ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

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ジャイアン
「おい、タイトルこれやべえじゃねえか、ドラえもんズの活躍が目的で見てる人も居るんだぜ」

ドラえもん
「大丈夫、いいんだよこのタイトルで」

ドラミ
「ええ… それではどうぞ!!」


ドラえもんズ、ピンチ!?

狡猾な六人衆に囚われていたのび太達の下へ駆けつけた者たち。

 

 

それはドラえもんのかつての友、『ザ・ドラえもんズ』であった!

 

 

 

ポーラ

「は? ドラえもんズ? だっさい名前だね。フフッ」

 

イーグル

「どんな奴らが来るかと思ったら…虫が6匹か」

 

ミノタウロス

「えらく貧弱そうな連中だなあ! その程度で俺達を倒そうというのかあ!?」

 

六人衆

『アハハハハ!!」

 

 

六人衆はドラえもんズを見下すように大声で笑い飛ばした。

 

しかしキッドはクールに返した…

 

 

 

キッド

「良いのかなー? そんなに 隙 だらけで?」

 

ポーラ

「は?」

 

 

キッドの言葉の意味が分からない六人衆は頭の中にクエスチョンマークを浮かべる。

 

すると、六人衆の後ろの方から誰かの声が聞こえてきた…

 

 

ドラリーニョ

「おーーい! 王妃ってこの人ーー?」

 

 

六人衆は思わず後ろを振り返った。

 

 

ポーラ

「は…?」

 

ジャガー

「何じゃと…?」

 

のび太

「あれ…? いつの間に…?」

 

 

六人衆だけでなくのび太達も目を疑った。

そこにはスピアナのすぐそばでこちらに手を振るドラリーニョの姿があったのだ。

 

 

マタドーラ

「普通に考えてその綺麗なセニョリータしかいないだろ!」

 

王ドラ

「ドラリーニョ。王妃はあなたに任せますよ」

 

ドラリーニョ

「うん! 分かったよー!」

 

 

マタドーラと王ドラは当たり前の様にドラリーニョに返すが、六人衆は一体どうやってドラリーニョがスピアナに簡単に近づけたのか分からなかった。

 

 

イーグル

「な……どういうことだ!? 何をしたんだ貴様ら!」

 

ポーラ

「どうせ何かさっきの奴らみたいに小道具に頼ったんだろ…雑魚のやることさ…!」

 

ドラゴン

「落ち着いて下さい…どんな道具にも攻略法はあります」

 

 

ドラリーニョがどうやって姫に安々と近づけたのか…

六人衆は、ドラミと同じ様に何かしらのひみつ道具を使ったのだと推測した。

 

しかし……

 

 

 

キッド

「ザルにも程があんだろ、お前ら。」

 

王ドラ

「ちょっと何言ってるか分からないですね。」ニヤニヤ

 

ドラメッド

「フォフォフォ、未熟者であるな。お主達。」

 

 

キッドと王ドラとドラメッドは六人衆を小馬鹿にしたような態度を取った。

 

 

ミノタウロス

「何だとぉ! 俺様が未熟者だとぉ!?」

 

イーグル

「馬鹿な! 道具を使わずどうやって俺たちの注意網に引っかからずにあそこに行けたんだ!」

 

スネイク

「……道具じゃないとするなら一体なんなの?」

 

 

ミノタウロスは少しズレたリアクションを取り、イーグルは完全に困惑し、スネイクは不機嫌そうに尋ねる。

 

 

ドラニコフ

「……………ガウ」

 

キッド

「なになに……「僕が脳の足りない君達に教えてあげる」って言ってるぜ」

 

スネイク

(何故わかる…)

 

ミノタウロス

「脳が足りないだとぉー!?」

 

キッド

「……お前一々反応するとこがズレてるよな」

 

ドラゴン

「……茶番は要りません、教えて下さい」

 

 

ミノタウロスの反応に呆れるキッドだったが、ドラゴンが話の腰を折る。

 

 

ドラニコフ

「……………ワウ」

 

キッド

「「君達が大爆笑をしている隙にドラリーニョが王妃の下へ走っていった…それだけだよ」だとさ」

 

 

ポーラ

「は? 走って? 出来るわけないでしょ」

 

キッド

「それが出来るんだな」

 

マタドーラ

「ドラリーニョはドラえもんズ一の「俊足」だ。ある意味仕方ないぜ? お前らが全く反応出来なかったのはな」

 

ドラゴン

「俊足……それだけで…」

 

ジャガー

「ワシらの注意網を掻い潜ったんか?」

 

スネ夫

「……僕らも気付けなかったね…」

 

 

スネ夫は一杯食わされたと言わんばかりの苦笑いをした。

 

 

 

ポーラ

「……やってくれるね、ますます苛立ってきた…… とりあえず……脳が足りないとか言ったお前は死んでもらうよ!」

 

 

そしてポーラは突然、ドラニコフ目がけて突然襲いかかった!

 

 

のび太

「あ! 危ない…!」

 

 

ドラニコフ

「ガウ!?」

 

 

ドンッ!

 

 

ポーラのアッパーカットを食らったドラニコフは大きく後方へ吹き飛ばされた!

 

 

キッド

「ドラニコフ! よくも…やりやがったな!」

 

 

キッドは右手に付けた水圧砲でポーラを狙う。

 

 

ミノタウロス

「させんぞ! 必殺タックル!」

 

 

ドンッ!

 

 

キッド

「ぐああ! 何てパワーだ…! こいつ!」

 

 

ミノタウロスはキッドの攻撃をタックルで封じ、キッドを弾き飛ばした!

 

 

マタドーラ

「くそ! 強えぞこいつら!」

 

スネイク

「焦らない焦らない。それ♡」

 

マタドーラ

「ぐああ! くそっ!」

 

 

スネイクはマタドーラの後ろに回り込み首筋に噛み付いた。

 

 

ミノタウロス

「やはり足が速い奴がいる事だけが取り柄かぁ!ゴミめ!」

 

 

六人衆はドラえもんズの反撃を許す事なく一方的に攻撃を続けた…

 

 

キッド

「くそ! 強過ぎるっ!!」

 

王ドラ

「完全に相手の戦力を見誤っていました…!」

 

ドラメッド

「油断したである…!!」

 

マタドーラ

「ここまでとはな…!」

 

ドラリーニョ

「負けちゃうかも〜…」

 

ドラニコフ

「ガウ……」(こんなところで…!!)

 

 

ドラえもんズの勢いは完全に沈黙し、力尽きた全員は床に倒れ込んでしまった……

 

 

 

イーグル

「唐突な援軍に少しは驚いたが、所詮は大したことはないな! ドラえもんズは!」

 

ドラゴン

「修行が足りないのでは無いですか? 先ほどの彼らの方がまだ歯応えがありましたよ。」

 

ポーラ

「雑魚のクセにしゃしゃり出てくるからこうなるんだよ。さっさとお家に帰りな!」

 

六人衆

『フハハハハ!!』

 

 

ドラえもんズを叩きのめした六人衆は大きく高笑いをした。

 

しかし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キッド

「………なあ? もう動いていいよな? 王ドラ、そろそろ我慢出来ねーぜ。」

 

王ドラ

「ええ、のび太さん達の治療は一通り終わりました。さて、そろそろ"始めますか"」

 

キッド

「そーだな。」

 

 

なんと先ほどまでボコボコにされていた筈のキッドと王ドラが余裕をかまして話しているのだ。

 

 

のび太

「あれ…? いつの間にか…僕らを縛っていた縄が解けてる…?」

 

エル

「しかも新しく巻かれているのは……包帯?」

 

スネ夫

「一体……何が起こっているんだ…!?」

 

 

 

のび太達はいつの間にか、自分たちを縛っていた縄が解かれ、代わりに包帯が巻かれていることに気が付いた。

 

 

イーグル

「どういうことだ? 治療は終わった? さっきまで貴様らは俺たちと戦っていただろう!」

 

キッド

「ドラメッド! お疲れさん!」

 

ドラメッド

「はいさ」

 

 

イーグルの問いかけを他所に、ドラメッドの言葉と同時に地面に突っ伏していたドラえもんズの6人は楽々と立ち上がった!

 

 

マタドーラ

「ふぅ〜、いい昼寝(シエスタ)だったぜ…」

 

王ドラ

「マタドーラ、昼寝は時と場合を考えて下さい。」

 

マタドーラ

「うるせーっての」

 

 

目をこすって大きくあくびをしているマタドーラに、王ドラは軽く注意を促した。

 

 

 

ポーラ

「お前ら……何故立てる…!?」

 

 

余裕綽々のドラえもんズに、 ポーラは困惑した様子で問うた。

 

 

キッド

「お前、ドラニコフに最初パンチを食らわせたろ? でもあれは"食らっていて食らってない"んだ。辛かったぜ……俺たちは"ただ地面に伏せているだけ"なんてよ」

 

ドラゴン

「? 言っている意味が分かりません」

 

キッド

「幻術……さ」

 

 

ドラゴンはとてもキッドの言葉が信じられない様子であった。

 

 

ドラゴン

「まさか……! 私たちが戦っていた相手は全て幻だったと言うのですか?……あり得ません!」

 

ドラニコフ

「ガウ」(固定観念は良くないよ。)

 

ドラメッド

「ワガハイの笛の音色を聞いた者は例外なく幻術にかかってしまうのであーる。まあ尤も、お主らはワガハイが笛を吹いた事すら気付いてなかったようであろうが。」

 

マタドーラ

「ドラメッドは超一流の笛使いだ、幻術なんて朝飯前なんだよ!」

 

 

マタドーラとドラメッドは誇らしげに言った。

 

 

キッド

「つまりお前らは俺たちに踊らされてるとも知らずに見えない相手と闘ってたって訳だ。恥ずかしいな、お前ら。」

 

ポーラ

「は?……ふざけんなよ…!! 笛を使った幻術なんてありえない!! 何かタネがあるんだろ!!」

 

 

ポーラはその事実に納得が出来ず、怒りの声を漏らした。

 

 

マタドーラ

「聞く耳を持ちやがれ。一度言っただけじゃ分からねえのか? てめえは。」

 

 

マタドーラはポーラを小馬鹿にしたような態度を取りながら言った。

 

 

マタドーラ

「俺以上の脳筋ヤローだな、てめえ。」

 

ポーラ

「くそっ!! 馬鹿にしやがって……!!!」

 

 

そんなポーラの怒りは徐々に蓄積されて行った……

 

 

ドラゴン

「彼らの策に我々はまんまと引っかかっていたのか…! やられた…!!」

 

 

ドラリーニョ

「王妃は無事に未来の方に避難させといたよー!!」

 

 

ドラリーニョが壁に開いたタイムホールからひょっこりと顔を出す。

 

 

王ドラ

「お疲れ様ですドラリーニョ」

 

ドラニコフ

「ガウ」(お疲れ)

 

 

ドラメッドの幻術……それは六人衆にあたかもドラえもんズと戦っているように見せる術であったのである。

その隙に王ドラは負傷したのび太達の治療、そしてドラリーニョはスピアナの保護を行っていたのであった。

 

 

イーグル

(待て…! それよりも…! 俺達が幻術にかかっていた時間は約5分……そんな短時間で奴はあの小僧共の応急処置を終わらせたと言うのか…!? 何て奴だ…!!)

 

 

イーグルは冷や汗を流しながら、落ち着いた様子の王ドラを驚愕の目で見た。

 

 

 

 

のび太

「その幻術に僕らもかかってしまっていたのか……」

 

エル

「でも…ドラえもんズは何故幻術にはかからなかったんだ?」

 

ドラミ

「耳バンよ」

 

スネ夫

「耳バン? 付けると特定の音が聞こえなくする事が出来るアレか…ってドラミちゃんは最初から幻術だって分かってたの?」

 

ドラミ

「勿論よ」

 

のび太

「初めから全てドラえもんズの術中だったって事か……凄い」

 

ドラミ

「ウフッ それが……ドラえもんズよ!!」

 

 

ドラえもんの切り札、ザ・ドラえもんズ。

 

 

個性的な面々が多いが、その実力は本物である。

 

 

 

 

 

 

 

『ドラメッドⅢ世』

 

体表…桃色

特技…笛、魔法

活躍地…サウジアラビア

 

別名…「古代アラビア砂漠伝説の魔術師」

 

 

『ドラリーニョ』

 

体表…黄緑色

特技…運動

活躍地…ブラジル

 

別名…「ブラジルの若きスーパーストライカー」

 

 

『ドラニコフ』

 

体表…茶色

特技…コサックダンス、マーシャルアーツ

活躍地…ロシア

 

別名…「ロシアの殺し屋」

 

 

『エル・マタドーラ』

 

体表…赤色

特技…闘牛、怪力

活躍地…スペイン

 

別名…「スペインは赤き情熱の闘牛士」

 

 

『王ドラ』

 

体表…橙色

特技…カンフー、漢方医学(一応医師免許あり)

活躍地…中国

 

別名…「中国四千年究極のカンフー」

 

 

『ドラ・ザ・キッド』

 

体表…黄色

特技…射撃

活躍地…USA

 

別名…「Mr.アメリカン・ドリーム」

 

 

 

キッド

「さて、"戦闘開始"だな」

 




ジャイアン
「す、凄え…」

ドラえもん
「ね? 言ったでしよ?」

キッド
「次回からは俺たちが大暴れだぜ! それじゃあな!」

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