ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

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えー、皆さん、大変お待たせいたしました!!

ジャイアン
「投稿遅すぎんだろ!! ふざけんのも大概にしろ!!」

エル
「でもなんとか作者の夏休み前に投稿出来て良かったね…」

ペコ
「というか前回の投稿から10ヶ月ほど経ってたんですね……」


皆さん、今までサボっていて本当に申し訳ありませんでした!

前回の投稿から今日までの間、各話のセリフや矛盾の修正、また追加エピソードを少しですが設けてありますので、良ければご覧下さい!

さて、それではどうぞ!



Counter Attack

ドラミ

「のび太さん! 行くわよ!!」

 

のび太

「うん!!」

 

 

ドラミはのび太にそう言うと、タケコプターを使って空へ飛び立った。そしてドラミに返事をしたのび太もドラミに続いて空へ飛んだ……

 

 

スネ夫

(囮は任せたよ……2人とも!)

 

 

スネ夫はそんな2人を見送り、ドラミから預かったスペアポケットからタケコプターを取り出し、頭に装着し、ザンダクロスの方に目をやった。

 

 

スネ夫

「さて……僕ちゃんもお仕事と行きますかね…」

 

 

そしてスネ夫は腹をくくり、微笑しながら空へ飛び立った……

 

 

 

 

 

 

 

ジュド

「来たか。」

 

 

ジュドはレーダーとメインカメラに映ったドラミ達を見て呟いた。

 

 

ジュド

「リルルを殺った奴じゃない……邪魔だからさっさと片付けよう…!」

 

ザンダクロス

「ーー!!!」

 

 

グォン!!

 

 

すると、ザンダクロスの肩に取り付けられていたミサイルランチャーのハッチが開いた。

 

 

ドラミ

「…!! のび太さん! "散る"わよ!!」

 

のび太

「うん!!!」

 

 

 

ザンダクロスの動きを確認したドラミがのび太にそう伝えるや否や、2人はタケコプターの回転速度を上げてそれぞれ別方向に散開し、ザンダクロスへの接近を試みた……

 

 

 

 

 

 

 

ーー回想ーー

 

 

 

 

 

 

 

ドラミ

「いい? 私とのび太さんの役目は陽動……でもただ奴の攻撃から逃げるだけじゃないわよ。」

 

のび太

「というと?」

 

 

のび太はドラミの言葉の意図が分からず、ドラミに問うた。ドラミはのび太の質問に応えるように口を開いた。

 

 

ドラミ

「私達も……ザンダクロスに応戦するのよ。」

 

 

ドラミはきっぱりと言い切った。

 

 

のび太

「ちょっと待ってよ、ドラミちゃんはザンダクロスにダメージを与えられるような道具は持ち合わせいないってさっき言ったばかりじゃないか。それなのにどうやって奴に応戦するっていうの…?」

 

 

のび太はドラミの言葉が引っかかり、その言葉の意味を質した。

 

 

ドラミ

「確かに…私はあの装甲に直接攻撃を加えてダメージを与えられる道具なんて持ち合わせてないわ。だけど……私達が直接攻撃をしなくても奴にダメージを与えられる道具ならあるわ。」

 

スネ夫

「……なるほどね、"あの道具を使って、あいつの力を逆に利用してやる"ってわけだ」

 

 

ドラミの思わせぶりな言葉に、スネ夫は合点がいったように指をパチンと鳴らした。

 

 

のび太

「…あ!! そういうことか…!」

 

 

少し遅れてドラミの言葉の意図に気付いたのび太は、納得したように頷いた。

 

 

ドラミ

「察したみたいね。…もし奴が拳で私達を攻撃しようものなら、とりあえずそれは避けるだけでいいわ。狙い目は……奴がこちらへ殺傷能力のある武器で攻撃をしようとした時よ…!」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

ジュド

「塵になれ…!!」

 

 

カチッ!

 

 

ジュドは殺意を持ってそう呟くと、手元のスイッチを押した。

 

 

バンッ!! バンッ!! バンッ!!

 

 

その瞬間、ザンダクロスの両肩に装着されていたミサイルランチャーから、それぞれ約20発分のミサイルが次々と発射され始めた!

 

 

ヒュゥゥン!!

 

 

発射されたおびただしい量のミサイルは、風切り音を上げながら暫く空中を飛行した後、何の前触れもなくのび太達の方へ軌道を変えた……

 

 

のび太

(……!! このミサイル…僕たちを狙ってる! しかもなんて量だ!!)

 

ドラミ

(やはり…自動追尾機能付き…!!)

 

 

それぞれのミサイルのロックオン対象……それは当然、のび太とドラミである。

 

のび太はその量に思わず圧倒された。

 

そして発射されたミサイルは、ドラミ達を執拗に追い回し始めた。

 

 

のび太

「こっちに来る…!」

 

 

ドラミ達もミサイルに追いつかれまいと、タケコプターを用いて全速力で逃げ回り始めた。

 

 

ドラミ

(大丈夫、このミサイル……そこまで速くない…!)

 

 

のび太とドラミは普段使い慣れているタケコプターの性能を遺憾なく発揮し、急な減速や猛スピードでの旋回、果ては宙返りなどのアクロバティックな技を用い、ミサイルから逃れようとする。

 

 

しかし、のび太達がいくら逃げても、ミサイルは金魚のフンのようにのび太達から離れようとしない。

 

 

 

ジュド

「フッ 必死に逃げ回ったりして……無駄だっていうのに…」

 

 

ジュドはミサイルから逃げ回るのび太達を見てうすら笑いを浮かべた。

 

 

ジュド

「今は上手いこと逃げ回ってはいるけど、このミサイルは一度ロックオンされたら最後、着弾するまで標的を追い回す…! あいつらは今どんな顔をして逃げ回っているんだろうなぁ…」

 

 

ジュドは最早(もはや)勝負は決まったものだと確信し、余裕をかましていた。そしてジュドはサディスティックな顔で、のび太達の表情を確かめようとカメラの倍率を拡大させた。

 

しかし……

 

 

 

 

ジュド

「……!? こいつら…!!」

 

 

先ほどまで笑みを浮かべていたジュドであったが、メインカメラに映り込んだのび太とドラミの表情を見て、顔色を変えた……。

 

 

ジュド

「笑って…いる……!?」

 

 

その瞬間ジュドは、追い詰められているのは自分であるという事を悟った……。

 

 

ジュド

「まさか……こいつら…!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

のび太&ドラミ

『今だ!!/今よ!!』

 

 

のび太とドラミはそう叫ぶと、素早く後ろを振り返りながらポケットの中に手を突っ込んだ!

 

そして……

 

 

ドラミ

「ひらりマントー!!!」

 

 

2人が取り出した道具、それはひらりマントである!

 

 

 

のび太

「行っけえぇぇぇ!!!!」

 

 

そしてドラミとのび太は後ろ向きに70km/h程の速度で飛行を継続しながら、2人に差し迫るミサイルに次々とマントを振りかざし始めた!

 

 

ヒュゥゥゥン!!!

 

 

ひらりマントによって跳ね返されたミサイルは、次々と軌道を変えた!

 

標的(ターゲット)は……ミサイルを放った元凶、ザンダクロスである!

 

 

ジュド

「何だよあれ…!? ミサイルが跳ね返って……!?」

 

 

ジュドは目の前で起こっている事が信じられず、困惑するが、その直後に自分が今置かれている立場を理解した。

 

 

ジュド

「!! ここにいたらまずい!!」

 

 

ジュドはザンダクロスに信号を出して、次々とこちらへ向かってくるミサイルを後ろに下がって回避しようとする。

 

しかし…

 

 

ドラミ

「今更動いたって…遅いわよ!!」

 

 

ザンダクロスが動き出そうとした時には既に、ミサイルはザンダクロスから10m以内まで差し迫っていた。

 

 

ジュド

「くっ…!!!」

 

 

ババババババ!!!

 

 

ザンダクロスは少しでも自分に着弾するミサイルの数を減らそうと、苦し紛れに腕のバルカン砲でミサイルを撃ち落そうとした。

 

バルカン砲を食らったミサイルは次々と爆散し、途轍もない爆風と轟音が辺りを覆った。

 

しかし……

 

 

ジュド

「この数…!! 墜とし切れない…!!」

 

 

あまりのミサイルの数に、ジュドは全てのミサイルを撃墜する事が出来なかった。

 

 

ドカンッ! ドカンッ! ドカンッ!

 

 

そして、彼が撃ち漏らしたミサイル5発分がザンダクロスの腕、両足、頭部、胸部に着弾した!

 

ミサイルが一発一発と着弾するごとに、ザンダクロスの装甲に大きく損傷が広がっていく。

そして最後のミサイルが着弾すると、自らのミサイルで機体を大きく損傷したザンダクロスは、ついに片腕と膝を地面に着いた。損傷した部分には、ショートした電線等からスパークが生じていた。

 

 

ジュド

「くそっ!! やられた!!」

 

 

ジュドは思わず、怒りに任せてコックピットの内壁を殴った。

 

 

 

のび太

「作戦成功!」

 

 

のび太はガッツポーズをした。

 

ドラミが提案した作戦……それは「ひらりマント」を用い、ザンダクロスへ起死回生のカウンターを放つと言うものだったのである!

 

そしてザンダクロスの動きは…一時的ではあるが完全に止まった。

 

 

ドラミ

「動きが止まった…! 今よ!! スネ夫さん!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

スネ夫

「任せてくれ…!」

 

 

すると何処からともなく、タケコプターを装着したスネ夫がザンダクロスの首筋辺りに姿を現した!

 

 

スネ夫

「よっ…と!」

 

 

そしてスネ夫はザンダクロスのうなじ辺りに着地し、スペアポケットから天才ヘルメットと技術手袋を取り出して装着すると、驚異的なスピードで破壊工作を始めた。

 

 

スネ夫

「さてと…!ここをこうしてっと…!」

 

 

ジジジジ! キュイイン!

 

 

装甲を溶断し、無数のケーブルを掻い潜ってザンダクロスの中枢器官に辿り着き、中枢回路を切断する。

 

その作業行程を、スネ夫は道具のお陰もあり、スピーディーに行った。

 

 

スネ夫

「よし、回路(ライン)を確保した…」

 

 

 

スネ夫は瞬く間にザンダクロスの中枢回路に辿り着き、それを手前に手繰り寄せた。

 

 

スネ夫

「これで終わりだね…!!」

 

 

そしてスネ夫は技術手袋の指先からペンチを取り出し、ザンダクロスの回路をパチッと切断した……。

 

 

 

ザンダクロス

「!!!ーーーー」

 

 

すると、ザンダクロスのメインカメラの光がプツンと消え、ザンダクロスが再び動き様子は無くなった…

 

 

スネ夫

「ドラミちゃん、のび太、ザンダクロスのシステムは完全に掌握した。これでこいつも動かなくなるはずさ。」

 

 

その様子を確認したスネ夫はすっかり安堵しきった表情で、腕ラジオを通して作戦の完了を告げた。

 

 

ドラミ

《よくやったわ! スネ夫さん!》

 

のび太

《スネ夫にしては上出来じゃない?》

 

スネ夫

「のび太のクセに言ってくれるね……ハハ」

 

 

腕ラジオ越しに、2人はスネ夫を賞賛し、スネ夫は思わず笑みをこぼした。

 

 

 

 

 

スネ夫

「さて…じゃあお顔を拝見と行こうか。一体誰がザンダクロスを操っていたのかをね……」

 

 

先程まで笑顔だったスネ夫の表情に緊張が戻った。

 

 

ドラミ

《ええ…。スネ夫さん、そこからザンダクロスのコックピットのハッチの開閉は出来る?》

 

スネ夫

「もちろん可能さ。じゃあ2人とも、念のため空気砲を装備して、それぞれコックピットのハッチの脇で待ち構えていてくれ。もしかしたら敵が反撃してくるかも知れない。」

 

のび太

《分かったよ。位置についたらそっちに合図を送る。》

 

 

そしてのび太達はタケコプターを使い、ザンダクロスのコックピットの開閉扉の脇にそれぞれスタンバイした。

 

この時、3人の顔には今までに無く緊張が走っていた。

当然の事だ。中に乗っているのは、バウワンコの農民を大量虐殺した者であるのだから。

 

 

そして覚悟を決め込んだのび太は、フッと息を吹いた。

 

 

のび太

「ーーー位置に着いたよ。スネ夫、ハッチを開けて。」

 

スネ夫

「わかった…。じゃあ開けるよ…!」

 

 

 

そしてコックピットのハッチはゆっくりと開き始めた。

のび太とドラミは、中に乗っている者の反撃を警戒し、ハッチの脇に留まったままだった。

 

嫌な汗が、のび太の頬を伝う。

 

 

そしてハッチは完全に開かれた。

不思議と、コックピットからは物音一つ聞こえない。

 

のび太とドラミはその様子に疑問を呈し、一抹の恐怖を抱いたが、お互い自らを奮い立たせ、コックピットの中をそっと覗き込んだ。

 

 

そして、2人は予想だにしない光景を目にした。

 

 

 

ジュド

「……!!……!!」

 

 

 

 

コックピットに搭乗していたのは…鳥の様な姿をした生き物であった。

それはのび太達を恨めしそうに睨み、涙を流しながら"何か"を必死に守るようにこちらに背を向け、翼を大きく広げていた。

 

 

ドラミ

「鳥……!? どうして…鳥なんかが…!?」

 

のび太

「!!」

 

 

ドラミとのび太はその光景に驚愕するが、のび太は何かを悟ったような表情をし、ハッと息を呑んだ。

 

そしてのび太は鳥に向かい、困惑した様子で問いかけた……

 

 

 

 

 

 

のび太

「ピッ…ポ…?」

 

 

 

 

 

 

2人がコックピットの中で対面した鳥。

 

 

それは、かつてのび太達と共に戦ったロボット、"ピッポ"ことジュドに酷似しているものであった……

 

 

のび太

「ピッポ…!! 僕だよ! のび太だよ! どうして君がこんな所に…!? 君が……バウワンコの人達を殺したの…!?」

 

 

のび太は自分の胸を叩きながら、ジュドに近づいた。

かつての仲間が人を殺めたと信じたくはない。

そう思いながら、のび太はジュドに問いかけた。

 

 

しかし……

 

 

 

 

ジュド

「お前………誰だ?」

 

 

 

 

ジュドの放った言葉は、その場の空気を凍りつかせるに十分だった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、これからこの物語、怒涛の展開へと発展して行く予定です…(笑)

矛盾等があれば遠慮なさらずコメントをお願いします!

それではまた!

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