ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

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ドラえもん
「みんな! またせたね!」

ジャイアン
「作者サボってんじゃねーぞコノヤロー!」

スネ夫
「まあまあ……更新のペースは遅いけどこれからもやって行きますんで……」

のび太
「それでは、スタート!」


決死の作戦

皆の希望を勇気に変え、空へ飛び立った静香、

全身全霊を込める覚悟を決めたドラえもん。

そんな2人による、無謀とも言える作戦が始まった…

 

 

静香

(もう少し行ける……もう少しなら…)

 

 

静香はザンダクロスを出来るだけ引き付ける為、ザンダクロスにギリギリまで接近しようと考えていた…

距離は既に50mを切っていた。

この距離は既にザンダクロスの射程範囲である、無論静香はその事を承知していた。

しかし、皆の希望を背負った静香には恐怖と言う概念は1ミリも存在していなかった……

ただ一つ、希望と言う物に心を突き動かされ、静香は飛んだ…

 

 

リルル

「ジュド、こちらに接近してくる人間が居るわ」

 

ジュド

「分かってる、女の子……みたいだね…」

 

 

リルルとジュドはザンダクロスのコックピットの中で、タケコプターを使ってザンダクロスに接近してくる静香を確認していた…

 

 

リルル

「ええ……女子供を殺すというのは気が引けるけど……今回ばかりは話が違うわ」

 

 

リルルが冷徹な目をしながら吐き捨てる。

 

 

ジュド

「命令は皆殺し……やるしかないね」

 

 

そう言うとジュドは、脳内からザンダクロスに命令を下した。

ジュドの頭脳はザンダクロスの神経と一体化しており、こう動けと念じるだけでザンダクロスを意のままに操る事が可能になるのである。

 

 

ザンダクロス

「ーーーーー!!!!!」

 

 

グオオオオン!

 

 

命令を受けたザンダクロスは、静香の方へ体を向かせる。

 

 

ガシャン!! ガチッ!!

 

 

するとザンダクロスの左脚に装着されていたコンテナが開き、中から巨大なマシンガンのような物を取り出した!

 

 

ドラえもん

「!!! 静香ちゃん!! 高速で逃げ回るんだ!!!」

 

 

ドラえもんは叫んだ。

ドラえもんは相手が何をするつもりなのか分かったからである。そしてそれは静香も理解していた…

 

 

静香

「ええ!!」

 

 

ブオオオオン!

 

 

ドラえもんの声に応えると静香は、タケコプターの回転数を上げ、タケコプターを加速させた…

そして相手も攻撃の準備は既に完了していた……

 

 

リルル

「撃ちなさい」

 

ジュド

「了解」

 

ザンダクロス

「ーーーー!!!」

 

 

グオオオン!!

 

 

銃を構えたザンダクロスの腕が静香の方向へ向く…

 

 

静香

「!!! 来る…!!」

 

 

タケコプターの加速を開始した静香の速度は、既に時速70kmほどに達していた。

 

 

ザンダクロス

「!!!」

 

 

ズダダダダダダ!!!!

 

 

ザンダクロスは四方八方を飛び回る静香目掛けて、構えたマシンガンを連射した。 打ち上げ花火のようなとてつもない射撃音が辺りに響き渡る!

 

 

静香

「くっ!!」

 

 

ブオオン!!

 

 

静香は敵の放つ弾に当たらぬよう、高速でザンダクロスの周りを飛び回る。しかし、この状況は明らかに静香に対して不利であった…

 

 

ズダダダダ!!

 

 

静香

「しつこいわねっ!」

 

 

静香の飛び回ったルートをザンダクロス放つの弾丸が通って行く……そして静香が、ある大きな岩を通り過ぎた時であった…

 

 

ズダダダダ!! ゴオオオオン!!

 

 

静香

「な…!?」

 

 

何と、流れ弾が当たった大岩が、それだけで粉々に粉砕されたのである。

 

 

静香

「なんて威力なの!」

 

ザンダクロスの使用するマシンガンの弾丸は、約120mmの実弾である。生身の人間が食らえば一瞬で肉塊になるほどの威力である。

即ち、静香は一度でもそれを食らえば……命はない。

 

 

ズダダダダ!!…………

 

 

それからザンダクロスの猛攻は実に3分ほど続いた……

日常生活ではたったの3分、しかし、戦場と日常生活との「3分」では体感的には天と地ほどの差がある。3分が圧倒的に長く感じるのである…

 

 

静香

「ハア…ハア…」

 

 

静香は完全に疲弊していた…。身体的な疲労は殆ど無いが、精神的な疲労が静香を苦しめていた。しかし、いつ死ぬかも分からない状況に立たされているので仕方のない事であった…

 

 

ドラえもん

(静香ちゃん……! くそっ! まだチャージが…!)

 

 

ドラえもんはそんな静香を見て心の中で叫んだ。

手元の熱線銃のチャージレベルを見れば、まだLevel3、ザンダクロスを倒すには不十分な状態であった…

 

 

ドラえもん

「まだだ……辛抱するんだ……!」

 

 

今ザンダクロスを撃ってしまったら今までの静香の陽動が無駄となってしまう……ドラえもんは必死に「早く静香を救いたい」という思いを抑えていた……

そして静香に最大の危機が訪れてしまう……

 

 

ズダダダダ!!

 

 

静香

(まだ…なの? ドラちゃん……)

 

 

静香は疲弊した精神のまま、弾丸を避け続ける。

しかし、静香は既に限界を越えていた……

そして静香がザンダクロスの脚付近を飛んでいた時であった……

 

 

ズダダダダ!! パキンッ!!!

 

 

静香

「あっ!! しまった!!!」

 

 

なんとザンダクロスの放った弾丸がタケコプターに被弾したのである。タケコプターは飛行機能を失い、静香は地上5mほどから地面に落下し始めた!!

 

 

静香

「きゃあああ!!!」

 

 

ドラえもん

「静香ちゃん!!!」

 

 

その時ドラえもんは後悔した……なぜ静香にあのような危険な事を任せたのか……心の中で後悔していた……

 

 

ドンッ!! バキ!!

 

 

そして静香は地面に激突した……その瞬間鈍い音がした…

 

 

静香

「うううぅ!!!」

 

 

静香は脚の骨を骨折し、あまりの痛みに悶え苦しむ…!

骨だけではない……内蔵も少なからず痛めている。

 

 

静香

「まずい…!! 立て…ない…!」

 

 

そんな様子の静香を見ていたリルル達は……

 

 

リルル

「終わりね………これ以上苦しめる必要は無いわ……」

 

ジュド

「そうだね……殺そう」

 

 

2人は冷めた表情で言った。

そして……

 

 

ガチャッ

 

 

ザンダクロスは倒れている静香に止めを刺そうと銃を向けた……

 

 

静香

「………!!! みんな……ごめんなさい…」

 

 

静香の瞳からは涙がこぼれていた。

自分の無力さに悔し涙を流していた。

そしてその光景は離れていたドラえもんにも見えていた…

 

 

 

 

ドラえもん

「………やめろ」

 

 

 

その瞬間、ドラえもんは動いた。

 

 

 

ドラえもん

「……手を出すな!!!」

 

 

 

カチッ! バアアアアン!!!

 

 

 

リルル

「何!?」

 

 

ドラえもんは本能的に熱線銃の引き金を引き、ザンダクロスに向けて紅色の巨大な光線を放った!! 光線は一直線にザンダクロスへ向かって行く!

 

 

ドラえもん

「くっ! うおおおおお!」

 

 

ドラえもんは射撃の際の反動のあまり、後ろに10mほど吹き飛ばされた!

 

 

ギュンッ!! ドカアアアン!!

 

 

ザンダクロス

「!!!!」

 

 

光線はザンダクロスが銃を握っていた片腕に命中し、大爆発を起こした!! 片腕を失い、なおかつボロボロになったザンダクロスは満身創痍の状態でドラえもんの方を向いた。

 

 

リルル

「何!? どうやってあんな攻撃を!?」

 

 

リルルは予想外の出来事に完全に動揺した。

 

 

ジュド

「分からない…! でも……奴は危険だ!」

 

 

プシュー! ガシャン!

 

 

そう言うとジュドは、ザンダクロスの右脚に装着されたコンテナを開かせ、中から先ほどのマシンガンとは違うライフルの様なものを取り出した……

 

 

カチッ!

 

 

ザンダクロスはドラえもんへ狙いを定める……

 

 

ドラえもん

(くそ……体が動かない……!!)

 

 

ドラえもんは熱線銃を撃った反動で全身を痺らせ、動けないでいた……

そしてザンダクロスは攻撃の準備を完了させていた…

 

 

ジュド

「射撃準備完了」

 

リルル

「………撃ちなさい」

 

シュド

「了解」

 

 

カチッ バキュゥゥゥン!!!

 

 

ザンダクロスが引き金を引くと、ライフルの銃口から直径20cmほどのライフル弾が発射された。一直線にドラえもんの方へ向かって行く……

 

 

静香

「ドラ……ちゃん」

 

 

地面に仰向けに倒れた静香が掠れた声で言う。

 

 

ドラえもん

「皆……すまない……」

 

 

ザンダクロスが放った弾丸からドラえもんまでの距離は10mを切っていた……誰もが諦めかけていたその時、"それ"は現れた。

 

 

???

「ハァ!!!」

 

スパッ!!

 

 

ドラえもん&静香

「!!??」

 

リルル

「何!!??」

 

ジュド

「なんだあいつは!?」

 

 

4人は驚愕した。

なんと突如ドラえもんの目の前に迫っていた弾丸が真っ二つに切り裂かれたのである!

 

 

ドカアアアン!!

 

 

両断された弾丸は二方向に分かれ、それぞれで爆発した……

 

 

ドラえもん

「どうして……君が……?」

 

 

ドラえもんが問いかける。その者はゆっくりと立ち上がり、ドラえもんに背を向けて言い放った……

 

 

???

「………下がっていろ、奴は……私がやる」

 

 

ドラえもんの前に立った者、それは見覚えのある剣士であった……

 

 

 

 

 

 

 

ドラえもん

「何で僕を助けたんだ…………サベール……!!」

 

 

サベール

「………理由は聞くな。」

 

 

ドラえもんの窮地に駆けつけた男……

それは意外にも、サベールであった。

サベールはそう言うと、腰を落とし、剣を抜いた。

そう、サベールは自身の剣だけで、ザンダクロスと闘うつもりなのだ。

一見無謀とも思える戦い。しかしサベールは、負ける気など毛頭無かった……

 

 

サベール

「切り刻んでくれる…!」

 

 

 

 

 

 

 




さあ、ついにサベールの戦闘が始まりましたねー。
何故サベールは駆けつけたのか? それは後々……
それでは、またお会いしましょう!

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