ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

108 / 263
新サイド更新です


スゥパァ脱衣タァイム!

「うぅ……エラい目に遭ったわぁ……。ヴァレリーさんまでやって来たし……」

 

「直ぐにアデル様が止めてくれたお陰で助かりましたね~」

 

「……危険行為の罰」

 

ジェノワーズの3人――――ジョーヌ、ベール、ノワールはバスタオルを体に巻いて選手用のテントで水を飲んでいた

 

素っ裸にされた直後、「あいつだけズルいから俺も見る!」とヴァレリーが下心満載の顔で走ってきたが……英雄王アデルの活躍(?)により強制退場をくらい、今は遠くの大木に鎖で(くく)り付けられている

 

一方、新は次の試合の準備として水を飲み干しストレッチを終えた所だった

 

『さあさあさあ!1回戦を悠々と勝利した異世界の戦士アラタに挑む次なる挑戦者は――――ビスコッティ騎士団親衛隊隊長エクレール・マルティノッジ!そして同じくビスコッティ隠密部隊筆頭ユキカゼ・パネトーネの2名です!ビスコッティの中でも指折りの実力者相手にどう立ち向かうのか、目を離さずにご覧いただきたい所です!』

 

若草色の髪に垂れ耳を生やした少女エクレール、金髪に狐耳の忍者娘ユッキーが声援の飛び交うフィールドを歩き、新と対峙する

 

「にんにん♪アラタ殿、模擬戦と言えど手加減は無しでござるよ?」

 

「そんな失礼な事しねぇよ。最初から最後までクライマックス&ショータイムを見せてやるぜ」

 

新は直ぐ様『闇皇(やみおう)の鎧』を展開して鎧姿となり構えを取る

 

エクレールは二対の短剣、ユッキーは忍者刀を抜いた

 

『三者が準備万端を迎えました!それでは第2回戦、始めー!』

 

実況の開始の合図と共にエクレールとユッキーはその場を駆け出し、持ってる得物で新に斬り掛かっていった

 

新はエクレールの短剣を十字受けで止め、ユッキーの忍者刀を右足でガードする

 

そのまま2人を弾き飛ばした新は(てのひら)から魔力弾を無数に撃ち放った

 

エクレールとユッキーは素早い身のこなしで魔力弾の雨を(かわ)していく

 

「ユキカゼ!同時に紋章術を撃つぞ!」

 

「了解でござるっ」

 

直後にエクレールは上空へ飛び上がり、ユッキーはジグザグに動きながら新を翻弄しようとする

 

2人の背中に紋章が出現し、エクレールの双剣にエネルギーが集まっていく

 

ユッキーは両手にエネルギー状の手裏剣を展開させた

 

閃空大一文字(せんくうだいいちもんじ)ッ!」

 

「ユキカゼ式忍術!閃華風裂(せんかふうれつ)ッ!」

 

エクレールが双剣を振るうと十字型のエネルギー波が解き放たれ、新目掛けて降下していった

 

ユッキーの投げたエネルギー状の手裏剣も地面を削りながら突き進む

 

彼女達の相乗攻撃に新は体内の『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』を昇格させた

 

「『進化する昇格(エボルシオン・プロモーション)』――――『戦車(ルーク)』ッ!」

 

昇格を唱えた直後に新は赤い光に包まれ、左手に蝙蝠を(かたど)った闇皇盾(やみおうたて)、足にキャタピラを装備した重厚な『戦車(ルーク)』形態と化した

 

その変貌に再び会場が沸き上がる

 

『な、な、な、なんとーっ!?また異世界の戦士アラタの姿が変わったーッ!まるで行く手を阻む壁や砦のごとき重厚な姿ッ!異世界の戦士を甘く見ていましたーッ!』

 

実況の熱弁はさておき、『戦車(ルーク)』形態となった新は盾に魔力を流し込み――――巨大な盾へと変化させて2つの紋章術を真正面から受け止める

 

火花が激しく飛び散る中、新の盾は2つの紋章術を見事に打ち消した

 

「なっ……!我々の紋章術をいとも簡単に……!?」

 

「す、凄いでござるぅ!」

 

「今度はこっちの番だッ!『進化する昇格(エボルシオン・プロモーション)』――――『僧侶(ビショップ)』ッ!」

 

新は再び駒を昇格させ、蝙蝠型の拳銃――――闇皇銃(やみおうじゅう)を握り締め、両肩に砲口を備えた砲撃特化型の『僧侶(ビショップ)』形態に姿を変える

 

実況や会場の興奮を無視して、銃口と砲口に魔力をチャージさせていく

 

赤黒く渦巻き、高密度にチャージされた魔力は解放寸前にまで至った

 

「散弾式フルバーストォォォォッ!」

 

ドドドドドドドドドドォッ!

 

闇皇銃(やみおうじゅう)とキャノン砲から解き放たれた魔力の帯は生物の如くうねりながら縦横無尽に飛び交い、エクレールとユッキーへ降り注がれた……

 

「「――――ッ」」

 

2人は声を出す暇も無く魔力の大爆発に包み込まれ、爆風が民兵達を吹き飛ばす

 

やがて爆煙が晴れて2人の姿が見え始め――――後はこの世界ならではの展開に

 

バババッ!

 

エクレールとユッキーの衣装が下着ごと木っ端微塵に吹き飛び、見事に素っ裸となった

 

控えめなおっぱいと小振りなお尻でありながら引き締まったボディラインのエクレール

 

呪縛から解放されたかの如く揺れる爆乳おっぱいとムッチリしたお尻を持つユッキー

 

2人の魅力的な裸に新も口笛を吹く

 

「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「おろろっ?いや~んでござるぅ」

 

エクレは絶叫を上げて屈む様に裸体を隠し、ユッキーは頬を赤く染めて爆乳おっぱいを隠そうとする

 

しかし、爆乳過ぎる為か腕から乳肉がはみ出てしまい……ガード出来るのは殆ど乳首までが限界だった

 

新はムニュムニュと形を歪ませるユッキーの爆乳を近くで観察する

 

「こんなデッケェおっぱい見た事ねぇぞ……。朱乃よりデカいんじゃねぇか?」

 

「ア、アラタ殿ぉ~……あんまり見られると恥ずかしいでござるよぉ~……」

 

恥じらいながら身を(よじ)らせるユッキー

 

一方、エクレは涙目で新を睨み付けていた

 

「こ、このエロ戦士めぇ……ッ!」

 

「おいおい、それがこの世界のシステムなんだから仕方ねぇだろ?……ふむふむ、結構良い体してんな」

 

「ジロジロ見るなバカぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

宙に浮かぶ画面に映されているエクレの絶叫が会場に響き渡る……

 

エクレは全力疾走でフィールドを離れ、警護の女性から貰ったバスタオルを体に巻き付けた

 

ユッキーも爆乳おっぱいを揺らしながら選手用のテントへ避難してバスタオルを貰う

 

“大ダメージで女性が裸になる”と言う素敵な設定とおっぱい&裸祭りに新の戦闘意欲がどんどん上がっていく

 

「よっしゃあっ!次は誰だ?どっからでも掛かって来いッ!」

 

新の呼び掛けに応えるかの如く3つの人影が飛び出してきた

 

着地したメンバーは――――この世界では勇者と呼ばれる者達だった

 

「ビスコッティ共和国勇者、シンク・イズミ!見・参ッ!」

 

「ガレット獅子団領勇者、ナナミ!参・上ッ!」

 

「パスティヤージュ公国勇者、レベッカ!行きまーすッ!」

 

『第3回戦!異世界の戦士アラタに挑むのは、なんと三国の勇者達だーーーっ!ビスコッティ、ガレット、パスティヤージュが誇る勇者達の連合軍に異世界の戦士アラタはどう立ち向かうのかーっ!?』

 

シンク、ナナミ、レベッカがそれぞれの武器を出現させる

 

シンクの武器はビスコッティに伝わる神剣(しんけん)パラディオン

 

形態変化も可能で、シンクはそれをロッド状にして構えた

 

ナナミはガレットの宝剣エクスマキナ、こちらもシンクのパラディオンと同様ロッド状に変化出来る

 

そしてレベッカはパスティヤージュの神剣メルクリウス

 

こちらは箒の様な乗り物に変化出来るらしく、開始早々レベッカはメルクリウスに乗って空を飛んだ

 

『それでは注目の第3回戦、開始ーーーーーッ!』

 

「行きますよ、アラタさん!」

 

「ガレット魂、見せちゃうよーっ!」

 

「良い度胸だ!行くぜ!」

 

新は通常形態に戻って駆け出し、闇皇剣(やみおうけん)を横薙ぎに振って斬撃を飛ばす

 

シンクは右、ナナミは左に横っ飛びで斬撃を回避するが新は狙いを1人に絞って先回り

 

狙ったのは――――シンクだった

 

振り下ろされた剣をシンクはロッドで受け止めるが、強い衝撃が手から腕に伝わる

 

「うぐぐ……っ!す、凄いパワーだ……!」

 

「おいおい、こんなんで()を上げるのか?勇者の名が泣くぜ」

 

「なんの……!勝負はこれからですよっ!」

 

負けじとシンクは受け流す様にロッドを傾け、新の体勢を崩しに掛かる

 

よろめいた新の後頭部をロッドで打とうとしたが、直ぐに反応した新は地面に伏せる形で回避

 

そのまま足払いでシンクを転がし、倒れた彼に拳を叩き込もうとした

 

「そうはさせないよーっ!ブーメランスラーーーッシュ!」

 

ナナミはロッド状のエクスマキナをブーメランに変え、新に向かって投げた

 

風を切る音に気付いた新は飛来してきたブーメランを剣で弾き返す

 

その隙にシンクは蹴りを放って新を後退させる

 

ただしダメージを与えられないものの、現状の窮地を脱出するには充分だった

 

「シンク、こうなったらアレ使っちゃおう!合体紋章術!」

 

「うん、ベッキー!」

 

「オッケー!任せて!」

 

シンクは急いでナナミの所へ

 

新はそれを阻止しようとするが、上空から飛来してくる弾丸の群れに行く手を阻まれる

 

箒の様な乗り物に乗って空中に滞在しているレベッカ目掛けて幾重もの斬撃を放つ

 

レベッカも負けじと砲術で対抗した

 

「バレットカーーーードッ!」

 

カードから解き放たれたレーザーが斬撃と衝突、火花を散らしながら相殺させる

 

その間にシンクとナナミは全身から輝力(きりょく)のオーラを発して紋章砲を撃つ寸前だった

 

シンクは炎、ナナミは水の輝力(きりょく)をそれぞれ(てのひら)に集めて――――解き放った

 

豪熱(ごうねつ)ッ!」

 

海王(かいおう)ッ!」

 

「「相陣掌(そうじんしょう)ーーーーーッ!」」

 

2人から放たれた炎と水のエネルギー砲が螺旋状に絡まりながら飛んでいく

 

大地を抉りながら突き進んでくる紋章砲に対し、新は両手に赤黒いオーラを極限にまで(たぎ)らせた

 

新はオーラの(たぎ)った強烈な打撃――――ヘル・クラッシュでシンクとナナミが放った紋章砲を殴り……

 

「オオォォォォォォオオオオッ!」

 

腹の底から発した気合いと同時にもう一撃加えて空の彼方へと殴り飛ばした

 

いや、正確にはレベッカがいる方角へ……

 

「ええっ!嘘ぉ!?」

 

「「ベッキー!輝力武装(きりょくぶそう)ッ!」」

 

レベッカの危機にシンクとナナミはお互いの武器を光らせた

 

シンクのパラディオンはフライングボードの様な乗り物に、ナナミのエクスマキナはスケート靴へと変化

 

それぞれ炎と水流を噴かして空中へ飛び出し、高速でレベッカの所へ

 

殴り飛ばされた螺旋状の紋章砲がレベッカに直撃する寸前でシンクとナナミは救出に成功

 

紋章砲は今度こそ空の彼方へ消えていった……

 

「ふぅ、間に合って良かった~」

 

「ベッキー、大丈夫?」

 

「う、うん……ありがとう」

 

ホッとするのも束の間、3人の頭上に回り込む1つの人影

 

3人が頭上に視線を移すと……速度特化の『騎士(ナイト)』形態にプロモーションした新が闇皇槍(やみおうそう)を構えていた

 

しかも、その槍には大質量のオーラが渦巻いており、今にも放出されそうだった

 

「「「えーーーーーっ!?」」」

 

「3人纏めてくらいなッ!」

 

ゴオオオオォォォォオオオオオッ!

 

新が槍を突き出した瞬間、槍先から莫大なオーラの渦が三国の勇者3人を呑み込み――――真下の大地に激突

 

3度めの爆発は更に大規模で、吹き飛ばされた民兵達が“けものだま”と呼ばれる丸っこい動物の姿へ変わる程だった

 

『し、信じられません!三国が誇る勇者3人を凌駕してしまう程の強さと、多彩な姿!いったい異世界の戦士アラタは何処までこの快進撃を続けるのでしょうか!?そして、それを止める者は現れるのだろうかーーーーーッ!?』

 

「だから、うっせぇ」

 

実況のフランボワーズにツッコミを入れつつ、ゆっくりと地に降りる新

 

トコトコと土煙の方へ歩いていく

 

目的は無論、この後で起こる展開を間近で見る為だった(笑)

 

暫くして煙が晴れ、3人の姿が見え始める

 

まずは尻餅をついた状態のナナミ

 

見事な全裸祭り――――と思いきや……防具は消し飛んでいるものの、防御力が高かったのか青い肌着だけが残されていた

 

この結果に新は思わず「チッ」と舌打ちしてしまう

 

次に姿を確認出来たのはレベッカ

 

彼女の方は……衣装が全て消し飛んでいた

 

あどけなさが残る美少女の裸に新は親指を立てる

 

「ふえぇぇ!?」

 

自分の現状に気付いたレベッカは悲鳴を上げて裸体を手で隠す

 

だが、問題は彼女の格好ではなく――――体勢だった

 

レベッカは今……トランクス一丁で目を回しているシンクの上に乗っていると言う状態である……

 

ナナミもその事に気付いて「ベッキー、下、下!」と指摘する

 

レベッカが下に視線を移すとようやくシンクと自分の現状に気付き、顔が真っ赤になっていく

 

その時、シンクが「う~ん……」と目を覚まそうとしたが――――

 

「シ、シンク!見ちゃダメーーーっ!」

 

「え!?な、何!?いきなり真っ暗になっちゃったよ!?」

 

間一髪の所でシンクの両目を塞いだレベッカ

 

しかし、それは自身の裸を解放させてしまう結果となった……

 

「……何か絵的にかなり危ないよな、その体勢」

 

「あのさ、ベッキー?シンクの両目を塞いでると……見えちゃってるよ?胸とかお尻とか」

 

「うぅぅ……っ、何とかしてくださいナナミさ~ん!」

 

「よしっ、勇者ナナミにド~ンと任せなさい!」

 

裸を隠せず、新に凝視されているレベッカを助けるべくナナミが行動を開始

 

まずは新の目を塞ごうと試みるが……新は“そうはいかん”とばかりに避け続ける

 

ムッと頬を膨らませるナナミは次なる陽動作戦を思い付いた

 

ナナミは「イェイっ♪」と横チェキしてセクシーなポーズを決める

 

恐らく自身のセクシーアピールで新の注意を惹き付けようとしているのだろう……

 

「アラタさん、女の子の裸を見てるのは目に毒だよ?見るなら肌着(このくらい)まで見えてもOKなお姉さんの方にしときなさい♪」

 

「ナナミ、お前何歳?」

 

「16だけど」

 

「俺は18だし酒も飲めるから大丈夫だ」

 

「ええっ!私より年上だったの!?」

 

「その通り。それに俺は経験豊富だから女の裸を見て鼻血出すなんてベタな反応はしねぇよ。つまり……何の問題も無い」

 

「う~ん……私もスタイルはそれなりに自信あると思うんだけどな~……」

 

肌着姿を歯牙にも掛けてもらえない新に何となく負けた気分になってしまうナナミ

 

何とか注意を自分に逸らせないものかとセクシーポーズを続けていると……ナナミの肌着に細かな亀裂が幾重にも発生し始め――――遂にはババッと消し飛んだ

 

どうやらナナミの方もダメージは衣装完全破壊にまで達していたようで、油断していたナナミはモロに裸を公開してしまった……

 

「えっ?……あれっ?」

 

「おおっ」

 

この美味しい展開を見逃す筈も無く、新は直ぐに視線をレベッカからナナミへと移した

 

ナナミは一瞬、何が起きたのか理解出来ずそのまま静止していたが……数秒後に自分の現状を理解し、(あらわ)になった胸を手で隠す

 

「あちゃ~っ……。み、見た?」

 

「あぁ、バッチリと。綺麗な形だったぜ」

 

「いや~……褒めてくれるのは嬉しいけど……。さすがに裸は恥ずかしいから、あんまり見ないで欲しいかな……」

 

「だが、断る!こんな美味しい場面を見ないのは寧ろ男として失礼だ。良い女の裸はいつまでも見ておきたい」

 

「わ~ん!ベッキ~!私もピンチになっちゃったよ~!」

 

レベッカから注意を逸らせたのは良かったが、今度は自分に注目されてしまうと言う結果になってしまった

 

ジックリ観賞に浸っていると……何処からか風を切る様な音と、何かが落ちてくる様な不気味な音が聞こえてくる

 

新はその方角に視線を移すと――――トゲ付きの巨大な鉄球が視界に飛び込んできた

 

「うおおっ!?」

 

咄嗟に横っ飛びで回避する新

 

元いた場所に巨大な鉄球がズシンとめり込む

 

突然の奇襲にいきり立つ新は犯人を探すべく周囲を見渡す

 

すると……1人の美少女が颯爽と参上し、ビシッと指を突きつけてきた

 

「これ以上のエッチな行為はダメなのですっ!」

 

巨大な鉄球と言う危ない武器を使ってきたのは、瞳に☆マークが入っているパスティヤージュの英雄王――――アデライド・グランマニエだった

 

アデルはレベッカとナナミにバスタオルを渡して再び新と向き合う

 

「異世界の戦士さん、英雄王としてこれ以上の狼藉を見過ごす訳にはいかないのです!次の試合、この私がお相手するのです!」

 

『で、出たーーーーーッ!パスティヤージュ最強の英雄王アデライド・グランマニエが名乗りを上げてきたーーーーーッ!』

 

「うむ、そろそろ拙者達もご相伴させてもらうでござる」

 

「ダルキアン、お主と共闘するのは久々じゃな。ワシもアラタの実力に疼きが止められん!」

 

アデルの他、ビスコッティからはブリオッシュ・ダルキアン、ガレットからはレオ閣下が参戦の意を表してフィールドに現れる

 

『これはトンでもない事になりました!ビスコッティ、ガレット、パスティヤージュ最強の3人が勢揃い!ガレット獅子団の猛将ゴドウィン将軍も真っ青にならざるを得ない猛者達の連合!異世界の戦士アラタはこの後、歩いて帰れるのでしょうか!?』

 

「は?そこまで言う!?」

 

仰天する新を差し置いて、レオ閣下は愛用の武器でありガレットに伝わる宝剣――――魔戦斧(ませんぶ)グランヴェールを豪快に振り回す

 

ダルキアンは大太刀を背中の鞘から引き抜き、アデルは右手に銃、左手には先程の鉄球を変化させた片手剣を(たずさ)える

 

3人の立ち振舞いに新も唾を飲み込んだ……

 

「アラタよ、覚悟は出来ておるか?ワシら3人と同時に戦えるなど滅多に無いぞ」

 

「いざ、尋常に勝負でござる」

 

「正義の鉄槌、受けてもらうのですっ♪」

 

にこやかに言うが気迫は歴戦の戦士以上だった……

 

新は“時間を掛けたらこっちが不利になる”と察したのか、最初からフルパワーを出す事に

 

「……あんたらがトンでもなく強いってのは直ぐに分かった。だから……最初から全力でやらせてもらうぜ。あんたら相手で全力じゃなかったら、逆に失礼だからな!『進化する昇格(エボルシオン・プロモーション)』――――『女王(クイーン)』ッ!」

 

新は駒を最強の『女王(クイーン)』に昇格させ、姿を変えていく

 

騎士(ナイト)』形態の右腕、『戦車(ルーク)』形態の左腕、『僧侶(ビショップ)』形態のキャノンが両肩に出現

 

手と脚に刃と爪が生え揃い、背中のマントが4枚の翼へと変わった

 

変貌を遂げた新を見たレオ閣下、ダルキアン、アデルに緊張が走る……

 

「ほう……まだこんな力を秘めておったのか……。このワシに緊張を走らせるなど、大したものじゃ」

 

「この禍々(まがまが)しくも凄まじい気迫……一瞬の油断が敗北に繋がりそうでござるな」

 

「それでも英雄王として負けられないのですっ!」

 

ビスコッティ、ガレット、パスティヤージュ最強の3人がオーラを発したのを合図に――――新は翼を広げて飛び出していった

 

一瞬で距離を詰め、至近距離からの砲撃を放つ

 

しかし、3人は間一髪の所で散らばって回避

 

そこで新は散弾式のフルバーストを放った

 

生物の如く縦横無尽に飛び交う魔力の帯をレオ閣下はグランヴェールで一閃

 

ダルキアンも大太刀に輝力(きりょく)を纏わせて切り払い、アデルは銃と片手剣を駆使して霧散させた

 

こちらの番だと言わんばかりに着地したレオ閣下はグランヴェールを地に叩き付け、紋章を描き出す

 

巨大な紋章が光り輝き、次第に火柱を発生させる……

 

「くらえぇっ!獅子王(ししおう)炎陣(えんじん)(だい)(ばく)()ァァァァァァッ!」

 

無数の火柱から火炎弾の雨が降り注ぎ、新ごとフィールドが火の海へと変わり果て――――最後に特大の爆発が巻き起こる

 

ダルキアンとアデルは何とか回避していたお陰で巻き添えにならなくて済んだものの、レオ閣下に物申した

 

「いきなり大技とは、全く容赦無しでござるな?」

 

「レオ閣下、危ないのです!私達まで巻き込まれたらどうするのです!?」

 

「ハッハッハッ、お主達なら心配無用だと思ったまでじゃ。それに……あのガキのオーラは危険極まりないものだったから、チマチマしていてはこっちがやられると思ったのじゃ」

 

レオ閣下が真剣な目付きで炎の海を眺めながら言う

 

新の実力を悟った上での大技使用にダルキアンとアデルも言い返せなかった

 

勝負はもう決まったかと思ったその矢先――――炎の海が一瞬で消し飛ぶ

 

そこには兜の一部が割れているものの、全身からオーラを揺らめかせる新の姿があった……

 

「ふぅ~……今のは流石に効いたぜ。トンでもねぇ威力だな」

 

「…………ッ!ワシの最大技をまともにくらって立っているとは……ッ!なんて奴じゃ……ッ!」

 

「俺もそれなりの礼を尽くしてやる。しっかり受け止めてくれやッ!」

 

新は全身から莫大なオーラを放出させ、再び翼を広げて飛び出す

 

高密度のオーラを纏わせた両脚を突き出し、猛烈な回転を加えながら突き進む

 

ヘル・クラッシュに並ぶ必殺技――――バースト・エンド(きりもみ式)である

 

対するレオ閣下、ダルキアン、 アデル紋章砲の準備に取り掛かった

 

獅子王烈火爆炎斬(ししおうれっかばくえんざん)ッ!」

 

先にレオ閣下のグランヴェールから巨大な火の鳥が飛び出していき、ダルキアンの大太刀は凄まじいエネルギーを発しながら巨大な刀身と化す

 

神狼滅牙(しんろうめつが)――――封魔断滅(ふうまだんめつ)ッ!」

 

エネルギーにより巨大な刀と化した大太刀が振り下ろされ、次はアデルの銃口にエネルギーが圧縮されていく

 

「本邦初公開なのです!グランマニエブラスターーーーーッ!」

 

銃から放たれたとは思えない程のエネルギーが放射され、一直線に突き進む

 

火の鳥、巨大なエネルギー刀、砲撃の3コンボがきりもみ回転しながら突っ込んでくる新に襲い掛かる

 

やがて3つの攻撃が同時にぶつかり――――激しい閃光がフィールド全域を照らした

 

予想を超えた衝撃に新は歯軋りをするが、ここまで来た以上負ける訳にはいかない

 

「オオオォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」

 

全ての力を出し切るかの如く気合いを入れ、全身と脚から噴き出すオーラと回転力を更に上げた

 

その刹那――――火の鳥は掻き消され、特大砲撃は裂かれ、巨大なエネルギー刀は儚い音と共に砕け散る……

 

超高速で突っ込んでくる新に3人は何も反応出来ず……超特大の爆発に巻き込まれてしまった

 

あまりにも凄い爆発で民兵どころか実況までも吹き飛ばされてしまい、フィールドは殆ど焦土と化した

 

「いてて……ちょっとやり過ぎたか?」

 

いち早く姿を現したのは新

 

兜は完全にボロボロで崩れ落ちたが、体力的にはまだ余裕がある様子

 

問題はレオ閣下、ダルキアン、アデルの3人

 

あれだけの大規模な爆発と破壊力をまともにくらってしまった以上、全裸は免れない

 

新は心を躍らせながら彼女達を探す

 

「いやはや、完敗でござる」

 

最初に聞こえてきたのはダルキアンの声

 

新はすかさずその方角に視線を向ける

 

そして待ち望んでいた結果が視界に収まった

 

爆煙の中から現れたダルキアンは一糸纏わぬあられもない姿となっていた……

 

結っていた髪も(ほど)け、ボリュームのある豊満なおっぱい、程良く(くび)れた腰付きにスラリとした美脚

 

まさに女神と思っても相違無い程美しく、僅かに頬を染めて身を(よじ)らせるその姿は(なまめ)かしさ満載だった

 

「う~む……何とも言えぬ恥ずかしさでござる……」

 

「それはこの世界のシステムだから文句は言えないだろ?さてと、お次は――――」

 

次に煙の中から見えてきたのは尻餅をついた状態で咳き込む英雄王アデル

 

彼女もダルキアン同様、衣服を全て消し飛ばされた全裸の姿だった

 

ダルキアンに負けず劣らずのおっぱいと美麗なボディーラインを備えたアデルもまた綺麗の一言に尽きる

 

「あわわわわわわ……っ!ダ、ダメなのですぅ~っ!」

 

手で隠したおっぱいが寄せられた事で更にボリュームが増す

 

残るはただ1人……レオ閣下だけ

 

そのレオ閣下も煙の中から徐々に姿を現したが――――防具が壊れただけで、露出の多い下着類は残されていた

 

期待外れの結果に新は肩を落とす

 

「ふぅっ、一応紋章術での防御を試みたが……それも容易く砕かれるとはのぅ。凄まじい力じゃ。ワシはまだまだ物足りなくて続行したい所じゃが、それではちとサービスが過ぎてしまうのじゃ。よって――――ワシも降参じゃ」

 

小さな白旗を揺らして降参を宣言したレオ閣下

 

ようやく全ての勝負が終わり、安心感から疲れがドッと出てくる

 

「それにしても……ジェノワーズ、垂れ耳(エクレ)、ユキカゼ、ナナミ、レベッカ、アデルにダルキアンと――――これだけの女を見事に剥くとは大したものじゃのぅ。お主とはまた戦いたいものじゃ。今度は一騎討ちでな」

 

「へぇ……っ。随分と好戦的なお姫様だこと。まあ、滅多に無い機会だもんな。今日は取り敢えず勘弁してくれよ?レオ閣下」

 

「うむ」

 

レオ閣下が手を差し伸べ、新はそれに応じて握手を交わす

 

良い感じで終わろうとしたその時――――

 

バババッ!

 

レオ閣下の下着がものの見事に消し飛び、遂にレオ閣下の裸もお披露目となった

 

シミ1つ無い雪の様な白い柔肌、揺れる豊満なおっぱい、肉付きが良さそうなお尻はまさに芸術品とも言える程だった

 

「おぉっ!?」

 

着衣感が無くなった事に気付いたレオ閣下は自分の現状に驚き、ダルキアンとアデルは苦笑する

 

新は握手に応じた為、至近距離でレオ閣下の裸を目撃出来た

 

「おやおやレオ姫、最後の最後に油断したようでござるな」

 

「早くタオルを持ってきてくださいなのですぅ~!」

 

レオ閣下は突発的事態に握手したまま立ち尽くしていたが、ハッと我に返って握手している手を振り払い胸を隠す

 

「あっ、勿体ねぇ」

 

「……アラタ、ワシとて女じゃ。いつまでも裸を見られるのは良い気分ではないのじゃ……」

 

「そうか?俺としてはいつまでも見ていたいんだが」

 

「まったく……このスケベっ」

 

この時、恥ずかしがるレオ閣下の表情が可愛過ぎて全国民が萌えたらしい

 

斯くして新はフロニャルド陣との模擬戦を快勝で終わらせる事に成功、参加した女性全員の裸も拝めて大満足だった




新無双発揮回でした(笑)
次は一誠サイドです

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。