ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

14 / 47
のび太
「両サイドの話を書くとなると、やっぱり僕たちの出番が少なくなっちゃうね〜」

スネ夫
「確かに、このハンサムな僕がいないドラえもんなんてドラえもんじゃない!!」

一同
『それはない』

スネ夫
「え〜!!?何だよそれ!」

ドラミ
「ささ、始まるわよー!」

スネ夫
「待ってよ〜!!!」


サベールへの接触

鳥の囀りが聞こえる……

 

何時もと変わらない朝である。

 

 

サベール

「ん………」

 

 

目を覚ましたサベールは、目をこすりながらベットから起き上がった。

 

サベールは王国から遠く離れた場所に4年前から家を建て、人知れず暮らしていた。

 

 

サベール

「……昨日私が襲った相手……間違いない、クンタックだ……今更謝っても許してはくれないだろう……それに私は何処にも属さないと決めたのだからな」

 

 

サベールは4年前の敗北以来、誰の手も借りず、孤立無援で生きて来た。

彼はのび太との勝負の敗因が、組織に入ったことによる油断と慢心であったからだと考えた。

だからサベールは敢えて孤独になる事で、過去の自分にけじめを付けるつもりだったのだ。

 

 

 

サベールは身支度をし、外へ出た。

ジャングルと言えども早朝だ、それなりに気温は低い。

サベールは少し肌寒さを感じながら歩き始めた。

行き先はサベールの家から少し離れた彼の母の墓。

彼は毎朝、母の墓へ通うことを日課にしていた…

 

 

 

サベール

「……………」

 

 

母の墓に着くとサベールは墓の前に花束を供え、黙祷をした……

 

 

 

サベール

「母上、あなたが亡くなってから今日で丁度10年が経ちます……あなたの最後の言葉を……私はまだ覚えています……」

 

 

サベールの母は死ぬ間際に、サベールへ最後の言葉を遺していた…

 

 

サベールの母

(サベール……今は友達が出来なくて一人でも……きっといつか…あなたを認めてくれる友達が出来るわ…)

 

 

(強くなりなさい、自分のため…そして…"友達"の為に…)

 

 

 

そんな言葉をサベールに遺し、彼女は息を引き取った……

 

 

 

サベール

「母上、私はまだ弱い…友人すら出来ていない……あなたとの約束を私は果たせたのでしょうか…?」

 

 

その時、サベールの目には涙があった……

 

 

サベール

「私は4年前…やってはならない事をした……だから今はその贖罪として……国を襲った集団を立て続けに襲撃しています……しかしその際、クンタック陛下をも傷付けてしまった…」

 

 

サベールのペコへの攻撃。

それはチッポの言う通り、わざとでは無かった…

 

 

サベール

「私は……どうすれば良いのですか…」

 

 

 

途方に暮れ、泣き崩れるサベールに声を掛ける者達がいた…

 

 

 

 

 

???

「やっと見つけたぜ、おい! お前サベールだろ!?」

 

 

サベール

「……! 誰だ!」

 

 

サベールは咄嗟に涙を拭い、腰に差した剣の柄を握りながら後ろを振り返った。

 

 

そこには…ドラえもん、静香、ジャイアンが居た……

 

 

 

静香

「やっぱり間違いなかったわね…サベールは生きていた」

 

 

サベール

「お前達は……!?」

 

 

サベールは目を丸くし、かつての敵との邂逅に戸惑いを隠せなかった。

 

 

ドラえもん

「ペコ…いや、クンタック陛下から頼まれて来たんだ。単刀直入に言うよ…サベール、僕らの仲間に入って欲しい…」

 

 

そう告げるとドラえもんは頭を下げた。

 

 

サベール

「な……」

 

 

サベールはドラえもんの言葉に驚くが、すぐにこう返した。

 

 

サベール

「……断る」

 

 

ジャイアン

「どうしてだよ? 聞いたぜ…お前は王国を襲った連中を倒し続けているってな……俺らの敵もそいつらなんだ!! 『迅速のサベール』って言われてた奴の力を……俺たちに貸してくれ!」

 

 

ジャイアンは深く頭を下げるが、サベールの表情は一つも変わらない。

 

 

サベール

「……失せろ。『迅速のサベール』は、4年前に死んだ。今残っているのは心の無いただの廃人だ。」

 

 

静香

「そんな事言ったって…あなたには分かっていなくてもあなたには善の心があるの…! だからお願い…」

 

 

サベール

「善だと? 私にはそんな物は似合わない。私は悪役で十分だ…」

 

 

ドラえもん

「例え悪役でも……人を助ける事はできる…! それに人を思う心が…君にはまだ残ってる筈だ!」

 

 

サベール

「…これ以上構うのなら…斬るぞ。まだ子供だからと言って容赦はしない。」

 

 

サベールはドラえもん達に鋭い眼差しを向け、腰に下げた剣の柄に手を掛ける。

それがはったりのようには到底思えなかった。

 

 

ドラえもん&静香

「……!!」

 

 

サベールの行動に2人は思わず身構えたが……

 

 

 

ジャイアン

「………分かった」

 

静香

「武さん!?」

 

 

ジャイアン

「考えさせる時間をやる、もし仲間になる気があるなら…

この先の集落に午後5時に来い、場所は知ってんだろ」

 

 

ドラえもん

「ジャイアン…それでいいの…?」

 

 

ドラえもんはジャイアンに小声で問いかけた。

 

 

ジャイアン

「あくまで本人の意思だ。無理矢理チームに入れても意味がねえ」

 

 

静香

「……それもそうね」

 

 

サベール

「分かった……だが期待はしないことだ。」

 

 

 

そう言うとサベールはジャングルの奥へ消えて行った。

 

現時刻は午前7時である。

 

 

ドラえもん

「…一旦ペコの下へ戻ろう。」

 

 

ドラえもん達はペコに途中経過を話す為に集落へ戻って行った…

 

 

 

 

 

一方その頃……宮殿では……

 

 

総司令官

「全体整列!!!!」

 

 

ザッ!!!

 

 

ゼクト総司令官率いる約1000体の兵士達は一斉に編隊を組んで整列する。

 

 

総司令官

「今回の作戦は、死に損ない共を皆殺しにすることだ!

少しでも敵に情けを掛ける者が居れば……その場で処刑する!!!分かったな!!」

 

 

兵士達

「ハッ!!!!」

 

 

総司令官

「作戦開始は今夜12時だ!!!準備を怠るな!!!」

 

 

兵士達

「ハッ!!!」

 

 

 

 

総司令官は集落の襲撃の為の準備を着々と進めていた…

 

激闘が……始まる…

 

 

 

 




スネ夫
「あのさ、今回ジャイアンかっこよすぎないか?」

静香
「確かに台詞が大人びてたわね、作者が言うにはね『キャラクターの台詞などは元ネタがかなりある』らしいから……武さんの台詞もどこからか拾ってきたんでしょう」

のび太
「要するにパクりだね、うん」

ドラえもん
「まあいいじゃない、それでは!またねー!!」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。