ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

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蝙蝠VSライザーの駒

レーティングゲームが始まってから数十分が経過した頃

 

 

 

現在一誠は祐斗と共に体育用具を入れる小屋の物陰に隠れていた

 

 

 

「すまん、木場。小猫ちゃんは……」

 

 

 

「アナウンスを聞いているから僕も知っているよ。無念だったろうね。いつも何を考えているか分からない子だけど、今回は張り切っていたよ。森にトラップを作る時も一生懸命にしていた」

 

 

 

「……勝とうぜ」

 

 

 

「もちろんだよ、イッセーくん」

 

 

 

互いに拳を当て合う2人

 

 

 

いざ相手の様子を窺おうと顔を出した祐斗だが、何やら違和感を覚える

 

 

 

「……?何かおかしい」

 

 

 

「っ?どうした木場?」

 

 

 

「さっきから妙だよ。敵の駒がいる感じがしないんだ。体育館を消し飛ばしたから、相手はこちらからの侵入を警戒して駒を配置する筈なのに……」

 

 

 

目ぼしいと思われた2つの侵入ルートの内、体育館からのルートは囮に使ったので新校舎裏の運動場からのルートしかない

 

 

 

体育館を消し飛ばされた相手は一誠逹がいる運動場を警戒する筈だった

 

 

 

だが運動場を見る限り、敵らしき人影など何処にも存在しなかった

 

 

 

「本当だ。これだけ静か過ぎるとかえって気味悪いな。新も無事だったら良い―――――――っ?」

 

 

 

一誠は不意にある考えが浮かんだ

 

 

 

リタイヤする者がいればアナウンスされる

 

 

 

さっきはアナウンスが無かったから、新はリタイヤしていない

 

 

 

新の力は『闇人』が作った最強(?)の鎧、そして新自身も強い

 

 

 

ライザーは10日前、新を先に潰した方が良さそうとか言っていた………

 

 

 

一誠の頭脳に最悪の展開が過った

 

 

 

「……っ!ヤベェぞ木場!奴らの狙いは新かもしれねぇ!」

 

 

 

「何だって!?」

 

 

 

「新の力は俺達悪魔の天敵が作った鎧だったろ!ライザーはその力を10日前まで知らなかった!」

 

 

 

「なるほど。そんな力を持っているのに駒の消費数『兵士(ポーン)』1つの竜崎くんを最初に警戒していたんだね。もしかしたら残りの駒総動員で竜崎くんを……。仕掛けたトラップに発動した形跡が無かったのはその為か……やられたね」

 

 

 

「のんびりしてる場合じゃねぇ!急ぐぞ木場!」

 

 

 

「待ってよイッセーくん。通信機を使って何処にいるのか聞かないと」

 

 

 

祐斗は通信を入れて新の通信機に繋げようとするが、流れてくるのは雑音のみ

 

 

 

「通信出来ない……魔力で妨害されてるのかな……?」

 

 

 

「通信出来ない!?だったらしらみ潰しに探すしか!」

 

 

 

「残念ながら、そうするしかない様だね」

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

「ほう。団体さんのお出ましってヤツか」

 

 

 

一誠の心配が当たっていた

 

 

 

合流しようと駆けていた新を取り囲むライザー眷属

 

 

 

騎士(ナイト)』2人、『戦車(ルーク)』1人『僧侶(ビショップ)』2人、『兵士(ポーン)』5人――――残りのメンバーが集結している

 

 

 

「さて、小猫を殺ったのはどいつだ?」

 

 

 

「あら、心外ですわね。リアス・グレモリーさまの『戦車(ルーク)』を倒したのは私達ではなく、ユーベルーナですわ」

 

 

 

「ユーベルーナ……あの女魔導師か」

 

 

 

「ええ。『兵士(ポーン)』を犠牲(サクリファイス)にして、勝利させたところで狩る。獲物は何かをやり遂げた後が一番油断しやすく、狩りやすいですからね。『戦車(ルーク)』を最初に倒させてもらいましたわ。『キャスリング』がありますので」

 

 

 

『キャスリング』とは自分と『(キング)』の位置を瞬間的に入れ替える技法

 

 

 

兵士(ポーン)』のプロモーションの様に『戦車(ルーク)』のみが有している技である

 

 

 

だが、新にはそんな話を耳に入れる余裕などなかった

 

 

 

「能書きはどうでも良い。小猫の次は、俺を狩りに来たんだな?」

 

 

 

「その通りですわ。消費数『兵士(ポーン)』1つにもかかわらず、あなたの力はカーラマインを軽くあしらう程なら、全員で仲良く倒せば宜しいですもの」

 

 

 

そう言うと、お姫様『僧侶(ビショップ)』は後ろへ下がる

 

 

 

「……っ?おい。お前は戦わずに高みの見物か?オマケに9人がかりの陣を取らせるとは、随分と臆病者なんだな」

 

 

 

「し、失礼な!あなたごとき相手に、わざわざ出る必要がないからですわ!」

 

 

 

「気にしないでくれ、リアス・グレモリーの『兵士(ポーン)』。あの子は特殊だから。今回の戦いも殆ど観戦しているだけだ。彼女は――――――いや、あの方はレイヴェル・フェニックス。ライザー様の妹君だ。特別な方法でライザー様の眷属悪魔とされているが、実の妹君だよ」

 

 

 

「フェニックス!?ライザーの妹!?つーか妹を眷属にするとは近親相姦……って、んな事気にしてる場合じゃなかったな」

 

 

 

新は静かに構えを取る

 

 

 

対するライザー側は、以前新が裸にした『騎士(ナイト)』カーラマインが出てくる

 

 

 

「まずはお前からか」

 

 

 

「うむ。あの時は裸にされてしまったが……今回はそうはいかないぞ。リアス・グレモリーの『兵士(ポーン)』」

 

 

 

「そういえば、ちゃんと名乗ってなかったな。俺はリアス・グレモリーに仕える『兵士(ポーン)』竜崎新だ」

 

 

 

「………竜崎新と言うのか」

 

 

 

「良かったなカーラマイン。あの『兵士(ポーン)』の名前が聞けて」

 

 

 

「――――っ!?な、何をいきなり!」

 

 

 

新はいきなり相手が口論し始めた事に目を細める

 

 

 

「あー。実はな、カーラマインはキミが心底気に入ったみたいで。あれ以来キミから貰った上着を寝間着代わりにしているらしくて」

 

 

 

「わぁぁぁぁぁぁぁっ!イザベラ!何故その事を知っているんだ!?」

 

 

 

「お、驚いた。騎士道精神を具現化した様なお前がそんな可愛らしい事を……」

 

 

 

新は流石に照れて頬を掻き、カーラマインは秘密を聞かれたせいで顔を真っ赤にした

 

 

 

「い、今のは聞かなかった事にしろ!」

 

 

 

「聞かなかった事にしろって言われてもな……」

 

 

 

「うぅっ……ならば、ここで記憶が残らない程倒す!今の話を忘れると言うまで斬る!」

 

 

 

「無茶苦茶過ぎるわ!それに――――次は本気でやらせてもらうぜ?数で不利な状況下にいるからな!」

 

 

 

新は闇皇へ化身し、10日前と同じ様に剣を出す

 

 

 

ライザー陣営は初めて見る姿に顔が強張る

 

 

 

「な、なんて禍々しい姿だ……!魔力も以前とは桁違い……だが、二度も負ける訳にはいかない!我ら誇り高きフェニックス眷属は炎と風と命を司る!我が炎の剣を受けてみよ!」

 

 

 

カーラマインが剣を抜き、炎を宿らせる

 

 

 

横薙ぎの構えから突進してくるカーラマインに対し、新は刀身に左手を添える

 

 

 

「炎と風と命を司るフェニックス眷属か……なら俺は、万物を喰らう――――――――闇皇の蝙蝠だ」

 

 

 

オォォォォオオオオオン………

 

 

 

柄の顔の眼がギラリと光り、呻き声が発せられる

 

 

 

左手で刀身をゆっくり擦ると、今度は赤じゃなく黒に染まっていく

 

 

 

「っ!?あの時とは違う色に……!何だ、この異様な魔力と全身を駆け巡る寒気は……!?」

 

 

 

カーラマインの炎の剣撃を剣で受け止める新

 

 

 

ギュゴォォォォォオオオオオオ………!

 

 

 

装飾の顔がカーラマインの炎を喰らい、次第に炎が無くなっていく

 

 

 

「剣が炎を喰っている!?」

 

 

 

「喰ってるとは少し違うな。赤は力を象徴する魔力だが、黒は吸収と反発を象徴する。即ち、お前の炎の力を取り込んでいるんだ」

 

 

 

蝙蝠の顔が全ての炎を喰らい終わると、刀身に込められた魔力が一層強い気迫を放つ

 

 

 

「一振り。この一振りでカーラマイン、お前は再び裸になるぜ。オォォラァァァァァァァァァァァッ!」

 

 

 

カーラマインの眼前に剣を空振りさせた刹那――――新の魔力、カーラマインから吸収した炎の力と風圧が混ざり合い、凄まじい旋風が巻き起こる

 

 

 

バキンッ!ビリビリビリっ!

 

 

 

手と腰の剣が完全に粉砕され、カーラマインの鎧と服が千切れ飛ぶ

 

 

 

旋風が止むとカーラマインは裸体を隠す事も出来ずに、その場にペタンと崩れ落ちる

 

 

 

「あの時は、全く本気じゃなかったと言うのか……?つ、強過ぎる……っ」

 

 

 

新は剣をしまい、全裸で座り込むカーラマインに近寄る

 

 

 

「……私の負けだ。トドメを刺すなら刺せ。『騎士(ナイト)』として全力を尽くした。それで破れてリタイヤさせられるなら本望だ」

 

 

 

「これ以上戦えないあんたに攻撃なんざしたくないね。綺麗な裸体を傷付けるのは嫌なんだ」

 

 

 

新は鎧の手でカーラマインの乳房を揉む

 

 

 

「ひっ……つ、冷たいぞ……!もっと優しく……してくれ……きゃっ!?」

 

 

 

新はカーラマインを抱きかかえ、少し離れた場所に彼女を降ろす

 

 

 

「ど、どういうつもりだ?」

 

 

 

「まだ敵は8人もいる。俺とあいつらの戦いに巻き込ませない為に移動させた。不満か?」

 

 

 

新の言葉にカーラマインは頬を紅潮させながら首を横に振る

 

 

 

新は「じゃあな」と言って、さっきの場所へ戻っていく

 

 

 

「カーラマインを一撃で退けるとは。やはりキミはリアス・グレモリーの眷属の中で一番危険な存在かもしれない。相手を躊躇なく裸にする上、とてつもない強さを秘めている」

 

 

 

「あんたは確かイザベラ、だったな?俺の次の相手をしてくれるのか?」

 

 

 

「あぁ、キミの強さを見て久々にたぎってきた。私も全力でいかせてもらおう!」

 

 

 

イザベラがビュンッと駆け出し、新に拳を放つ

 

 

 

新はパンチを見切ってかわす

 

 

 

「ボクシングか。生憎(あいにく)、俺は接近戦も得意だぜ?」

 

 

 

「そうか。ならば、大幅にギアを上げよう!」

 

 

 

イザベラが更にスピードを上げて、拳を振る

 

 

 

顔面・鳩尾などの急所を狙ってくる拳を、新は難なく回避していく

 

 

 

「流石は『戦車(ルーク)』。威力もスピードも申し分無いが、俺を倒すには到底及ばないな」

 

 

 

「くっ!なら、これはどうだ!」

 

 

 

イザベラは右足の蹴りを放つ

 

 

 

新のコメカミに蹴りが炸裂した――――――が、蹴りは効いておらず、新はその足首を左手で掴む

 

 

 

「もらったぁ!」

 

 

 

「くっ、マズイ!」

 

 

 

新の突きに対し、イザベラは顔を庇うように両腕を交差させる

 

 

 

シュルッ、モニュッ

 

 

 

「な、何をしているっ!?」

 

 

 

新の手はイザベラの顔面ではなく、乳房が狙いだった

 

 

 

服の下から潜り込ませ、柔らかい乳房と乳首を堪能する

 

 

 

「あっ……や、やめろぉ……!はぁんっ……しょ、勝負の最中に……ひうっ!む、胸を、乳首を弄るなぁ……やめろぉ……っ。やめてぇ……っ」

 

 

 

生娘の如く喘ぎ声を出してしまうイザベラ

 

 

 

新は「そろそろ止めてやるか」と足を放すと、イザベラは体を守る様な姿勢を取る

 

 

 

「や、やはりキミは危険な男だ。その手技で……女を感じさせて骨抜きに……」

 

 

 

「あんたブラ着けてないのか……こんなモンまだ序の口だ。次はあんたを裸にしてやる」

 

 

 

新は体から魔力を放出し、右腕に集中させる

 

 

 

イザベラは拳でくるのかと身構える

 

 

 

新の右拳が震えを増していき――――――蓄積した力が解き放たれる

 

 

 

「バッ!」

 

 

 

ゴォォォォオオオオオッ!

 

 

 

開いた右手をイザベラに向けて突き出すと衝撃波が発生し、イザベラに襲い掛かる

 

 

 

ビリビリビリビリビリッ!

 

 

 

服が弾け飛び、イザベラの裸体――――――健康的な肢体、大きな乳房、ピンク色の乳首がお披露目される

 

 

 

「な、何だこれは!」

 

 

 

イザベラは直ぐに自分の裸体を隠そうとするが、新の右手がイザベラの両腕をガッチリ掴み、持ち上げる

 

 

 

そのせいで、イザベラは隠す事もままならない体勢となった

 

 

 

「やっ!み、見ないでくれ……恥ずかしいんだ……!」

 

 

 

「何を恥じらう必要があるってんだ。こんな良い裸体を持ってるなら、もっと自信を持てよ」

 

 

 

新が左手でイザベラの乳輪に爪を這わせる

 

 

 

円を描く様にゆっくりと………

 

 

 

「あっ、あぁぁあんっ!そ、それは……やめてくれぇ……!爪が……擦れて――――――っ!?に、2本もやめてぇぇぇぇ……!」

 

 

 

「ははっ、可愛い声を出すなぁ。本当はもっと(いじ)ってやりたいところだが、まだまだ味わい甲斐のある奴等がいる。そいつらも相手してやらないとな」

 

 

新はイザベラを持ち上げたまま、カーラマインの所へ行き、横に寝かせる

 

 

 

イザベラは裸体を隠す事もせず、荒い呼吸を続ける

 

 

 

「はぁ……はぁ……き、キミの技は……本当に恐ろしい……。ラ、ライザー様より上手だ……」

 

 

 

「伊達に今まで、数多くの女を抱いちゃいねぇよ。天敵である堕天使だって、俺に掛かれば骨抜きだ」

 

 

 

新はスタスタと戻っていく

 

 

 

レイヴェルは炎の翼を広げて空中へ避難する

 

 

 

「な、なんて破廉恥極まりない殿方……!女性を平気で裸にするなんて、心が痛みませんの!?」

 

 

 

「いや全然。寧ろ、この方が相手の戦意を失わせるから」

 

 

 

「ふ、不潔ですわ!シーリス!ニィ!リィ!シュリヤー!マリオン!ビュレント!6人がかりで攻めなさい!美南風(みはえ)は遠距離から攻撃して動きを止めなさい!」

 

 

 

「御意」「にゃ」「にゃにゃ」「はい」「かしこまりました」「了解です」「分かりました」

 

 

 

7人同時に相手、流石の新でもキツいと思われるが――――――新は余裕で首を鳴らしていた

 

 

 

「やっぱりそう来たか。なら、全員まとめて裸にしてやるぜ!」

 

 

 

新は爪を7人の方へ向ける

 

 

 

「私はカーラマインの様に甘くはないぞ!」

 

 

 

シーリスが大剣を持って攻めてくる

 

 

 

大振りな剣撃を新は回避し続ける

 

 

 

「攻撃が大振りだな。そんなんじゃ、いつまで経っても当たらねぇぞ」

 

 

 

「鎧を着けているのに、しかも『騎士(ナイト)』じゃないのに、何故こんなに速いんだ!ひぁんっ。か、かわしざまに胸を触るなぁ!」

 

 

 

「ほれほれぃ。ちゃんと攻撃しねぇと、どんどん触るぞ〜」

 

 

 

姿は禍々しいのに、やっている事は完全な変態である………

 

 

 

新はバック宙で大きく飛び退く

 

 

 

「この変態!」

 

 

 

「下半身で物を考えるなんて愚劣にょ!」

 

 

 

左右からニィとリィが攻撃してくる

 

 

 

「ほ〜。パンツを見せながら攻撃か……視点を変えたらお前らだって変態だぞ」

 

 

 

「にゃっ!?見ないでよ変態!」

 

 

 

ニィとリィの攻撃を防いだり、力をズラしていなす新

 

 

 

「にゃあ!」「にゃにゃあ!」

 

 

 

「おっと!」

 

 

 

ニィの拳を右手で掴み、リィの蹴りを左腕で挟む様に止める

 

 

 

「その状態では防御出来まい!」

 

 

 

シーリスが剣を振り降ろしてきた

 

 

 

新の両腕はニィとリィの攻撃を防いでるため、使う事が出来ない

 

 

 

しかし――――――――

 

 

 

 

「エンガチョッ!」

 

 

 

ガキィィンッ!

 

 

 

なんと新は口でシーリスの大剣を止めた

 

 

 

これぞ「真剣白刃取り」ならぬ、「真剣白歯取り」である

 

 

 

「なっ!私の剣を歯で受け止めた!?」

 

 

 

新は力を入れ、シーリスの大剣を噛み砕く

 

 

 

そしてニィとリィをシーリスに向かって投げつける

 

 

 

「そろそろ裸にしてやるか!」

 

 

 

フォォォォォオオオオオ……!

 

 

 

新の両腕に黒い魔力が宿り、ユラユラと蠢く

 

 

 

両腕を広げたまま、前傾姿勢を取る

 

 

 

「シャアッ!」

 

 

 

ザッ!一瞬で新は3人の後ろに、両腕を交差した状態でいた

 

 

 

「な、何だ今のは……?」

 

 

 

「全然見えなかったにゃ……」

 

 

 

3人が新の方を向き、新が振り向いて両腕をブンッと払うと、シーリス、ニィ、リィの服が消し飛び、裸体が公開された

 

 

 

「いにゃぁぁぁああああっ!」

 

 

 

「ひにゃぁぁぁああああっ!」

 

 

 

「い、いつの間に裸に!?」

 

 

 

ニィとリィはうずくまって裸体を隠すが、シーリスは立ったまま裸体を隠す

 

 

 

「3人とも、なかなか良い体してんな。乳首もピンクだったし。さて次は――――――って、何だありゃ!?」

 

 

 

新の視線の先には『僧侶(ビショップ)』美南風が両手を頭上に翳し、その上に(おびただ)しい数の矢が漂っている光景があった

 

 

 

「美南風!矢を放ちなさい!」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

美南風が手を前にやると、頭上にあった無数の矢が新に襲い掛かる

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!ナンチャッテ♪」

 

 

 

ブゥゥゥン

 

 

 

新の両手に赤い魔力が集まる

 

 

 

「ヒョゥオオオオオオッ!」

 

 

 

シュババババババババッ!

 

 

 

新は一斉に襲い掛かる矢を、驚異のハンドスピードで一本残らず掴んでいく

 

 

 

「そ、そんな……」

 

 

 

「なんて奴だ……!」

 

 

 

数秒経ち、全ての矢を両手に収めた新

 

 

 

それを美南風に向かって―――――――

 

 

 

「セイヤァァァァアアアアアアアッ!」

 

 

 

全て跳ね返した

 

 

 

「ひいっ!」

 

 

 

新に跳ね返された矢は術者である美南風に襲い掛かっていったが、矢は美南風に直撃せず直ぐ傍を通過していく

 

 

 

殺られると思い目を瞑っていた美南風は恐る恐る目を開けてみる

 

 

自身に傷1つ付いてない事を怪訝に感じていると――――直後に美南風の着ている十二単(じゅうにひとえ)がバラバラに散った

 

 

 

和服で着痩せしていたのか、意外にも美南風はスタイルが良く乳首も綺麗だった

 

 

 

「そ、そんな……強すぎます……っ」

 

 

 

新のとてつもない強さに(おのの)く美南風は尻餅をつき、完全に戦意を失う

 

 

新は乳首に向かって手を合わせ「ごっそさん」と一言発し、残りの『兵士(ポーン)』3人の方を向く

 

 

一方、新の実力と戦術を目の当たりにしたシュリヤー、マリオン、ビュレントは軽くたじろいだ

 

 

「思ってた以上にスケベなボウヤね。顔は私好みなんだけど」

 

 

「正直言って……あまり戦いたくありませんわ」

 

 

「でも、向こうは見逃してくれたりしないわよね……」

 

 

その通り、今の新は戦闘意欲と情欲を燃やした鬼と化している

 

 

逃げ場は何処にも無い……

 

 

覚悟を決めた3人はそれぞれ駆け出す

 

 

ビュレントは右、シュリヤーは左、マリオンは中央から攻め込んだ

 

 

ビュレントとマリオンが手から炎の魔力を撃ち放つも、新は剣でそれを切り裂く

 

 

その隙を突いてシュリヤーの蹴り足が新のコメカミを狙う

 

 

「おっと、あぶねっ!」

 

 

新は気配を察知してシュリヤーの蹴り足を左腕で防ぎ、その足を掴んでマリオンとビュレントがいる方向へ投げ飛ばす

 

 

体勢を立て直して着地するシュリヤー、その直後に3人は炎の魔力を高めて新に一斉攻撃を仕掛けた

 

 

並列で飛んでくる炎に新は剣を掲げ、刀身に黒い魔力を集束させ――――飛んできた炎を綿菓子の如く絡め取った

 

 

「嘘でしょ……?こんな事って……」

 

 

3人が絶句する中、新は続いて赤い魔力を刀身に流し込む

 

 

炎と融合した魔力は並々ならぬオーラを発していた

 

 

「お返ししてやるぜ」

 

 

新は(あく)どい笑みを浮かべながら三度剣を振り下ろし、炎を纏った斬撃が目の前の獲物に向かって突き進む

 

 

マリオンとビュレントは直ぐに炎と風を混ぜた防壁を作ったが……斬撃の威力に押されてしまう

 

 

「そ、そんなぁ……っ」

 

 

「私達の結界が……っ」

 

 

粘りを見せたものの防壁は呆気なく消され、斬撃は3人の眼前で爆発

 

 

視界を封じた隙に新はダッシュで駆け抜けた

 

 

3人の近くまで到着した新は神速の剣捌きを(おこな)

 

 

その剣速で爆煙が晴れ、『兵士(ポーン)』の3人は何が起こったのか分からず呆然と立ち尽くしていた

 

 

ズバババッ!

 

 

その刹那――――シュリヤー、マリオン、ビュレントの衣類は下着もろとも細かく粉砕され、綺麗な裸体があらわとなる

 

 

それぞれの体は引き締まっており、尚且つ出る所は出ていた

 

 

「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

マリオンとビュレントは悲鳴を上げて大事な部分を手で隠す

 

 

シュリヤーは悲鳴を上げていないが微かに頬を紅潮させ、先の2人と同様に大事な部分を手で隠した

 

 

「あれだけの攻撃をしておきながら服だけを切り裂くなんて……恐れ入るわ、ボウヤ」

 

 

「そりゃどうも。俺からも礼を言わせてもらうぜ。あんたらの乳首と裸もマジで綺麗だったよ」

 

 

 

新は去り際に3人の乳首を指で味わい、他のライザー眷属の乳首を味わうべく歩みを進めた

 

 

 

新の驚異的な強さにレイヴェルは戦慄する

 

 

 

「ぜ、全滅……!こんな事が……!?」

 

 

 

「お、おのれ……!」

 

 

 

シーリスが2本目の剣を手に持ち、裸体を隠さず構える

 

 

 

「止めときな。手が震えてるぞ」

 

 

 

「このまま引き下がれるか!はぁぁぁあああっ!」

 

 

 

シーリスが突っ込んでくる

 

 

 

新は剣を掴み取り、右手でシーリスの裸体を撫で回す

 

 

 

「ぁんっ……」

 

 

 

感じさせられたシーリスは可愛らしい喘ぎ声を出してペタリと座り込んだ

 

 

 

「はい、一丁上がりぃ。さ〜て……次は」

 

 

 

「「ひっ」」

 

 

 

新は近くでうずくまるニィとリィに近づいていく

 

 

 

「い、いやぁ……」

 

 

 

「来ないで……お願い……」

 

 

 

ニィとリィは蹂躙される恐怖に耐えきれず泣き出してしまう

 

 

 

溢れんばかりに出てくる涙、恐怖に裸体を震わせる2人を見た新は――――――

 

 

 

「やめた。マジ泣きしてる女を弄るのは俺の主義に反するな」

 

 

 

彼自身が守っているルールに則り見逃した

 

 

 

そこへ丁度、新を探し回っていた一誠と祐斗がやって来る

 

 

 

「おおっ!ライザーの下僕悪魔達が全員裸に!新!これをお前1人でやったのか!?」

 

 

 

「当たり前だ。俺を誰だと思ってやがる?」

 

 

 

「俺……俺……!今初めてお前を尊敬するよ!ただのエロ野郎じゃなかったんだな!」

 

 

 

「一誠!今まで俺をただのエロ野郎と思ってたのかよ!?」

 

 

 

「あはは……さすが竜崎くん……容赦ないね……僕らの出番が無くなっちゃった」

 

 

 

「とにかく!これでこっちが有利になった!」

 

 

 

一誠と祐斗は順番に新とハイタッチを交わす

 

 

 

だが――――――――

 

 

 

 

『リアス・グレモリーさまの「女王(クイーン)」一名、リタイヤ』

 

 

 

「「「なっ!?」」」

 

 

 

なんと最強の駒、『女王(クイーン)』である朱乃のリタイヤ報告が流れた

 

 

 

更に―――――――

 

 

 

「……っ!一誠、祐斗!離れろ!」

 

 

 

新がその場から離れ、続く様に別々に飛び退く2人

 

 

 

ドォォォオオオンッ!

 

 

 

 

『リアス・グレモリーさまの「騎士(ナイト)」一名、リタイヤ』

 

 

 

「っ!木場ぁっ!」

 

 

 

「祐斗ぉっ!」

 

 

 

無情に響いた爆発音

 

 

 

嘲笑うかの様に、ライザーの『女王(クイーン)』は冷笑を浮かべていた………


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