ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

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のび太
「今回けっこう後付けが多いよね?」

ドラえもん
「シッー!! 大人の事情だよ。 それではどうぞ!」


チームの存在意義

集落に姿を現したサベール…

 

 

彼はジャイアン達に、敵が今夜0時に集落を襲撃すると告げ、姿を消した……

 

 

そしてジャイアン達は集落の住民を集落の中心に集め、緊急作戦会議を行おうとしていた…

 

 

住民

「どうしたどうした?」

 

「何が始まるの?」

 

「重要な話らしいぞ」

 

「本当に?」

 

 

集められた住民達はガヤガヤと話をしている…

 

 

ジャイアン

「皆集まったな? 静香ちゃん」

 

静香

「ええ、そろそろ始めましょう」

 

ドラえもん

「うん…」

 

 

タッ タッ タッ

 

 

ジャイアン達は全員が集まった事を確認すると、集落の中心にある演台の上に上がった。

 

住民の視線がジャイアン達に集中する。

 

そしてジャイアンは口を開いた……

 

 

ジャイアン

「皆、落ち着いて聞いて欲しい。皆が集められた訳なんだが………以前王国を襲った集団が今度はここを襲撃しようとしてんだ。数は1000体、それも今夜0時に…!」

 

 

住民達

「なんだと…?」

 

「そんな…」

 

「あんまりだろ…」

 

 

住民達はジャイアンの言葉にショックを受けた……

 

それも仕方ない、彼らは王国での惨劇を体験しているのだから……

 

住民の反応を見つつ、慎重にジャイアン達は話を続けた……

 

 

静香

「敵の素性は未だに不明だわ、一体どんな敵が来るか分からない。 でも……」

 

 

静香の後に続くようにドラえもんは口を開いた。

 

 

ドラえもん

「もう時刻は午後7時を回ってるんだ! 考えてる暇は無い! 皆! 奴らと戦う為に協力して欲しいんだ!」

 

 

ドラえもんは住民に深く頭を下げた…

 

しかし……

 

 

住民

「そんなの……断るに決まっているだろう! 勝てる訳が無い!」

 

「その通りだ! 王国の親衛隊が敵わなかった相手に俺ら農民達が敵う訳がねえ!」

 

 

一方の住民はジャイアン達の申し入れに反対した。

 

 

「待って! ここは幸い食料には恵まれているのよ!? ここを離れたら私たちだけじゃなくて子供達まで餓死してしまうわ!」

 

「じゃあ戦うって言うのか!? 俺はごめんだぜ! あんたらだけで勝手にやっとけ!!」

 

「どうしてそんな言い方しか出来ないの…? あなた……それでも良いの!?」

 

 

住民達の激しい口論が飛び交う中、静香は落ち着いた口調で言った……

 

 

静香

「大丈夫、あなた達が中心になって戦う訳ではないわ。あくまで最前線で戦うのは…私達よ」

 

 

ジャイアン

「俺たち3人がジャングルと集落を出入り出来る門、"東門"と"西門"を防衛する。皆は俺たちが取りこぼした兵隊達を倒して欲しいんだ……」

 

 

ジャイアン達の居る集落の周りは高い塀で囲まれている。そして集落の住民はジャングルと集落を出入りする為に、東方面に"東門"、西方面に"西門"を設けているのである。

ジャイアン達は、敵勢力はこの東門と西門のどちらか、もしくは両方を攻めて来ると考えているのである。

 

つまり敵勢力との交戦形態は……防衛戦である。

 

 

住民

「俺たちはあんたらの取りこぼしだけで良いのか……? 良かった……」

 

「しっかり頼むぜ? 俺たちは死ぬのはごめんなんでな」

 

 

住民の2人が嫌味ったらしく抜かす。

 

 

住民

「ちょっと…そんな言い方…」

 

「え? 何が悪い? あっちは満更でもないんだぜ?」

 

 

その者は更に言葉を続けた。

 

しかしその時!

 

 

???

「たわけがっ!!!」

 

 

若者の言葉を聞いたある老犬が、杖をついて歩み寄って来たかと思えば、突然大声で怒鳴った。

 

 

住民

「な、何だよ…? 長老……」

 

 

長老……バウワンコを長年生き抜いた、豊富な知識を持った老犬である。

 

 

他人事のように物を言っていた若者達は、長老の突然の怒号に動揺する。

 

 

長老

「お主ら…満更でもないじゃと? とりこぼしだけだから良かったじゃと? その言葉の意味を……お主自身は分かって言うておるのか!!」

 

 

チッポ

「長老……」

 

 

長老は烈火の如く怒り狂い、若者達への説教を続けた。

 

 

長老

「4年前……我が国の陛下を救ってくれたのは誰じゃ? 赤の他人であるにもかかわらず……儂らの国を救ってくれたのは誰じゃ!! そんな者達に……よくそんな口が利けるのぉ!! 彼らに少しでも恩返しをしようとは思わんのか!? 散々、彼らに儂らの事を散々背負わせて……恥ずかしいとは思わんのか!!」

 

 

長老は魂を込めて叫んだ。

 

そしてその思いは、集落の住民全員にの心に深く染み込んだ……

 

 

 

若者

「……そうだ…俺たちは……まだ何もしてない! やろう! みんな! 戦うんだ! 生きて戻って来た陛下の為に!」

 

 

1人の若者が奮起する。

 

 

若者

「……俺が間違っていた! あんたら! さっきの言葉を詫びよう! 済まねえ…! でもそれじゃあ詫びようにも詫び切れねえから……俺たちも一緒に戦ってやろうじゃねえか!」

 

 

 

「負けるか! 1000体が何だ! 俺たちにかかればそんなの朝飯前だね!」

 

 

 

住民達は次々と立ち上がり、奮起する!

 

そしていつしか……皆の心は一つになっていた……

 

 

住民達

「やってやるわ!」

 

「暴れるぞ!」

 

「家族や皆の為に戦うんだ!」

 

長老

「フン、やっとやる気を出しおったか。やれば出来るんじゃ」

 

 

そんな住民達の様子を見ていたジャイアン達は……

 

 

静香

「うふ、武さん? ドラちゃん?」

 

ジャイアン

「ああ、やっとまとまってきたな」

 

ドラえもん

「そうだね………よし! 皆!! これから大まかな作戦内容を発表する! 僕と静香ちゃん率いる班は、東門を防衛する! そしてもう一方の西門はジャイアン達の班が防衛する! 怖くて逃げたいと思う時もあるかも知れない! でもその度に思い出して欲しいんだ!自分の家族を! それがきっと力になる!」

 

 

静香

「女性や子供達は男性方の補給を担当して欲しいの! 全力でサポートするのよ!!」

 

 

ジャイアン

「いいか! 勝つ秘訣は、「意地と度胸」だ!! 敵を前にしたら絶対に下がんじゃねえ! ひたすら眼前の敵を……ぶっ倒せ!!!」

 

 

住民

『おう!!!!』

 

 

始まる………

 

壮大な闘いが………

 

 

 

ジャイアン

「皆!!! 行動開始だ!!!」

 

 




ジャイアン
「うおー! 燃えて来たぜ!」

静香
「武さん! 落ち着いて!」

ジャイアン
「これが落ち着いていられるか! うおー!」

静香
「この単細胞野郎……」

ジャイアン
「ヒッ! すいませんでしたー! それじゃあ皆! まったなー!!」

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