ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

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色々詰め込み過ぎた感はありますが、お気になさらずに…
それではどうぞ!


集う友たち

ペコの話を聞き、奮起するのび太達であったがもう時刻は午後7時を回っていた。

 

玉子

「みんなー!ご飯よー! 下りてらっしゃい!!」

 

 

階段の下から玉子がのび太達に呼びかける。

 

 

のび太

「はーい! よし、ペコも一緒に食べようか。」

 

 

ペコ

「そんな……助けを求めた上にご馳走になるなんて……。」

 

 

ドラえもん

「そんな事言わないでさ、一緒に食べよ? ママだってペコの為にいっぱいご飯作ってるんだからね。」

 

 

ペコ

「……それではお言葉に甘えて。」

 

 

そういうやり取りをしながら3人はキッチンに向かった。

 

 

のび太

「おお!今日は豪華だねー!」

 

 

玉子

「ペコちゃんが居るから張り切っちゃった♪ さあ、召し上がれ!」

 

 

パンッ!

 

 

一同

『頂きまーす!!!』

 

 

一同は合掌をする。

 

 

 

のび太

「んー!やっぱりママのご飯は最高だね!」

 

 

のび太は食卓に出されたハンバーグを口いっぱいに頬張り、口福そうな声を上げた。

 

 

ドラえもん

「確かに! ペコ、お口には合うかな?」

 

 

ドラえもんはペコにママの料理が口に合っているか問いただした。

 

 

ペコ

「とても………美味しいです!! こんな美味しい食べ物……バウワンコでも食したことはありません…!」

 

 

ペコは目を輝かせ、さらに料理を頬張った。

 

 

玉子

「あらそう? 嬉しいわ! 今日パパは飲み会で居ないからたっぷり食べなさい! 所でペコちゃんはどうして戻って来たの?」

 

 

ドラえもん

「実はね………」

 

 

ドラえもんは王国であった事件を一通りママに話した。

 

 

玉子

「そうだったの……ペコちゃん、今日は泊まっていきなさい」

 

 

玉子は真剣な表情でペコの内情を受け止めると、優しげな顔をペコに向けた。

 

 

ペコ

「ええ? 本当にいいのですか?」

 

 

玉子

「困っているんでしょう? なら手を貸さなくちゃ!」

 

 

ペコ

「ママさん…ありがとうございます!」

 

 

ペコは心底嬉しそうな表情をし、精一杯感謝の言葉を伝えた……

 

 

 

 

 

 

そして夕食後、のび太はペコと共に男同士の入浴を始めた。

 

 

 

のび太

「ぷはーっ!! ペコと風呂に入るなんて4年ぶりかー。」

 

 

のび太は湯船に浸かりながら1日の疲れを吹き飛ばすように言った。

 

 

ペコ

「ええ、そうですね〜…。」

 

 

ペコはのぼせたような表情でのび太に相槌を打った。

 

 

のび太

「あ、そういえば気になってたんだけど……ペコって今いくつなの?」

 

 

のび太はペコの実年齢を今まで知らなかったので、思い切ってペコに聞いた。

 

 

ペコ

「えっと………人間の年齢で言うと15歳くらいですね。」

 

のび太

「15歳!? 僕と同い年じゃないか! って事は11歳で国王になっちゃったの!?」

 

 

のび太はペコが自分と同い年だという事実に驚きを隠せなかった。

 

 

ペコ

「ははは、そんなに驚きましたか?」

 

 

そんなのび太をペコは物腰柔らかく笑い、のび太に尋ねた。

 

 

のび太

「いや……なんか15歳とは思えない程しっかりしてるから僕より少なくとも3つくらい上かなーって思ってさ。」

 

ペコ

「あはは、そうだったんですか…。」

 

 

ペコはそう言うと、自分が年相応以上に大人びている訳を話し始めた。

 

 

ペコ

「私は一国の主であった父の一人息子でした。ですから周りの同い年の子供よりも早く大人にならざるを得なかったのです。」

 

 

ペコは王の息子である故、王に何かがあった場合は歳に関係なく王位を継承しなければならない。

そんな理由からペコは、多数の英才教育を受けて育ったのである。

 

 

のび太

「……やっぱり凄いなーペコは。」

 

 

のび太は腕を頭の後ろで組み、微笑しながらペコに言った。

 

 

ペコ

「え?」

 

 

のび太の言動に疑問を呈するペコであったが、のび太は続けた。

 

 

のび太

「僕と同い年なのに一国の主だなんて……僕だったらもー無理! 1日どころか1時間保たずに逃げ出しちゃうよ! それに王様だったら沢山の人を守らなきゃいけないでしょ!? こんな弱っちい僕じゃ無理無理ー!」

 

 

のび太は頭の左右に手を付け、首を左右に振りながら言った。

それを見ていたペコはしばらくの間呆気に取られていたが、そのあとすぐに微笑してこう言った。

 

 

 

ペコ

「"大切な誰か"を守れますよ。……のび太さんなら。」

 

のび太

「………僕にも出来るかな…?」

 

 

自分に自信が無いような表情をしたのび太であったが……

 

 

ペコ

「ええ………必ず。」

 

 

そう言うとペコはニッコリと笑ってみせた……

 

 

 

 

そして入浴後、のび太達が部屋に戻ると既にそこにはのび太とペコの分の布団が丁寧に敷かれてあった。

ドラえもんに聞くと、その布団は玉子が敷いてくれたようである。

 

 

 

のび太

「じゃあ今日はもう休もうか。明日は作戦会議だ!」

 

ペコ

「ええ……そうですね。」

 

ドラえもん

「じゃあ電気消すよ。おやすみー。」

 

 

ドラえもんはそう言うと、蛍光灯にぶら下がっていたスイッチの紐を引き、電気を消した。

 

ドラえもんはいつも通り押入れの中に入り、のび太とペコは共に敷かれた布団に入った

 

 

のび太

「くか〜……くか〜…」

 

 

暗闇の中、早速のび太の寝息が聞こえてきた。

 

 

ペコ

(のび太さん……前々から思っていたが寝るのが早い……)

 

 

布団に入ってから驚異的な早さで眠りに入ったのび太に、ペコは心底驚いていた。

 

 

ペコ

(またこの地に戻ってくるなんて……夢にも思わなかったな。出来ればこんな形でのび太さん達とも再開したくは無かった……。)

 

 

ペコは仰向けに寝て、天井を見上げながら心の中で思った。

 

 

ペコ

(スピアナ………待っていてくれ……すぐにお前とバウワンコを取り戻してみせる……)

 

 

 

そして、ペコは眠りについた………

 

 

 

 

 

翌日……

 

 

 

のび太達は早速ジャイアン達にのび太の携帯電話で電話をかけ、召集を始めた……

 

 

のび太

「もしもし、ジャイアン? 今どこにいる?」

 

ジャイアン

《どこって…俺の家だけど?》

 

のび太

「頼みがあるんだ、すぐに僕の家に来て欲しい」

 

ジャイアン

《マジかよ、店番しなきゃ母ちゃんに怒られちまうよ》

 

のび太

「君たちにしか頼めないんだ!!」

 

ジャイアン

《君たち? スネ夫達の事も言ってんのか?》

 

のび太

「うん、スネ夫達にも同じ事を言って来てもらう事になってる。だから頼むよ!」

 

ジャイアン

《仕方ねえな…何の件か知らねえけど行ってやるよ!》

 

のび太

「ありがとう…!ジャイアン…!」

 

ジャイアン

《友の助けは断れねえからな、じゃあ5分でそっちに行くぜ》

 

のび太

「うん分かった、それじゃあね」

 

 

ガチャッ

 

 

ドラえもん

「ね?力になってくれるって言ったでしょ?」

 

ペコ

「ええ……本当に心の広い方たちだ…」

 

 

ドラえもんが笑いながら言うとペコは目を輝かせながら言った。そして5分後……

 

 

ピンポーン♪

 

 

ドラえもん

「お、来たみたいだね」

 

ジャイアン&静香&スネ夫

「こんにちはー」

 

玉子

「あらいらっしゃい、のび太達は上よ」

 

ジャイアン達

「お邪魔しまーす」

 

 

ジャイアン達は階段を上がり、のび太の部屋のドアを開けた。

 

 

ガチャ

 

 

ジャイアン

「のび太ー、頼みって何だ…?」

 

 

ジャイアンはのび太の部屋のドアを開けながら言った。

そしてジャイアンは、のび太の部屋に普段は居るはずのない者を発見し、疑問の声を漏らした……

 

 

ジャイアン

「って……あれ? その犬……もしかして…?」

 

静香

「まさか……」

 

スネ夫

「そのまさかのようだね、ハハ」

 

 

ペコ

「御無沙汰してますね、武さん、スネ夫さん、静香さん」

 

 

ジャイアン達は急なペコとの再開に激しく感激した。

 

 

ジャイアン

「うおぉぉー!!!ペコじゃねえか!!元気だったか!!!?」

 

 

ジャイアンは感激のあまりペコに抱きついた、まあ実に4年振りの再開で有るのだから仕方ない。

 

 

ペコ

「ハハハ、はい!今も元気ですよ! それより…とても大きくなりましたね…」

 

 

ペコは急成長を遂げたジャイアンの体格を見て言った。

 

 

ジャイアン

「俺の事か?? まあ確かに近頃背がちょっと伸びた気もするな…」

 

 

ジャイアンは頭をボリボリと掻きながら言った。

 

 

一同

『ちょっと所じゃないだろ!!!』

 

 

そんなジャイアンに一同はツッコミをかます。

 

 

スネ夫

「それより、ペコはどうして日本に!?」

 

静香

「遊びに来たの?」

 

 

そうペコに問いただすスネ夫と静香だったが…

 

 

ペコ

「残念ながらそうではありません」

 

のび太

「とりあえず話を聞いて欲しいんだ」

 

 

 

そいう言うとのび太達はバウワンコ王国で起きた事件の一連の流れを話し出した……

 

 

 

 

ジャイアン

「……そんな事があったのか…」

 

スネ夫

「あの立派な国が……」

 

静香

「信じられないわ…」

 

 

3人は動揺を隠しきれない様子である。

しかしそのどんよりした空気はあの男の発言によってかき消された。

 

 

ジャイアン

「よし! 今すぐ敵陣に殴り込みだぜ!!」

 

ジャイアン以外

「 ! ? 」

 

 

お察しの通り、ジャイアンである。

 

 

スネ夫

「イヤイヤイヤイヤ、ジャイアン今の話聞いてた?」

 

静香

「作戦無しで殴り込みなんて危険過ぎるわ!」

 

のび太

「そうだよ!作戦を立てるのが先だよ」

 

ジャイアン

「うるせえ!!友の痛みは俺の痛みだ!仕返ししないと気が済まねえんだよっ!!!」

 

ペコ

「それはとても嬉しい事ですが……まず作戦を立てましょう。お願いです、武さん。」

 

ジャイアン

「ペコがそこまで言うなら…仕方ねえな」

 

 

一時期興奮状態だったジャイアンだったが、ペコの懇願により何とか落ち着きを取り戻した様である。

 

 

一同

『ペコってすげええええ』

 

 

ペコのジャイアンを扱い慣れたような様子に一同は驚いていた。ペコのその姿は、まさに猛獣使いである。

 

 

ドラえもん

「さて、茶番はこれ位にして……作戦会議を始めよう」

 

のび太&スネ夫&ジャイアン

「おう!!」

 

静香&ペコ

「ええ!!」

 

 

 

バウワンコ奪還の為の作戦会議が始まった…

 

 

 

 

 




4年経ったジャイアン達の性格の変化はどうしようかと思ったんですが……
大まかな変更はなし!ということにしました。
そっちの方が書きやすいので(笑)
それではまた次のお話で!

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