースが十字火竜を放った時、ラースは即座に背を向けて勝利の扉を潜ろうとしていたのだ
確かに技の威力は凄まじく、まともに受ければ消滅は
だが、一瞬の傲慢の隙を突いて渉は賭けに出ていたのだ
まず背中のマントを取り外し、自分ごとリアス達をそれで覆い隠して防御の術式を最大限にまで付加
更に体内に宿りし三魔族の力も借りて二重の超強化、外部からの攻撃を遮断
幾分かダメージが返ってきたものの、消滅を免れた上に『
ラースとの戦いはリアス達の敗北ではあるが、生存の成功により少なからずもラースの思惑に一矢報いる事が出来た
『俺の教え子達を
「うわぁ……先生、ここぞとばかりに言いたい放題……。でも、グッジョブ!俺もスッキリしたぜ!」
ラースの失態がよほど気に入ったのか、アザゼルは下卑た笑い声を上げ続け、一誠は密かに親指を立てる
赤っ恥をかかされたラースは―――自分の足下に亀裂を生じさせる程怒りに震え、
相当堪えたのだろう……彼の顔は憤怒に歪みきっていた……っ
「……調子に乗りやがってぇ……ッ、このド腐れクソゴミクズ堕天使がァ……ッ!あぁ?生きてたから何だ?目の前のゴミ虫どもを消した後で殺せば何の問題も無い……ッッ!寧ろ、四大魔王への凝った手土産が増えただけの事だ……ッ!焼き払い、消滅させるだけでは生
完全に頭に血が昇ったラース
今にも全てを消し飛ばしそうな具合のオーラを見せつけてくる
新達も気を引き締め直して構えに入る
「何でもお前の思い通りにいくと思ったら大間違いだ。その証拠に、見事に足を
「ざまあみろ!俺達はそう簡単にやられやしないんだよッ!」
「黙れェッ!死に体寸前のカスどもがァッ!手負いの貴様らなど、直ぐにでも滅ぼしてやるッ!だが、その前に―――相応しい舞台を見せてやらないとなぁ……ッ」
ラースが指を鳴らした途端、足場が揺れ始めた
そして徐々に光が皆を囲い、移動を開始する
到着したのは最初に足を踏み入れた大広間―――つまりアザゼル達が今いる場所の真上
空中に浮かぶ氷上のフィールドで最終戦が始まる……
「このフィールドが『
凍える氷城内に浮かぶ
いよいよクライマックスに近づいて参りました!
そして原作の23巻……思わずヒャッハァァァァァァァァァァアしました!
なんとガブリエルさんのイラストがありましたよ!
購入した人達は問答無用で勝ち組です!
しかもガブリエルさんに仕える女性天使も……良いッ!得っ!得っ!俺得ですっ!
彼女達に対するグフフな妄想が止まりません♪(自重せよ)
オリキャラや彼女達を早く出せるように執筆も頑張ります✊