「異世界って何だよこれ……?もしかして俺はバックトゥTHE未来しちまったのか……?どうすりゃ良い?どうすりゃ帰れる?ど○でもドアとかあるのか?それともタイムマシン?」
右往左往する新に金髪の少年――――シンク・イズミが声を掛ける
「あの~、アラタさん。とりあえず今は落ち着いてください」
「……何だよ、何か良い道具でもあるのか?だったら早くど○でもドアを出せ。それで地球に帰れる」
「いや……ど○でもドアとか無いですから……。アラタさんも召喚の儀式を受けてここに来たんですよね?」
「儀式?んなもんしてねぇよ。勝手にここに飛ばされちまったんだ」
新の返答にシンク、エクレ、リコは揃って顔を見合わせる
「ねえ、エクレ。召喚の儀式を受けずにフロニャルドへ来る方法なんてあった……?」
「あるわけ無いだろう。さっきの魔物もそうだが、召喚の儀式を
「そうだね。アラタさん、これからお城へ戻るんですけど……良かったら一緒に来ませんか?そこでなら連絡も通じますし」
「……連絡?は?スマホ使えるのか?」
「はい。お城なら向こうの世界との交信が出来ますよ。僕達の携帯がこの世界でも使えるようになったのは全部リコのお陰なんです」
「えへへ、褒められちゃったであります~♪」
シンクがリコの方を向いて説明し、褒め言葉を貰ったリコは嬉しそうに犬耳をピコピコ動かす
連絡手段が使える事を知った新は急げとばかりにバイクへ駆け寄り、ヘルメットを被ってエンジンを入れる
「そうと分かりゃあ、さっさと案内してくれ」
「まったく……気持ちの上がり下がりが激しい奴だな。それにしても……貴様のセルクルは変わった鳴き声を出すのか」
「あの~、エクレ?アラタさんが乗ってるアレはセルクルじゃなくてバイクって言う乗り物なんだよ?」
「ば、ばいく……?」
「乗り物――――機械でありますか!?」
エクレは聞いた事の無い名前に疑問符を浮かべ、リコは目を爛々と輝かせてバイクを凝視し始めた
「す、凄いでありますぅ!こんな乗り物が向こうの世界にあるのでありますか!?」
「え?あ、あぁ……あるけど」
「ん~っ!感激でありますっ!このような未知なる機械に出会えるとは……!自分の尻尾の付け根と研究心がキュンキュンを通り越してギュインギュインなのでありますよぉ~っ!」
感極まったリコは犬耳のピコピコ速度が増し、尻尾に至っては残像が映るんじゃないかと言うぐらいに激しく揺れていた
新はそんなリコの様子にキョトン顔、シンクは苦笑い、エクレは呆れるように嘆息した
興奮真っ只中のリコはキラキラした目で新の方に向き直す
新はその瞳に危険な思想が潜んでいるのを察知した
「アラタさま!「嫌だ」是非「ダメだ」とも「無理」その「却下」ばいく「断る」と呼ば「ふざけんな」れる「拒否」機械「諦めろ」を調べ「無茶を言うな」させて「家帰って寝ろ」欲しいであります――――って、断るのが早いでありますよ!しかも、言い終わる前に10回も断られたのは初めてであります!?」
「嫌だダメだ無理却下断るふざけんな拒否諦めろ無茶を言うな家帰って寝ろ」
「更に繰り返されたでありますぅ……。何故でありますかぁ……?」
「目を見りゃ分かる。その目は大抵ロクでもない事を考えてる奴の目だ」
「そんな事ないであります!ただちょ~っと分解して隅々まで調査するだけでありますよ」
「分解する時点でロクな考えじゃねぇだろ!キラキラした目で言える事か!」
「大丈夫であります!分解して調査すれば、直し方もいずれ分かる筈であります!自分が保証しますから、ばいくを分解させて欲しいのでありますぅ~♪」
「それ以上言ったら、ピコピコ動いてる耳と尻尾を引っこ抜くぞ?」
新は諦めが悪いリコに本気の脅しを掛けた……
指をポキポキ鳴らし、鋭い目で睨み付けると……危険を察したリコは直ぐに分解おねだりを止めた
リコの耳と尻尾が
「………………」
「………………その目は卑怯だろ。…………分かった。代わりに乗せてやるから、それで良いか?」
「の、乗せてくれるのでありますかっ!?感激でありますぅ~っ!」
新は仕方無しにバイクの搭乗を許可し、リコは再び犬耳と尻尾を激しく動かした
リコが新の背中にしがみついた所でシンクとエクレもセルクルに
リコはバイクの走り心地に終始感動していたとか……
走り始めて数十分、新はシンク達に
「
「そうだ」
「聞いた事の無い部類だな……。どう言った連中なんだ?」
「簡単に言えば、お前らが言う魔物よりも
「えぇっ!?」
「な……っ!アレでもまだ弱い方なのか!?そんな奴らがいったい何処から――――」
「そこが問題なんだよ。俺は元いた世界で見た事が無い魔方陣を見掛けた。
「引っ掛かる点?」
「あいつら下級の量産タイプは転移魔方陣なんか使えない筈だ。なのに、この世界に出てくるのは……黒幕が潜んでるって事だ」
新はこの世界に自分以外の何者かがいると睨んだ
先程全滅させた量産型に転移魔方陣は使えない、奴らは純粋な戦闘の為だけの存在だから……
しかし、問題はまだある
何者かがいたとすれば、どうやってこの世界まで来たのか?
ここは天界、冥界、人間界と違って完全な別世界ゆえに、普通の転移魔方陣では来られる筈が無い
様々な思考を張り巡らせていると、目的地――――フィリアンノ城が見えてきた
門前で警備をしていた兵士達に挨拶を済ませ、城の中へと足を踏み入れる
中庭のような場所を歩いていると、シンク達が乗っていたセルクルと同じ巨鳥の群れを見掛けた
その内の1羽は黒い体毛をしている
「なぁ、シンク?あの黒い○ョコボと羽根のデカい○ョコボは何だ?」
「黒いのはレオ閣下の愛騎ドーマで、他はパスティヤージュ公国のブランシールですよ。レオ閣下とクーベル様も来てるみたいだね」
「レオ閣下?クーベル様?誰だそれ?」
「ガレット獅子団領国領主とパスティヤージュ公国第一公女であります」
つまりはお偉いさんである
そうこうしてる内に装飾が凝った扉の前に到着し、シンクが扉をノックする
中から「どうぞ」と女性の声が聞こえ、シンクが扉を開けた
広間の様相は如何にも王族が住みそうな豪華な造りで、中央のテーブルを囲うようにそれぞれの国の領主や騎士達が並んでいる
「ただいま、姫様」
「姫様、ただいま戻りました」
「ただいまであります」
「お帰りなさい、シンク、エクレ、リコ。……?そちらの方はどなたでしょうか?」
ドレスを着込み、ピンク色の髪から犬耳を生やしたお姫様が訊くとシンクが答える
「あ、この人はアラタさん。僕とナナミ、ベッキーと同じように地球から来た人です」
「竜崎新だ。初めまして」
「はい、初めまして。ビスコッティ共和国代表領主ミルヒオーレ・フィリアンノ・ビスコッティと申します」
新は“舌を噛みそうな名前だな”と聞こえない様にツッコミを入れとく
周りを見渡していると黒いショートヘアーの少女が近づいてきた
「ねぇねぇシンク、私達と同じって事は――――この人も召喚されたって事?」
「いやぁ……実は……アラタさんは召喚の儀式無しでここに来ちゃったみたいで……」
『何だって!?』
シンクの一言で広間の全員が異口同音に驚愕した
次第にざわめきが強さを増していく
「召喚の儀式を受けずにやって来たとはどういう事じゃ?クーベル、お前は知っておるのか?」
「ウチは初耳じゃ!ミルヒ姉は!?」
「わ、私も初めて聞きました!」
長い銀髪に猫耳を生やした古風な少女を筆頭に、茶髪にリスのごとき耳と尻尾を生やした小柄な少女も驚きを隠せず、先程自己紹介したミルヒもただ驚くだけだった
周りのざわめきが止まらない中、パンパンと手を叩く者が現れる
栗色の長い髪を三つ編みに纏め、着物の上から
当然この女性にも動物の耳が生えている
「皆の衆、少し静かにするでござる。あまり騒がれてはその者も話が出来ないでござる。ここはひとまず、皆の自己紹介から始めてはいかがでござるか?」
その女性の言葉に皆が肯定の意で頷き、一旦静まる
「では、改めて。拙者はビスコッティ騎士団隠密部隊頭領ブリオッシュ・ダルキアンでござる。以後、お見知りおきを」
栗色の髪の女性――――ブリオッシュ・ダルキアンに続くように出てきたのは金髪に忍び装束の活発そうな少女だった
しかし、新はその少女の“ある部分”に目を奪われる……それは―――――ドドンと主張しているおっぱいだった
「……胸デカっ」
「拙者もお館様と同じくビスコッティ騎士団隠密部隊筆頭ユキカゼ・パネトーネ、皆からはユッキーと呼ばれているでござる♪よろしくでござる」
「あ、あぁ、よろしく」
次に前へ出たのは黒いショートヘアーの少女と茶髪のツインテール
尚、彼女達はシンクと同じ様に地球からやって来たらしい
「ガレット獅子団領国の勇者ナナミ!因みにシンクの
「初めまして。シンクの幼馴染みでパスティヤージュの勇者、レベッカ・アンダーソンです。よろしくお願いします」
「あぁ、よろしく」
一頻り挨拶を終えるが、まだまだ自己紹介は続く
「次はワシらの番じゃな」と長い銀髪に猫耳を生やした古風な少女が言う
「ワシはガレット獅子団領国領主レオンミシェリ・ガレット・デ・ロワじゃ。レオ閣下と呼べ」
“また長ったらしい名前が来たな……”と心の中でツッコミを入れておき、同時に“随分と高圧的な態度だな”と文句を言いそうになるが……彼女もなかなかの巨乳かつ胸元が大きく開いた衣装だったので、そのまま流す事にした
次に出てきたのはレオ閣下と同じく銀髪に猫耳を生やした少年で――――
「俺様はガレット獅子団領国王子ガウル・ガレット・デ・ロワ様だ!」
「あー、はいはい。よろしくー」
「何だよ、やけにそっけ無い態度だな」
「男の自己紹介に興味ねぇし、そんなデケェ声で言わなくても良いから」
「んだとコラァ!」
「やめんか、ガウル!」
レオ閣下がガウルの頭に拳骨を落として諌める
「すまんの、ワシの弟が無礼を働いて」
「あんたの弟か。王子って柄には見えねぇな」
「ハッハッハッ!ハッキリ言う奴じゃのう!」
「姉上まで笑ってんじゃねぇ!」
ガウルは怒るが呆気なくスルーされ、次は彼の傍らにいる3人の少女達が前へ
向かって右にいるのは黄色い前髪と茶髪に虎の耳を生やし、アホ毛が特徴の少女
左には金色の長髪にウサ耳を生やし、先程のユッキーやレオ閣下に負けず劣らずのナイスボディを持つ少女
最後に中央には黒猫のごとき耳と尻尾を生やした寡黙そうな少女が佇んでいた
「我ら、ガレット獅子団領!」
「ガウ様直属~」
「……秘密諜報部隊」
「「「ジェノワーズ!」」」
何処かで見たような戦隊ものの決めポーズをするジェノワーズに、新はとりあえず軽めの拍手を贈っておく
ジェノワーズは戦隊もののポーズを解除し、それぞれの自己紹介を始めた
「まいどおおきに!うちはジェノワーズの関西弁の方、ジョーヌ・クラフティや!」
まず虎耳の少女が元気良く挨拶を決め、ウサ耳の少女が丁寧にお辞儀する
「ジェノワーズの弓矢担当ベール・ファーブルトンです~」
ムギュリと寄せられた彼女の巨乳に目を奪われつつ、最後の黒猫少女に視線を向ける
「……ノワール・ヴィノカカオ、よろしく」
「あぁ、よろしく」
新はジェノワーズ3人と握手を交わすついでに彼女達のおっぱいを視察する
ウサ耳少女ベール=巨乳
虎耳少女ジョーヌ=隠れ巨乳
黒猫少女ノワール=貧乳
一瞬でサイズとランクを見極めた新は『一誠がここに来たら叫びそうだな。「おっぱいヒャッハアァァァァァァァァァァッ!」みたいな感じで』と吹き出しそうになった
自己紹介も終盤に差し掛かり、リス耳の小柄な少女がエッヘンと大物ぶった態度で自己紹介を始める
「ウチはパスティヤージュ公国第一公女クーベル・エッシェンバッハ・パスティヤージュなのじゃ~!」
『名前超長ぇ!』と思わず突っ込みたくなるが何とか堪え、彼女の特徴とも言える尻尾に着眼する
「……デケェ尻尾だな」
「お、何じゃ?ウチの尻尾の良さが分かるのか?なかなか良い奴じゃな~♪」
フリフリと嬉しそうに尻尾を振るクーベル
最後にクーベルの隣に座っていた美少女が立ち上がる
金髪で青い瞳の中に何故か☆マークが見えており、彼女もまた特徴が濃いキャラのようだ
「初めまして、パスティヤージュ公国の英雄王アデライド・グランマニエなのです~。アデルと呼んでくださいなのです~」
「英雄王とはまた大層な肩書きだな。とりあえず、これで全員か」
「いや、ちょっと待て。まだ俺が残ってるだろ」
無理矢理終わらせようとする新に待ったを掛けたのは若い男だった
異様な風貌をした銀髪の男に対し、新はパタパタと払うように手を振る
「あー、はいはい。どうせお前もそこのチビ王子と同じ俺様系の偉そうな奴だろ?もう見ただけで充分だから説明の必要無しっ」
「誰がチビ王子だぁ!?」
「お前、男相手だとドライだな!?まあ、気持ちは分からなくもないが……せめて名前ぐらい言わせろ。魔王ヴァレリア・カルバドスだ。皆からはヴァレリーと呼ばれてる。以上、自己紹介終わりっ」
長かった自己紹介がようやく終了
気疲れしたせいか新は深い溜め息を吐く
「アラタ殿と申されたか。早速で申し訳無い、お主は
ダルキアンが話を切り出し、新は自分が知ってる限りの事を話した
―――――――――――
「う~む……紋章術ではなく“まほうじん”とやらでここに……」
「その……“やみびと”と呼ばれる魔物も、こやつがいた地球からフロニャルドに侵入してきたとは……」
ダルキアンとレオ閣下は共に怪訝そうな顔付きとなり、口元に手を当てる
新は「もうこれで話は済んだか?」と皆に訊くが、シンクが挙手して“ある事”について問い掛ける
「あの~、さっき僕達を助ける時にアラタさん――――妙な姿になってましたよね?コウモリみたいな感じの……。アレっていったい何なんですか?」
「あぁ、あれは俺の戦闘体勢。『
「やみ、おう……?え~っと……」
「まあ、深く考える必要は無いな。俺は味方だから。それよりシンク、お前言ったよな?城に行けば向こうの世界と連絡取れるって。これ以上待つのは御免だ、さっさとその方法を教えろ」
「え?あ、はい。姫様、良いですか?」
「はい、良いですよ」
ニッコリと優しげな笑顔で許可をかれたミルヒに感謝しつつ、シンクは案内係にリコを連れて新と共に広間を後にした
少しの静寂が流れ、ダルキアンとレオ閣下が真剣な面持ちとなる
「ダルキアン、あのアラタとか言う奴の波長――――どう思う?」
「ふむ……シンク殿やナナミ殿、レベッカ殿と同じく異世界からやって来た者にしては――――少し
「ただのガキではないのが一目見て分かった。後は……」
「彼がどう言った者か見極める、でござるな?」
「分かってるなら話は早い。――――手合わせしてみるか」
――――――――――――
「本当にこんな所でスマホが使えるのか?」
「勿論ですよ。僕が最初に飛ばされてきた時もリコのお陰で連絡取れたんですから」
シンクとリコの案内で連れてこられたのは――――昔、シンクが最初にフロニャルドへ飛ばされてきた場所
フィリアンノ城のその場所は、今や地球との連絡が繋がるエリアとなっており、ここでならスマホが通じるらしい
半信半疑でスマホを起動させてみると……いきなりアンテナが満タン状態となった
「んんっ!?マジで電波通った!?スゲェ!」
「さあ、思う存分ご友人方と交信でありますぅ!」
「助かった~!じゃあ早速……」
新は急いで電話登録帳からリアスの携帯番号を選択して電話を掛ける
コール音を聞いて待機していると……
『もしもし!新!?新なのね!?』
「フゥオオオオオオオオオオオオオッ!繋がったァァァァァァァァァァッ!」
見知らぬ異世界で連絡が取れる事に思わず狂喜乱舞する新
直ぐ様リアスとの会話に戻る
『新!新なのよね!?いったい何処にいるの!?』
『新さん?リアス、その電話……新さんからなの!?ちょっと替わって!』
『落ち着いて朱乃!まずは新から話を聞かないと!……ゴホン。新、あれから全然連絡が繋がらないから心配したわ。今何処にいるの?』
「何処って……なんかフロニャルドって言う異世界に来ちまったみたいで――――あれ?もしもし?もしも~し」
『……アーシア、ちょっと回復の光を当ててちょうだい。どうやら新は頭を強く打って錯乱してるみたいだわ』
「いや、俺だって信じられねぇけど事実だから!本当に異世界らしいんだよ、ここは!――――って、何かポワポワ来てんだけど……」
どうやら本当にアーシアの治療が
とにかく新は今自分が置かれている状況を必死に説明し、
「だから、今はそっちに帰れそうに無いんだ。何より
『そう……分かったわ。あなたが無事でいてくれただけでも良い報せよ。なら、早く解決して早く帰ってきなさい』
「あぁ、脳細胞がトップギア並みに解決してやる。じゃあな」
通話OFFにした新は仲間との通話に安堵し、胸を撫で下ろす
「サンキュー、リコ。お陰で心配の種が1つ消えたぜ」
新は感謝の意を示してリコの頭を優しく撫でる
リコは「エヘヘでありますぅ♪」と喜びつつ照れ隠しに頬を掻き、尻尾を振る
改めてこの異世界―――――フロニャルドに来てしまった新は黒幕の解明を果たすべく、シンク達と行動を共にする事となった
―――――――――――
悲鳴が鳴り響くそこはビスコッティ共和国からだいぶ離れた暗き森林
薄い暗闇に彩られた森の中で次々と倒れるのは――――魔物と呼ばれる生物達
フロニャルドでは特殊な加護――――フロニャ
その魔物達が傷と血にまみれて倒れていく……
薄い暗闇の奥から出てきたのは――――シンク達を襲ったのと同じ
そう、奴らが魔物達を殺していたのだ……
動かなくなった魔物に群がり、死体を
喰い終えた途端、
硬い
黄色と黒、銀色が混ざり合った蜘蛛型の
更には白い体躯で形の違う角や牙を生やした
「経過は順調のようだな」
森の奥から突然聞こえてくる声に
どうやらこの声の主こそが奴らの親玉と言えよう……
「この世界の魔物とやらは大変都合が良い。我々より数段弱くて、素晴らしい養分と化してくれる。お陰で
少しだけ出てきた黒幕……
次回は一誠サイド、幽神兄弟編です!