『お掛けになった電話は、電波の届かない所にあるか、電源が入っていないため掛かりません』
新から帰りが遅くなる事を伝えられてから約1時間
リアスは催促するように何度も何度も新のスマホに電話を掛けるが、いずれも出なかった
遂には膨れっ面で机に突っ伏してしまう
「もう、何度電話しても出てくれないなんて。新はいったい何をしてるのよ……」
「リアス部長からの連絡にも応答が無いのか。私も電話とメールを繰り返し送っているのだが、未だに返事が来ていない」
因みにゼノヴィアはこの時点で既に100通以上のメールを送ったらしい
大半がソワソワする中、朱乃だけが何故か冷静な雰囲気だった
「あらあら、リアスってば。まるで結婚したてなのに浮気されてると思い込んだ
「……っ!?に、新妻って……!べ、別にそんな意味じゃ……っ。私はあの子の『
「心配って、どんな?」
「た、例えば……向こうでまた女性と……ゴニョゴニョ……したりとか……」
「うふふ、リアスは純情ね♪」
「朱乃は心配じゃないの?」
「私は大丈夫よ。それに――――もし新さんが浮気していても、それは彼の性分。素直に受け止めて最後に愛してもらえるなら何も問題は無いわ」
朱乃は頬に手を添えてにこやかに浮気公認を宣言する
リアスは複雑そうな表情となり、それを見た朱乃はからかうように耳打ちする
「心配しなくても、正妻のポジションは譲りますわ♪」
「ひゃあっ!?あ、朱乃!」
リアスは真っ赤になって慌てふためき、朱乃はウフフと微笑む
そんな時、リアスの携帯電話に着信音が鳴る
リアスは直ぐに通話ボタンを押して確認するが……相手はアザゼルだった
「……もしもし?」
『随分と機嫌が悪いな。俺が何かしたのか?』
「いいえ、新じゃなかったのが残念に思っただけよ……。それで、何か用かしら?」
『用も何も、「
『
「それで『
『詳しい事はまだハッキリ分かっちゃいない。何せ俺も偶然見掛けた部下からの連絡を受けたんでな。場所が近いから、お前らに報告して取っ捕まえてもらおうと連絡した次第だ』
「そうだったの。良いわ、場所は?」
『2駅ほど離れた神社だ。テロリスト共にしては良い密談場だったが、運が悪かったな。後はお前達に任せる。取っ捕まえたらたっぷり尋問してやらぁ。じゃあな』
アザゼルからの連絡が切れ、リアスは早速出動の準備を始めた
―――――――――
問題の神社に辿り着いたグレモリー眷属+イリナは気配を消しながら散策を開始
新との連絡がつかない以上、新抜きでやる他無い
まずは草陰から『
相手の数は約10人程
以前の三大勢力会談時に襲ってきたのと同じ様な魔術師連中が辺りをキョロキョロと見回し、まるで誰かを待っているようだった
割合は男性5人と女性5人である
それを見た一誠はある事を思い付いた
「部長、ここは俺に任せてください。良い考えがあります」
「……イヤらしい顔になってる事に関しては目を瞑るとして、イッセーに任せるわ」
リアスからの承諾を受けると一誠は直ぐに『
そして自分の脳に魔力を流し込み――――『
そう、一誠のアイディアとは女魔術師に『
これなら相手側の狙いや行動も筒抜けになる
一誠は瞑目して女魔術師のおっぱいの声に耳を集中させた
『まだかなー?
『私達と手を組みたいって言うから、せっかく出向いてあげたのにねー』
『早くしないと誰かに見られちゃうよぉ。女を待たせるなんて最低ねぇ』
『でも、そろそろ来てくれる筈よ。楽しみ楽しみ♪』
『
「
リアスの言葉に全員が無言で頷き、戦闘体勢に入る
草陰から飛び出して散開、魔術師達を取り囲んだ
「しまった!悪魔どもに嗅ぎ付けられたか!」
「仕方無い!やれ!」
魔術師達は一斉に魔術の攻撃を一誠達に放ってきた
リアスは滅びの魔力で打ち消し、朱乃とロスヴァイセは防御障壁で防ぐ
祐斗は
ギャスパーは
自分達の魔術が瞬殺された事に魔術師達は言葉を失う
「お次はこちらの番ですわ」
朱乃は手から
これにより魔術師2人は戦闘不能
小猫は瞬時に距離を詰め、魔術師の1人を拳で殴って気絶させる
祐斗とゼノヴィアも魔術師を1人ずつ斬り払った
そして残された女魔術師5人は……
「くっ!何故こちらの攻撃が当たらない!?」
「私達の行動が読まれているのか!?」
「あぁ、その通り!あんた達のおっぱいが俺にしか聞こえない声で喋ってくれているのさ!」
一誠は『
そして隙を見て女魔術師達の体にタッチしていき、もう1つの必殺技を高々に叫ぶ
「『
バババババッ!
女魔術師達の衣服が一瞬で弾け飛び、その衝撃で豊満なおっぱいがプルンプルンと揺れる
女魔術師達は全裸の恥ずかしさに耐えられず、手で裸体を隠してその場に屈み込んだ
「ぐふふっ♪『
あっという間に場を制圧し、リアスが女魔術師達の眼前に立つ
「抵抗は無駄よ。おとなしく投降してもらうわ」
「くっ……!」
状況はリアス達が圧倒的に優勢、『
そんな時――――不穏な空気が走り、朱乃が警戒しながらリアスに告げる
「部長、複数の気配が……。それに数も多いですわ」
「ええ、
リアスの指摘は見事に的中
草陰や木々の後ろから
それも前に見たネズミ型ではなく、固そうな外殻に覆われた甲殻類の如き姿の
それを率いるのは若い男3人組
どうやらこの集団の頭角のようだ
『
「ようやく来たか……っ。は、早く我々を助け――――」
ドズッ!
その右手は大きな鉤状に変化していて、先端から血が
突然の出来事に全員が呆気に取られ、魔術師は金魚のように口をパクパクさせながら絶命した……
右手を引き抜いた
「せっかく『
殺意満載の言葉を発した男の体がメキメキと不気味な音を立てる
男は赤い体躯と触角、両手に鉤爪を持った海老のような
連れの2人もそれぞれ青い海老型
赤海老
「アーシア、ギャスパー、小猫!あなた達は魔術師を安全圏へ避難させて!今回の件の証人として、みすみす失う訳にはいかないわ!」
「は、はい!」
「が、頑張りますぅぅぅ!」
「……了解です」
アーシア、ギャスパー、小猫の3人は指示通り捕まえかけた魔術師達を連れて少し離れた
リアスと朱乃は滅びの魔力と
特に一誠は
幾度も避け続け――――ようやくカウントが終了する
「よっしゃ、反撃開始だ!
『
『
だが、
苦戦を強いられる中、一誠は先程までいた3人の海老型
「ぶ、部長!あの変な海老野郎がいません!」
「何ですって!?まさかアーシア達の所に……イッセーはそっちを追ってちょうだい!こっちは私達で食い止めるわ!」
一誠は直ぐ様背中のブーストを噴かして量産
木造の壁を破壊して飛び込むと、小猫とギャスパーが量産
猫又モードの小猫が打撃戦を繰り広げ、ギャスパーは無数のコウモリとなって撹乱している
しかし、3体の海老型
小猫の拳も硬い外殻によって出血が止まらず、次第に勢いも落ちてきた
「……ギャーくん、動きを停めて」
『任せて、小猫ちゃん!ぼ、僕の眼で――――』
無数のコウモリとなっているギャスパーの眼が赤く輝きかけた刹那……3体の海老
吐き出された物体はコウモリギャスパーの顔にヒットし、ギャスパーの変身が強制解除される
「ふえぇぇぇぇっ!な、何なんですかこれぇぇぇぇっ!?ネバネバして取れないよぉぉぉぉぉ!」
どうやら吐き出された物体は視界を封じる粘着弾らしく、くらってしまったギャスパーはのたうち回る
そこへ量産
「ギャーくん!」
助けに向かおうとした小猫だが、赤海老
よろめいて直ぐ青海老
最後に赤海老
「案外チョロかったな」
「あぁ、さっさとこいつらを殺して向こうも片付けるぞ」
3体の海老型
目の前の惨状と恐怖に震え出す女魔術師
アーシアは彼女達を庇うように両手を広げて立ち塞がるが、海老型
「大した力も無いくせに健気だな」
「安心しな、女は必要だから殺さねぇよ」
「精々、神風さんや俺達の肉奴隷になってくれや」
ゲスな言葉を並べて爪を伸ばしてくる
続けてギャスパーと小猫にリンチしている量産型の軍勢にもドラゴンショットを浴びせて吹き飛ばす
「俺のアーシアと後輩に何しやがんだッ!アーシア、大丈夫か!?」
「はい、大丈夫です!」
「そうか、良かったぁ……。あいつら全員俺が引き付けておくから、アーシアはギャスパーと小猫ちゃんを治療してくれ!」
一誠の指示にアーシアは直ぐギャスパーと小猫に駆け寄り、淡い緑色の光を発生させる
『
その間に海老型
集団で襲い掛かってくる量産型に対し、一誠は拳や蹴りで対抗するものの――――やはり多勢に無勢、数が多過ぎて捌きれない
量産型に混ざって飛び込んできた黄海老
その直後に赤海老
量産
バチバチと電撃を
一誠は何とか量産
「……ッ!?ヤベ――――っ」
ズガガァァァァァァァァンッ!
海老型
『
かなりのダメージを受けたせいで
「――――ッ!?イッセーッ!もう、どきなさいっ!」
一誠の危機にリアスは激昂して滅びの魔力を撃つが、更に増えた量産
祐斗達が向かおうとしても量産
突き破られた壁から3体の海老型
「ここまでボロボロだと
赤海老
一誠にトドメを刺そうとした瞬間――――鈍い音と共に量産
その場にいた全員の視線が鳥居の方を向き、そこから2人の男が現れる
カチャカチャと音を鳴らす拍車付きの靴にボロボロの革コート
1人はボサボサの黒髪に赤いメッシュを施し、もう1人も同じ様なボサボサの茶髪に白いメッシュを入れていた
ならず者と言う雰囲気がピッタリの2人組の登場に全員が
「何だ、あいつらは?」
「誰だろうと構わん。殺れ」
赤海老
黒髪の男は左足、茶髪の男は右腕を光らせる……
その部分に現れたのは――――緑色の脚甲と褐色に染まった籠手だった
リアスが思わず声を荒らげる
「あれは……
そう、男達が出したのは紛れも無い
黒髪の男は脚甲に覆われた左足で蹴りを繰り出し、茶髪の男は右腕を豪快に振るって量産
「行くぜ、相棒」
「あぁ、兄貴。ぶっ潰してやろう」
2人の男は脚甲と籠手を更に強く輝かせ、ある言葉を唱えた
「「
驚愕する一誠達を他所に、2人の男は
数秒後、彼らは
黒髪の男は鮮やかなエメラルドグリーンの
2人の
緑の
危険度を認識した海老型
突き出した爪を緑の
褐色の
足技と拳打のコンビネーション、その強さは
「そろそろ殺るか」
緑の
緑の
「エクスプロード・スマッシュッ!」
先に高く跳び上がった緑の
蹴りの勢いを利用して回転しながら縦横無尽に跳び回り、次々と量産
大半に蹴りを打ち込んだ
「エクスプロード・フィストッ!」
次に褐色の
飛ばされた
二次被害を受けた
それを見計らった
炎に包まれた
「あれだけの数を……たった2人で……っ?」
信じられないような声音でそう漏らす祐斗
2人の
青海老
対して2人の
先に
飛び散った血
2人の
「相棒、上にはね上げろ」
「分かってるさ、兄貴」
2人は赤海老
飛ばされた
そして射程距離に入った所で緑の
同時攻撃を受けた
血と肉が周りに散乱する
まさに圧倒的と言わざるを得ない実力だった……
「誰だか知らないけど……助かったよ」
「……誰だか知らない……?お前は良いよなぁ、兵藤ォ……」
「えっ?なんで俺の名前知ってんの?何処かで会ったっけ?」
キョトンとする一誠に
「呑気で良いよなぁ、俺達の人生狂わせといてよぉ……。なあ、兄貴?」
「あぁ、兵藤……お前はいつもそうだよなぁ……。どうせ俺達なんか……」
「お、俺があんたらの人生を狂わせた?話がさっぱり見えないんだけど――――」
「どうせお前も俺達の事をバカにしてるんだろ?」
「だったら、笑えよ……。笑ってみろよ……あぁ?」
ギロリと睨みを利かせる2人の
次第に足取りを速くし――――
「「笑ってみろよォォォォォォォォォォォッ!」」
怒りにまみれた叫びを上げて一誠に襲い掛かっていった
今回出てきた新キャラの2人組、完全に某ラ○ダーカブ○の地獄兄弟を意識して書きました(笑)
次回は主に新サイド編を書きます