ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

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ドラえもん
「いやー今回は皆がキレまくるよ(笑)」

ジャイアン
「タイトルの意味……わかんねーな」

スネ夫
「細かいことはいいんだよ、それではどうぞ!!」


First Card

ドラえもん達は一旦集落に戻り、寝込んでいるペコに事情を説明していた…

 

 

ドラえもん

「ーーという訳なんだ。」

 

ペコ

「やはり…簡単には行きませんね…。」

 

静香

「でもまだサベールが来ないと決まった訳じゃないわ、とにかく5時まで待ちましょう!」

 

ジャイアン

「ああ、今は午前11時か…あと6時間だな。」

 

ドラえもん

「それまで何をしようか…。」

 

 

サベールとの約束の時間まで6時間。

時間に余裕のあるドラえもん達は残った時間をどう過ごすか考えていた…

 

 

ペコ

「そういえば、のび太さん達の方は今どうされているでしょうか…?」

 

 

ペコは何気なく呟いた。

 

 

ドラえもん

「そうだ!もう王妃を救出できていてもおかしくない時間だ!」

 

 

するとその言葉に、ドラえもんは咄嗟に反応した。

 

 

静香

「皆ならきっとやってくれてるわよ!」

 

ペコ

「そうですね……きっと!」

 

 

静香の言葉に、ペコは笑みをこぼした。

 

そしてドラえもんはポケットから腕ラジオを取り出すとのび太にコールする。

 

しかし……

 

 

 

ドラえもん

「……どうしたんだ? ……通じない…!!」

 

ジャイアン

「何だと…!?」

 

静香

「のび太さん……どうしちゃったの…?」

 

 

ジャイアン達は激しく動揺した。

 

 

ドラえもん

「頼む…! 応えてくれ…!!」

 

 

ドラえもんはのび太との通話を試みようと、何度ものび太の腕ラジオにかけ直していた。

 

しかしそれでものび太からの応答は無かった。

 

 

ジャイアン

「ドラえもん、腕ラジオを使った通信が出来ない場所っていうのはあるのか……?」

 

 

ジャイアンはドラえもんに問いただした。

 

 

ドラえもん

「……腕ラジオは世界のどこに居ても通信が出来る道具なんだ…。だからのび太君達が通信の圏外に居る可能性は……ない」

 

 

ドラえもんは肩を落とし、落胆した。

 

 

ペコ

「恐らく……腕ラジオの故障、もしくは腕ラジオを何者かに壊されたのでしょう…。」

 

ジャイアン

「………くそっ!!俺が助けに行く!」

 

ドラえもん

「無駄だよジャイアン!!」

 

 

ジャイアンはのび太らを助けようと、民家から出ようとするが、ドラえもんがそれを制止する。

 

 

ジャイアン

「ドラえもん……くそっ!!」

 

 

咄嗟に我に返ったジャイアンは、もどかしげな表情で家の梁を強く叩いた。

 

 

ドラえもん

「皆……もう一度コールする。それでもしのび太君が出なかったら…一枚目の切り札を切る。」

 

 

ジャイアン

「何だって…?…切り札…?」

 

静香

「何よ……一枚目のって…?」

 

ペコ

「そんな物があるのですか?」

 

 

切り札。

ドラえもんは確かにそう言った。

一同の頭には疑問しか無かった…しかしドラえもんはこう言った…。

 

 

ドラえもん

「…飽くまで出なかったらの話だよ……じゃあ、コールするよ…。」

 

ドラえもんは腕ラジオを操作し、のび太に繋いだ。

 

すると……

 

 

 

ピッ!

 

 

ドラえもんがのび太の腕ラジオにコールしてから数秒程で、向こうから応答があったのだ。

 

 

 

 

ドラえもん

「通じた!! のび太君! 皆! 大丈夫かい!?」

 

ジャイアン

「心配させやがって…バカヤローが。」

 

静香

「のび太さん…。」

 

ペコ

「信じてました…。」

 

 

通信の応答があった事に全員は安堵の表情を浮かべた。

 

しかし…

 

 

 

 

 

 

???

《4人は大丈夫だぞ? 4人仲良く捕まっているがねぇ!!》

 

 

その声の持ち主はのび太では無かった。

当然スネ夫、ドラミ、エルの声でも無い。

 

 

ドラえもん

「な……誰だお前は!!」

 

???

《おっと、忘れたのか? 4年前に一度会ってる筈だが?》

 

ジャイアン

「4年前だと!?」

 

 

通信先の声の主は思わせぶりな発言をし、ジャイアン達の混乱を仰いだ。

 

しかし、ジャイアン達の中でただ一人、この状況下で全く混乱していない者が居た……。

 

 

静香

「それはそうと……のび太さんを…皆をどうしたの……"ポセイドン"っ!!!」

 

一同

『!!??』

 

ポセイドン

《ほう…やはりお前は覚えていたか……源 静香。》

 

静香

「その声…忘れもしないわ…!」

 

 

静香は因縁の相手、ポセイドンとの喜ばしくない再開に、怒りを覚えた。

 

 

ドラえもん

「どういう事!? 何故僕らが倒したポセイドンが生きているんだ!」

 

ペコ

「まさか…死者が蘇るとでも言うのか…?」

 

静香

「何故かは分からないわ……でも海底鬼岩城とこの声……ポセイドンしかあり得ないと思ったの!」

 

ポセイドン

《流石だな小娘が。貴様らの仲間はワシが率いる「鉄騎隊六人衆」が捕らえたぞ…!! どうだ? 仲間の声を聞きたいか?》

 

ジャイアン

「鉄騎隊六人衆だと…?そいつらにのび太達はやられたってのか…? 奴らがそんなタマかよ!!」

 

 

ジャイアンの目には、悔しさがあった。

親友が敵に打ちのめされてしまった事実を認めたく無いという悔しさが。

 

 

 

静香

「……皆の声を…聞かせて。」

 

ポセイドン

《おい、貴様らの仲間が話たがっておるぞ!》

 

 

 

 

のび太

《静香……ちゃん…皆…来ちゃ…駄目だ…。》

 

 

腕ラジオ越しに、のび太の今にも消え入りそうな声が聞こえて来た……

 

 

静香

「のび太さん…!! 残る3人は無事なの…!?」

 

のび太

《皆……ボロボロだけど…辛うじて生きてるよ…。》

 

ドラえもん

「ボロボロ…? ポセイドン……お前!! 皆に何をしたんだ!!」

 

 

ドラえもんはのび太の言葉を聞き、ポセイドンに向けて怒りを露わにした。

 

 

ポセイドン

《正義の鉄槌を下したまでだ!!》

 

 

ドラミ

《この…卑怯者!!》

 

スネ夫

《…許せない!》

 

エル

《汚い手を使ってまで……勝ちたいのか!! お前は!!》

 

ポセイドン

《おっと、まだ制裁が足りんようだな……やれ》

 

 

 

ドラミ

《きゃあああ!!!》

 

スネ夫

《うう!!くそっ!!!》

 

エル

《ぐあああ!!腕……がぁ!》

 

 

ポセイドンは部下に指示を出し、徹底的にドラミ達を痛めつけている様子であった…

 

 

ジャイアン

「止めろ!! 頼むから止めてくれ!!」

 

 

ジャイアンはポセイドンに、攻撃を止めろと懇願した。

 

しかし……

 

 

ポセイドン

《それは出来んなあ! こやつらはワシに二度も逆らった悪だ! だからもっと痛めつけんとなあ! フハハハハ!》

 

 

ポセイドンに対するジャイアンの願いは、残酷なまでに切り捨てられた。

 

そしてポセイドンの声の後ろから聞こえる殴打の音は、より一層激しさを増していった………

 

 

 

ジャイアン

「てめえら……!! こんな事してタダで済むと思うんじゃねえぞ!!」

 

 

ジャイアンはギリギリと歯軋りをしながら、目をギラつかせて拳を深く握り締めた。

 

 

静香

「ポセイドン……何て事を…!!」

 

ペコ

「……許せません!!」

 

 

全員の目は既に激しい怒りに満ちていた…。

 

 

ポセイドン

《フハハハハ!!! 哀れだな!! 王妃を助けようと乗り込んだかと思えば、逆に自分達が捕まるとは!! もう貴様らに仲間は居ない!! 大人しく投降しろ!! フハハハハ!!》

 

 

ポセイドンは腕ラジオ越しにドラえもん達を見下すように高笑いをする。

 

 

ドラえもん

「………皆、僕はもう…怒りを抑えきれない…!! 切り札を…切らせてもらう!!」

 

 

ドラえもんはそう言った後にポケットから謎のカードを取り出した…!!

そしてそのカードは謎の光を発した!

 

 

ポセイドン

《ん? 何だ? 何をしている?》

 

静香

「一体そのカードは…」

 

ジャイアン

「何なんだ…?」

 

ペコ

「それが…切り札…なのですか?」

 

ドラえもん

「タイム電話!!」

 

 

ドラえもんは3人の言葉を無視し、更にポケットから道具を取り出す!

 

 

タイム電話…時空を超えての通話が可能な電話機。

 

 

ドラえもんはタイム電話を操作すると受話器を耳に持って行き、通話を始めた。

 

 

ジャイアン

「一体何をするつもりなんだ…?」

 

 

ドラえもんの行動の意味が全く分からない一同であったが、ドラえもんに何か考えがあると言うのは分かっていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラえもん

「もしもし、久しぶりだね……"皆"、緊急事態だ!! こちらから時間と座標を転送するから至急そこへ向かって欲しい! ドラミ達が……捕まっているんだ…! 必ずテキオー灯を浴びてからそこへ向かって欲しい! 頼んだよ!」

 

 

ドラえもんは電話の奥の相手…いや、数人に向かって簡潔に事情を説明し、電話を切った。

 

 

ドラえもん

「『もうお前達に仲間は居ない』と言ったなポセイドン、だけどそれはお前達の最大の誤算だ!」

 

 

ポセイドン

《何だ? 何をしようとしている…?》

 

 

ポセイドンはこちらの状況が分からずドラえもんに問いかける。

 

 

ドラえもん

「ポセイドン……お前…いや、お前達がどういう目的で僕達の仲間を傷付けているかなんて分からない……だけど僕らはお前達を絶対に許さないぞ……!!!」

 

 

ポセイドン

《貴様が私達をどう憎もうと状況は変わらんぞ?》

 

 

ドラえもん

「確かにそうだ…僕達はそちらには出向けない。だが僕の仲間をそこへ送り込んだ…!! 並大抵の連中じゃない!! 最後に泣きを見て許しを乞うのは……お前たちだ!!」

 

 

ポセイドン

《……何だと?》

 

 

ドラえもん

「必ず彼らは皆を助け出す!そして必ず…必ず!! お前達を潰す!!!」

 

 

 

ドラえもんの怒り……それはすでに頂点に達していた。

 

 

 

 

 

 

仲間とは一体何なのか…それはタイムホールの中を全速力で駆け抜けて、のび太らの下へ向かっていた…。

 

 

 

 

 

 

???

「久しぶりに呼び出しがあったと思ったらこれだもんな!」

 

 

ドラえもんの仲間のリーダー格が言う。

 

 

???

「あんさんの友達はえらい人遣いや馬遣いが荒いやないか!」

 

 

リーダー格の乗っている馬がリーダー格の男に対して関西弁で文句を言う。

 

 

???

「とにかく急ぎましょう! ドラミさん達が人質に取られている今、彼女達がいつ殺されるかも分かりません!」

 

 

比較的穏やかな性格の者が全員に急ぐ様に言う。

 

 

???

「水がないことを願うである…。」

 

 

水が苦手な一人が特徴的な言い草で言う。

 

 

???

「まあ俺様がいれば十分だろうな!」

 

 

自信に満ち溢れた男が声を張り上げる。

 

 

???

「それはないと思うなあ…。」

 

 

フランクな性格をした者がその発言に対して否定をする。

 

 

???

「…………。」

 

 

一人だけ黙り込んでいる無口な者もいた。

 

 

???

「ほら!この子もそう言ってるよ!」

 

 

どうやら一同は無口の男が何を考えているか分かるようである。

 

 

???

「何だとお前ら!」

 

???

「……!! もうすぐ到着です! 各自!テキオー灯を浴びて下さい!」

 

 

 

そして全員はテキオー灯を浴び、海底鬼岩城に降り立った……。

 

 

 

 

 




静香
「ドラちゃんが呼んだ仲間…一体誰なんでしょう?」

ドラえもん
「もうすでにお察しの方も居るかも知れないけど、詳しくは後々…それでは!!」

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