ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

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今回は少々グロテスクな描写があります。
閲覧にはご注意下さい。

それではどうぞ!


制御不能の狼

マタドーラとミノタウロスの戦いが一段落着いた頃…

 

荒くれ者同士の対決が始まっていた…

 

 

ポーラ

「捕まえてごらん! 捕まえれる物ならねぇ!」

 

サッ!

 

 

ポーラはドラニコフを挑発するように、ドラニコフの周りをかなりのスピードで動き回り始めた。

 

 

ドラニコフ

「……………」

 

 

しかしドラニコフはひたすらポーラの様子を観察している……

 

 

 

 

 

 

 

イーグル

「あのドラニコフとやら……ハズレくじを引いたようだな、 ハハハ!」

 

 

イーグルはそんなポーラの様子を見て思わず笑い声を上げた。

 

 

キッド

「ハズレくじ? どーいう意味だい?」

 

 

キッドは飄々な口調でイーグルに尋ねた。

 

 

イーグル

「教えてやろう。ポーラは俺が率いる鉄騎隊六人衆の中で最も格闘戦に長けた戦闘のエキスパートなのだ…! 見ろ、奴は完全にポーラの動きについて行けていない! 俺にはドラニコフとやらが成す術もなくポーラに叩きのめされる姿が目に浮かぶぞ、ハハハ!!」

 

 

イーグルは誇らしそうに高笑いをした。

 

 

キッド

「へえ、そりゃ凄いな。じゃあ聞くけどさ、お前ら、産まれてから何年くらい経つ?」

 

 

キッドはイーグルの言葉をさらっと流した後、イーグルに質問をした。

 

 

イーグル

「1年も経ってはいない。我らが誕生したのはつい数ヶ月前の事だ! その短期間で我々はここまでの戦闘力を獲得したのだ! どうだ分かったか? 我々六人衆の強大さが!」

 

 

イーグルはキッドを圧倒するように大声を上げた。

それを聞いたキッドは……

 

 

キッド

「………分かったよ、よーく分かった。」

 

イーグル

「フッ 分かったようだな。我々の凄さが!!」

 

 

イーグルはキッドが怖気づいた物だと確信し、余裕の表情をしてキッドを見下すように鼻で笑った。

 

しかし……

 

 

 

 

キッド

「お前らがタダの"トンマ"だって事がよーく分かったぜ。」

 

 

キッドはニヤリと笑った。

 

 

イーグル

「何…? 貴様……どういう意味だ?」

 

 

キッドの言葉に、イーグルは意表を突かれたような顔をしてキッドに尋ねた。

 

 

キッド

「たった産まれて数ヶ月のガキが……ドラニコフをボコる? 笑わせんな。 ハズレくじ引いたのは……果たしてどっちかな?」

 

イーグル

「何だと…こいつ…!!」

 

 

キッドの言葉に、イーグルの精心は確実に乱された。

 

 

キッド

「まあ見てな。おめーらが引いたハズレくじは……半端モンのハズレくじじゃないぜ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポーラ

「ついてこれてる? この僕のスピードに!!」

 

 

ポーラはひたすらドラニコフの周りを俊敏に動き回り、挑発を繰り返す。

 

 

ドラニコフ

「……………」

 

 

それでもドラニコフはただ黙って観察を続けた。

 

 

ポーラ

「来ないならこっちから行くよ!!」

 

 

シュッ!!

 

 

その瞬間、ポーラは猛スピードでドラニコフの懐にステップインし、拳を軽く手前に引いた。

ドラニコフの顎へアッパーカットを放つつもりなのである。

 

 

ポーラ

「オラァ!!!」

 

 

ポーラは掛け声と共に、地面を強く踏み込み、ドラニコフの顎へ腕を伸ばした。

 

 

ポーラ

(クリーンヒットいただき…!!)

 

 

拳が顎へヒットする直前、ポーラは余裕の表情でそんな事を考えていた。

 

しかし……

 

 

ドラニコフ

「……!!」

 

 

その瞬間、ドラニコフは動いた。

なんとポーラのアッパーカットを、ギリギリの所でヘッドスリップで回避したのである!

 

 

ポーラ

「何!!?」

 

 

ポーラの拳は空を切り、勢い余ったポーラ自身は大きくよろめいた。

 

ドラニコフは、その瞬間を見逃さなかった。

 

 

ドラニコフ

「ガウッ!!」

 

 

バコンッッ!!

 

 

ポーラ

「うぅっ…!!」

 

 

ドラニコフは右拳を、隙が出来たポーラの顔面に勢い良く打ち下ろし、見事なまでのカウンターが炸裂した!

カウンターをモロに受けたポーラは、顔面を抑えて悶絶しながら膝をついた。見ると、鼻血をポタポタと落としている。

 

 

 

 

イーグル

「あのポーラが肉弾戦で打ち負けた…!? 馬鹿な!!」

 

キッド

「残念だったな。あいつがドラニコフをボコるには、まだまだ"経験不足"らしいな。」

 

 

そう言うとキッドはドラニコフの方を向いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラニコフ

「ガウ」

(立ちなよ)

 

 

ポーラ

「クソがッ!! 調子に乗ってんじゃねえ!!」

(畜生っ!! 思ったよりも活きたパンチ打って来やがる…!!)

 

 

するとポーラはドラニコフから距離を取るように走り出した。ダメージ回復に努めるようである。

 

 

 

 

ドラニコフ

「ワウ」

(皆の痛みはこんな物じゃないよ)

 

 

ドラニコフ

「………ワオーー!!」

(ショックガンーー!!)

 

 

カチッ

 

 

ドラニコフはショックガンを四次元マフラーから取り出し

走り回っているポーラを狙うっ!

 

 

ポーラ

「何だよそのオモチャみたいな銃! ハハ!」

 

 

ポーラはショックガンの特性が分からず、舐めた態度で嘲笑する。

 

 

ドラニコフ

「ガウッ!」

 

 

バンッ!

 

 

ドラニコフはショックガンの引き金を引いた!

 

そして放たれた弾丸はポーラの左足に直撃する!

 

 

ポーラ

「なに!?」

 

 

左足を撃たれたことによって足を痺らせたポーラは転倒する。

 

 

ドラニコフ

「……ガウ」

 

 

ドラニコフは何故か悔しそうな目をしていた。

 

 

スネ夫

「何で悔しそうなの?」

 

のび太

「急所を狙ってたんだよ。そうすれば一撃で気絶するんだ、あれ」

 

 

ドラニコフが悔しがっている理由が分からなかったスネ夫が質問すると、ショックガンの扱いに慣れたのび太が解説した。

 

 

スネ夫

「でも当たったものは当たったんだろ?」

 

 

更にスネ夫が質問をすると、のび太はこう答えた。

 

 

のび太

「ドラニコフの別名は殺し屋だったよね? 殺し屋は基本的には一撃で抹殺対象を殺さなきゃいけないんだ。重傷でも駄目、外すなんてもっての他。敵の反撃を受けるからね」

 

スネ夫

「なるほどね」

 

 

スネ夫はのび太の解説に納得した。

 

 

一方、転倒したポーラは……

 

 

ポーラ

(くそっ!! 足の痺れてやがるの…!!)

 

 

ポーラは痙攣する足を抑えていた。

 

 

ドラニコフ

「……ガウ」

 

 

カチッ

 

 

ドラニコフはショックガンの照準をポーラの頭に向ける。

 

 

ポーラ

「…!! クソが!」

 

 

ドンッ!

 

 

ポーラは自分の足を殴り、無理矢理痺れを治した!

 

 

ドラニコフ

「ガウッ!!」

 

 

バンッ!

 

 

ポーラ

「!!!」

 

 

シュッ!

 

 

ドラニコフはショックガンの引き金を引くが、足の痺れを治したポーラはショックガンの弾を間一髪で躱した!

 

 

ドラミ

「ギリギリで躱した!?」

 

エル

「自分の足を殴って痺れを治したというのか…!? そんな芸当が…!?」

 

 

エルとドラミは、ポーラがドラニコフの放った弾丸を回避したことに驚愕した。

そしてスネ夫はポーラが弾丸を回避出来た事を冷静に分析した…

 

 

スネ夫

「奴の並外れた耐久力が躱された原因だろうね…。恐らくショックガンの効果は通常の3分の1程まで減少していただろう。奴にとってはその程度だったら一瞬で痺れを治すなんて訳ないことだろうね。」

 

ドラミ

「……相当厳しい闘いになるわね。」

 

 

ドラミは長期戦を危惧し、ドラニコフを心配そうな目で見つめていた。

 

 

のび太

「………」

 

 

のび太は黙ってジッと2人の闘いを眺めていた。

 

 

ポーラ

「危ない危ない…フフッ」

 

 

ポーラは鼻で笑った。

 

 

ドラニコフ

「…………」

 

ポーラ

「あれ? 悔しくないの? 躱されてさ」

 

 

黙り込んだドラニコフにポーラは挑発的な言動でドラニコフを煽る。

 

 

しかし……

 

 

のび太

「あれ? 気付いてないの? 熊さーん」

 

 

のび太はポーラに向かって笑いながら言った。

 

 

ポーラ

「はぁ? 何がだよ眼鏡」

 

 

ポーラは自分を馬鹿にされたことに苛立ちを隠せなかった

 

 

ドラニコフ

「……フッ」

 

 

そしてドラニコフも笑った。

 

 

ポーラ

「? 何だよ? 何かあるのーー何だよ…? これ…」

 

 

ポーラは気が付いた。

ポーラの足元には謎の小さな"丸い"時計が散らばっていたのである。そしてその時計は謎のカウントダウンを始めていた…

 

 

のび太

「気を付けた方がいいよー、それ」 ニヤニヤ

 

ポーラ

「何だこれ…いつの間に!」

 

のび太

「君が足を痺らせた瞬間にドラニコフが撒いてたんだよ、どうやら君は僕並みのトンマみたいだね」

 

ポーラ

「お前…! トンマだと…!?」

 

 

ポーラの意識がのび太に集中する。

その隙をドラニコフは見逃さなかった!

 

 

ドラニコフ

「ガウッ!」

 

 

バンッ!

 

 

ポーラ

「ハッ! しまった!」

 

 

バタッ

 

 

ポーラは再び足を撃たれ、地面に倒れた!

 

 

ドラニコフ

「ガウッ!!」

 

 

バンッ バンッ バンッ!

 

 

そしてドラニコフは更にポーラの足に弾丸を叩き込んだ!

 

 

ポーラ

「この野郎…!!」

 

 

ドラニコフ

「ガウ」

(流石にこれならいくら君の耐久力でも動けないだろう)

 

のび太

「ほら、トンマじゃないか」

 

ポーラ

「お前!!!」

 

のび太

「それより良いの? そこに倒れたままで…」

 

 

のび太は意味深な表情を浮かべた…

 

 

ポーラ

「このカウントダウン……爆弾か!」

 

 

ポーラの表情が変わった、明らかにポーラは動揺している。

 

 

のび太

「爆弾だけど殺傷能力は無いよ、でもある意味普通の爆弾より強烈かな」

 

ポーラ

「強烈だと…!? まずい! ここから動かなきゃ!」

 

ドラニコフ

「ガウッ!」 (もう遅い、時間だよ!)

 

 

ドカーンッ!!!!

 

 

ドラニコフがそう言うと、辺りに散らばっていた時計一斉に爆発し、紫色の爆風を上げた……

 

 

そしてポーラは……

 

 

 

 

 

ポーラ

「ベロベロバー! オッペケペッポー! アジャラカモクレン!!!」

 

 

そんな奇声を発しながらマヌケな踊りをしていた。

 

その様子を見た一同は……

 

 

一同

「………………プッ」

 

一同

「ぶははははは!!!」

 

 

一ポーラのマヌケな様子に腹を抱えて大笑いを始めた!

 

 

イーグル

「おい…ぶははははは!!! 戦ってる最中に笑わすな!」

 

マタドーラ

「あははは!! おい! 傷が痛むじゃねーかコノヤロー!」

 

のび太

「あひゃひゃひゃ!! 4年前の僕そっくりだ!」

 

 

 

そう、ドラニコフが使った道具…それは「時限バカ弾」である。

 

時限バカ弾…タイマーをセットし、時間になると爆発する爆弾。 この爆発に巻き込まれると、どんな者も一時的にバカになる。

 

 

ポーラ

「……お前! よくも僕に恥をかかせたな…!」

 

 

恥をかいたポーラは怒りを剥き出しにしてドラニコフの方を向いた!

 

しかし……

 

 

 

 

 

ポーラ

「……おい……なんだよ…お前…?」

 

ドラニコフ

「ガウガウガウガウ……」

 

 

ドラニコフの様子が明らかにおかしいのである…

 

 

歯や爪は鋭く尖り、顔も狼のように変化していた…

そして目つきも凶暴なものへと変わっていた。

 

 

スネ夫

「え? ドラニコフに何が起こってるの…?」

 

ドラミ

「まさか……、ドラニコフは産まれた時に月光灯、一時的に狼になる道具ね。それを浴びたせいで丸いものを見ると狼化するのよ」

 

のび太

「丸いもの…時限バカ弾のことか!」

 

ドラミ

「恐らく本人は「時限バカ弾で相手を怒らせて攻撃を単調にし、落ち着いて倒す」という作戦があったのよ。でもドラニコフは狼化する事は想定外だったと思うわ…! こうなったら危険よ! 狼化した彼は…誰も止められない!」

 

ドラニコフ

「ワオーーーーー!!!」

 

 

ドラニコフは高々に遠吠えをする、ポーラはそんなドラニコフに恐怖を覚えていた…

 

 

ポーラ

「なん…なんだよ…?」

 

ドラニコフ

「……………」

 

 

タッ… タッ… タッ…

 

 

ドラニコフはポーラに向かって一歩ずつ歩み出した。

一歩近づく度に…ポーラの恐怖は増していった…

 

 

ポーラ

「く、 来るんじゃねぇ!!!」

 

 

ブンッ!

 

 

ポーラは恐怖のあまりがむしゃらにパンチを振るう。

 

 

ドラニコフ

「……………」

 

 

シュッ

 

 

ドラニコフは狼化すると反射神経、スピード、パワー共に桁違いに上昇する。 ドラニコフは難なくそのパンチを回避した。

 

 

ドラニコフ

「ガウッ!!」

 

 

シュッ!

 

 

ドラニコフは攻撃を回避したと同時に、鋭い爪でポーラの腕を狙った!

 

 

ザクッ!!!

 

 

ポーラ

「ああああ!!!?? 腕がああ!!?」

 

 

プシュゥゥゥ!!!

 

 

ポーラの腕はドラニコフの凄まじいパワーによって切断された!

大量の血液が腕の切断面から吹き出す!!

 

 

スネ夫

「うっ………」

 

 

グロテスクな光景にスネ夫は気分を悪くした様だった…

 

 

ポーラ

「あああああ!!! 痛い痛い痛いぃぃ!!!」

 

 

バタバタバタ!!!

 

 

ポーラは痛みのあまり床をのたうち回った!

 

 

ドラニコフ

「………」

 

 

サッ

 

 

そしてドラニコフは四次元マフラーから、大きな瓶に入ったタバスコを取り出し、

 

 

ポンッ

 

 

瓶の蓋を開けてそのまま……

 

 

ドラニコフ

「……………!」 ゴクゴク…ゴク…!

 

 

全て飲み干したっ!

 

 

ドラニコフ

「ガウゥゥゥゥ!!!」

 

 

ドラニコフはあまりの辛さに悶える。

 

 

のび太

「え? 何やってるの? ドラニコフは」

 

ドラミ

「彼は元々辛いものが苦手なの……狼化した時にわざとあんなのを飲むなんて……"火"でも吹く気かしら…」

 

 

ドラニコフ

「ガウガウガウガウ………ワオーーー!!」

 

 

ブオオオオオ!!!

 

 

高らかな遠吠えと共にドラニコフの口から巨大な炎が吐き出され、ポーラを襲う!!

 

 

ポーラ

「うああぁぁぁぁ!!! 熱い熱い熱い熱い!!!」

 

 

火炎放射を食らったポーラの体が燃え上がって行く…!

 

 

エル

「一体どういうメカニズムで辛い物で火が吹けるんだ…?」

 

 

エルは思わず呟いた。

 

 

ポーラ

「あああああ!!! あああああ!! ! 熱い熱い熱い!!! やめてくれよぉぉ!!」

 

ドラニコフ

「ワオーーー!!!!」

 

 

ブオオオオ!!!

 

 

ポーラは激しい断末魔を上げる! それでもドラニコフは火炎放射を止めない!!

 

 

ポーラ

「う……ポセイドン様…」

 

 

そしてポーラは瞬く間に燃え尽きてしまった。

 

 

ドラニコフ

「…………ガウ」

 

 

ドラニコフは目的を達成したと判断すると、元の姿へと戻って行った…

 

 

エル

「まさか完全に殺すなんて…あそこまでするのか…?」

 

 

エルはあまりの残酷さに少々困惑していた…

 

 

のび太

「戦った相手は必ず殺す。それが彼の流儀だったと思うんだ……狼化による暴走もあっただろうからね…」

 

 

ドラニコフ

「………ガウッ」(抹殺完了)

 

 

ポーラ……完全焼滅…!

 

一方その頃…

 

 

ドラメッド

「おお、ドラニコフがやったようであるな…ワガハイも急ぐである」

 

スネイク

「急ぐ? 私を倒すのは前提って事ね……舐めくさって!」

 

 

スネイクはドラメッドの態度に怒りを覚えた。

 

 

ドラメッド

「魔術師が蛇の上に立つのは当然であ〜る」

 

スネイク

「後悔するわよ!」

 

 

魔術師vs蛇

 

戦闘開始!




ドラメッド
「次回はワガハイの出番であ〜る 期待するである! ドラメッド3世ファンの諸君!」

キッド
「おめーにファンなんていんのか?」

ドラメッド
「いるとも! 多分」

一同
「多分かよ!」

ドラメッド
「それでは またな〜」

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