ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

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もうすぐで今年も終わりですね……。


九尾のお姫様

新達が足を踏み込んだのは異界とも言える場所だった

 

江戸時代の町並みを再現したかの如く古い家屋が建ち並び、扉や窓、通り道から面妖な生物達が顔を覗かせている

 

金閣寺の人気の無い場所に設置してあった鳥居を潜り抜け、この薄暗く独特の空気を醸し出す空間

 

そして、そこの住人――――妖怪達が新達を迎えた

 

狐の女性の案内で歩く新達

 

薄暗い道のりを灯火(ともしび)が先の先まで転々と続いている

 

「うきゃきゃきゃ」

 

「うおっ!ビックリした!」

 

突如提灯(ちょうちん)に目と口が現れ笑い出し、不意を突かれた一誠は驚愕してしまう

 

「すみません。ここの妖怪達はイタズラ好きで……。害を成す者はいないと思いますが……」

 

「ここは妖怪の世界なのか?」

 

新が素朴な疑問を投げ掛け、狐の女性が答える

 

「はい、ここは京都に住む妖怪が身を置く場所です。悪魔の方々がレーティングゲームで使うフィールド空間があると思いますが、あれに近い方法でこの空間を作り出していると思ってくれて構いません。私達は裏街(うらまち)、裏京都などと呼んでおります。無論、ここに住まず表の京都に住む妖怪もおりますが」

 

つまりは悪魔のゲームフィールドに近いと言う事だろう

 

「……人間か?」

 

「いんや、悪魔だってよ」

 

「悪魔か。珍しいなや」

 

「あのキレイな外国の娘っ子も悪魔か?」

 

「龍だ、龍の気配もあるぞ。悪魔と龍……」

 

「待て。あの男からはヤバげな匂いがするぞ……」

 

「んだ、闇の匂いだぁ……」

 

妖怪達の話し声が聞こえてくる

 

ここは妖怪の領域、悪魔が珍しいのだろう

 

……特に新は危険視されているかの様な言い方をされている

 

家屋が建ち並ぶ場所を抜け、小さな川を挟んで林に入り、そこを更に進むと巨大な赤い鳥居が出現した

 

その先に古さと威厳を感じさせる大きな屋敷が建っており、鳥居の先にアザゼルと着物姿のセラフォルーがいた

 

「お、来たか」

 

「やっほー、皆☆」

 

2人の間には金髪の少女――――昨日襲ってきた九尾の娘がいた

 

巫女装束ではなく、戦国時代の姫が着る様な豪華な着物に身を包んでいる

 

九重(くのう)さま、皆様をお連れ致しました」

 

狐の女性は直ぐに炎を出現させて消えた

 

九重と呼ばれる姫が1歩出てきて言う

 

「私は表と裏の京都に住む妖怪達を束ねる者――――八坂(やさか)の娘、九重と申す」

 

自己紹介をした後、深く頭を下げてきた

 

「先日は申し訳なかった。お主達を事情も知らずに襲ってしまった。どうか、許して欲しい」

 

そう謝る九重に一誠は困り顔で頬を掻き、新は既に気にしてないかの如く欠伸をしていた

 

「ま、良いんじゃねぇのか?誤解だって分かった事だし」

 

「うん。せっかくの京都を堪能出来れば問題無いよ。もう2度と邪魔をしないならね」

 

「そうね、許す心も天使に必要だわ。私はお姫様を恨みません」

 

「はい、平和が1番です」

 

ゼノヴィア、イリナ、アーシアも彼女を許す事に

 

「てな感じらしいんで、俺も別にもう良いって。顔あげてくれよ」

 

「し、しかし……」

 

どうやら昨日の一件を相当気にしている様子だ

 

一誠は膝をついて九重に目線を合わせて言う

 

「えーと、九重で良いかな?なあ九重、お母さんの事心配なんだろう?」

 

「と、当然じゃ」

 

「なら、あんな風に間違えて襲撃してしまう事もあるさ。勿論、それは場合によって問題になったり、相手を不快にさせてしまう。でも、九重は謝った。間違ったと思ったから俺達に謝ったんだよな?」

 

「勿論だとも」

 

一誠は九重の肩に手を置き、笑顔で続けた

 

「それなら俺達は何も九重の事を咎めたりしないよ」

 

九重は一誠の言葉を聞くと顔を真っ赤に染めてモジモジしながら呟いた

 

「……ありがとう」

 

立ち上がる一誠にアザゼルが小突いてくる

 

流石(さすが)おっぱいドラゴンだな。子供の扱いが上手だ」

 

「ちゃ、茶化さないで下さいよ。これでも精一杯なんですから!」

 

「いやいや、さすがおっぱいドラゴンだ」

 

「はい、さすがです!感動しました!」

 

「本当、見事な子供の味方よね」

 

照れる一誠にゼノヴィア、アーシア、イリナが頷きながら賛辞を贈り、新もアザゼルと同様に一誠を茶化す

 

「一誠、いつの間にかロリで始まってコンで終わる道に足を踏み入れたな(笑)」

 

「ちょっ、新!何だそのニヤニヤした顔は!?それにその言い方、なんかムカつく!ロリコンって言いたいならハッキリ言えよ!」

 

「じゃあ一誠、お前には今日からロリコンドラゴンの名前を進呈してやる」

 

「本当にロリコンって言いやがったチクショウッ!」

 

「ま、負けていられないわ!こんな所でまでおっぱいドラゴンの布教だなんて!魔女っ子テレビ番組『ミラクル☆レヴィアたん』の主演としては負けていられないんだから!」

 

セラフォルーに変な対抗意識を燃やされている中、九重が照れながら言った

 

「……(とが)がある身で悪いのじゃが……どうか、どうか!母上を助ける為に力を貸して欲しい!」

 

―――それは少女の悲痛な叫びだった

 

 

―――――――――――

 

 

この京都を取り仕切る妖怪のボス――――九尾の狐こと『八坂(やさか)』は須弥山(しゅみせん)帝釈天(たいしゃくてん)から遣わされた使者と会談する為、数日前にこの屋敷を出たと言う

 

ところが、八坂は会談の席に姿を現さなかった

 

不審に思った妖怪サイドが調査した所、八坂に同行していた烏天狗(からすてんぐ)を保護したものの――――瀕死の状態だった

 

その烏天狗が死の間際、八坂が何者かに襲撃され、拐われた事を告げた

 

そして京都にいる怪しい(やから)を徹底的に捜し、新達はその時に襲撃を受けた

 

その後、アザゼルとセラフォルーが九重達と交渉し、冥界側の関与が無い事を告げ、手口から首謀者は『禍の団(カオス・ブリゲード)』もしくは闇人(やみびと)の可能性が高いと情報を提供した

 

「……何だか、えらい事になってますね」

 

今回の経緯についての説明を受けた一誠の意見はそれだった

 

今は全員屋敷に上がっており、大広間で九重を上座にして座っている

 

「ま、各勢力が手を取り合おうとすると、こう言う事が起こりやすい。今回はその敵役がテロリストか闇人(やみびと)どもだったわけだ」

 

アザゼルが不機嫌そうに言う

 

平和な日常を願うアザゼルはテロリストを絶対に許さない姿勢、恐らく腹の中は煮えくり返っているだろう

 

九重の両脇には先程の狐の女性と鼻の長い山伏(やまぶし)姿の老人がいた

 

老人は天狗の長で古くから九尾の一族と親交が深いらしい

 

「総督殿、魔王殿、どうにか八坂姫を助ける事は出来んのじゃろうか?我らならばいくらでも力をお貸し申す」

 

天狗の老人が1枚の絵画を見せる

 

それには巫女装束を着た金髪の綺麗な女性が描かれていた

 

頭部には獣耳も付いている

 

「ここに描かれておりますのが八坂姫でございます」

 

『マジか!おっぱい超デカいじゃん!』

 

『あぁ。こんなサイズは見た事が無い。朱乃よりもデカいぞ』

 

『こ、こんなデカ乳のお姫様を(さら)ってテロリストどもは何を……。ひ、卑猥な事をしていたら俺が許さん!』

 

『お前が1番卑猥だろ』

 

描かれていた八坂を見た一誠は大興奮し、新はそんな一誠を小突く

 

「八坂姫を拐った奴らが未だにこの京都にいるのは確実だ」

 

「どうしてそう思うんですか?」

 

疑問を投げ掛ける一誠にアザゼルは頷きながら説明する

 

「京都全域の気が乱れていないからだ。九尾の狐はこの地に流れる様々な気を総括してバランスを保つ存在でもある。京都ってのはその存在自体が大規模な力場だからな。九尾がこの地を離れるか、殺されていれば京都に異変が起こるんだよ。まだその予兆すら起きていないって事は八坂姫は無事であり、拐った奴らもここにいる可能性が高いって訳だ。セラフォルー、悪魔側のスタッフは既にどれくらい調査を(おこな)っている?」

 

「つぶさにやらせているのよ。京都に詳しいスタッフにも動いてもらっているし」

 

アザゼルが新達を見渡すように視線を向ける

 

「お前達にも動いてもらう事になるかもしれん。人手が足りな過ぎるからな。特にお前達は強者との戦いに慣れているから、対英雄派及び対闇人(やみびと)の際に力を貸してもらう事になるだろう。悪いが最悪の事態を想定しておいてくれ。あと、ここにいない木場とシトリー眷属には俺から連絡しておく。それまでは旅行を満喫してて良いが、いざと言う時は頼むぞ」

 

『はい!』

 

「おう」

 

アザゼルの言葉に新達は応じる

 

九重が手をついて深く頭を下げ、同じ様に両脇にいる狐の女性と天狗の老人も頭を下げる

 

「……どうかお願いじゃ。母上を……母上を助けるのに力を貸してくれ……。いや、貸してください。お願いします」

 

九重の声は涙で震えていた……

 

いくらお姫様と言えど、まだ母親に甘えたい年頃

 

健気な姿を見た一誠は心の底で怒りを込み上がらせた

 

『「禍の団(カオス・ブリゲード)」の奴ら、会ったら絶対に取っ捕まえてやる!』

 

『あぁ、2度と立ち直れなくなるぐらい叩き潰してやる』

 

『あんな乳の大きいお姉さんを拐うなんて許さん!そして……助けたらきっと八坂さんが何かご褒美をくれるんじゃないか!?』

 

新と一誠は瞑目して八坂を助けた後の事を想像した……

 

『うふふ、お主が赤龍帝(せきりゅうてい)か?わらわを助けてくれたようじゃな?さて、どんな褒美をくれようか……。何じゃ、わらわの体ばかり見おって……。そうか、お主はわらわの体を所望するか。ふふふ、良かろう。極上の喜びを教えてやるぞ?』

 

着物を妖艶にはだける八坂を脳内再生させた一誠は鼻血をタラリと垂れ流す

 

しかし、新の妄想はもっと過激な物だった……

 

『はむ……ぢゅるるっ……。ぅぶ……っ、ぷはぁ……。お主のコレはまこと元気じゃのう……。こんなにもそそり立っておる。わらわの中にお主のを入れさせてもらうぞ?……んぁぁあんっ!あっ、はぁ……こ、これが闇皇(やみおう)の……っ。なんと堅く(たくま)しいのじゃ……。腹の中まで火傷してしまいそうじゃ……っ』

 

瞑目しながらウンウンと頷く新の妄想は八坂とのセッ○スだった……

 

「……イッセーさん、エッチなこと考えてませんか?」

 

「……新さん、エッチな妄想は禁止です」

 

アーシアとロスヴァイセがジト目で一誠と新を見る

 

2人の勘の鋭さに新と一誠は頭を振って切り替え、英雄派と闇人(やみびと)との戦闘を覚悟した

 

 

――――――――――

 

 

「ったく、今日は色々あり過ぎたな」

 

その夜、夕飯も風呂も終えた新は食後のコーヒーを自販機で買っていた

 

妖怪の世界で過ごした後、新達は再び金閣寺に戻った

 

寝ていた松田達を起こして観光を再開

 

ホテルに戻ってからは祐斗とシトリー眷属を加えて今後の事について話し合い、明日は予定通りの観光地巡りをする

 

ただし、ホテルにいつでも戻れる転移用魔方陣の携帯簡易版を持っていき、アザゼルの連絡次第では観光を中止してホテルに戻らなければならない

 

因みに明日は嵐山方面を回る予定で、そこで九重が観光の手伝いをしてくれる事になった

 

初日に襲撃してきた時の謝罪と言う意味合いも含めての観光案内らしい

 

最初は断るつもりだったのだが、アザゼルに受けておくよう言われた

 

冥界と妖怪の協力態勢を結ぶ交流の第一歩ゆえに、その厚意を受ける事にした

 

飲み終えたコーヒー缶をゴミ箱に捨て、歩きながら考える

 

「さて、寝るまで時間があるな……。何をしようか?ロスヴァイセはシトリー眷属と風呂の警備に当たってるし……」

 

とりあえず一旦部屋に戻ろうかと歩みを進め、部屋のドアを開けた

 

「おおっ、新。やっと戻って来たか」

 

「お邪魔してるね、新くん」

 

ベッドの上には寝間着姿のゼノヴィアと、同じく寝間着姿で髪を下ろしたイリナが座っていた

 

突然の侵入者――――もとい来訪者に新は直ぐさまドアを閉める

 

「ゼノヴィア、イリナ、何でここに?」

 

「すまん。ロスヴァイセさんが女子風呂の警備に当たってる間に遊びに来たんだ。そしたら、新がいないから部屋で待ち伏せた次第だ」

 

「わ、私は止めようとしたんだけど……」

 

「あー、もう良い。みなまで言うな。修学旅行にこんな嬉しいハプニングは付き物だ。……だが、外には見回りの教師がいるんだぞ?」

 

「ああ、男性教諭か。天使と悪魔の力でこの部屋に結界を張った。この部屋は誰が近寄っても何事も起きていないと感じるようにした。問題無い。ここで艶のある声を漏らしても誰も来ないぞ」

 

「よく分からないけど、ここは神聖で魔力に満ち溢れた空間よ!」

 

ゼノヴィアとイリナが親指を立ててそう言ってくる

 

新は額に手を当てて嘆息するが、直ぐに「まぁ良いか」と開き直った

 

「……で、何する?野球拳でもするか?」

 

「や、野球拳って……あの野球拳!?」

 

「野球拳、桐生から聞いた事あるね。ジャンケンで負けた方が服を脱ぐ遊び、修学旅行でする乙な物だと。君らしい考えだね」

 

イリナが胸を庇うような動作をし、ゼノヴィアが感心するように頷く

 

新は2人がいるベッドに腰掛け、どうすると訊く

 

「うん。それも良いが、まず聞きたい事が1つある」

 

「何だよ?」

 

「新、東京駅のホームでリアス部長にキスされていたね?」

 

唐突過ぎる質問に新は“まさか見られていたとは……”と固まる

 

「……まあ、キスされたのは認める。油断してたからな」

 

「そうか。じゃあリアス部長の次は私だ。キスか、性的な事か。で、その次がイリナだ」

 

「え!?私も!?ウソ!」

 

ゼノヴィアの言葉にイリナは目玉が飛び出る程の驚きを見せる

 

「良い機会だ、イリナ。お前も男を知っておけ」

 

「知ったら私、堕天しちゃうんですけど!?」

 

「そこは気合で乗り切れ。案外堕ちないで済むかもしれない」

 

「気合で!?そ、そうなのかしら……。けどけど、ひ、卑猥な事しちゃったらミカエル様の(エース)たる私は……!」

 

ブツブツと独り言を呟きながら葛藤するイリナにゼノヴィアは説得を続ける

 

「新はお買い得だぞ、良い男だ。あと名うてのバウンティハンターで闇皇(やみおう)だ。お前が闇皇(やみおう)の子を産めば天界的には戦力となるんじゃないか?」

 

「……新くんの……子供……。天界の戦力……」

 

ゼノヴィアの説得にイリナは遂に悩みだしてしまい、ゼノヴィアは部屋の電気を消して新との距離を詰める

 

「よし……。まずは……キスからか?」

 

「え!?ゼノヴィア、もうキスをするの!?」

 

「ああ、そうだ。私は新と子作りの練習をするぞ。修学旅行でそう言う事をするのも乙だと桐生も言っていたじゃないか」

 

「そ、そ、そうだけど!これは確かにイベント的だわ!けれど、私は天使でミカエル様の配下で……クリスチャンなのよ!エ、エッチな事は……」

 

「では見ていてくれ。天使に見られながらの子作り。ふふふ、天に選ばれた子供が作れるとは思わないか?イリナ、そこで貴重な悪魔の子作りを見守っていてくれ。出来れば聖なる演出を(たまわ)りたい」

 

そう言いながらゼノヴィアは寝間着を脱ぎ出し、無駄の無い完璧なボディラインが露出していく

 

ゼノヴィアの一言を受けてイリナは天使の翼と頭の輪を出現させ、気分を盛り上げる程度の光量を発する

 

「――――っ。任せて!私、ガブリエル様みたいに生命の神秘の瞬間に立ち会いたいと思っていたの!ああ、これも三大勢力、天界への、主への信仰に繋がるんだわ!」

 

天に祈り始めたイリナが見守る中、ゼノヴィアがブラジャーを外す

 

薄い布から解放されたおっぱいが激しく揺れ、ゼノヴィアはそのまま新に抱き付く

 

抱き付いたまま上下に動かして新の胸板と自分のおっぱいを擦り合わせる

 

「……ぁふ……やはり、男の肌は――――お前の肌は心地好いな。触れているだけで自分が女なのだと思える」

 

「……ッ。……ここまで来たらもうジッとしていられねぇよな」

 

「ん?どうし――――んんっ!?」

 

完全にスイッチが入った新はゼノヴィアの首に左腕、腰に右腕を回して逃がさないようロックしながら唇を重ねた

 

不意を突かれたゼノヴィアは一瞬動転、そんな彼女を意に介さず濃厚に舌を絡める新

 

最初から激しいキスにゼノヴィアはピクピクと体を跳ねさせた

 

「あ、新くん……っ。あんなにも激しくゼノヴィアを……っ」

 

イリナは目の前で(おこな)われているキスシーンにパンク寸前

 

唇を離し、繋がった唾液の糸を吸い上げた新はゼノヴィアを押し倒す

 

脇の下から丁寧に舌を這わせ、彼女にもどかしい快感を与えながら左手でおっぱいを揉む

 

「はぁっ……ぁ、あぁぁ……っ。ひゃんっ!んんっ……あ、新ぁ……っ。私の身体で……興奮してるのか……っ?嬉しいよ……。君にこう言う事をされると……恥ずかしいぐらい、自分がどんどん女になっていくのが分かる……っ」

 

「ゼノヴィア、こんな展開でするのもどうかと遠慮がちになってたが……関係ねぇ。お前の処女――――貰うぞ?」

 

「――――っ!……ああ、貰ってくれ」

 

感極まるゼノヴィアは新の申し出を受け入れ、新は直ぐにゼノヴィアのパンツを脱がした

 

何も身に着けていない……裸のゼノヴィア

 

彼女は天使に見守られる中で愛する男に処女を捧げた……

 

 

――――――――――

 

 

「はぁ……はぁ……ぁっ、ぁはぁ……っ」

 

「あわわわわわわわ……っ」

 

事を終えたゼノヴィアは荒い息遣いで横たわり、終始見ていたイリナは顔を真っ赤にして狼狽(うろた)える

 

ズボンを直した新はゼノヴィアの頭を優しく撫でる

 

「ゼノヴィア、大丈夫か?少しやり過ぎちまった……」

 

「……ううん、気にしないでくれ。私は嬉しいよ。君の熱いのが……私の中に注がれて……」

 

微笑みを見せるゼノヴィアが新の首に腕を回し、再び濃厚なキスをする

 

暫くお互いをジッと見つめ合う2人を他所にイリナはこの部屋からの脱出を図っていた……

 

「じゃ、じゃあ私はこの辺で――――」

 

ガシッ!

 

逃げようとした天使(イリナ)の腕を悪魔(ゼノヴィア)が瞬時に捕まえる……

 

恐る恐る振り返るイリナにゼノヴィアは悪戯な笑顔を見せていた

 

「私だけ新に抱かれるのも不公平だろう?せっかくだ、イリナも抱かれると良い」

 

「えぇぇぇぇっ!?む、無理無理っ!あんな激しくされたら絶対に堕ちちゃう!こ、心の準備だって出来てないよぉぉ……っ!」

 

「ふむぅ……確かに。あれはイリナには刺激が強過ぎるかもしれないな……」

 

珍しく考え込むゼノヴィアだったが、一拍置いて直ぐにポンと手を叩く

 

「よし、新。優しくイリナを抱いてやってくれ」

 

「ちょっとゼノヴィア!?」

 

「激しくされるのがダメだったら、優しくされるなら問題無いだろう?」

 

「そ、そう言う問題じゃなくて――――きゃあっ!?」

 

ゼノヴィアは有無を言わさずイリナをベッドに引きずり込み、動かせないようにと両手を押さえる

 

準備を整えたゼノヴィアは新に言う

 

「さあ、新。存分に抱いてやってくれ」

 

「え?あ、あぁ……。まあ、ここまで来たらイリナにもしてやらないとな」

 

「あ、新くん……落ち着いて、ね?考え直しましょ……?」

 

イリナは新を落ち着かせようとするが、目の前にいる新はもう止まらない

 

寝間着を掴み、ゆっくりと捲っていく……

 

少しずつ見えてきた白い肌と下乳(したちち)

 

イリナが狼狽してる間に新は彼女の寝間着を一気に捲り上げた

 

眼前に現れたイリナの裸……ゼノヴィアに負けず劣らずの大きなおっぱいにピンク色の乳首がより映える

 

新は早速イリナのおっぱいに手を伸ばし、優しく揉み始めた

 

「イリナの胸、すげぇ柔らかいな……。張りがあって瑞々(みずみず)しい、天使にピッタリの揉み心地だ」

 

「……っ!ぁ……っ、やぁぁ……っ」

 

物理的な恥ずかしさと精神的な恥ずかしさにイリナはまともに顔を直視出来なくなった

 

新は尚もイリナのおっぱいを揉み続け、胸に顔を密着させて彼女の匂いを嗅ぐ

 

イリナのかぐわしい香りを堪能した後は乳首を摘まむ

 

「ひぃんっ!」と悲鳴を上げて身体を跳ねさせるイリナ

 

天使の翼が白と黒に点滅を始める……既に堕ちるか堕ちないかの瀬戸際まで来ていた

 

「……私、初めてだから……こう言う時、こんな事されたら……分からないよ、新くん……っ。……わ、私を堕とす気なのね……?」

 

普段は天真爛漫であるイリナが見せた“女の顔”

 

髪を下ろしているせいか艶っぽさも倍以上……流石の新もグッと来てしまう

 

「やべぇ……すっげぇ可愛い……」

 

「う、うん……。何故か私までドキドキしてきたよ……。イリナの女の顔、初めて見たぞ……」

 

ゼノヴィアも緊張する中、新はイリナの乳首に唇を近付けようとした

 

「私、堕ちちゃう……。ああ、主よ、この私をお許しに――――」

 

もはや堕天寸前、天使の自分に別れを告げようとした時だった……

 

「ななななな、何をしているんですかーっ!?」

 

ガゴンッ!

 

突然新の後頭部に衝撃と打撃音が走り、不意を突かれた新は意識を失い、イリナのおっぱいの上に顔を(うず)めるよう倒れた

 

彼の後ろには顔を真っ赤にしたジャージ姿のロスヴァイセが鈍器を振り下ろした状態でいた

 

「あ、ロスヴァイセさん」

 

「部屋の前に結界が張られているから、解除してみれば……ゼノヴィアさん!イリナさん!何をしているんですか!?教師の部屋で……こ、こ、こんなハレンチな事を!」

 

「見ての通り、新に抱かれて処女を捧げたのだが?ちなみにイリナは抱かれる寸前まで行ってたぞ」

 

退却準備と言わんばかりにせっせと着替えるゼノヴィア

 

ロスヴァイセは先程の言葉を聞いて狼狽する

 

「しょ、処女を捧げたって……っ。ゼ、ゼノヴィアさん!?あなた、まさか――――」

 

「ああ、新に私の処女をあげた。一足遅かったね」

 

自信満々に言い放つゼノヴィアと特大のショックを受けたロスヴァイセ

 

ゼノヴィアは放心状態のイリナを連れて部屋を出て、最後にこう言い残した

 

「ロスヴァイセさん、新がその気になったら覚悟を決めた方が良いぞ?新は優しいのも激しいのも得意だからね……」

 

 

―――――――――――

 

 

その後、皆が寝静まったであろう時間帯

 

気絶させられた新は未だベッドの上で眠っており、ロスヴァイセは1人遅めのシャワータイム

 

ゼノヴィアとイリナが立ち去ってからは新を介抱し、ベッドに寝かせたものの……モヤモヤが残り続けていた

 

ゼノヴィアの言葉を気にし過ぎて全く集中出来ず……結局直ぐに出てきてしまった

 

しかも、着替えを持たずに入ってしまったので今はバスタオル1枚のみ

 

バスタオルを身体に巻き付け、恐る恐る脱衣所から出る

 

「……まだ気絶してるみたいですね……。さ、さすがにちょっとやり過ぎましたか……」

 

今更とはいえ新を心配するロスヴァイセ

 

顔色を(うかが)おうと近くまで寄っていく

 

「……もうっ、新さんがそんなに無防備で節操が無いから……こんな事になってしまったんですよ……?少しくらい反省してください……っ」

 

膨れっ面のロスヴァイセが新の鼻先を指で小突いた

 

自分のベッドに戻ろうとする寸前、ロスヴァイセは再び気絶してる新の方を向く

 

(たたず)むこと数分、ロスヴァイセは行動に移る

 

「……新さんには少し課題を与えなければなりませんね……」

 

パサ……ッ

 

ロスヴァイセは巻き付けていたバスタオルを取り払い、一糸纏わぬ姿で新のベッドに潜り込んだ

 

ベッドの中で自分の身体を密着させ、太股を絡ませる

 

「こ、これで良いです……。勘の良い新さんなら起きる筈です……っ。起きて襲ってきたら直ぐに――――」

 

「……悪いな、もう既に起きてんだよ」

 

ビクッと反応したロスヴァイセがゆっくりと顔を向けると……目をパッチリ開けた新がロスヴァイセを見つめていた

 

最初から気付かれていた事を知ったロスヴァイセは茹で蛸の如く真っ赤になり、慌ててベッドから逃げようとしたが……新の足が逃がすまいとロックする

 

「ロスヴァイセ、教師が生徒の寝込みを襲うなんて随分と大胆な事してくれるよな?」

 

「ち、違います!私はそんな……ひゃあっ!?あ……新さん……ゼノヴィアさんとしたのに、なんでもう大きくなってるんですか……!?」

 

「おまっ、知ってたのかよ……。まあ……何だ、成り行きでしちまったし。それに……ロスヴァイセが裸でベッドの中に潜り込んで、引っ付かれたら誰だって興奮するだろ。と言うか、離れなくて良いのか?」

 

「……あ……え……その、これは………そう!新さん、あなたを鍛え直す為の課題ですっ!ば、罰として今の私に手を出さないで寝てください!少しでもエッチな事をしようとしたら……私だけじゃなく、帰ってからリアスさんと朱乃さんにもお説教してもらいますからね!」

 

ロスヴァイセは無理矢理言い逃れをしてこの場を治めようとする

 

新はポカーンと口を開けたままだったが、リアスと朱乃に知られたら間違い無く死ぬと悟り……「分かった、おとなしく寝るよ」と言って(まぶた)を閉じた

 

何とか誤魔化したロスヴァイセは安堵の溜め息を吐き、新の寝顔を覗き込む

 

寝息を確認すると自らの手を新の背中に回し、身体を先程よりも強く密着させる

 

「……私、教師失格だわ……。教え子にこんな事しちゃうなんて……っ。……でも、今だけ……今だけは教師失格でも良いです……。この男性(ひと)の温もりを、このまま独占したいから……」




次回からはいよいよ英雄派とのバトルです!

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