ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

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ジャイアン
「いよいよ俺様の出番だー!」

静香
「私もおめかしおめかし♡」

ドラえもん
「あのさー……まあいいや…」

ペコ
「それでは皆さん! 始まります!」


Notice

のび太達がタイムマシンで22世紀へ向かっている頃…

 

 

ドラえもん

「もしもし? のび太君かい!? 怪我は大丈夫なの!?」

 

ドラえもんは戦いを終えたのび太達と通話をしていた…

 

 

のび太

《王ドラに診てもらったけど…全員入院が必要だってさ、それよりドラえもん、ありがとう…君のおかげで助かった》

 

ドラえもん

「礼なんていいよ……でもあえて言っとくよ……どういたしまして」

 

 

ドラえもんは笑いながら言った。

 

 

ドラえもん

「……え? ちょっと待って、入院だって?」

 

 

ドラえもんはさらっと受け流していた言葉に違和感を感じ、のび太に質問する。

 

 

のび太

《僕とスネ夫は内臓を痛めてて、エルさんとドラミちゃんは骨に異常があるらしいから……そっちには行けそうにないんだ…》

 

ジャイアン

「無事だっただけマシだぜ……よく生き残ったな…」

 

のび太

《彼らのおかげさ》

 

ジャイアン

「ドラえもんズか……1度会ってみてえな…」

 

のび太

《ハハ、それより……ペコ? 今話せるかい?》

 

 

のび太は電話の奥にいるペコに呼びかけた。

 

 

ペコ

「はい…代わりました。のび太さん……スピアナ王妃は…?」

 

 

電話を変わるとペコは心配そうにスピアナ姫の安否を尋ねた…

 

するとのび太は……

 

 

のび太

《ペコ………王妃の救出は…成功だよ…! 今はドラえもんズ達が彼女を保護してるから……安心して》

 

 

のび太は心から嬉しそうな声でペコに告げた。

その言葉はペコの心に響き、ペコの心は震えた……

 

 

ペコ

「…………ありがとうございます!!! のび太さん!」

 

のび太

《どういたしまして……それよりペコ…泣いてる?》

 

ペコ

「な、泣いてなんか……うっ…うっ…」

 

 

当然ペコは泣いていた……

なんとも分かりやすい嘘である。

 

 

静香

「ペコ、 泣いてもいいのよ?……いっぱい泣きなさい」

 

 

静香はペコに優しく言葉をかける…

 

 

ペコ

「うっ……うわあああ!!」

 

 

静香の言葉でペコの中の何かが切れたのか……その言葉を機にペコは大泣きを始めた……実に1時間程……ペコは泣いた…

 

そしてその間、のび太達は鬼岩城で起きた事を全て話終えた…

 

 

ドラえもん

「じゃあのび太君、スピアナさんを宜しくね……」

 

のび太

《うん、それじゃあね》

 

 

こうしてドラえもん達はのび太との通信を終えた…

一同はのび太達が無事であることにに安心した…

 

 

ジャイアン

「さて……そろそろ約束の時間か…」

 

 

そう、午後5時に集落に来いと言うサベールとの約束があることを忘れてはいけない。現時刻は4時55分である。

 

 

ペコ

「そうですね……皆さん、申し訳ありませんが、外に出てサベールを待っていてくれませんか?」

 

静香

「ええ、分かったわ」

 

 

ペコがそう指示するとドラえもん、ジャイアン、静香、チッポは外へ出た……

 

現時刻は4時58分である。

 

 

ジャイアン達は暫く待った……

 

 

 

そして5時になった。

サベールはまだ来ない。

 

 

 

5時5分

 

 

チッポ

「…………来ないね」

 

ジャイアン

「少しは時間に誤差があるかと思って5分待ったが……駄目か…」

 

ドラえもん

「……仕方ない」

 

静香

「約束は約束だものね…」

 

 

5分経ってもサベールは来なかった……

 

 

しかし、全員に諦めるムードが漂い始めたその時!

 

 

ジャイアン

「……!!へへ、おい…見ろよ皆」

 

 

ジャイアンは笑ってある者を指差した。

 

 

ドラえもん

「え?」

 

静香

「まさか…」

 

 

全員の視線がその者に集中する。

 

 

 

 

チッポ

「やっぱり……来てくれたんだね! サベール!」

 

 

サベール

「…………………」

 

 

タッ タッ タッ………

 

 

そう、サベールが集落に歩いて来ているのである。

チッポはその事に歓喜する。

 

 

サベール

「………………」

 

 

サベールは4人の前で立ち止まった。

 

しかし彼は固い表情のまま、ずっと黙っている。

 

 

ジャイアン

「仲間になる気になったのか?」

 

 

ジャイアンは黙っているサベールに問いただす。

 

そして暫く黙っていたサベールがようやく口を開いた。

 

 

しかし、その言葉は4人が期待していた物では無かった…

 

 

 

 

 

 

 

サベール

「……仲間になるつもりは毛頭ない。」

 

ドラえもん

「な……」

 

 

サベールはきっぱりと言った……

4人はショックを受け、沈黙してしまう…

 

 

静香

「…………じゃあどうして来たの?」

 

 

仲間にならないのなら来なければいい、そう思った静香はサベールに問いただした。

 

 

サベール

「仲間にならない代わりに、ある情報をやろうと思ってな」

 

チッポ

「何の……情報?」

 

 

チッポが聞く、そしてサベールは答えた。

 

 

サベール

「今夜0時、敵がこの集落を襲撃する。 敵は1000体の兵団らしい。避難するなら今だぞ」

 

ジャイアン

「…………おい、今なんて言った?」

 

 

ジャイアンはサベールの言葉を信じ切れないらしく、耳を疑った……

 

 

 

サベール

「奴らがこの集落を襲撃すると言ったんだ」

 

 

サベールは4人にもう一度言った。

 

 

静香

「そんな……嘘でしょ…?」

 

チッポ

「今この集落にはバウワンコの民が1000名以上いるんだよ……?」

 

ドラえもん

「もう時刻は17時を回ってる…! 今から避難場所を決め、全員に避難勧告を出して避難させるなんて不可能だ!」

 

 

ドラえもんは取り乱した様子で言った。

 

 

サベール

「でも避難するしか無いだろう? 」

 

 

サベールは冷徹に言葉を吐き捨てる。

 

 

ジャイアン

「仮に避難出来ても……この集落の周りには大量の資源があるんだ! 今ここを手放したら集落の住民は生きて行けねえんだ!」

 

サベール

「なら戦うのか? 数はこちらがやや上だが兵力はあちらが上だろうな。言っておくが私はお前たちに味方する気はないし、あちらに味方をする気も無いぞ」

 

 

サベールは更に残酷な言葉を浴びせる…

 

 

チッポ

「本当に……それが君の本心なの? サベール」

 

 

チッポが口を開いた…

 

 

サベール

「どういう意味だ…?」

 

チッポ

「本当は僕らと一緒に戦いたいって……思ってるんじゃないの…?」

 

サベール

「馬鹿馬鹿しい……そんな訳があるか。私はただの傍観者だ」

 

 

チッポの言葉をサベールは全否定する。

 

しかし…

 

 

チッポ

「それでも僕は信じてる……君は僕達の味方だって…」

 

 

チッポは熱い視線でサベールを真っ直ぐ見て言った…

 

 

サベール

「……………勝手に信じていろ……それではな」

 

 

タッ タッ タッ………

 

 

サベールはそう言い残すと、彼は集落を後にした……

 

サベールの姿が段々遠ざかって行く…

そしてサベールの姿が完全に見えなくなると、ジャイアンはこう言った……

 

 

ジャイアン

「ドラえもん、皆……集落の皆を集めてくれ、今から…緊急作戦会議を行う…!」

 

ドラえもん

「うん………」

 

静香

「……分かったわ」

 

 

ジャイアン達は集落の住民を片っ端から集め始めた…

 

 

チッポ

「……………」

 

 

そしてチッポは未だにサベールが消えて行った集落の出口を眺めていた…

 

 

チッポ

「……僕も動かなきゃ……」

 

 

そしてチッポは走り出した……

 

集落を守る為に…




ジャイアン
「おい、俺の出番これだけかよ」

ドラえもん
「文句言わないの! これから嫌というほど仕事が回ってくるから!」

チッポ
「そうそう、それでは! またねー!」

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