ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

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今回は結構台詞を多めにしました。
やっぱりナレーションより台詞の方が書きやすいですね。
それではどうぞ!


作戦会議、閉ざされた扉

のび太達の作戦会議が始まった…

 

 

ドラえもん

「さて……まず最初の議題は移動手段、どうやってバウワンコ王国があるヘビー・スモーカーズフォレストへ向かうかだね」

 

 

スネ夫

「それはもうどこでもドアで良いんじゃないかな? 前みたいに冒険を楽しむ訳じゃないんだし。」

 

 

ジャイアン

「前は確か王国の100km手前で歩いたよな、あん時は苦労したぜ…」

 

 

ジャイアンは昔を思い返すように腕を組んだ。

 

 

静香

「ええ、でも移動に関してはもう不自由しないわね」

 

 

のび太

「とりあえず移動方法はどこでもドアで大丈夫だね。さて、次はいよいよどうやって国を取り戻すかだね」

 

 

話を着々と進めるドラえもん達であったが……

 

 

ペコ

「ちょっと待って下さい」

 

 

ペコ以外

『ん?』

 

 

ペコは何かが引っかかったように口を挟んだ。

そんなペコに一同の目は集中した。

 

 

ペコ

「ドラえもんさんの道具は向こうの敵にも十分脅威と成り得るでしょう。しかし敵の素性、戦力を知らずに作戦に乗り出すのは余りに無謀だと思うんです。ですから……ある程度の偵察が必要ではないかと…」

 

 

ペコはそうドラえもん達に提案した。

 

 

ドラえもん

「確かにそうだね…。よし、まずは敵情の偵察が先だ。」

 

 

ドラえもんはペコの意見に同意した。

 

 

ジャイアン

「けどどうやって偵察なんてするんだ? バレないように忍び込んで偵察なんてド素人の俺たちには正直キツいぞ」

 

 

ジャイアンは難儀そうな声を漏らした。

 

しかし……

 

 

ドラえもん

「簡単さ、スパイ衛星を使うんだよ」

 

 

スパイ衛星…飛行可能な小型の集音器付きの偵察用カメラ。

 

 

静香

「なるほど、それなら安全に偵察が可能だわ」

 

 

スネ夫

「でもさ、ここから衛星を飛ばしても衛星の電波が届くか分からないだろ?」

 

 

日本からバウワンコとの距離は2000kmを優に越える。

スネ夫はスパイ衛星の電波が日本まで届かないのではないかと懸念した。

 

 

ドラえもん

「ある程度改造が必要だね、こう言う時にはーー」

 

 

のび太

「天才ヘルメットと技術手袋………でしょ?」

 

 

ドラえもんがその言葉を言い終える前にのび太は被せるように口を挟んだ。

 

 

天才ヘルメット…どんな複雑な機械でもヘルメットに内臓されているコンピュータが、どこをどう改造すれば良いか教えてくれる。

 

 

技術手袋…天才ヘルメットから発せられる信号を受信し、ド素人でも極めて技巧的な改造が可能になる。

 

 

ドラえもん

「分かってるじゃないか」

 

 

スネ夫

「ピリカ星の件では世話になったね、あの頃が懐かしいよ…」

 

 

静香

「ええ、パピくんは元気かしら?」

 

 

ジャイアン

「きっと元気さ。さあ、一時作戦会議は中断して、スパイ衛星を使って偵察をしようぜ」

 

 

ドラえもん

「よし……天才ヘルメットと技術手袋ーー!!」

 

 

スネ夫

「改造は僕に任せてよ。この位しか僕は役に立てないからね」

 

 

ドラえもん

「頼んだよ。さて、その間僕たちは何をしようか…?」

 

 

作戦会議が進む中、ペコはある悩みを抱えていた…

 

 

ペコ

「あの……少しよろしいですか?」

 

 

のび太

「どうしたの?ペコ」

 

 

ペコ

「私情を挟んで申し訳ないのですが……敵に攫われたスピアナはどうなるのでしょうか…」

 

 

ペコ以外

『あ……」

 

 

そう、スピアナは王宮とは別の場所に攫われたのである

勿論その生死は分からない。

 

一同は国を取り戻すという概念に囚われ、スピアナの事を忘れてしまっていたのである。

そんな中、一人の男は答えた…

 

 

ジャイアン

「よし、作戦を変更しようぜ。最初にスピアナさんを助け出してからバウワンコを奪還しよう」

 

 

ペコ

「しかし…今は王妃の居場所どころか生死すら分からないんですよ…?」

 

 

静香

「何言ってるのよ? そういう時のドラちゃんでしょ?」

 

 

静香がそう言うと、ドラえもんはすかさずある道具を出した。

 

 

ドラえもん

「どこでもドアーー!」

 

 

のび太

「そうか!どこでもドアで直接スピアナさんの所へ行けばいいのか!」

 

 

ペコ

「そんな事が可能なんですか?」

 

 

ドラえもん

「どこでもドアは場所の名前だけじゃなく人の名前でも動作するんだよ。よーし、スピアナ王妃の所へ!」

 

 

 

 

 

そう言うとドラえもんは勢い良くどこでもドアを開けた。

 

 

 

「そこには王妃がいる」、と誰もが思った。

 

 

 

しかしどこでもドアを開けた瞬間、一同は悟った。

 

 

 

"今度の敵は、今までの敵とは違う"と……

 

 

 

 

スネ夫

「おいおい……何だこれ……」

 

 

静香

「嘘……でしょ?」

 

 

ジャイアン

「何なんだよこれは!!」

 

 

 

 

どこでもドアは確かに動作した、しかしそこにあったのは何の風景も無い。

 

放送が終了したテレビで流れる俗に言う「砂嵐」のような

物がドアを塞いでいた……

 

ドアの向こう側に手を伸ばそうにも、「砂嵐」が行く手を阻む。

 

 

 

ドラえもん

「………故障じゃない…さっきドアのテストをしたけどちゃんと動いていた……」

 

 

静香

「じゃあどうして…!?」

 

 

戸惑う静香にドラえもんはこう答えた。

 

 

ドラえもん

「どこでもドアには………"ある特定の電磁波"が発生している所では動作しないという弱点があるんだ…! 恐らくこれは意図的に仕組まれた物だろう…!」

 

 

のび太

「ということは…!」

 

ドラえもん

「うん………敵はどこでもドアや僕の道具について知っている!! それも妨害電波を出して止めるなんて……22世紀の技術を使わないと不可能だ!!」

 

 

 

ジャイアン

「……ドラえもん、ドラミちゃんを呼べ。22世紀の事に精通してる人材が一人でも多く欲しい」

 

 

 

予想を遥かに上回る敵の技術力。

 

 

のび太達は唇を噛み締めた……

 

 

 

 

 

そんなのび太達を、ある男は窓の外から笑いながら眺めていた…

 

 

???

「もう一度地獄を見せてやろうか…?

 

 

 

野比 のび太。」

 

 

 

そう言うと男は一瞬にして消えた…




絶望感のあるシーンは意外と書くのが楽しいですね。
ここからどうやってこの状況を打開するのか考えるのが面白いです。
それでは次のお話で!

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