ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

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お待たせしました!
最初にお詫びする事がありまして、
今回のお話は、私の杜撰な文章力のおかげもあり、かなり強引な展開に見える事と思われます。

しかし、私の"どうしても描きたいシーン"の実現の為には避けては通れぬ道と判断致しました。
暫くの間、ご辛抱を……

それではどうぞ!!


繋ぐ希望

4年前に鉄人兵団を裏切り、のび太らと共に戦った仲間、『ジュド』との思いがけない再会。

 

しかしそれは、到底和やかなものと言える物では無かった……

 

 

のび太

「誰って…! のび太だよ!! 4年前、君と一緒に鉄人兵団と戦った…!! 思い出してよ……ピッポッ!!!」

 

 

のび太はジュドに再び訴えかけた。

 

 

ジュド

「何を言ってる……!! 4年前だと? 訳の分からない事を言うな!! お前なんか知らない!!」

 

のび太

「………!!」

 

 

のび太はジュドの言葉に、胸を抉られる様な凄まじい衝撃を受けた。

 

そして悟った…

 

「この『ジュド』は、もう自分が知っている『ピッポ』では無くなってしまっている」という事に……

 

 

のび太

「くそ………なんでだよ……! なんで……こんな…!」

 

 

のび太の頬を、一抹の涙が伝う。

それほどまでに、のび太が受けたショックは計り知れなかったのだ……

 

 

スネ夫

「のび太……」

 

ドラミ

「のび太さん…」

 

 

2人はのび太の肩に手を掛けた。

 

 

のび太

「………平気だよ…心配かけさせてごめん…」

 

 

のび太は涙を拭い、2人に頭を下げると、視線は再びジュドに向いた。

 

 

ジュド

「……?」

(なんだ…? こいつら…?)

 

 

そんなのび太達の様子を目にしたジュドは、思わず目を丸くした。

 

そして困惑と怒りが入り混じったような形容し難い口調でのび太達に問い質した。

 

 

ジュド

「………お前達がやったのか……?」

 

のび太達

『…?』

 

 

のび太達はジュドの言葉に首を傾げるが、構わずジュドは続けた。

 

 

ジュド

「お前達が……この子を……"リルル"を…! 殺したのか…!!」

 

 

そしてジュドは、それまで自身の翼で覆い隠していた少女、リルルをのび太達の前に曝け出した。

リルルの胸部からは夥しい量の血液が流れ出ている。

 

 

のび太

「!!! リルル…!? 一体…どうして…!?」

 

スネ夫

「一体何がどうなってるんだ…!? どうして…消えた筈のピッポやリルルが…!?」

 

 

2人は立て続けに起こる予想を遥かに超える出来事に直面し、酷く困惑し始める。

 

 

ドラミ

「恐らく……リルルを手に掛けたのはサベールね……コックピットのハッチに空いた穴とリルルの傷跡……両方とも一致するわ…。」

 

 

ドラミは現場の状況から冷静に分析をする。

 

 

のび太

「そんな……」

 

スネ夫

「よりにもよってリルルを……」

 

 

のび太達はあまりのショックに愕然とし、生気を失ったように膝から崩れ落ちた。

当然である、相手はかつて自分達と共に戦った"仲間"だったのだから。

 

 

ジュド

「やっぱり……お前達が殺したんだな!! 許せない…!! お前達だけは……お前達だけは!!!」

 

 

そしてジュドは激昂した様子で、のび太達に一歩づつ近づき始めた……

 

 

のび太

「……!! 待ってよピッポ!!」

 

 

のび太は必死にジュドを説得しようとする。

 

 

ジュド

「黙れ!! これは報いだ……!!! リルルを殺したお前達への!!」

 

のび太

「ーーー!!!」

 

 

そしてジュドは目の色を変え、激昂した様子で一番近くに居たのび太に襲いかかった。

のび太は不意なジュドの行動に思わず目を瞑ってたじろいでしまう。

 

 

しかし……

 

 

 

 

ドラミ

「…ごめんなさいね」

 

 

バン!!!

 

 

ジュド

「な……に……?」

 

 

バタッ

 

 

ドラミはジュドの動きに素早く反応し、ドリームガンの引き金を引き、ジュドの眉間に命中させた。

ドリームガンを受けたジュドは糸が切れた操り人形のようにその場で崩れ落ちた。

 

 

のび太

「ドラミちゃん! 一体何を…!?」

 

ドラミ

「大丈夫、ドリームガンよ。少しの間眠ってもらうだけだから…。」

 

のび太

「だからって…!! ピッポは僕達の仲間だったんだよ!? そんなピッポを……撃つなんて…」

 

 

のび太はドラミの半ば強引なやり方に反感を覚えた。

 

 

スネ夫

「いやのび太、こればかりはドラミちゃんが正しいよ。ピッポは明らかな錯乱状態だった。あの時ドラミちゃんがピッポを止めなかったら……僕達かピッポ、どちらかが大怪我をしていたかも知れない。」

 

のび太

「……!!」

 

 

のび太はスネ夫の言葉に核心を突かれたような顔をする。

 

 

スネ夫

「冷静になるんだのび太、ここで焦って誤った判断をする訳には行かない。今僕達がすべき事は、ピッポを落ち着かせて事情を話してもらうことだ、違うかい…?」

 

 

スネ夫はゆっくりとした口調でのび太を諭すように言った。それを聞いたのび太は漸く落ち着きを取り戻すことが出来たようだった。

 

 

のび太

「……わかった、でもその前に……リルルを…弔ってやりたいんだ。いいかな…? 2人とも」

 

ドラミ

「ええ……もちろんいいわよ。」

 

スネ夫

「問題ないよ…」

 

 

そして3人は、倒れ込んでいるリルルにゆっくりと近づいた。しかし実際に3人は落ち着いている訳ではない。

当然である。

相手は自分達の事など覚えていないと言えど、かつての仲間であるのだから……

 

 

のび太

「リルル……どうしてこんな事に……」

 

 

のび太なリルルの"冷えきった"手を握り、一抹の涙を流しながらそう嘆いた。

 

それほどまでに、のび太の精神的ショックは計り知れなかったのだ。

 

 

 

スネ夫

「………」

 

ドラミ

「………」

 

 

スネ夫とドラミは、リルルを哀れむ様子で黙祷をする。

 

 

のび太

「こんな再開って無いよ……ねえ、リルル……」

 

 

そしてのび太がおもむろに、彼女の頬に手を当てた時であった………

 

 

 

 

 

のび太

「ーーえ?」

 

 

 

 

不意にリルルの頬に触れたのび太は、ある"違和感"を感じ取った。

 

そして何かを確認するように、リルルの頬と手を交互に触り始めたのだ。

 

 

ドラミ

「?」

 

スネ夫

「どうしたんだ…? のび太?」

 

 

2人はのび太の謎の行動に疑問を呈した。

 

そしてのび太は不意に呟いた……

 

 

 

 

のび太

「頬の部分……いや、首から上がまだ暖かいんだ……手はこんなに冷えきってるのに……?」

 

 

 

 

不意に呟いたのび太の言葉、のび太にとっては素朴な疑問だった。

 

しかしその言葉の重要性にいち早く気付いた者がいた……

 

 

 

 

 

ドラミ

「何ですって…!!?」

 

 

のび太の言葉を聞いたドラミは、何かに憑かれたように取り乱して言った。

 

 

ドラミ

「スネ夫さん!! 技術手袋のツールにライトがあったわよね? 今すぐ取り出して光をリルルの眼球に当てて! 早く!!!」

 

スネ夫

「!? う、うん! わかった!!」

 

 

スネ夫はドラミの指示通りにライトを取り出し、片手でリルルの瞼をひん剥きながら眼球をライトで照らした。

そしてドラミは、リルルの眼球の反応を目を凝らしてじっと観察した。

 

 

そして暫くしてドラミの口から出た言葉は、皆にとって思いがけない言葉であった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラミ

「…まだ蘇生できるかも知れないわ…!! リルルをみらい病院に緊急搬送するわよ!!!」

 

 

 

 

絶望が…希望へと変わる。




さて……リルルファンの皆さん、今まで申し訳ありませんでした!! 実は彼女……まだ死んでおりません!(笑)

今後の展開としては、もう少しあたふたしますが、その後暫くは人間ドラマを重視して描きたいと考えております。

それではまた!!

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